プープーの罠
2004年09月29日(水)

非力の力量

会社の女子トイレの入り口のドアが壊れた。
開けても自然と閉まる仕組み
のところのネジが飛んで、開きっぱなし
になってしまうのだ。
この2ヶ月で2回目である。

力の強さ というのは絶対的に男性が優れている
のは確かなことですが、
日常の動作で使われている力量というのは
女性の方が強いように思う。
ドアを開ける、閉める
ボタンを押す
椅子を引く。
引き出しを出す。

靴底のせいだけじゃないでしょう
華奢な女性 が地団駄を踏んでいる
かのようにガツガツと音を立てて歩き、
おっとりした女の子 が、気でもふれた
かと思うような勢いでガンガラガッシャンと
トイレットペーパーを引き出している。

2004年09月23日(木)

それは魂のように独立した意志を持ち、ひとり歩く。

トシの会社がビジュアルプロデュース
に関わっているフォーラムに
無料で招待してくれるとのことで、
それには眉も間接的に関わってるらしく
久しぶり、眉とトシと会いまして丸の内。
3人で会うのは卒業以来、初めてのことです。

私は普段接する人は大方 年上の人ばかり ですが
彼らはみな フランクに接してくれるので
年の差を感じる機会があまりない むしろ
無遠慮で失礼な私の態度にいちいちムッとしない
オトナの方々なのですが、
この二人は私の数少ない同い年の友人であり
私のことを 鬼 または 悪魔 と呼び、
それから たかだか数カ月
早く生まれたことを大人ぶり、
私のことは妹のように、
そしてわがまま姫として扱ってくれます。
気の置けない友人なのであります。

プロデューサーに挨拶する眉について行き、
眉の、フォーマル
までは硬くないがコギレイな服装と
シックな色合いの花束を渡している
ビジネス・モードを遠巻きに眺めて
あら、オトナになっている、とぼんやり思う
一方、私は手ぶら・Tシャツ・ジーンズで完全な場違い、
挨拶しているところから離れて立って傍観者を気取るも
プロデューサーは眉と私を交互に見て
「あら〜アナタ達キョーダイ?」
と、大きな声で問いかけてくる。

私は本当に傍観者を気取っていたそれはまるで
道端でパントマイムを眺めるかのごとく
絡まれない程度に距離を置いて腕を組み
物珍しそうに眺めていたので、今更
しゃきんと立ち直すのもおかしいかなぁと
うっひゃっひゃと品のない愛想笑いをしながら
とりあえずぺこりと頭を下げた。
挨拶というよりは"キョーダイ"にうなづいた
ように見える案配だったかも知れないと思いながら
スミマセン〜と謝りながらエビのように撤退
する眉に連れられて会場に入る。
 浅田といると全部アンタペースになるから何か調子狂うわ、
 スマートに花渡してキメるハズだったのに!
と眉に睨み付けられる。
私達は特に似ているわけではない。

フォーラムでは講談を聞き、講演を聞き
自発的に触れることはまずないであろうカルチャーに
感嘆と睡魔が折り合いをつけて共存する時間に浸かる。

 鏑は海へ入りければ、扇は空へぞあがりける

平家物語はそういえば昔暗記していた
ことがあることを思い出す。


その後、仕事を切り上げたトシと合流し
ご飯を食べに新宿へ移動。
中華料理を囲んで話すことは学生時代と何ら変わりなく、
ここだけ時が止まっているような感覚、
けれど確実に時は進んでいて
眉はディレクターとしてテキパキと仕切っているし
トシはグラフィック界の大御所の下で
いろいろな経験を積んでいる。

 そうだ今度一緒に組んで仕事しようよ、
 俺がグラフィックやるから浅田が映像やって
 眉がプロデュースしたらいい。


二人は学生時代と変わらない目をしていて、
今だに夢に溢れている。
眉は絵を描くのをやめたけれど、
それは挫折したわけではなく
夢が より具体的に、明確になったからであり
自分で描くよりも、そのシチュエーションに最適な作風
を持った人を選び出し、自分の思い通りに描いてもらう
ことによって、自分の仕事の幅とバリエーションが格段に拡がること、
また、そういったディレクションのエキスパートになりたい
と彼女は気づいたのだ。
実際に現実になるのも もはや夢では ない。

一方、私はどうだ。
ただ首を横に振り、人の夢まで頭ごなしに粉砕する。

 私はダメよ、もう映像やってないし、
 仕事を選ばないし 飽きたらすぐ辞める ただの
 派遣社員だから。

 浅田は現実的すぎていけない。
 腰が重すぎるのも慎重すぎるのも悪いとこだ。
 それから自己評価がシビアすぎる。
 下を見ればキリがなく、自己満足するのは容易いけれど
 上を見たってキリはない。
 十分に胸が張れるだけの実力があるんだし
 並み大抵のことは何でもできるんだから。
 自分で過小評価してチャンスつぶしてどうするの。
 今も映像やりたいんでしょ?


それは過大評価だ。
二人が実際に目の当たりにして知っている
私の能力は学生時代だけの話だ。
私は確かに学年で首位にいたが、それは単に
授業に対して生真面目だっただけであり
しかもその学生時代からどれだけの時間が過ぎているのか。

映像がやりたかった

そうだ、私は学生時代、確かにそう言っていた。
そんなことまるきり忘れていた。
やりたいことなんてもう見失っているんだもの。

2004年09月20日(月)

ある文学青年は思い悩み開き直ってそれを少しずつ吐露する。

朝起きたら父親はでかけていて
にゃんこが私を眺めているだけだった。
しばらく相手をして遊ぶも
昨日から体のあちこちが痒い。
あまり長時間そばにいたことがなかったので
今まで気づかなかったけれど、
私はどうやら猫アレルギーの気配。

いつか自宅で仕事をするようになったら
ミキさんみたいにネコを飼うのが夢だったのになぁ。

新宿に寄ってから帰ろうかと電車に乗っていた
ところに森君から電話があり、
一度新宿で待ち合わせ、私はCDを買い、
それから日も暮れぬうちから
うちの近所のいつも行く居酒屋に行く。

仕事は至って順調のようです。
新しい場所に引っ越し、新しい人も入った。
やはりガン細胞がなくなれば多少は再生するのである。
会社自体が悪性腫瘍なのはまぁ置いておいたにしても。

森君はお酒に弱いわけではないけれど
二人でむちゃくちゃに飲んだことはなく、
だいたい『食べる』メインになるので
居酒屋でなくてもいいのに居酒屋を選ぶのは
こまごまといろいろ頼めて安いからである。

10時にもならないくらいに店を後にして解散、
私はぷらぷらと歩いて帰り、買ったばかりのCDを開ける。
ハニちゃんは今は男の子と遊んでいる方が楽しい様子。

2004年09月19日(日)

アポカリプスの夫婦

久しぶりに実家に帰った
ものの、母親は毎年恒例らしき友達と旅行、
父親と二人きりである。
あとにゃんこ。

うちの家族は会話がない。
仲が悪いわけではない
かと言って、良い わけでもないけれど
それが 普通 である。

 「映画でも行きますか。」

見えない何かに戦いを挑んでは
空振りをごまかすように私の
二の腕の内側や足の指に飛びつき
柔なところを狙いすまして噛みつく
にゃんこを良いようにからかって遊ぶ
私を見て父はそう言い、
そうですねぇ、と私は言う。
父が知っている映画にしようと
ネットで調べてみるも特にめぼしいものはなく、
この場合、題名を聞いたことがあるか否か
で、なのですが、結局どれも知らないしだったら
どれを観ようが似たようなもの
なので本当はアンジェリーナジョリーの
テイキングライブスが見たかったですが、
何となく 父親を自分の趣味に付き合わせる
ってのはどうなのかという妙な抵抗感があり、
「これCMで観た」ということで
バイオハザードを観に行く。

新しく出来たというシネコン
へぇキレイなのねと見回して振り返ると
父の姿はなく、私はそこら辺に座り、再びあたりを見回す。
天井がやけに高くて、正午だというのに必要以上に薄暗く
休日のせいもあり、カップルだらけだ。
気がつくと戻ってきた父は楽しそうに夫婦割引のチケットを見せる。
夫婦のどちらかが50歳以上だとペアで2000円で観られるのだ。

 「ばれたらどうすんの?」
 「『アラ私50歳に見えないの?』って言って喜んどけ。」

私はすまして大人ぶり館員にチケットを渡し、
館員はこちらをちらりとも見ずに半券をちぎって返した。
父は笑った。

さて、映画自体は
ゾンビが腹を空かせて生きた人間を追いかけ回すのは
薬殺されてから時間が経っていた前回はまだ
理屈が通るのだけれど、噛まれて数時間で
死なずとも感染でもしたかのように
凶暴なゾンビ化するのは解せない。
ゆらゆらと気味の悪いゾンビが登場する度に
うへぇと声が漏れてしまう。
私はこの手の映画を好んで見る
くせにあまり得意ではない。
ゲームだって怖くて前に進めない。
ミラ・ジョボヴィッチが人間
離れした強さというのも何だかなぁだし
どうやら、さらに続編もある気配。

何だかわかんなかったねぇ
と映画館を出ると、辺りはもう暗く
父と私は近所の寿司屋に向かい、
休日のせいもあり、子供連れだらけだ。
生け簀がやけに多い店で、待っている間
水槽を覗き込んではヒラメだアワビだ
水族館のようであり、寿司屋で私が一番
好きなのは ガリ である。

2004年09月18日(土)

左手の招き猫

母親が子猫をもらった。

「日記つけるから作って」
と言われるままに彼女のホームページにCGIを設置し、
毎日アップされるにゃんこの画像を眺めては
そこに添えられた"にゃんこ語"、
かなりの溺愛具合に
何だかイタタマレナイ気分になり、
いちいち電話をしては
ついついきついことを言ってしまう。

金魚やハムスターなんかとは格段に違う
あからさまになついてくるペット
を飼うのは初めてであり
ずっとずっと飼いたいと夢見ていたネコなのである。
母親は確実に舞い上がっていて

自分では飼ったこともないくせに
子供の頃からネコの飼い方の本を眺めていた私は
知ったかぶり、しつけの仕方を教えてあげよう!
そんなつもりで遊びに行く。
単に子猫が見たかった
というのもある。

年齢からいったらもう
孫がいてもおかしくはない両親、
孫かわいがりである。
しかし可愛がりながらも
意外にも厳しい躾をしていて
キャットフード以外は食べさせない
人間の食卓には近寄らせない
うちの両親は親バカではなかった。

あぁ、私もこの二人に育てられたのだなぁと
少ししみじみ思い
妹ができたような感覚
両親をとられてしまったような
嫉妬に似た感情だったのかも知れない。

私は一生 この二人の"子供" である。

2004年09月15日(水)

私のソリを引くウマ

この前PCにメールが届き

 10月にあるイベントのチケット、取ったんだけど
 前に浅田と行ったら楽しかったし
 もしよかったらまた一緒に行かない?
 忙しいだろうから返事はいつでもいいからね。


そんな先のことなんて分からない。
とりあえず放っておいた
ら、『メールちゃんと届いた?』と携帯に催促が来た。

彼女のそれは至極 当たり前の言い分でしょう。
しかし
理解しているふりをして追い詰められているような気さえする。
返事はいつでもいいって
いえいえお茶なんて出さなくて結構ですからね
に似ている。
私はとてもうんざりとして返事を書く。

 予定がまだ見えないから行けるかどうかなんてわからないし
 返事が来ないことがストレスになるなら
 私にはメールしないで。


私だって
返事を待っているんだろうなと思うと
心苦しいしめんどくさいしストレスになる。
 返事がないからもう他の人誘ったよ
くらいのスタンスでいてほしい。

それを彼女に望むのが間違っているのは知ってる。
彼女はそういうタイプの人間ではないのだ。
誠意を持って相手に向き合い、解りあおうとし
そこに 友情 という名前をつけたがる。
そういう人だ。

だから私は望んじゃいない。
だから私に友情ごっこを望まないで。

私にとって彼女のいう友情というものは
まるで出会い系の迷惑メールのごとく一方的な感情である。
返事が欲しいなら私以外にメールしてと前にも言っているのに。
お互いにイライラして、そんなのバカみたいじゃない。

浅田さんが素ッ気なさすぎるから相手が粘着になってくんじゃない?
と、森君に言われたことがある。
押したら押されただけ引くし、引いても現状維持だ。
私にコミュニケーション能力が欠落しているだけのことで
最悪なことに私はそれを直そうとは思っていない。

しばらくして彼女から返事が来る。

 そんなに嫌われてるなんて私
 鈍感だから気がつかなかった。
 悪いことしたなら謝る。
 今までありがとう。浅田のこと好きだったよ。
 楽しかった。ずっと忘れない。

 
きっと彼女は泣いているだろう。悲劇のヒロインだ。

仕事は至極ヒマである。時間だって余っている。
ただ、悪意のないものというのは時として私に鈍痛を与え、
残念なことに私は、自ら痛い思いをしたいモノ好き
ではないのである。

2004年09月13日(月)

堂々巡りは続く。

私のようなタイプを一般的に
モラトリアム人間というらしい。
会社に勤めてはいるけれど、
大枠の肩書きはフリーターである。
責任のない仕事、不安定な収入。

楽な方へ逃げてる

とはいえ、土日出勤、深夜残業で
ろくに自分の時間がとれない正社員より月収は多く
保険料、税金は自分で払う
というのを差しおいてもそれは変わらないし、
今の会社の正社員雇用が、年棒制 というからには
"今期は利益が増えたから"
とかいってボーナスが上がるわけでもなく、
残業手当てがあるわけでもなく、
福利厚生で会社の側のホテルに泊まれる
けれどそんなのはいらない。

仕事が少なくとも
私はペースを下げない。
1時間で出来るものは1時間であげて
残りの時間はひたすらヒマにしておく。
それで新しい仕事を頼まれてもかまわないし、
むしろ働くのが妥当であり、
そこが時給制の好きなところだ。
休み休み た ら た ら とやるよか、ずっといい。

月極め賃金で"労働力を惜しんだ方が得"な働き方より
働いて働いただけもらえる働き方の方がよほど健全であり
時間の制御がきっちりしていて良い。

業務委託(歩合制)では、
まぁ会社がおかしなところだったせいだろうが、
ノルマが決まっているわりに上限はなく、
結局 契約以外の仕事が80%を占めていて
これも腑に落ちなかった。

一生懸命考えれば 考えただけ
正社員より派遣社員であることをやはり選択してしまう。
本当に私は
楽な方へ逃げてるのだろうか
とさえ思う。

もっともっと別の会社を渡り歩けば
正社員というものに対する考え方も変わるのだろうか。
そろそろ派遣契約の半分が経過する。

2004年09月12日(日)

日々、髪が伸び、爪が伸び、細胞が死んでいく

エクステンションを外したら
肩より少し長いくらいになっていた。
中途半端な髪の毛が
あまりにもアクティブに跳ね散っており、
ロングヘアーというよりはロングヘア〜
しかし、せっかくバージンヘアを保っているのに
ストレートパーマで台なしにするのはもったいなく
ずっと躊躇していたのですが
縮毛矯正をかける。

これはすごい。
ツルッツルで寝癖もつかないし朝も楽々。
ドライヤーでめちゃくちゃにふき乾かしてもまっすぐ。
しかもパーマのようにとれたりしないのですって!

けれど。ブロックカラーリングで一時期
シルバーにまでしていた 傷んだ部分の髪は
熱に耐え切れず、逆に縮毛になってしまいました。

2004年09月11日(土)

デンタルメンタル

詰め物が欠けて食べ物がいちいちはさまる
ので歯医者に行った。
4年振りの歯医者である。

歯医者は嫌いである。
前に行っていた歯医者が、
実にカンジの良いところだったのですが、
私はそこの近所から引っ越してしまったので
しかたなく歩いて1分のところに行った。

先生はまるで
小学生にでも話しかける
かのように喋る。

はい痛くないからねー
もうちょっとの我慢だよー
よくがんばったねー

椅子に座って足が浮く
なんて滅多にあることでない
私は何だかウキウキしながら

昔は、歯医者なんてみんなヤブ医者だと思っていた。
虫歯が痛かったのは自分のせい
以外の何ものでもない
わけなのだけれど。

キーンという音は相変わらずだけれど
最近はすぐに麻酔を打つので痛みはない。
けれど、やはり歯医者というのは好きになれない。
予定を決められるのは好きじゃない。

これからしばらく通うことになる。
親知らずも抜かねば。

2004年09月10日(金)

わたしのちから

今日で派遣の人が一人
契約終了だそうだ。

知らないうちにいて
知らないうちにいなくなってしまった。

期間は1ヶ月契約だったらしい。
そのまま延長なしだ。
てことは私と同時期に入ってるんじゃないか。
知らなかった。

「まぁ、派遣の人はだいたいいつもそうだから。
人手が必要なプロジェクトがある時に、
そのプロジェクトのために入ってもらうくらいで。」

私の前にいた人も1ヶ月だったらしい。

私は辞めなくていいのだろうか。
3ヶ月契約とはいえ
今、毎日ネットゲームしに
出社しているようなもの
なのですが。

取引先とモメて
ピリピリしている上司に、
「何かすることあります?」
なんて何度も聞くのも
いい加減 申し訳ない気さえして
大人しくYahoo!ニュースを眺める
くらいしかできない。

やってもらう仕事を探す
というのも、遣う方からしたら
面倒な仕事のひとつだ。

まぁ、私は労働力ではなく
時間を売っているので
その中身がつまっていようがいまいが
損も得もないのですが

正社員は土日も出勤だと言う。
「私も出ましょうか」
「いいよ、大丈夫。」


月末に新採用の面接が始まるらしい。
面接官は社員たちである。
自分の部下にしたい人材を
自分の目で探す。
この会社で社員一人一人が自立しているのは
このせいもあるんだな。
「新人がつかえなくて」
これも自分の責任なのだ。

育てられないならデキる人を採ればいい


前に派遣されてきた時も
基本的には私はこんな調子でしたし
それでも長期で欲しいと
思ったのでしょうか?

2004年09月09日(木)

晴れた日の願いごとはひとつ

朝10時に出社し
19時から残業、
23時に帰る。

そのうちで
私が本当に働いているのは
実に1時間 あるか ないか
である。

今日の仕事は
jpegを1枚添付してメールで送った
だけ。

jpegを送るだけのために23時まで待っていた
ようなもんであり、
だったら作った人が自分で送った方が効率がいいんじゃないの?
そもそもこのjpeg、作るのにそんなに時間かかるか?
なんて余計なことは言いません。

することがない。
働いているようで働いていない。
ヒマにまかせてネットゲームを始めてみるも
どこまでも人付き合いというのは厄介だ。
私にコミュニケーションというものは
とん と、向いていないのである。

気晴らしに、と食事に出ても食欲がなく
一人だとファストフードかコーヒーショップ
で済ませてしまうのですが、
それすらも食べる気がおきず
ずっとだるいカンジが抜けない。

始終ピリピリしている。
何かにイライラしてる。
壊れていくカンジが分かる。

私はどうなっていくのでしょう。

2004年09月03日(金)

ハピネス

忙しかった仕事のキリがよくなったので打ち上げ
だそうで、私はそんな苦労もないまま混ぜてもらう。
焼き肉食べ放題。

私はこの会社に入って以来
ろくに会話をしてはいない
のですが、派遣で来る人材の中では
ずば抜けて人当たりがいいと言われ、
最近は愛想笑いのやり方すら
忘れがちなのですが、

この会社は、私のなげやりが
そのまま通ってしまうのが
いいところであり悪いところである。

普段ろくなものを食べてなかった
ところに焼き肉
という時点で
胃がびっくりしたのでしょう。
日本酒を少し飲んだ時点で
具合が悪くなった。

トイレに閉じこもり、
何をするでもなく ただ何となく、
話を聞いているのが億劫だった
ような気もする。

この会社はみんながみんな
会社のことを考えてる。
前の会社とは正反対である。

心配してFさんがトイレをのぞきに来て、
Fさんは正社員であり、台湾人であり、
いつもいつも行動が突飛、
それはたいてい はた迷惑に見える
けれど、私は彼女のピュアさが好きだ。
彼女は私の隣に座って手をつなぎ、鼻歌を歌っていた。
アジア系の女の子独特の 跳ねるように軽い
日本語も好きだ。

彼女の歌を聴きながら、
ぼんやりとハニちゃんのことを思う。
酔うといつも思い出す。
最近お酒を飲んでいなかった。

注文したのはハニちゃんがよく飲んでいた銘柄
辛口で、私はあまり好きじゃない
けれど、よく 一緒に飲みましたね。
クラクラしながら抱き締められた
あの頃は確かに幸せだった。

何だか無性に涙が出そうで
私は気持ちが悪いからと個室に移り
便座に腰掛けて頬杖をついた。

2時頃解散、タクシー組は帰路に向かい
あとは始発待ち組、Fさんに手を引かれて
私も会社に戻り、少し休む。
ぐっすり眠るみんなを横目にふらりと帰り、
それから泥沼のように眠りにつく。

今が幸せじゃない
わけじゃないけれど、
それは今はわからない。

2004年09月02日(木)

まやかし端子

床ちゃんはいろいろな習い事をしている。
毎週の英会話、カルチャーセンター通いはもちろん
不定期に行われるクリエイターの講演会
などにも精力的に参加している。

彼女は言う。

講演に参加してるとさ、
たまにインプットが趣味みたいな人いるよね。
そんなに吸収してもアウトプットしなきゃ
あんまり意味がないのにね。


私は少し間をおいて応える。

そういう人ってインプットしに行ってるわけじゃないのよ。
人がアウトプットしているのを見るのが好きなのよ。


私はそういうものにあまり興味がないけれど
君を見てるとそう思うよ。

そう言う君はアウトプットしてるのかい?

映画を見たからといって、映画を撮らなければいけないことはないし
音楽を聴いたからといって、楽器の演奏を始めなければいけない
わけではない。

しかし
君にとって講演は ステイタス なだけであり、
聞いただけでクリエイターになったような気分に浸っているだけであり、
その回数が多いからといって
君とその他の人に 差 があるわけではない。
英会話に至っては外国人イケメン講師狙い
水墨画なんてお見合いのタネにでも
使うつもりなのかい。

彼女の、人に厳しく自分にメルトなサマは
見ていて滑稽であり不愉快である。

カルシウムが足りないせいでしょうか
最近 周りの人にいちいちピリピリします。

索引
「プープーの罠」 written by 浅田

My追加