彼からの短いメール
また、メールが届いた。
何事もなかったように。
時間の経過もなかったように。

  台風が来てるね すぐに通り過ぎるから大丈夫だよ
  こっちは 風と雨がすごくなってる
  すぐに通り過ぎるから心配してないけどね
  あなたが無事でいられるよう祈ってるよ

ずっと前に、私が台風や停電の時、どれだけ心細かったか
訴えたのを思い出したんだろう。
先月の台風の時もメールが来た。
こんなふうに思いたいのは、彼がメールを寄越した気持ちを
勝手に想像しようとしているから。

彼が書いたのは、こんな理由からだろう。
彼が言ったのは、こんな理由からだろう。

いつもそうだった。
確かめることなく私が勝手に思い込んだ。


今回メールを読んで最初に思ったのは
 『何、これ?』だった。
はっきり言って、おかしい、変だと思った。
ずっと前に訴えたことを、今も同じだとメールしてきたこと。
別れてずいぶん経つのに、毎日顔を合わせてるように
突然、これだけ書いてきたこと。

たった4行のメール。




オンナは、相手の気持ちを相手以上に思い遣る。
そうした上で、突き放したり、かまったりできる。
私の場合はもっとたちが悪い。
勝手に深読みするなと君が嫌がるくらいに考える。

彼が寄越した理由を探ろうとする。
返事が欲しい?
自分も心配してほしい?
自分の気持ちを伝えたかった?
心配してると伝えたかった?

読んでしばらくは、意地悪な気分が続いた。

欲しかった時にもらえなかった言葉を
今更もらったところで、私は嬉しくない。

そっちが何事もなかったように
昨日からの続きのように数行のメールを寄越すなら
私も3週間ほど経った頃に、返事してやろう。

今は、こんなメールをもらったことが
嬉しかったり悲しかったりの半々だ。


***  ***  ***  ***  ***

親から葉書が届いた。
これも、私の気分を落ち込ませる。
私がまだ幼い赤ん坊のような錯覚に陥っているようだ。
小さかった頃の写真を毎日見ると書いてある。
不気味だし、不愉快だ。

だけど反面教師になった。
息子に向かって「小さかった頃のおまえを思い出す」と
言って、うざがられるのと同じだ。

親に向かって、はっきり言いたい。
痴呆症か?と。
自分の言葉に酔うな、と。
吐き気がすると言ってやりたい。

言う代わりに憎しみを込めて、葉書を粉々に破いた。


2004年08月31日(火)

空っぽの頭と心
15時間眠った。
何度も目が覚めそうになる。
体勢を変えるとまた眠りに落ちた。

学生の頃の一夜漬けのようだ。
試験が済めば忘れるのと同じで、何も残らない気がする。
過負荷が、かかってショートした。
何度も何度も。
ないものを出せと要求される。
自分にできるからといって、人にもできるとは限らない。
苛められていると錯覚する。
限界ギリギリで怒りが湧いた。

疲れたの?大丈夫?しんどい?
聞かれてもわからないほどになっていた。
化粧気のない顔、ボサボサの髪、よろよろしたまま
深夜のコンビニで夕食を買う。
気が張っているから、深夜帰ってもすぐには眠れなかった。
問題は山積。
誰も解決してくれない。
なのに昨夜は早めに帰してくれた。

***  ***  ***  ***  ***

彼なら、こんなことはちゃちゃっとしてしまうだろう。
つまずくたびに、彼のできることを思って気が沈んだ。

気分を替えたくて、ネットに入った。
誰かが切々と自分の恋愛を訴えていた。
きめ細やかな優しい返事。
それに対して、また長文の書き込み。

内容そのものより、
「なんで誰でも読める掲示板にこんなことを
書き込むんだ?」が先に立つ。
昔を思い出す。
あの頃、私もそうだった。
なのに今は冷えた視線でしか見れなくなった。
心の中で毒づきつづけた。
バカじゃないの?浅はかなヤツ、くだらない、くだらない。
しばらくして、私の気が荒んでることに気がついた。

二人の男性から同じことを言われた。
 ネット恋愛?
 会ったことないんでしょ?
 電話とメールだけ?
 そんなの恋愛って言わない。

オトコは気を惹くことを並べ立て、オンナを錯覚させる。
オンナを有頂天にさせ、その気にさせるのに
そんなの恋愛じゃないと呆れたように言い切る。
その気になるオンナがバカなのか
その気にさせるオトコがあざといのか。

行き詰まった頭と心で、こんなことを連想していた。
自分がどれほど荒んだ気持ちだったか
気づけただけでよかったかもしれない。

***  ***  ***  ***  ***

  過労死してしまう。
言いながら笑ったのは、自分のムチムチした身体を
思い出したから。
太ってブヨヌヨしたおなかで、過労死なんて笑える。
東京から戻って、また体重と贅肉が増加した。

見るたびに巨大化している叔母を思い出した。
なのに次々に患って、入院したり骨折したり。
健康と元気と丈夫は、別物だと改めて感じた。

息子が夢に出てきた。
笑いながらこちらに駆けてくる。
私も名前を呼びつづけた。

私はいろんなものを失くしながら、生きている。

2004年08月29日(日)

そんな毎日
朝起きて、ぼーっとしたまま仕事に行き
終わるのは午前零時前後。
そんな毎日。

達成感や充実感、感じるだろ?

君はそう言う。
疲れたままだから、わからない。

目覚める寸前、彼の夢を見ていた。
彼の話し方を思い出し、やはり異質なものを感じた。

君は私のフォローをしながら
自分の仕事をこなしていく。
すごいと思う。
彼は検査を延期した。
痛みと違和感と血尿。
仕事が山積み。

そんな毎日が続いている。







2004年08月26日(木)

幻想
不思議な小説を読んだせい。
最後の女を探していると言ったのは君。
ずっといつも一緒と言ったのは彼。
死ぬ時は連れて行くと言ってくれたのは彼。
私の手を両手で包み込んでくちづけするのは君。
なのに私にはわからなくなる。
君が言ったことが彼から聞いたように感じる。
逢いたい逢いたい逢いたいと彼を浮かべる。
君の優しさを彼から受け取ったように感じる。
ふと我に返って間違いに気づく。
なのに心がさまよいだすと彼の姿を追っている。
君が彼になってしまう。
愛しい愛しい恋しい恋しい
誰に向かって思うのかわからなくなってくる。


2004年08月22日(日)

浪漫ちっくからは ほど遠い
少しづつ診察の様子を話してくれるようになった。
生まれて初めて、お尻に指を入れられたそうだ。

  それも20代の医者にだ。

  ふーん、70代のほうがよかった?

  いや、それもまたイヤだ。

  看護師さんのほうがよかった?

  うんっ、若い人ね。

若い女性の看護師さんなら、もっとイヤだと思う。
恥ずかしいのを通り超えそうだ。

10年程前に、私がなったときは点滴で流した。
お尻は見せてない。
きっと君のほうが重症なんだろ。

忙しいのは君だけで、私は相変わらず
できないっ!と叫んでるか、ぼけっとしてるか。

***  ***  ***  ***  ***

君が作ったものの中に「超大きい○○」ってのがあった。
なんなんだよ、「超大きい」って。
印刷された「超大きい」の文字は、目に痛かった。

君はたまに「まったりしてればいいよ」と言う。
まったりするって、どういう状態なんだ?
辞書を引いてみた。

  まろやかでこくのある味わいが、
  口中にゆったりと広がっていくさま。
  「―(と)した味わい」

私の頭でも「まったり」は、ゆったり過ごすことじゃない。
ネットではよく見かけるけど、自分で使ったことはない。

ネットの文字で見慣れてきた「まったり」は
なんとなく目には馴染んできたけど、口に出されて
耳で音を聞くと違和感が大きい。

耳にした「まったり」と、目で見た「超大きい」
ややネット臭が漂う、だけど現実にまだそぐわない
言葉を使ってみたり、いまどき「超」かよって
オヤジ臭さが同居してる君が、オモシロイ。

***  ***  ***  ***  ***

東京にいた3日間は、とても楽しかった。
何より、人が溢れてた。
お盆休みで、いつもより少なかったかもしれないけど
ここで見る何年分かの人を見られた。
「人を見ること」に、どんだけ飢えてたかわかった


私信:
「クマ」発言は気にしなくていいです。
冷や汗たらりの後、適当にごまかして
部屋に戻ってから、大笑いしました。 

2004年08月21日(土)

君の普通と私の普通
普通にしているって難しい。
それは自分にとっての普通と
君にとっての普通が違うから。
それは誰に対しても言えることだけど。

私の心配や不安が伝わらない。
伝えると重いらしい。
だから、いつもと同じようにする。
すると君の機嫌はよくなった。
だけどそれは、私にとっては不自然な状態。
物足りないような、距離感があるような。

君にとって、私はなんだろう。
私にとって、君はなんだろう。

薬で痛みを抑えていて、私が軽くしか体調を聞かない。
そして、サボリながらも機嫌よく仕事をしてる私が
君の機嫌のよさの理由かな。

ドキドキする恋愛を望んでたのに。
私がいなくなることは、きっと頭のどこにもないんだろうな。
私も今はどこにも行こうと思わない。
だけど恋焦がれる気持ちは、どこにもない。

昨夜はまたぼーっとしたまま、スパイダソリティアをした。
そして、彼と大喧嘩したのはいつか忘れてしまってた。
まだ10日くらいしか経ってないんだ。
でも、Webメールの受信拒否を解除した。
少しだけ焦がれた頃が懐かしくなったから。


2004年08月19日(木)

検査
君の入院は免れた。
でも、検査、検査。

昨夜は救急外来から戻って仕事再開。
今日も、診察のあと、仕事。

あんまり心配されるのは、イヤみたい。
ちょっと疎外感。

仕事が詰まってるから仕方ないけど
なんか距離を感じた。

2004年08月18日(水)

入院かも
思い出に浸って、浮かれていると、君が病気。
いつも元気で健康なのに、滅多に病院なんか行かないって
聞いてたのに。
仕事を抜け出して、近くの診療所に行った。
そこではどうにもならなくて
紹介状を書いてもらい、総合病院に治療に行く羽目に。

マジで激痛だと思う。
私も過去経験があるから。
今夜は病院に一泊するかもしれない。



2004年08月17日(火)

ありがとう
小山になったヤマからメール。
件名は、「星の王子様」なのにメール本文の最後は、
「彦星改めボブ・○○・サップ」
ヤマと私が命名したのが気に食わないらしい。
一体どう呼んでほしいのか、さっぱり。

で昨日の続き・・・

私たちはバッグを投げ出し、サンダルを脱ぎ捨て
ベッドに倒れこんだ。



倒れこんだ途端、私の左足の指があらぬ方向へ。

  いたーーーーいっ!!!
  足、足、指、指が攣ったーーーー!!

全身、攣り癖がついたようだ。
でも、3年前、東京でヤマに逢った時も
同じ指が攣って、大騒ぎした。

大笑いしながら、私の指をなんとかしようとする。
でも治らない。
治ったと思って、起き上がると、また攣る。

そんなこんなで、ようやく治ったのは何分後だったか。
二人でネットのあれこれを話し
男女の関係について話し
それも、二人とも、ベッドにゴロゴロしながら。

なのに、話してるだけ。
どうにもこうにも色っぽい雰囲気にならない。

肝心のことを聞き忘れていた私は、ようやく尋ねた。

 ねぇ、今年はいつ帰省するの?

 今夜。

 えっ?

 今夜中に向こうに到着予定。

 えっ!じゃ、何時ごろまでいいの?

 もうそろそろ。


私の頭をぽんと撫でて、ヤマは立ち上がった。
抱擁もなし、キスもなし、握手もなし。
私は、浮腫んだ足に無理やりサンダルを履いて
ヤマを見送るために、一緒にホテルを出た。

途中まで一緒に歩いて、鍵しか持って出なかった
私のために、コンビニでお茶を買ってくれて

ヤマは笑いながら手を振ってくれた。
私も笑いながら、手を振った。

3年ぶりに逢って、過ごしたのは5時間半。
大半を笑って、しゃべって、過ごした。
そして、最後、決めてたとおりに
笑いながら見送った。

ヤマからのメールに

 久しぶりのあなたの笑い声が聞けて、嬉かった。

私からも、本当にありがとう。

 

2004年08月16日(月)

子供に言って聞かせるように
小山になってしまったのでヤマと命名。

私の旅行バッグをロッカーに預け、施錠してくれ
コインを投入、そして鍵を無くしちゃダメだよと
渡してくれた。

一人で歩かないといけないときは、必死になって
迷わないようにしてるけど、誰かがいるとずっと
しゃべったままで、自分のいる位置、歩いている場所
全く見ない私。

私をよくわかってるヤマは、全部面倒を見てくれた。
店まで歩きながらずっとしゃべってた。
恋人同士のように手を繋いだり、寄り添えなかったのは
ほんの少しお互い遠慮してたから。

3年ぶりに会うのに、会話は全く滞らない。
次々に楽しい話題が浮かんでくる。
小気味いいテンポのよさ、打てば返って来るやり取り。
そういえば店に向かう途中で
  スィーツってなんなんだよっ!
  甘いものって、日本語で言えよっ!
と、叫んでたな。

店に入ってからも、ずっと話は途切れない。
仕事の話になって、ヤマも手首がおかしいと言う。
見せてもらうと、手首がデスクに擦れる部分が
タコのように硬くなってた。
私のそこは、擦れてテカテカしてる。

平打ちパスタのコースは美味だった。

私の以前の仕事や、業界裏話、ヤマの友人の
強烈な体験談、お互いの病状のその後の経過。

美味なコースをあっという間にたいらげて
延々と続くあれこれの話。

ヤマの顔をじっと見つめた。
下膨れさえなくなれば、あの頃の美形に
戻れるはず。

あと10キロ痩せたらと言うと
20キロ痩せないといけないらしい。
でも戻す気はないみたい。

言ったけど、痩せなくてもいいと私も思った。
ヤマはヤマ。
あの頃と同じに優しくて、気遣ってくれて
軽妙で、楽しい。

食事を終えて、ウィンドウショッピング。
チョコを求めてデパ地下。
結局チョコは買わなかった。
買って帰って、一人で部屋で食べるのは空しい。
だから、ティールームに連れて行ってもらった。
甘いものが苦手だと初めて聞いた。
ほんの一口なら大丈夫。
だから、私が頼んだオペラをおすそ分け。

予約してあるホテルに行くために
二人で山手線に乗る。

 ホテルへの地図持ってる?
 地図は無いけど、西口を出て、○○通り沿いらしい。

ヤマは胸ポケットから、地図を取り出した。
えらい、さすが。
私のこと、ほんと、よくわかってるねと感激。

歩きながら、後ろを見てと何度も言われる。
ホテルから駅までの道順を覚えてってこと。
目印になるものを見つけて、ヤマは○○だよ
と、これまた何度も言わせる。

部屋の前で、鍵が開かないと一騒動。
ヤマにしてもらって、やっと開けられた。
で、もう1回自分でやってみてと、やらされた。

ようやく部屋に入れた。
私たちはバッグを投げ出し、サンダルを脱ぎ捨て
ベッドに倒れこんだ。

2004年08月15日(日)

ボブには見えないよ。
昼頃、東京着。
ホームに下りて、見渡してもわからない。
もしかして、わからないほど変身してしまった?
笑顔が引き攣ったらどうしよう?
悩みながら待っているとあの人が来た。
とーるさんになっていた。
おなかも小山のよう。
顔もまん丸。
(これからは、あの人と書かずにヤマと呼びます。)

でも笑顔は、あの当時のまま。
3年ぶりに会ったのに、ドキドキしないって
どうなんだろう。

ヤマも負けずに、私の二の腕をもみもみ。
 女性は、ここにくるよね〜
って、嬉しそうだった。

日本橋のCOREDOに、連れて行ってもらった。
ヤマは、食べ歩きが好きだから、新しい店が
できると必ず食べにいく。

いつも笑わしてくれたけど、今回のは
女性に変身途中の人、つまり性転換実行中の
男性にチカンされた話。

電車の中で横に立った、その「彼女」が
最初、胸を押し付けてきた。
ヤマは内心
 やったっ!
と、大喜びしたらしい。
痴女にあったのは、最高に美形だった高校生以来。

次に彼女の指が、股間をサワサワ。
真横だったので、最初は女性だと思ったらしい。
でも、「なんか変?」が頭の中をグルグルして
ヤマ自身に変化は起きない。

ヤマの最寄駅に着くと一緒に下りてきた。
もう彼女が彼女でないことに気づいたから
ヤマは声をかけた。

 俺、こんなに太ってるのに、どこがいいの?

 アタシのタイプなの・・・

そう言いながら彼女は、携帯の待ち受け画面を
ヤマに見せた。

ボブ・サップだったそうだ。

もうね、私、歩きながらおなかを押さえて
笑い転げたの、久しぶり。
すれ違う人、みんな見てたよ。

 ボブ・サップだよ〜、俺・・・
 いくらなんでも、あんまりだよぉ!

情けない声で言うけど、私の爆笑は止まらなかった。

続く?



2004年08月14日(土)

貴女へ
学生時代、仲が良かったのは10人。
細く長く続いているのは、みんなが私を忘れずに
声をかけてくれたから。
私は不義理で、年賀状も出さず、電話もしない。
いつも向こうから連絡がある。

昔から同じグループで、べったりしてるのは苦手。
小学校の卒業前に、同じクラスの女の子が担任に訴えた。
  ○○さんは、クラス内の子より、他のクラスの子と
  一緒だった、おかしい、間違っている。

おかしいと思う感覚が、私にはおかしかった。
同じクラスだから、仲良くするのは当たり前?
他のクラスの子のほうが、気が合っていても?

そんな調子だから、ネットでもつかず離れずが多いし
いろんな分野のものを読む。
男女年齢関係無しに。

女性の書く、日記などのテキストを多く読むようになり
ネットの世界で、女性たちと交流を持った。
書いたものは、その人物全てじゃない。
それでも、気が合う人たちが出てくる。
何か感じるものがあるから、交流が始まる。

滅多に自分からアプローチしないのは、今も同じ。
なのに私を介して、交流が始まる場合もある。
そして、私はそれをじっと見ている。

わいわい騒ぐのは苦手だけれど
ゆっくり優しい輪が広がっていくのを
ネットで感じることができた。
とても感謝している。

以前の場所で、最初に交流を持った女性が
今、ネットの世界で苦しんでいる。

あの時の私の最後を見て、貴女は「一つの時代の終焉」だと
表現してくれた。
おおげさだよ、照れ臭いよと思いながら嬉しかった。

今度は、私から貴女に贈ります。
貴女には、物足りないかもしれないけど。

いつでも貴女に会えるよ。
貴女に逢える窓が、私の机にある。
私は、ここにいるから。
貴女がどんな選択をしようと、私はここにいる。

2004年08月10日(火)

遊んだ一日
土曜日、君は久しぶりにチャット。
私が勝手に命名した「怒涛の24時間チャット』
朝、PCをつけると、名残があちこちにあった。

デスクトップには、女性の写真。
  ねぇ、この人、45歳くらい?
  失礼な・・・35歳だよ。

次はカラオケソフト。
ついこないだ、カラオケはしない、音痴だからと
言ってたのに。
J-WALKをかけると、歌いだした。
驚いた。
歌ってるのを初めて聞いた。
で、音痴だった。

次は顔文字辞書。
君は今まで持ってなかったのに、教えてもらったそうだ。
しばらく遊んで、私が仕事を始めた。
『顔』と打ったら『 (。・_・。)ノ』と変換した。
二人で爆笑した。

***  ***  ***  ***  ***

君からの依頼で、イラストに挑戦した。
図画工作の嫌いな私。
私が描いている物を見て、見なかったことにしたいらしい。
  ペンタブレットを買おうか?
  そういう問題じゃないので、無駄になるよ。

数時間格闘して
  ほら、色をつけたら、ちょっとましになった。

君は無反応、無表情。

書体で適当なものがないから、筆と墨で書くことになった。
君はマジメだから、何度も練習する。
私は、2〜3枚書いて、「完璧だあ」で終わる。
私の力作は却下された。

今日は一日、遊んで終わった気がする。

2004年08月09日(月)

捨てた
ストラップをはずし、捨てた。

人が夢中になっていたり、熱中しているのを見ると冷める。
彼が以前言ったとおりの性格のままだということがわかった。
だから、思ったとおりに何かを言うと
誰からも嫌われ、苛められた。
わかっていたから、出さなくなった。

興味のあるふり、関心のあるふりをして
優しそうにしていた。
だから、私は少しづつよくなっていたのだと勘違いした。
私に嫌われたくない一心で隠していた。
突然、たがが外れることもあった。
だけど最後は、ごめんねと謝った。

私が彼に別れようと言ったのは
私自身がどうしようもなく追い込まれたから。
俺のことを誰よりもわかってくれた。
わかってくれるのは私だけ。

わかっていても、どうすることもできなかった。
わかったからといって、彼を変えることはできなかった。
そして私が悲鳴を上げた。

彼と電話で話し出してすぐに、心臓が踊りだした。
半年振りだった。
去年の10月から徐々に動悸がひどくなり
4ヶ月続き、別れてすぐに治った。

彼を理解することと、私が平常でいられることは別だ。
神経質にピリピリしているのは、慣れたけど
心臓が苦しくなると動けなくなった。

彼を理解することと、受け入れることは別問題だ。
私はその器じゃない。
彼以上にギリギリの線にいる人間なら
彼も驚いて、自分を抑えるかもしれない。

君と知り合って、私は普通の感覚を持つ普通の会話が
新鮮だった。
正直に言うと、戸惑った。
それほど私も異質なものに慣れていた。
同僚・友人・知人と話すとほっとしたのは、
彼との会話に、構えがあったからだ。

私は彼を思う気持ちの大きさで、耐えられないはずなのに
耐えられると勘違いして、そう自分に思い込ませた。
久しぶりに全く波長の違う会話をして戸惑った。
彼が話していると嫌悪感ばかりだった。
彼といたときには「普通じゃない」のに
じゃあ普通ってなんだと気持ちを捻じ伏せた。

彼は自分の状態を誰よりもわかっている。
だけど、わかっているからといってどうすることもできない。
彼と別れた最大の理由は君に愛されたからじゃない。
君との会話で、すっかり忘れていた、私にとっての普通さの
感覚を取り戻したからだ。

彼のこれからを思うと、情けなくなる。
私にできることがあればと、簡単には思わない。
私には、どうすることもできない。

私は今も特殊な環境にいる。
誰とも会話しないのは、文字通り。
例えでも比喩でもない。
君と話す以外は、声すら出さない。

彼といた時は、たくさんの人に囲まれて仕事をし
大勢と話し、自分を隠しながら生きていた。
どちらがいいのかはわからない。

だけど、言えるのは、私の心臓は元に戻り
ガリガリに痩せていた身体は、太りすぎなくらいだ。

彼を憎んだのは、私のいた2年半が無意味だったから。
私のしたことを反故にしたから。
私が消えたせいで彼は捨て鉢になったままだ。
そして私を憎んでいる。

今でも私が彼のもとにいたら、彼は自分を抑え
優しく振る舞い、そして私は壊れてしまっただろう。


彼は言った。
初めて大喧嘩したねと。
喧嘩は初めてじゃないけど、怒鳴りあったのは初めてだ。
彼はいいように受け取った。
私がどんな気持ちになったのか理解していないから
そんなふうに言えたんだ。
私に与えた嫌悪感に気づかない。

私はストラップを捨てた。

2004年08月08日(日)

52分
零時過ぎ、メール受信。
元気にしてる?と、たった一言。
熱のせいで元気ではない私は、元気だと言っておこうと返事。
電話していい?
いいよ

それから電話を切るまでの、たった52分で
私は怒り狂った。
怒鳴り、言い返し、吠えた。

話し始めたすぐあとから、おかしかった。
何を言っても、俺には関係ないし、人のことだから
勝手にすればって思うしと、投げやりな皮肉な
言い方でしか返ってこない。

そのうえ、熱があるといえば
彼に看病してもらえば?
首が捻挫だと言えば、エッチのしすぎで?と
なんでもかんでも、えっちに結びつける。
それも下卑た笑いと、投げやりと無関心さで。

こんなオトコだったんだ。
どんどん冷めていき、どんどんムカついた。

話の内容は、ほとんどない。

マジメに付き合う相手はいないけど
えっちするには困ってない。

私も負けずに、相手を選んだほうがいいよと言うと
大笑いされた
あんなに開けっぴろげで、長い哄笑は初めて聞いた。
いつまでも笑い続けているので
どういう意味かと問うと
オマエに言われたくない。

これだけ会話が苦痛な相手は、久しぶり
何を言っても悪く取り、どう言っても性的な話と絡める。
そして何故そんな話し方をするかと聞けば
愛情を見せるわけにいかないから、こうなるし
ふだん連れと話してるときそのものだし。

私が最も近づきたくないタイプで
大嫌いな性格で、そりが合わない典型だ。

以前彼が言ったことが、ようやく理解できた。
本当の自分を見せると絶対に嫌われる。

電話を切った後、怒りと嫌悪と、君の言葉を
思い出し眠れなくなった。
「彼って人は、普通じゃないな」

大嫌い、大嫌い、最低、最低、大嫌い

ぶつぶつぶつぶつ、ムカつきながら吐き続け
二度と私の前に現われるなと
金輪際、接触できないようにした。

PCメールと携帯電話の受信拒否。
PCの奥深く眠っているバックアップ全て削除。
ハードディスクから永久に消え去れとデフラグ。
7月27日に偶然見つけてから毎日覗きに来ていた
例のサイトの削除。

こんな男のために
こんな男のせいで

ここまで憎しみが湧いたのは、離婚相手以来だ。
PCそのものをぶち壊したい衝動を抑え込み
明け方眠りについた。

嫌みったらしい刺々しい言い方ばかりの
52分間で、一つ思い出した。

人が作ったものなんかどうでもいいよ。
どうしようと関係ないしな。
前みたいになってしまうし。


前みたいにしてしまった後で、こう言ったのを
思い出した。
前回は、消えることで焦燥感と喪失感を味わえばいいと
それでも相手がどう感じるか考えながらだった。
今回は違った。
私の人生から永久に消えてしまえ。

何もかもイヤになった。
罵っている私に、そっちだってそれが素の性格でしょ
と言った。
だからどうだって言うの
永久に顔も声も気配さえも感じたくない。


2004年08月07日(土)

新名所=混雑=天敵
   行きたい所ある?

   別にないなあ


でもそう言ってしまうと、話が前に進まない。
だから

  六本木ヒルズ(とりあえず新名所ということで)
  自分の宿泊先のホテル(絶対一人では辿りつけない)
  めちゃくちゃ、おいしいケーキ屋さん
  (店に拘りは無い、おいしければよい)
  君となら地の果てまで(ほんの冗談)

新名所ね・・・
ホントは、天邪鬼だからどうでもいいんだ。
できたてのところは、混むでしょう。
だからね、世間に馴染んだ10年後くらいでいいのです。
いつもそう。
流行ってるよ=混雑⇒絶対近づかない

いつからなのか知らないけど
「スィーツ」って言うようになったのね。
なんじゃ?スィーツって。
sweets?

洋菓子も和菓子も、生菓子も焼き菓子も
全部ひっくるめて呼ぶには便利ですね。

suiteをスーツと発音して、実はそれは
スィーツだったと気づいたのは最近。
スーツはsuitだった。
ややこしい・・・

で、スィーツ=sweetは、

  ん〜〜〜ん〜〜〜
  知らん。
  ケーキなぞ、お店で食べることのない物。
  調べるがよろし!

と返事が来て、調べた。
東京ならではの店を調べた。
でも最初に出てくるのは
馴染んだ神戸方面本店のものばかり。

パティシエもショコラティエも、世の中溢れてるみたい。
フランス語をカタカナで書けば、あら、オシャレ!

なぜか、六本木ヒルズの2軒に辿りついた。
読むと、行列ができてるらしい。
まずい・・・
絶対、無理・・・

そして、六本木ヒルズってとこは巨大らしい。
巨大⇒歩き回る⇒疲れる⇒機嫌が悪くなる。
デパ地下でいいです。
そう返事しよう。


***  ***  ***  ***  ***

My enpituしてくださっている方、
どうもありがとうございます。

反対にMy enpitu非表示なので、日記才人経由で
登録させて頂いている方もいます。
アクセス解析をしてらっしゃる方もたくさんいます。
私の訪問ログが、山ほど残っていても怖がらないでください。
決してストーカーではありません。

コメントが変わる投票ボタンを数日やってみました。
めんどっちい・・・
1日に数回つけてらっしゃる方、マジで尊敬します。
自分でやってみて、いかに手間かよくわかりました。
楽しみながら、できればいいんだけど
面倒くささが先に立ちました。



2004年08月06日(金)

微熱
仕事を始める前と
お昼休み
そして、帰る前なんだろうな。
3回も見に来てたね。

私と違って、また次の日って、できるんだね。
堪え性のない私とは大違いだね。

不思議なのはね、どうして家で見ないのかってこと。
家に帰ると、ビールを飲んで寝てしまうだけだって
前に言ってたけど。
今も、それは続いてるの?
それとも、事情はまた変わった?

あのね、毎日更新できないの。
たった数行が、なかなか浮かばないから。
それに、あの場所は、日常の細かいことは
書かないの。

詩でもない、エッセイでもない。
呟きのような、独り言のような
そんな言葉しか使わないつもりで作ったの。




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こう書いたから?

最初に作ったサイトもそうだった。
アクセスログを毎日見て
あの人が見に来ていることを確かめて
あぁ、今日も元気でいてくれてると
ほっと安心した。

彼に同じことをするようになるなんて思わなかった。
離れていると、何かあっても私にはわからない。
誰も連絡してくれないでしょう。

彼と付き合っていた時
メールや電話が少しでも途切れると
事故に遭ったんじゃないか、
病気になったんじゃないか。
次から次に不安になるようなことが浮かんでくる。

だから、彼が見に来ているのがわかる今
そういった心配だけは、しなくてすむ。

ギャラリーに載せるものを作ろうとしたんだけど
ダメだった。
何も手につかなかった。

今日は、暑かったね。
エアコンの効いた社内にいるのに
私の手は真っ赤だった。

あのね、また自律神経がおかしいみたい。
子供の頃からだけど、最近またぶり返したみたい。
掌で体温計をぎゅっと握ると
38度くらいあるんだよ。
誰でもそうなのかな。
って、いくら暑いからって、掌で体温を測る人なんか
いないか。

これも前からだけど、暑くても汗が出ない。
出口を失った熱が、体内に篭って息苦しい。

こんなこと、彼に言ったことあったかな。
彼といた時は、汗をかいていて、
ようやく、まともな身体になれたって喜んでた時だっけ。

私は、あの人や彼と知り合う前に、戻ってしまってるみたい。
流行っていても風邪をひかないくせに
微熱がずっと続く体質。

2004年08月05日(木)

以心伝心?
予感ってなんとなくあたるんだな。
昨日のことがあったから
午前中に、あのサイトに解析タグを貼り付けた。
修正や更新をしている間に、彼が来ていた。
目が点になった。

彼も驚いたと思う。
同時刻、見ている彼と、更新している私。

8月に入って、彼が昨日、久しぶりに見たらしい。
そして、癖なのかなんなのか、トップページに飛んだ。
そうしたら、なくなっていたはずのサイトが
装いも新たに?現われた。

よかった。
意味不明なことばかり書いてる場所にしておいて。

よかった。
調子に乗って、ここからリンクしないで。
冗談半分にしようとしてた。

ここがバレなければ、それでいいよ。
バレてもいいと開き直ったけど、彼の痕跡を
目の当たりにすると、腰砕けになってしまった。

私たちは何をしてるんだろうね。
私はメールしないし、彼もそう。
私たちは、変だよ。

先週だったかな。
TUTAYAに行ったときのこと。
駐車場を歩いてたら、そっくりの後姿を見かけた。
私は驚くと声が出ない。
だから君は気づかなかった。
私はぎょっとして、口をボケっと開けて、次に息を呑んだ。
棒立ちになりかけて、何度も振り返った。

少し顔のラインが見えた。
髪型も、頭の形も、背丈も、体形も、彼とそっくりだった。
彼にしか見えなかった。

あまりに驚きすぎて、嬉しい、悲しい、懐かしい
そんなもの全部、感じなかった。

いるはずの無い場所に、いるはずの無い人を見たのは
2度目だ。

誰ともしゃべらないまま生活していると
こうなってしまうのかな。





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お願いだから

戸惑わないで
期待しないで

振り回すつもりなんか、これっぽっちもないから。

お願いだから

2004年08月04日(水)

私は ここに いる
面倒だったのと、まぁいいやって思ったのと
別のレンタルスペースで上げられなかったのと。
だから、前のサイトアドレスを使ったのだけど。
伝えたのは、ほんの2人。

先週末だったかな。
興味半分でカウンターをつけた。
毎日10人以上の訪問者がある。
驚いた。
思わぬところからの訪問。

終わる時、リンクしていただいていた方たちに
リンク削除のお願いをした。
漏れていた・・・
これでまたバレたら、自業自得だな。

そこはパスワードもかけずに
君の前で更新することもある。
それは、君が絶対に覗かないことを知ってるから。
どうして、見ないのかわからないけれど。





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だから、気づいた後もリンク削除のお願いはしていない。
そして、移動することも一瞬だけ浮かんだけど
きっとしない。

癌の男性が、Web日記を書いている。
闘病記だけじゃなく、日常のことも仕事のことも
同じ線上で書かれている。

Webで公開していると、メールや手紙がすごいらしい。
新興宗教の勧誘、健康食品の売り込み。
いろんな心配や同情。
ほっといてくれと言いたくなる。
思い遣りが重たく、イライラすることも多い。
だけど、自分の周りに、そんな人間がいたら
きっと心配して気遣うし、無視されるのも
嫌なもんだし、みたいなことを書かれていた。

自分は決して特別ではないけど
存在は認めてもらいたい。
私もそうだ。

メールフォームを最近表示したので
ここで予防線を張っておこう。

私は癌患者だったし、愛する人もそうだった。
だから何も知らないくせに、きいたふうなこと
書いてんじゃないよって、攻撃は却下です。

なったものにしか、わからないのは当然だけど
似たような病名がついていても、性格や環境や
諸々で、病気の受け取り方が違う。
これは他のこと、全てに当てはまる。
恋愛然り、生活然り、境遇然り。

だから、私も一緒、よくわかる、同じです。
のような、安易な同調はしないし、されたくない。
そして感情移入も滅多にしなくなった。

そして、Web上で、何かを公開している人は
根底に、自分自身の存在を認めてもらいたいと
少なからず思っているはず。

こんなとき、いつも浮かぶ言葉がある。

  Raison d'etre

   存在意義・存在理由



   私は、ここに、いる。

2004年08月03日(火)

花火
花火の音が聞こえる。



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今年も花火見物に、連れて行ってくれる人はいないけど、もうかまわない。

振り向けば見えるのに、私は音から遠ざかるように
家路を急いだ。
ベランダに出て、音のする方向を見上げた。
思ったより低い位置で上がった。

浴衣で嬉しそうに歩くカップルを横目に
仕事をし、誰もいない部屋に帰る。
それは去年と同じだけれど、あの時の孤独感はない。

***  ***  ***  ***  ***

レアル対ベルディの試合を見ながら
気になるのは、もっと大切な試合結果。
メールの返事はなかった。
直前に士気を低下させるようなことをした。
結果が私のせいでなければいいのに。

本当にごめんね。
私は何もしてやれないどころか
傷つけることばかりするね。

浴衣を着て、花火を見に行ったね。
泣きべそをかきながら、私が構えるカメラに向かって
走ってくる。
あの時の顔が、愛しいよ。

2004年08月02日(月)

初日 最新

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