ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2019年11月29日(金) 最後があるから始まりもある

予報通り今季一番の冷え込みとなる。

おそるおそる窓を開けてみたら満天の星。

寒空をよそに星たちのなんとあたたかいことだろう。

おかげで寒さを忘れてしばし空を仰いでいた。



昨夜遅くに母がお世話になっている看護師さんから電話があり

母が腰の痛みを訴えているとのこと。寝違えたのかもしれないと。

深夜の事でどうすることも出来ず朝まで様子を見ることに。

痛みが少しでも和らぐようにと湿布を貼ってくれたようだ。


今朝は通勤路を変え出勤途中に母の様子を見に行く。

良かった。昨夜よりも痛みが少し和らいでいるようだった。

母も「だいじょうぶ」と言って精一杯に笑顔を見せてくれる。


月末の仕事があり後ろ髪を引かれつつも職場に向かった朝のこと。


午前中に月末の支払いを済ませ今月もなんとか乗り越えた。

お昼休みを利用して義父と母のアパートへ向かう。

部屋は義父のおかげですっかり片づいていたのだけれど

駐車場にバッテリーの上がった母の車が残されていた。

それもエンジンがかかるようにして最後の片づけとなる。


大家さんに部屋の鍵を渡し長い間お世話になったお礼を。

とうとう最後の日だった。胸に熱いものが込み上げてくる。

義父も「なんだかさびしいなあ」と呟いていた。

長年母が暮らした痕跡はもうどこにも残っていないのだ。

私と義父とで見届けた最後の日。母には決して見せたくなかった。



午後少し残り仕事を済ませているうちに遅くなり

母の様子を見に行けないまま帰路につく。

看護師さんに電話したら今のところ落ち着いているとのこと

昼食もみんなと一緒に食堂で食べられたそうだ。


看護師さん、ヘルパーさんのおかげで安心していられる。

もし独り暮らしだったらまた大変なことになっていただろう。


夕焼け空がきれい。母の部屋からもきっと見えたことだろう。





2019年11月28日(木) 冬だからこその楽しみ

冷たい雨の一日。夕方になりやっと晴れ間が見えたけれど

明日の朝は放射冷却で今季一番の冷え込みになりそうだ。

寒さを怖れてはいけない。そう言い聞かせながら身構えている。

いったいいつから冬が苦手になってしまったのだろう。



仕事を終えて帰宅するなり炬燵に潜り込む。

「コタツムリ」の季節になったのはなんだか嬉しい。

じいちゃんと一緒にNHKで「ゲゲゲの女房」の再放送を見る。


「ただいまあ」とあやちゃんの元気な声。

ちらっと顔を見せると二階に上がって行ってしまった。

暖房なしでは寒いだろうと様子を見に行くと

体温計で熱を測っていたのでびっくりしてしまった。

熱はなかったけれど木曜日ともなると疲れが出るのだろう。

重いランドセルを背負って毎日歩いてほんとうにえらいと思う。


5時には娘とめいちゃんが帰って来る。

今夜は寒いのでみんなで鍋を囲むことにした。

娘むこも早めに帰って来てくれてわいわいと楽しい夕食。

鍋料理の季節なのだ。それも冬の楽しみであった。


11月も明後日で最後。本格的な冬になるけれど

冬だからこその楽しみを見つけていきたいと思う。


そうそう、私の誕生日も近くなりましたよ。







2019年11月27日(水) いのちのろうそくがゆうらゆうら

連日の曇り空。気温はそう低くないというのに肌寒い。

この天気が回復すれば本格的な冬になりそうだ。



仕事が早めに終われたので母に会いに行く。

心から会いたいと思う。もう以前の私ではなかった。

どうしているかしらと気になってしょうがないのだ。


甘いものが食べたいと言うので買いに行こうとすると

一緒に行きたいと言い出し許可をもらって買い物に行く。

すぐ近くのコンビニへ。母はとても嬉しそうだった。


樹木希林の本があって「読みたい」と目を輝かせる。

そういえば本屋さんに行く約束をまだ果たしていなかった。

「高そうね」と心配する母に「大丈夫よ」と頷いて見せる。


母は母なりに自分の楽しみを見つけようとしているようだ。

読みたい本を読ませてあげたい。食べたい物を食べさせてあげたい。

ショートケーキやお饅頭も買ってまるで子供のような顔をしていた。


部屋に帰るなり早速本を読みたそうにするので私も帰ることに。

「気をつけてね」と優しい母の声がした。

私に何かあったら母も生きてはいけないのだと言う。

それほど私を頼りにしてくれているのかと嬉しかった。


いつ何があるかわからないけれど母を置いては逝けないのだ。

いのちのろうそくがゆうらゆうら。手をかざして消えないように

しっかりと生きていかなければとつくづく思った午後のこと。



2019年11月26日(火) 「おいしいね」の声が嬉しい

今日も曇り空。朝から気温があがらず肌寒い一日だった。

首を温めると良いそうでそろそろスカーフの出番のようだ。



めいちゃん元気なのだけれど身体に発疹が出ていた朝。

熱もないのでとりあえずいつも通りに登園する。

気になるので娘が仕事が終わり次第に病院へ連れて行くことに。



仕事は午前中でほぼ片づきいつもより早めの帰宅。

ガス屋さんが来てくれて衣類乾燥機の契約があった。

来月早々には設置が出来るとのこと

もう雨の日も大丈夫。コインランドリーに行かなくても良い。



「ただいまあ」元気な声であやちゃんが帰って来る。

5分で宿題を済ませて近所のお友達の家へ遊びに行く。

男の子で上級生なのだけれどふたりはとても仲良しだった。



娘たちの帰宅が遅く台所で奮闘していたら

あやちゃんがお手伝いをしてくれた。

ハンバーグとポテトサラダ。とても嬉しそうなあやちゃん。



めいちゃんはまさかの溶連菌が見つかりびっくりだった。

抗生剤ですぐに治るとのこと。保育園も行っても良いと。

皮膚科ではなく小児科に行って正解だった。

熱のないのが幸い。明日も元気に保育園に行けそう。



あやちゃんピアノ教室の日で晩ご飯が間に合わず

帰ってからゆっくりと家族4人でにぎやかに食べていた。

「おいしいね」の声が聴こえるとほっと嬉しい。


今日も「いい日」でした。ありがとうございます。



2019年11月25日(月) 明日はハンバーグにしましょうね

曇り日。陽射しはなくてもぽかぽかと暖かい。

職場の近くの銀杏の葉が散り始めて落ち葉もまたきれい。



今朝は久しぶりにめいちゃんと保育園へ。

お昼寝のお布団があったけれど

自分で持つと言って頼もしいこと。

門をくぐるのを見届けてから山里の職場に向かう。

5歳を過ぎてからずいぶんとしっかりとしてきた。

たまにかんしゃくを起こすけれどそれも成長の証だろうか。



仕事はぼちぼちの忙しさ。週末はもう月末なので

あれこれと頭を悩ますこともあるけれど

なんとしても乗り越えようと自分を励ましている。


義父が母のアパートへ行ってくれた。

エアコンの取り外しと荷物を少し運び出してくれたようだ。

これも月末までにきれいに片づけなければいけない。

義父の助けあってこそのこと。今日はほっとありがたかった。




家族そろっての晩ご飯。あやちゃんが気に入ったおかずがなく

すっかり拗ねてしまってトイレに籠って出てこない。

「わがままは許さないよ」と怒る娘。

あやちゃんの好きなメニューにしなかったおばあちゃんも悪い。

結局娘がオムレツを作ることにしてやっとトイレから出てくれる。


明日はあやちゃんの好きなものを作りましょう。

そうね。ハンバーグにしましょうね。






2019年11月24日(日) 孫たちの声にほっこりと

日中少しだけ雨が降ったけれどまるで春雨のよう。

肌寒さもなく暖かな一日だった。



高知県知事選挙の投票日。野党推薦の候補者に投票する。

自民党には敵わないだろうなとじいちゃん。

なんだかむなしいけれどかすかな望みを託すばかり。



雨が降らないうちにと久しぶりにお大師堂へ。

今月はずっと母のアパートへ通っていたので

ずいぶんとご無沙汰をしてしまった。

お参り仲間のいとこが私の代わりを務めてくれていて

花枝も新しく、手水鉢の水を入れ替えてくれていた。

気にかけてくれる人がいてくれてほんとうにありがたい。

ほっこりと穏やかな気持ちになりゆっくりと手を合わす。



午後3時頃、娘たちが無事に帰って来てくれた。

懐かしいような孫たちの声に玄関まで飛び出して行く。

とても楽しかったようであやちゃんの声が弾んでいた。

あれこれと心配していたのが嘘のよう。

無事に帰って来てくれてほんとうに良かった。



お風呂上がりのにぎやかな声にほっと微笑みながらこれを記す。



2019年11月23日(土) ささやかな旅をたのしみましょうね

昨夜のうちに雨があがり穏やかな晴天となる。

ぽかぽかと暖かく絶好の行楽日和となった。


じいちゃんとふたり紅葉を求めて少し遠出のドライブ。

2時間ほどで仁淀川町の「安居渓谷」にたどり着く。

山間部で途中から悪路ではあったがなんと綺麗な仁淀川。

「仁淀ブルー」と呼ばれているだけあってほんとうに青く美しい。

狭い道ばかりで車を停められず写真が撮れなかったのが残念だった。


紅葉も終わりかけていて先週がいちばんの見頃だったとのこと。

それでもたくさんの観光客が押し寄せていて大賑わいだった。


昼食に「あめごの塩焼き御膳」を奮発する。

初めて食べたあめごは鮎よりも淡白でとても美味しかった。

花より団子ではないけれど紅葉よりもあめごという感じ。

それだけでもはるばると来たかいがあったのだと思う。


今年最後のドライブになるのかもしれない。

いろんなところに連れて行ってくれたじいちゃんにひたすら感謝。


車に高齢者マークを付けるようになったら

そうそう遠出も出来なくなるだろうなと言っている。

私も無理をしてまで連れて行っては欲しくない。


残された人生。ささやかな旅をたのしみましょうね。



2019年11月22日(金) 心配性もほどほどに

二十四節気の「小雪」冷たい雨の一日となる。

おひさまのありがたさをつくづくと感じる。


「いい夫婦」の日でもあるそうで

なんとなくくすぐったいような気もした。

人生のよき伴侶に恵まれたことを幸せにおもう。




今夜から娘たちが二泊三日の旅に出た。

慌ただしく風のように出掛けて行き見送りもままならず。

ちょうど入浴中のこと「行ってくるよ」と娘の声が聞こえる。

がらんどうのような我が家でしんみりとしながらこれを記している。


今夜は南国市で一泊し明日高松のレオマワールドに向かうのだそう。

夕方めいちゃんに「どこに行くの?」と尋ねたら

「りょこうへいくの」と微笑ましい返事が返ってきた。

初めての家族旅行。きっと楽しいことだろう。


私は心配性なものだから交通事故がないようにとか

ホテル火災がないようにとか大地震がないようにとか

悪いことを考え出したらきりがなくって

もういいかげんにしなさいと自分を宥めてばかりいる。

せっかく娘たちが楽しみに出かけたのになんと情けないこと。


とにかく旅の無事を祈ろう。

みんなが元気に笑顔で帰って来てくれますように。



2019年11月21日(木) まっすぐに空を見上げる

冷たい風が和らぎ過ごしやすい一日。

仕事の手を休めては外に出て陽射しを浴びる。



幼馴染の友のお母さんが亡くなった知らせ。

取り急ぎお悔やみに行っていた。

友が突然この世を去ってからもう2年。

春にはお父さんが亡くなったばかりだった。


老衰だとのこと天寿を全うしたとはいえ

残された家族はどんなにか寂しいことだろうか。

友のお姉さんも憔悴し切っていた。

危篤状態になってからずっと看病していたらしい。

昨日ふっと「もういいや」と思ったと言って

「私のせいで死んだのかも」と涙を流していた。


そうじゃないよ。最期を看取ってくれてどんなに嬉しかったことか。

お母さんの死に顔はなんとも安らかで微笑んでいるように見えた。



庭先には皇帝ダリアがまっすぐに空を仰いでいた。





2019年11月20日(水) おみやげは笑顔です

いちだんと冷え込んだ朝。そんな寒さにも少しずつ慣れて来た。

日中も冷たい北風だったけれど優しい陽射しのありがたいこと。

風の当たらない場所にいるとぽかぽかと暖かい。



午後、集金があり宿毛市まで。

母のアパートのすぐ近くなので荷物を少し運び出す。

一気に終わらせたい気持ちがつのるけれど

義父に助けてもらわなくてはとても無理だろう。

「まあそのうちに」と義父はのんびりと構えている。


帰り道に母に会いに行く。おみやげは笑顔。

今日はお風呂の日で母はもうパジャマ姿だった。

スヌーピー柄のパジャマが気に入ってくれたようで嬉しい。


ヘルパーさんがお布団を干してくれていてありがたいこと。

おひさまの匂いのするお布団なんて久しぶりのことだろう。


普通の介護施設とは違って訪問介護のかたちでお世話をしてくれる。

看護師さんも介護士さんも常駐しているけれど

私と同じくらいの年頃のヘルパーさんが多いようだ。

話し相手にもなってくれているようでほんとうにありがたい。

今日も冗談を言い合ったりして母の部屋は笑顔でいっぱい。


母が日記に書くことが何もないと言うので

毎日一句、俳句でも川柳でも良いから書くようにしようねと。

そうしたら目をきらきらさせて「そうね」と言ってくれる。

新聞の文芸欄に投稿するのも良いだろう。

今の母には「生きがい」が必要なのだと思わずにいられない。


母の笑顔に会えてほんとうに良かった。

今日ははなまるの「いい日」でした。



2019年11月19日(火) 身の程を知りながら

いつもより暖かく感じる朝だったけれど

日中は北風が強く吹き冬らしくなる。

お隣の山茶花がもう散り始めてしまって

花びらがたくさん我が家の庭に舞い込んでいた。



仕事を終えて帰宅すると娘がいてくれて

台所を片づけてくれていたり洗濯物をたたんでくれていたり

お休みの日は家事をしてくれるのでとても助かる。



先週からあやちゃんがピアノ教室へ通っており

午後6時からなのを「おなかがすいた」と言って

早めに夕食を食べる。娘がフライドポテトを揚げて

あやちゃんはそれをご飯にのっけて「ポテめし」だとか。

よほどおなかが空いていたのかお茶碗二杯も食べる。


ピアノ教室はすぐ近所だけれど県道を横断するので

娘とめいちゃんが付き添って出掛けた。

めいちゃんも習いたいのではと思うのだけれど

まだ5歳だからと言って娘が聞かない。

やがてはふたりとも通うようになることだろう。


私が子供の頃にはバレーとピアノ。お習字と硬筆。

月謝も大変だったろうに今更ながら両親に感謝している。

母が父を説得してくれたのかもしれなかった。


そんな親の苦労を考えもせずに何もかも中途半端。

いまだに何をやっても身の程を知るばかりだった。


60の手習いもあるでしょう。70の手習いもあるのかしら。



2019年11月18日(月) 今日はパジャマ記念日にしよう

この時期にしては暖かい雨。恵みの雨になったことだろう。

朝の峠道に差し掛かる前にちいさな畑があって

案山子さんが新しい服に着替えてぽつんと見守っていた。

畑には白菜だろうか大根だろうか鮮やかな緑が萌えている。

とてものどかな風景で毎朝通るたびにほっこりと微笑んでいる。



仕事は今日もぼちぼちの忙しさ。

お昼休みを利用して義父の軽トラックで母のアパートへ。

明日が収集日なのでごみ袋を運んでおきたかった。

少しでも出来ることをと思う。片づいて良かった。



仕事を終えて帰り道に西松屋へ寄る。

あやちゃんのパジャマが小さくなっていて買ってあげたかった。

めいちゃんはお姉ちゃんのおさがりばかりなので可哀想。

ふたりのパジャマを買ってうきうきしながら帰る。

孫たちの喜ぶ顔が見たくてたまらなかった。



娘の帰りが遅くなる日でめいちゃんは延長保育をお願いしていた。

あやちゃんと3人で先に夕食を済ます。

「このコロッケはどこの?」するどいあやちゃんに苦笑い。

娘が遅くなる日には一人で頑張らないことにしている。

すっかり手抜きにはなるけれど誰も文句は言わない。


お風呂上がりの孫たちが「おばあちゃんみて」と言って

可愛らしいパジャマ姿にほっこりと笑みがこぼれる。

だから今日はパジャマ記念日にしよう。





2019年11月17日(日) 「いい日」をありがとうございました。

日中は今日も小春日和。優しい陽射しのありがたいこと。

やわらかな陽射しを浴びていると何もかも忘れてしまいそう。



今日も母のアパートへ。もう何度目だろうか。

やっと荷物の整理が終わりほっとする。

後はすべてを運び出して掃除をすれば完了だった。

義父は用事があり来られず残念。

一気に終わらせたい気持ちがつのるばかり。

焦ってもしょうがないなと思いお昼前に帰路につく。


母の昼食の時間。何を食べているかなあと考えたり

食事がとても美味しいそうで楽しみにしているようだ。



午後は久しぶりにお昼寝をした。

うたた寝のつもりが2時間もぐっすり眠っていたよう。

目覚めたらじいちゃんが「ぽつんと一軒家見るか」って。

それから大相撲。大好きな炎鵬を見てから夕食のしたく。


娘婿が伊勢海老とハマチを釣って来ていて豪華な夕食。

お刺身大好きなめいちゃんがすごい食べっぶりだった。

私はみんなの笑顔が嬉しくて何よりのご馳走に思う。


「いい日」をありがとうございました。



2019年11月16日(土) 母が嬉しいと私も嬉しい

朝は冷え込んだけれど日中は穏やかな小春日和。

やわらかな陽射しのなんとありがたいこと。



あやちゃんがお休みなのでめいちゃんも保育園を休む。

じいちゃんに孫たちを頼んで母のアパートに向かった。

ふたりとも喧嘩もせずに仲良く遊んでくれたらしい。



義父が軽トラックで手伝いに来てくれて

ベッドなど大きな家具の殆どを運び出してくれた。

おかげで随分とはかどる。後は細々とした荷物のみ。

少しずつ整理をしながら母の思い出の品など見つけると

さすがに捨てるわけにはいかずそっと箱にしまった。


この箱を開けることはもうないのだろうと思うと

それはせつなくて母がとても憐れに思えてならない。



帰り道に母のところへ寄ったら気持ち良さそうにお昼寝をしていた。

陽当たりの良い部屋はとても暖かく母は猫のようだった。

そうして「にゃおん」と目を覚ましにっこりと微笑む。


ショートケーキが食べたくてたまらないと言うので

すぐ近くのコンビニに買いに行っていた。

それはそれは嬉しそうな母。一口食べるなり「うんまい」と。


母が嬉しいと私も嬉しい。とても幸せな午後だった。



2019年11月15日(金) 振り向けばいつも父がいてくれる

予報通りに冷え込んだ朝。きりりっと冷たい。

それでも窓をあけて夜明け前の月と星を仰ぐことが出来た。

真っ暗闇ではないことがとてもありがたく思える。

寒さイコール死などと不安がっている自分のなんと愚かなことか。



父の命日。もう16年の歳月が流れてしまった。

独り暮らしのアパートで孤独に死んでいった父。

その時私の名を呼んだのだ。それは午後6時半のこと。

私は時計を見ていた。父に電話してみようかなと思ったけれど

家事に追われていてまたそのうちにと思いとどまったのだった。



24時間後、父の友人から知らせがあり父の死を知る。

死後丸一日が経っていた。なんと惨い最期だったことだろう。

父の遺体に寄り添って一夜を明かしたことは一生忘れられない。


もうすっかり冷たくなっているはずの父がとてもあたたかだった。

そのあたたかさは今もずっと私の側から離れずにいてくれる。


父が見守ってくれているのだ。なんと心強いことだろう。


くよくよする時もあるけれど弱音を吐く時もあるけれど

振り向けばいつも父が微笑んでいてくれる。


「おまえは強いんだ。だから大丈夫。負けるなよ」って言って。





2019年11月14日(木) しっかりしろよわたし

北から寒気が南下してきたようで日中も気温が上がらず

木枯らしを思わすような冷たい風が吹いていた。

明日の朝はぐんと冷え込むそうで急いで冬支度をする。

温風ヒーターに灯油を入れて準備万端。

後は血圧が気になる。高くならなければ良いけれど

冬は体調管理に気をつけなければ命に関わるのだと思う。



今朝もめいちゃんが「おばあちゃんといく」と言ってくれたけれど

母に薬を届けなければいかず仕方なく先に家を出た。

いつもは山道をのんびりと通勤しているので

国道の通勤ラッシュはさすがに堪えた。


介護士さんに薬を手渡し母には会わずに職場に向かう。

後ろ髪を引かれるような思い。ごめんねおかあさん。

週末にはゆっくり会いに行けることだろう。



仕事を終えて今度は自分のお薬のために病院へ。

インフルエンザの予防注射もしてくる。

ビタミン剤のおかげですこぶる元気なのを伝えて来た。


身体が資本。元気でいなくては何も出来なくなってしまう。

寒い冬に怖気づいていてどうする。しっかりしろよわたし。



2019年11月13日(水) こころはきっと穏やかにちがいない

晴れのち曇り。今夜には雨になりそうだ。

明後日あたりから寒波がやってきそう。

いよいよ初冬らしくなるのだろう。



いつものようにめいちゃんを保育園に送り届けてから出勤。

山道ではたくさんのお遍路さんを見かける。

ツワブキの花に気がついてくれたことだろう。

颯爽と歩いていてもこころはきっと穏やかに違いない。


仕事は今日もぼちぼちの忙しさだった。

先日救急車のお世話になったという高齢のお客さん。

夏にも熱中症で救急搬送されていたのでとても気になった。

無理せずぼちぼちと過ごすよと笑っていたけれど

これからの寒い冬。独り暮らしは心細いことだろう。

なんだか母のように思えて親身にならずにはいられなかった。



仕事を終えて母のお薬をもらいに病院へ寄る。

昨日準備してくれたら良かったのにと思ったけれど

なぜか一日分しか渡せてもらえなかった。

明日の朝には届けてあげなければお薬を切らしてしまう。

担当の介護士さんからも電話があり気にしてくれていた。


これからは母のことで動く日が多くなりそうだけれど

決して苦に思ってはいけないのだと自分に言い聞かす。

ひとつひとつのことを親孝行だと思って

いままでのつぐないが出来たら本望だった。



帰宅して娘と一緒に洗濯物をたたむ。

母の洗濯物もあったので娘が「これおばあちゃんのだ」と。

母の名前は「しな子」なので娘がちょっとふざけて

「これはあや子の」「これはめい子の」と言って笑いあった。



2019年11月12日(火) 母のお引越しが無事に終わる

夜明け前の西の空に煌々と輝く月。

その光に照らし出されるようないのちの影。

わたしはわたしにそっとふれてみる。

生きているということはこんなにも尊いのか。



午前中に母を迎えに行き今日はお引越し。

母の門出を祝うような青空だった。

お世話になった施設の方達との別れを惜しんで

涙ぐむ母に私ももらい泣きをしてしまう。

短い間だったけれどほんとうによくしてもらったようだ。

孫のような介護士さんに抱きしめられて

おいおいと子供のように涙を流す母を見た。


そうして新居に向かう。なんとも晴れやかな気分。

気に入ってくれるだろうかと心配をよそに

母は母なりに新生活を望んでいたのだろうと思う。

いかにもリフレッシュした様子で笑顔を見せてくれた。

愛着のある炬燵に嬉しそうに足を入れて寛ぐ姿。

義父と顔を見合わせ大丈夫と確信し新居を後にする。



急ぎの仕事を済ませて帰り道にまた母のところへ。

賃貸契約を無事に済ませケアマネさんとの面談もあった。

皆さんとても親身になってくれてほんとうにありがたい。

介護の仕事の大変さは息子の苦労から知っていたつもりだったけれど

心からの介護に努めていてくれていることに頭が下がる。

甘え過ぎてはいけない。頼り過ぎてもいけないと思う。

いつだって労わり合う気持ちを忘れてはいけないのだ。



ベッドの上に新しいパジャマを置いて母のもとを去る。

どうか母がぐっすりと眠れますように。



2019年11月11日(月) おとうさんごめんなさい

夜中に雨が降ったようでしっとりと濡れていた朝。

久しぶりの雨だこと。農作物には恵みの雨になっただろう。



あやちゃんは参観日の振替休日。のんびりの朝ごはんだった。

めいちゃんが保育園に行きたがらないのではと心配していたけれど

今朝も「おばあちゃんといく」と言ってくれて嬉しかった。

月曜日はお昼寝のお布団があってたくさんの荷物を

全部自分で持つと言って頼もしく元気に登園する。




職場に着くなり義父が困ったような顔をして

母のことを誰にも話してはいけないぞと注意された。

先日同僚に話してしまったのでそのことだなと気づく。

同僚が他の人に話してしまったとのこと

別に隠さなくてはいけないことだとは思はないけれど

義父はやはり世間体を気にしているようだった。

本来なら山里の家に戻って一緒に暮らすべきなのだろう。

義父も母もそれを認めなかった。だから仕方ないことなのに。


話してしまったことはもう取り返しがつかない。

義父も私を責めることはせず宥めるような口ぶりだった。


朝一から複雑な気持ちになったけれど気を取り直して

目の前の仕事をこつこつとこなしていく一日だった。


明日はいよいよ母のお引越し。

すべてのことが順調に進むことをひたすら願っている。

母も義父もみんなが笑顔でいられますように。



2019年11月10日(日) 出来るだけのことをやり遂げて

朝の寒さはあるけれど今日も日中は小春日和。

ずっと晴天が続いておりありがたいこと。

11月も中旬を過ぎると初冬らしくなるだろう。

いまのうちに陽射しをいっぱいに浴びておきたい。



8時には家を出て母のアパートへ向かう。

35分の道のりにもすっかり慣れてしまった。


今日こそはとお風呂掃除を頑張る。

ごしごしと磨いてみればそれなりに綺麗になってほっとする。

後はトイレと洗面台。台所の流しの下には

箱に入ったままの新品のお鍋や食器がたくさんあった。

独り暮らしで使うこともなかったのだろうとせつなくおもう。


押入れの中に仏壇があった。数年前まで祖父母の位牌があったのを

もう供養できないと生まれ故郷の実家へ連れて行ってしまった母。

あの時は母の行為が納得できず私も本気で怒ってしまった。

今思えば母には母なりの考えがあっての事だったのだろう。


母の実家は後絶えになっており誰も供養してくれる人がいない。

母が両親の供養を泣き泣き放棄したとしか思えなかった。


義父との別居のきっかけにもなってしまった仏壇。

ただただ複雑な思いが込み上げてくるばかりだった。



今日も出来るだけのことをやり遂げて家路につく。

とにかくすべての荷物を運び出さないと終わらない。

また次の土日にやれるだけ頑張ってみよう。


ひと山もふた山も越えてみせましょう。



2019年11月09日(土) ひと山は越えたのかな

おだやかな小春日和。やわらかな陽射しのありがたいこと。


めいちゃんを保育園に送り届けてから母のアパートへ。

あやちゃんは参観日でいつも通りに登校する。



9時過ぎには義父が来てくれて軽トラックに荷物を積み込む。

心配していた冷蔵庫は思っていたほど重くなくなんとかなりほっとする。

後は炬燵や布団などを積み込み母の新居へと向かう。


先日見学に行った時には居住者の人の姿がわずかだったけれど

今日はたくさん居て皆さん陽だまりで日向ぼっこをしていた。

聞いてはいたけれど母よりもずっと高齢の人ばかり。

母が馴染めるだろうかとふと心配になったけれど

もう決めたこと。母次第なのだと思い直す。


部屋は陽当たり良好。それが何よりに思う。

今の施設では窓から外を眺めることもなかっただろう。

「いいところね」母がそう言ってくれることを信じている。


一段落してからアパートへ戻り義父と片づけをする。

まだ運び出さないといけない荷物がたくさんあって

軽トラックに載せられるだけ義父が山里の家に運んでくれた。

やはり私一人では捗らなくて義父の助けが必要。

明日は私一人になりそうだけれどやれるだけ頑張ってみよう。


ひと山は越えたのかなと思えた一日。

まだまだやることがいっぱいある。それはとてもありがたいこと。



2019年11月08日(金) こころも日向ぼっこ

立冬。暦の上ではもう冬が始まる。

冬があるからこそ春が訪れるのだと言い聞かす。

寒さなければ花は咲かずという言葉もある。


日中は暖かくなり山里では蝶々が飛んでいた。

こころも日向ぼっこ。ほっこりと一日を過ごす。



今週の仕事をそれなりに終えてほっと帰宅。

娘が先に帰っていて洗濯物をたたんでくれていた。

ふっかふかのおひさまの匂い。洗濯物も嬉しそう。


夕飯の支度まで時間があったので

母の衣類などに名前を書いていた。

なんだか保育園児みたいだなと微笑ましく思いながら

ふっとせつなさが込み上げてくる。

靴下にまで名前を書かれて母がショックを受けるのではないか。

素直に受け止めてくれることを願わずにいられない。


義父との段取りも整い明日は新居に荷物を運び入れる。

男手がもう一人欲しいけれどじいちゃんは孫守りだった。

「なんとかなる」と義父の言葉を信じよう。


明日の事はあしたでいい。明日になってみないとわからない。

わからないことをあれこれ心配するのが私の悪い癖だった。


ぐっすりと眠れば朝が来る。それさえも当たり前の事では

なくなってずいぶんと歳月が流れたように思う。


生きてさえいればなんだって出来るんだ。






2019年11月07日(木) どんな日もあるものです

今朝も冷え込んだけれど少しずつ慣れてきたよう。

明日はもう立冬。厳しい寒さはまだまだこれから。


半袖にカーディガンを羽織って登園するめいちゃん。

日中は半袖で過ごしているようだ。

夜はお風呂上りにだけパジャマを着ていて

寝る時にはパンツまで脱いですっぽんぽんなのだ。


今日はあやちゃの学校が終わるのを待って

娘がインフルエンザの予防接種に連れて行っていた。

すごい混雑していたようで娘から「遅くなる」と連絡がある。


夕飯の支度にてんやわんや。珍しくじいちゃんが手伝ってくれる。

やっと娘たちが帰って来ていつもより遅い夕食になった。


いつもならもうお布団に入る時間にこれを記している。

台所では娘が食器を洗ってくれていてその音が少し気になる。

苛々しているのが伝わって来て少しでも助けてあげなくては。


どんな日もあるものです。それでも平穏無事が何より。



2019年11月06日(水) こころをなくさずに過ごそう

日に日に朝の寒さが増しているようだ。

10℃を切るとさすがに寒さが身に染みる。

日中はぽかぽかと暖かい。まさに小春日和であった。


めいちゃん今日は遠足。とても嬉しそうに笑顔で登園。

ここ数日「おばあちゃんといく」と言ってくれて

保育園に送り届けてから山里の職場に向かっている。


小学校の校庭の見える道を通ると

あやちゃん達がマラソンの練習をしていて

「あやはどこかな?」と見つけるのも楽しみだった。



仕事はぼちぼちの忙しさ。来客も多くありがたいこと。

まだ11月になったばかりだけれどこのまま師走へと

走り抜けてしまいそうな気がする。

こころにゆとりを。こころをなくさずに過ごしたいものだ。



母の施設のケアマネさんから電話。

12日の10時に迎えに来てほしいとのこと。

それから今後の通院の話もあった。

今は病院内の施設にいるので定期的に診察を受けていたけれど

12月からは毎月母を病院に連れて行かなければならない。

了解はしたものの仕事をしながらの事で自信がなかった。

義父に助けてもらわなければ私にも限界がある。


その限界をいかに乗り越えるのかそれも試練なのだろう。

くよくよ思い詰めるのはよそう。きっとなんとかなるのだから。



帰宅してひとやすみしていたらめいちゃんが帰って来る。

遠足で農業高校の見学に行っていたのだそう。

「おうまさんいたよ。ぶたさんもいたよ」話が尽きない。

よほど楽しかったのかつぶらな瞳をきらきらさせていた。


こどもって素晴らしいなっておもう。

嬉しいこと楽しいことをいっぱいの笑顔で伝えてくれる。

悲しい時には大粒の涙を流して泣けるのだもの。



2019年11月05日(火) 陽だまりの猫のように

いちだんと冷え込んだ朝だったけれど

日中は雲ひとつない青空になる。

仕事の手を休めて空を仰いだ。

なんと優しいおひさまなのだろう。

陽だまりで猫のようにころがっていたいほど。



義父と週末の段取りをする。

荷物はけっこうあるけれど重いのは冷蔵庫だけなので

ふたりで頑張ればなんとかなるだろうと。

母が快適に暮らせるように準備してあげなくてはいけない。


仕事帰りにシーツと枕カバーとパジャマを買った。

スヌーピー柄のパジャマ。きっと似合うに違いない。

今度の施設では母がいちばん若いのだそうだ。

いや、施設と言う言葉を使ってはいけなかった。

高齢者住宅。母もそれならばと納得してくれたのだから。



仕事をしながら母の事ばかり考えていた一日だった。

母が新居に落ち着けば私もきっと落ち着くことが出来るだろう。

そうして母と笑顔でふれあえる日を私は待っている。


陽射しが降り注ぐ部屋で母を陽だまりの猫にしてあげたい。



2019年11月04日(月) なんとしてもやり遂げるから

よく晴れて日中はとても暖かくなる。

北日本ではもう初氷だとか。厳しい冬がやって来る。



「ゆっくり休めや」とじいちゃんが言ってくれたけれど

じっとしていられなくて今日も母のアパートへ。

カレンダーとにらめっこしていたら

とても週末だけでは終わりそうになかった。

とにかく出来ることを少しずつ頑張ろうと思う。


クローゼットの中には母のよそ行きのスーツ類がいっぱい。

高価そうな物ばかりで処分するわけにはいかなかった。

もう着ることはないだろうと思いながら衣装ケースに納める。


居間の書籍類。読書好きの母らしくそれもたくさんあった。

栞を挟んである読みかけの本もあって捨てるわけにはいかない。

母と同郷の「やなせたかし」の本はとても興味深く感じる。


台所の食器類はすべて捨てることに。

ごみ袋の中で音を立ててお茶碗やお皿が泣いているようだった。

こころを鬼にして捨てる。もう使うことはないのだと。


お風呂場は悲惨だった。今日はもう無理とこころが折れる。

お風呂掃除をするだけで何時間もかかってしまいそう。

最後の最後まで残して置くのも大きな負担に思える。

やるっきゃないのか。なんだか大きな課題が出来たようだ。


午後2時まで頑張ったけれどギブアップ。

車の後部座席にごみ袋を押し込んでくたくたになって帰宅する。


もう母に会いに行く気力もなく電話で報告をしたけれど

母は自分の目で見て捨てるものを決めたかったのだそうだ。

その気持ちもよくわかる。でも捨てたものはもう返らない。

複雑な思いが込み上げて来たけれど私の苦労もわかってもらいたい。

私はなんとしてもやり遂げる。放棄するわけにはいかないのだ。




今日は娘婿の35歳のお誕生日だった。

夜は家族みんなでささやかにお祝いをする。

あやちゃんが手作りの「かんむり」を作ってなかなかの傑作。

それを嬉しそうに被ってワイン三昧の夜だった。

アキ君お誕生日おめでとう。みんなみんな笑顔。



2019年11月03日(日) 出来る事だけを精一杯に

曇り日。やわらかな陽射しもあり暖かな一日。


午前中はまた母のアパートへ。

やれるだけのことを少しずつとおもう。

最初にトイレ掃除を済ませてから衣服の整理を。

もう何年も着ていないような古い服がたくさんあった。

それらをすべて捨てることにする。

ゴミに出すのは忍びなくリサイクル資源として引き取って貰った。


断捨離とはまったく縁のなかった母。

ほんとうはすべて残して置いて欲しかったのかもしれない。


新居に持って行ける衣服はほんのわずか。

冬物のセーターは虫に食われてしまって穴だらけだった。

新しいのを買ってあげようと思う。きっと喜ぶことだろう。



今日は一日中のつもりだったけれどまた少し疲れが。

一気にはとても無理なのでまた出直すことにしてお昼に帰る。

今週末には冷蔵庫などを運ぶので部屋も少しは片づくだろう。


報告がてら母に会いに行きたかったけれどお昼時で断念。

家に帰りつくなり倒れこむようにして2時間ほどお昼寝。


あっという間に一日が過ぎたけれどとても充実していた。

「明日はゆっくり休めや」とじいちゃんが言ってくれる。



2019年11月02日(土) ひいばあちゃんのいない家

連日の秋晴れが続いている。日中は24℃の暖かさ。

やわらかな陽射しをあびているとふと寒い冬がこわくなる。



孫たちをじいちゃんにお任せして母のアパートへ。

大家さんにも会うことが出来て今月いっぱいで引き払うことに。

15年近くもお世話になっていたようで歳月の流れを感じる。

ここ数年は入院ばかりで大家さんにも心配をかけてしまった。


さて何から手を付けようかと頭を悩ますようなありさま。

日捲りの暦が3月26日。もう母がこの部屋に帰ることはない。

どんなにか帰りたかったことだろうとふと憐れに思った。


冷蔵庫、炬燵、お布団は新居に運び込まなければいけない。

押入れをのぞいたら新品のお布団が見つかって良かった。

いつ来客があっても良いように母が用意していたのだろう。


今日はとりあえず新居に持って行く物しか手が付けられなかった。

後はまた少しずつ片付けに来ようと思う。


お昼にはじいちゃんと孫たちが訪ねて来てくれて嬉しかった。

孫たちが「ここはだれのおうち?」と不思議そうに尋ねる。

もうひいばあちゃんのいない家。切なさが込み上げてきた。



午後からは急ぎの仕事があり山里の職場へ。

2時間ほどで片づいたけれどくたくたに疲れていた。

やれるだけのことをやったのだと自分をほめてあげたい。


夕方のローソンで店員さんが「おつかれさま」って言ってくれた。

張りつめていた糸がぷつんと切れたようになって

ふんにゃりとしながら一番星を見上げた。










2019年11月01日(金) 肩の荷をひとつおろして

窓から三日月が見える。まるでメルヘンのような夜だ。


肩の荷をひとつおろして迎えた霜月。

母の転居日が12日に決まった。

それまでに準備しなければいけないことがたくさんあって

今月はとても忙しくなりそうだった。


じいちゃんを頼れば「俺の出る幕じゃないだろう」と言わんばかり。

一瞬悲しくてたまらなくなる。でもすぐに思い直した。

義父がいるではないか。頼る人を間違っていたことに気づく。




秋晴れの一日。今日は山里でラジオの公開放送があった。

出勤途中にもう始まっていてそわそわと落ち着かない。

タイムカードを押す前に会場に行ってみたら

パーソナリティの男性が笑顔で手を振ってくれた。

もうもう嬉しくってテンションあがりまくりだった。


仕事も手がつかず抜け出しては会場をのぞきに行く。

3度目には少しだけれど会話をすることも出来た。


日常からかけ離れたようなこと。たまにはこんな日もなくては。

今日も「いい日」でした。ありがとうございます。


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