2004年11月17日(水) |
不定期連載:「イシドロよ、大志を抱け!9 海辺にて」(悪霊オプション無し) |
海辺で野宿(?)してて、まだ鯨や鰐の化け物が出てこない時だった。へんな坊主をキャスカ姉ちゃんが拾ってきた時くらいだったかな。 セルピコは当然の様に、いそいそと裁縫したり洗濯したり、おさんどんしていた。夕飯の火を起こす時、なんとなく俺は奴の側で見ていた。セルピコは手慣れた様子で、ぱきぱきと小さな枯れ枝を折って火にくべていた。あ〜、喰うのは楽だけど、作るのはかったるいわ。
「な〜な〜セルピコ、旅長いよな」
「そうですね‥‥」
俺のしゃべりには付き合うけれど、手はてきぱきと飯の用意だ。ファルネーちゃんとキャスカ姉ちゃんにパックは、夕飯の材料調達に行った。また魚だカニだなんだろうけどわるくねえ。セルピコ、料理上手いし。 まあ、食欲が満たされてくると、やっぱあれだよな。
「な〜、な〜、セルピコ。お前の夜のおかずってよ、やっぱファルネーちゃんな訳?俺は‥痛っ!」
な、何しやがる、セルピコの野郎!細くて長い木の枝で俺の掌叩きやがった!
「もう一度おっしゃい!どの口が陽のあるうちから、そんな品の無いこと言いましたか?イシドロさんはお母様に、女性には失礼のない様振る舞いなさいと教わりませんでしたか?もし、まだの様でしたら、イシドロさんのお母様に成り代わって、不肖この私が一から十まできっちり礼儀作法を教えて差し上げます!」
‥‥何が災いしたか、俺はセルピコから、言葉の発音までチェック入れらた。細い柳の枝を手に持って、びしびし礼儀作法をしごくセルピコの目にはちょっとS入ってた。しかも嬉しそうだし‥。
「上の空ですよ、イシドロさん。さあ、もう一度暗唱なさい!」
あ、ハイ。スペインの雨はおもに広野に降ります‥‥。
|