プープーの罠
2004年08月30日(月)

朱に染まる。

腹を割ろうとか
解り合おうとか
そんなことはとっくに諦めていて
むしろ避けるくらいで

似たような雰囲気を醸し出す人を選ぶ
理解しようとしなくたって
自ずと似ているのだから

しかし私が求めているのは
それ以上のことは何もなく
薄く浅いその場限りの
適当なコミュニケーションでいい。
人間模様なんていらないのですよ。

なんて、
いつからこんな薄っぺらい状態を望む
ようになったんだろう。
一番理解できなくて
一番なりたくないと思っていた
あいつらにそっくりじゃないのさ。

2004年08月29日(日)

ぼくのうち

不動産から連絡があり、
正確に言えば実家から伝言があり
私から連絡したのですが
また大家が変わるとのこと。
これで4回目。

下のテナントはずっと休業してる
なぁと思ったら
いきなり今朝
跡形もなく引き払われていた。

というか、携帯も自宅も
電話番号なんて何回も教えてるのに、
不在着信すらないまま
「連絡がとれなくて困ってます」
とか実家にいきなり連絡するなよ。

2004年08月28日(土)

白血球の海

鼻水が止まらず
頭がぼんやりしたまま
休日をいいことに眠って暮らす。

風邪を引いてなくとも
大差ない暮らしぶり
ではありますが

夜中にオオサトさんからメールがあり

『これから会いに行きますよ』
『無理』

何なんだろう
ぼんやりとまた眠りに落ちる。

2004年08月26日(木)

しかめ面でこっちを見てる

最近 食欲があまりなく、
時々思い出したように食べる
という生活だったのですが、
妙に下っ腹が出てきまして
おかしいなぁ
毎 日 快 腸
それだけが取り柄なのに
と不思議に思っていた
のですが、要はあれでした

カンボジアの子供

栄養が足りないのです。
この飽食の国でくだらない夏バテになり
そして風邪を引きました。

2004年08月22日(日)

スマイル

真っ昼間から高い高い
ベトナム料理を食べながら
床ちゃんは言った。

 キノくんの発言が最近口だけの人っぽくて
 ただでさえ遠距離なのに
 何か もう ダメかも。


ダメって言うか
キノくんは彼女がいるし、
向こうはメル友だと思ってる
と思うのですが。

付き合ってる
"ようなつもり"
というものに
一体どれだけの
意味があるのか。

今日はリキッドルームエビスで
念願のSUGIURUMNご拝聴。
これはヤバい。これはアガる。
音楽がアッパーだから
だけじゃない
彼の笑顔は否応なく心まで踊らせる。

フロアのど真ん中でメールを打ち始められるとシラケる。
床ちゃんに「先帰っていいよ」と
一人残り浸っていた。
フロア内禁煙だし
WOMBと比べても遥かに客質がよい。
次からは一人で来よう。

笑顔で人を幸せに出来る人って
いいなぁ。

2004年08月21日(土)

深海に沈む鳥

みゆきと葛西臨海水族園に行く。
だだっぴろい敷地は否応なく開放感に溢れ、
人が多くてもそれはあまり変わらない。

風が涼しい。
みゆきが作ってくれたお弁当を木陰で食べ
ながら、まったりとする。

「この前来た時は風がひどかったのよ。」
「なぁに?彼氏と?」
「...違うよ、友達。」

こんなデートスポット
家族かカップルしかいない。

私は常々、何に対しても否定する
ことがデフォルトであるのですが
改めて、ハニちゃんを否定したようで
少し心がチクチクした。
思えば一緒に来た最後の場所。

水族館にしては建築がおしゃれ
魚はほとんどいませんでしたが
シュモクザメがたくさんいて
ゆらゆらと泳ぐ姿は
とても素敵。

建物を囲むように水が張られていて
それが水平線につながっている。

2004年08月16日(月)

感覚

ジムを解約した。
行ける時間なんて
腐るほどあるのに
私は行かない。

アテネを見ている
わけでもなく、
日が昇るまで起きている。

他に考えていた
ことなど何もない
けれど、私は
ここしばらく
ハニちゃんのことを
忘れていた。

思い出せば
思い出したように泣くし。
思い出さなければ
まったく何てことない。
でも忘れたくないのよ。

何で終わってしまったかな、と
遡っていろいろ考えてみる。
後戻りができるわけではない
ですが、もしも
出来るのであれば
きっと 去年の今頃がいい。

朝の空気が秋じみてきた。

2004年08月07日(土)

猫が啼いている明け方の雑踏の中で。

休日はぐうたらと時間をつぶす
クセがついてしまい
例によってごろごろと
日が暮れるまでベッドの上。
朝から起きているのに
何も食べていやしない。

一人で食事をするというのは
どうも面倒臭いのである。

どうしようかなぁ
と、思いつつも
起き上がる気配もなく
相変わらずベッドの上。

とりあえずシャワーを浴びて
しゃきっとしてからまた考えよう
と、だらだらと身体を洗い
上がる頃には貧血気味で
やはりベッドに逆戻りである。

何やってんだかなぁ。

最近存在が薄いケータイに手を伸ばすと
メール着信に気づき、それは
オオサトさんからだったのでした。

メールをもらってから大分あとに
電話が来て、一緒にご飯に行く
ことになりまして、待ち合わせをし
ラフな姿の彼はやはり見慣れない。

「ごめんなさい。終電まであんまり時間ないですね。」
「今日は奥さんいないから時間は大丈夫。」

携帯を気にしない姿は初めてでしょう
また、
翌日が仕事じゃないというのも、
休日にわざわざ待ち合わせて会ったのも。

そもそも私が仕事を辞めた時点で
彼のこの気まぐれは終わるんだと思っていた。

美味しい和食をごちそうになり
2軒目、ショットバーでスコッチとダチョウの肉を食し
3軒目、居酒屋でまったり飲む。

夏のせいなのでしょうか
親しい人との食事となると
胃が萎縮して食欲がなくなります。

会社は相変わらず目まぐるしいようです。
私の後釜はもう辞め、
派遣もあまりに使えないから、と打ち切り、
さらにもう一人辞めたらしい。

昨日森君と飲んだので
だいたいのことは聞いていた
けれど、人が違うとやはり見解は違う
もんだなぁ、と思いながら
私は今初めて知ったかのように
へぇ〜とかはぁ〜とかいちいち相槌をうった。
「ところで森とは連絡取ってるの?」
「えぇまぁ。」
「仲いいよな、なんだかんだで。」
「付き合い古いですからね。」
「何か言ってた?」
「特には何も。」
「つじさんは?」
「最後に会社で挨拶したきりです。」
「そっか。」
私はもう部外者なんだから
そんなスパイのような詮索をしたって
何も意味がないのに。

それから今の会社のことを聞かれ
 通勤時間が長いのがキツイです
とどうでもいいようなことを答える。

 じゃあ新宿に引っ越せばいいじゃない。
 何で新宿なんですか
 そしたら便利じゃない。
 そうですけど家賃高そうだし。
 大丈夫だよ。うちの会社の向かいのマンション借りなよ。
 もう働いてないのにそんな近所に住んでも意味がないんじゃ…
とオオサトさんの方を見たら真顔でした。

向かいにあったマンションは見るからに安くない
そして独り暮らし用ではない。
うっすらと何を言っているのか理解し
私は話題を変えた。

日も昇る前にオオサトさんが
 もう帰ろうか
と言う。
あれ?
始発まで飲む
のかと思っていたので
いささか拍子抜け。
ぷらぷらと明け方の道を並んで歩く。

「なぁうち来いよ。」
「はい?行きませんよ」
「どうして?」
「奥さんいるじゃないですか。」
「だからでかけてていないよ。」

そういう意味じゃなくて
ですね、

奥さんという存在そのものですよ。


結婚してなかったなら家に行っていた
かも知れないけれど、
結婚してなかったら
果たして私は
今日の誘い自体に乗ったのでしょうか。
彼の 結婚してる故の余裕
というのが、私にはやはり心地がいい。

結局適度にちやほやされて
都合良く甘えられる状態
に、浸かっていたいだけ
なのです。

ぷらぷらしているうちに
結局 空が明るくなっていく。
どこからともなく
始発に合わせて人が駅に流れ始め
その流れにたゆたう。
オオサトさんは改札まで送ってくれて
そうだ俺もSuica買ったんだよと言う。
JRなんて乗る用がないって言ってたのにね。

不倫をするほど私は弱い人間ではない。
ともすれば恋人という存在を必要としていない。
けれど、次は
変な遠慮をしなくていいような
ちゃんとした恋愛がしたい
とは思ってます。

2004年08月03日(火)

責任がないという軽やかさ

昨日
仕事を始める前に一応顔合わせがあり、
責任者と派遣会社の社員が会話
していたのを横で聞いていたのですが、
派遣会社の人は言う。
 残業多いのでしょうか?
 夏休みは?
こちらのことを考えての質問でしょう。
それが仕事ですしね。
とはいえ、やけにOLみたいな価値観の人
だなぁといつも思う。
私は残業が多くてもかまわない、
むしろあった方がいいと言っているのに。

責任者は笑いながら
 そりゃありますよ、
 忙しくなきゃ人材を増やす意味はないでしょう。
 君そうやって忙しいとこ忙しいとこ飛び回ってるんでしょ。
そう言われたらそうだな、と思う。

しかし実際のところとてもひまである。
社員がイッパイイッパイで飽和していてこなせない仕事
が私の担当であり、つまりは
一人で1.5人前抱えていたら、そのオーバーしている
半人前を私がやるわけであり、そうなると私の仕事は
半人前分だけなのである。

社員が泊まり込みで働いている横で、
私は莫大な時間を持て余している。
頼むより自分でやっちゃった方が早い
という考え方がこの会社では浸透しているので
ちょっと手伝います
的なフォローはかえって嫌がる体質があり
あまっちょろい助け合いはまったく排除されていて
ストイックに各自で一定のクオリティを生産している。
忙しくて家に帰れない
ということに関しては特に何も思わないらしく、
その分やたらと時間にルーズ。
定時に行っても午前中は誰もいないのです。

そうやってすでに感覚が麻痺したまま
この会社は機能しています。
その秩序を乱すのが
私のような時給制の派遣です。
確かに少しは負担は軽くなるでしょう
が、時間の制約がある人間は
働かせれば働かせただけ 損失 になります。
だから私にはアシスタントや部下がつくのです。
時間内にデザインをして帰ると、
あとはそれをもとに正社員が量産する。
楽しくて楽でおいしいところだけを責任のない私がやって、
誰にでもできるようなオペレートを社員がやっているのです。

そこにやりがいがあるかどうか

ますます
正社員のメリット
と言うものが分からなくなります。

2004年08月02日(月)

派遣再開1日目。

勤務先、ヒートアイランド現象のメッカ
は、街路樹が木陰を作りだしていて意外にも涼しく
しかし高層ビルがつくりだす陰影は
夏の日差しも手伝ってやけに暗い。

見慣れたビルの中
ひょろりとした新卒の女の子が一人増えた
くらいであとは変わりなかった。

この会社は年棒制で
だからというわけではないけれど
仕事がデキル人が多い。
そのせいか、全体的に個人プレイで成り立っていて、
仲が悪いのではないのです
むしろ大学生のサークルのよう
なのですが、仕事に関し
て自分の分野以外は全く"我 関せず"
専念できる という点では
とても効率のよい体制が確立されている
けれど、立場がフラットな分、
慣れていない者にも同等のレベルを求めるし
対等であるからには教える、育てる時間を割く
のであれば、違う人に頼む
もしくは自分でやる
というやり方。

新卒には向いていないと思う。

索引
「プープーの罠」 written by 浅田

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