ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2013年08月29日(木) つくつくぼうしの鳴く頃に

台風が近づいているせいだろうか、とても蒸し暑い一日だった。
それでも朝晩はずいぶんと涼しくなって秋の気配を感じているこの頃である。

寝冷えをしてしまったのか昨日から微熱あり。
今朝は夫も喉の痛みをうったえてふたりして風邪気味さんとなった。
もしかしたら綾菜の風邪をもらってしまったのかもしれないねと話す。
それで綾菜が元気になってくれたのなら言うことなしだねなんて言って。


熱の割に元気で予定通りに山里の職場へ向かった。
親孝行のつもりでいても休んでばかりいて申し訳ないなと思っている。
けれども母はいつもケロリとしていて「おはよう」の声がとても心地よい。

出来る日に出来ることを。これからも精一杯の自分でありたいものだ。



帰宅してすぐにお大師堂へお参りに行く。
昨日のことお供えのお菓子がひとつ残らず無くなっていたのが気がかりだった。
そうしたら他にも気になった人がいてくれたのかおせんべいをお供えしてくれていた。
それがとても嬉しくてほっとした。みんながお大師さんのことを思っているんだなって。
私も持参したお菓子をお供えする。「たくさん食べてくださいね」って言って。

ろうそくの炎がゆらゆら揺れて。つくつくぼうしがせつなげに鳴いていた。



2013年08月27日(火) 雲ひとつない青空

昨日の雨が嘘のように今朝は雲ひとつない青空。
ふっと秋を感じさせるようなひんやりとした空気が爽やかで心地よい。

日中は気温があがり残暑が厳しかったけれど、風がどこか違っていた。
真夏の熱風とは違って風鈴の音色がそのまま風になっているように感じる。



昨夜も40℃近い高熱、今朝も熱の下がらない綾菜を病院へ連れて行く。
乳幼児健診でいつもお世話になっている総合病院の小児科医を頼って行った。
さすがだなと思ったのは診察がとても丁寧なこと。
念のためにと肺のレントゲンも撮ってくれて、まったく異常なしと言ってもらえる。

これにはほんとうにほっと胸を撫で下ろした。
食欲もあり元気であれば、たとえ一週間熱が続いても大丈夫なのだそうだ。
熱を何度も出しながら丈夫になっていく。太鼓判を押してもらったような気分だった。

病院でいっぱい泣いたけれど、ジージに抱っこされてケロリとしている。
帰る時には看護師さんにも手を振って、待合室のお友達にも手を振って笑顔。


帰宅して、昼食を食べるなりすぐに眠くなってしまった。
抱っこして寝かしつけながら身体が今朝ほど熱くないことに気づく。
熱を測ってみたら、なんと平熱にまで下がっているではないか。
良かった。ほんとうに良かった。すごい頑張って乗り越えたのだと思う。

もう大丈夫、えらかったね綾ちゃん。愛しさで胸がいっぱいになった。


夕方、娘が迎えに来てとても喜んでいた。綾菜も辛かったけれど、母親も大変だったろう。

あらためて家族の健康の大切さを思い知らされたような五日間であった。

なにも何もいらない。ただみんなが健康で元気でいてくれさえすれば。

それも欲だと言うのであれば、ただ生きているだけで幸せだと思う。



2013年08月26日(月) 恵みの雨

久しぶりにまとまった雨が降った。
毎日のように豪雨災害のニュースが流れるなか
恵みの雨で済んだことは何よりに思う。

雨は怖い。水が怖い。その思いが日に日に強くなるこの頃であった。



先日から熱を出している綾菜、今日も熱が下がらず再診。
中耳炎の疑いもあるということで耳鼻科へも行ったが異常なしだった。
幸いなことに食欲もあり元気なのだけれど、やはり心配でならない。
明日は総合病院の小児科へ連れて行こうと思う。

24時間テレビを見ていてある芸人さんの一言が耳から離れない。
「良いことはおこらなくていいから悪いことだけはおこらないでほしい」

私も同じ気持ちである。ただただそう願って祈り続けている。


先ほど娘に電話をして綾菜の様子を訊いたところ
晩御飯を自分で食べていてご飯粒を頭にいっぱい擦り付けているとのこと。
その様子が目に見えるようで思わず微笑んでしまった。
熱さえなければいつもと変わらない平穏な時間がそこにあった。

けれどもそんな平穏が決して当たり前のことではないのだとつくづく思う。
日々が「恵み」である。その恵みをもっともっと大切にしなければいけない。

綾菜は「熱」という試練を与えられて、幼いながらも一生懸命頑張っているのだと思う。
ちいさな子供は熱を出すたびにそれを乗り越えて免疫力を高めていくのだそうだ。

そう思うと熱もありがたいこと。強くなるためには大切なことなのかもしれない。

「がんばれ綾菜」ジージもバーバも綾菜のことばかり思っているよ。



2013年08月24日(土) 土曜日の楽しみ

毎週楽しみにしている土曜日。
お昼に孫の綾菜を保育園にお迎えに行く予定だったけれど
昨夜から熱が出ているとのことで急きょ朝からお守りをすることになった。

夫と一緒に小児科へ連れて行く。どうやらまた風邪をひいたらしい。
それにしてもよく熱を出すこと、もう何度目なのか数えきれないほどだった。
お医者さんはすごくそっけなくてなんだか心もとないような気がしてならない。
けれども悪い病気ならきっと見つけてくれるだろう。そう信じるしかなかった。

幸いなことに午前中は機嫌も良くて元気によく遊んでくれる。
お昼ご飯もたくさん食べてとても熱があるようには思えなかった。

それがお昼寝から起きるなり、一気に不機嫌になりぐずって泣き出してしまう。
抱っこすると身体が燃えているように熱い。熱を測ると40℃近くあった。
6時間おきの坐薬はまだ使えなくて、はらはらしながらずっと抱っこしていた。
ぐったりとしていてなんとも可哀そうでならない。ただただ抱きしめるばかり。
夫とかわりばんこに抱っこしていたら今度は夫の胸に嘔吐してしまった。
高熱のせいだろうか。それともお昼ご飯を食べさせ過ぎたのかもしれない。

ジージもバーバも子育てをしてきたというのに、はらはらおろおろするばかりだった。

幼心にそんなジジババを安心させてあげようと思ったのかもしれない
嘔吐してから気分が良くなったのか、胸にしがみつくようにして眠り始める。
すやすやと穏やかな寝息。ちいさな身体が波打っている。大丈夫よって言うように。


夕方、坐薬を使ってから娘のところに送り届けた。
そうしたら晩御飯もたくさん食べて熱も少し下がったと知らせがある。
食欲があれば大丈夫。ほっと胸を撫で下ろしたジジババであった。

どんな時もあるけれど、孫と過ごせる時間ほどありがたいものはない。

「綾ちゃん、ありがとうね」ジージもバーバもまた次の土曜日を楽しみにしているよ。



2013年08月23日(金) ありがとうの記念日

晴れのちくもり。雨が近いのか湿気をおびた南風が強くなる。
その風がとても気持ち良くて土手で鳥のように手を広げてみた。

あんずの様子を見ながら大橋のたもとの休憩所まで歩いてみる。
よっこらしょ、どっこいしょとよろよろしながらも一生懸命に歩いてくれた。

その三時間ほど前に休憩所の東屋で横になっているお遍路さんを見かけていた。
もしかしたらまだ居るような気がして、なんとなく足を向けてしまったのだった。

私と同じくらいの歳に見えるお遍路さん。日焼けして真っ黒になっている。
暑さにすっかり参ってしまって休憩しているうちに眠ってしまったのだそうだ。

今夜はそのまま東屋で野宿をすると言うので、お節介かなと思ったのだけれど
お大師堂で泊まれることをおしえてあげた。でもそれは知っていたそうだ。
人それぞれでやはり自分の気に入った場所でくつろぐのが一番なのだろう。

やっぱり私はお節介だなって心の中で苦笑いをしそうになったその時、
そのお遍路さんがにっこりと微笑みながら「ありがとうございました」って
言ってくれてすごくすごく嬉しくなった。心の中がすぅっと気持ちよくなった。

よけいなお世話だなって思ってもそんなふうにちゃんと言えるってすごいなって思う。
「いや、ここが良いんですよ」って突き放されていたらすごく悲しかったと思うのだ。

ほんとうにささやかな出会いだったけれど、すごく大切なことを教わった気がする。

行きはよいよい帰りもよいよいで南風に背中を押されるように家に帰った。
「母さん、今日はめっちゃしんどいわん」あんずはふらふらになっていたけれど

「あんちゃん、今日はありがとうの記念日よ」なんて頭をなでる母であった。




2013年08月21日(水) みんなみんな生きている

夕暮れ時になると一斉に秋の虫たちが歌い始めて
コオロギかしら鈴虫かしらと耳を傾けている。

昼間の暑さがすぅ〜っと暮れなずむ空に吸い込まれていく。
そうしてまん丸のきれいなお月様がにっこりと微笑んでくれるのだ。



姑さんのリハビリの日。先週はお盆でお休みだったので二週間ぶり。
優しい先生に励まされながら今日も歩行練習を頑張った。
きっと歩けるようになるとみんなが信じているのだけれど
ふっと心細くなる時もあって、それは決して口にしてはいけないこと。
焦らずゆっくりと見守ってあげなくてはいけないとつくづく思ったりした。

リハビリを終えての帰り道は、いつもスーパーに寄って買い物をする。
たまには気分転換にクルマ椅子で一緒に行こうよと誘うのだけれど
姑さんはどうしても「うん」と言わない。どうやら人混みが苦手のようだ。
無理やり連れていくわけにもいかず、私一人で大急ぎで買い物を済ます。
それでも食べたいものをちゃんと言ってくれるので、とても助かっている。



午後、なんだかむしょうに眠くってお昼寝。
それからよっこらしょとやっと起きてお大師堂にお参りに行く。

日向の暑さが嘘のように涼しかった。川風がとても心地よい。
お供えしてあったお菓子をちょっといただくことにして
川面を眺めながら風に吹かれながらぽりぽりとご馳走になった。

なんだかここだけ時間が止まっているように感じる。
川は流れているけれど、時間はほっとひとやすみをしているようだった。

「ありがとうございました」もう一度手を合わせて家路に着く。

今日も穏やかな一日。ああ生きているんだなってすごくすごく感じられた。



2013年08月20日(火) おはようさんとありがとさん

日中はまだまだ残暑が厳しいけれど
朝晩はほんの少し涼しくなって過ごしやすくなった。

朝の山道がとても心地よい。風と仲良しになってクルマを走らす。
山里に着くと稲刈りが終わった田んぼからほんのりと藁の匂いがする。
その匂いがとても好きだなと思う。なんだか懐かしく感じるのが不思議だった。

「おはよう」「おはようさん」母と声をかけあって一日が始まる。

今日はどんな一日になるのかしら。以前はとても不安になる時もあったけれど
最近はあまり気にならなくなった。なるようになるさってそんな感じ。

笑顔でいられるのがいちばん。そうしたらみんなが笑顔でいてくれるから。


「ありがとう」「ありがとさん」また母と声をかけあって家路に着く。

帰り道の買い物も楽しみ。晩御飯は何にしようかしらと考えるのが好きだ。
自分の好きなもの、夫の好きなもの。結局ふたりとも好きなものを買う。


帰宅して洗濯物を取り入れてからお大師堂にお参りに行く。
いつものことだけれど、いつものことがちゃんと出来るのがありがたいなと思う。

夕食後はあんずとお散歩。ほんのちょっぴりしか歩けなくなったけれど
「行くよ」って元気な顔をしてくれるのがとても嬉しい。
これもいつものことだけれど、もしそれが出来なくなってしまったらと
ふっと考えてしまう時があって、そう思っただけで寂しさが込み上げてくる。

よかった。よかった。今日もちゃんと行けたからほんとうによかったね。


夕暮れが少しずつ早くなっておひさまが燃え尽きたように沈んでいく。

ありがとうございました。おひさまに手を合わすとこころいっぱいの茜色。



2013年08月17日(土) とくべつなしあわせ

猛暑も峠を超えたのかお盆が終わるとほんの少し暑さがやわらぐ。

日中はつくつくぼうしが鳴きはじめ、夜になるとコウロギが鳴く。
そんなちょっとしたことに秋が近いことを感じているこの頃である。


慌ただしくも楽しかったお盆が終わり、また日常がかえってきた。
姑さんのお世話や孫の綾菜のお守りなどもありそんな忙しさも楽しみになる。

平穏な日常こそが幸せなのだなとつくづく思いながら
ふっとそれがいきなり壊れてしまうのではないかと不安になったりする。

それは私の悪い癖なのかもしれない。
いや誰だってそう感じる時があるのかもしれないけれど。

どれほど感謝をしてもどれほど手を合わせていても
いつ何が起きるのか予測もつかない世の中であった。

そう思うと奇跡のような日々ばかりが続いている。
決して当たり前ではないことばかり。どうやってそれに報えば良いのか。



夕方、「ばいばい」と手を振って孫の綾菜が帰って行く。

この人はこんなに笑顔の似合う人だったのかと思うほどのジージ。

しあわせってきっとこんなこと。すごくすごく特別なしあわせ。



2013年08月12日(月) 立ち向かっていくだけ

連日猛暑が続いているけれど、今日はついに国内最高の41℃を記録する。
これはもう笑うしかないとなんだか両手をあげて万歳をしたい気分である。

暑さへの抵抗力も出来たのだろうか。特に辛いとも思わないのが不思議だった。
なんだかんだ言いながらこの夏を元気に乗り越えていけそうに思う。



昨日は市内に住む友人と久しぶりに会ってランチをしながらいろんなことを話した。
「このままでは終われない」とか。「何かを始めなくては」とか。

自分よりもずっと意欲的で活動的な彼女に大いに刺激をもらった。
諦めてしまったらもうそこでおしまいなのだ。
私にも何かを始めることが出来るのかもしれないとふっと思う。

ついつい日々のことに流されてばかりの毎日。
焦らずゆっくりと新しい何かを見つけたいものだと漠然とそう思った。

頑張ることは何もないのかもしれない。ただ立ち向かっていく勇気が必要。





今夜はこうして日記を書くことが出来ているけれど
新しいパソコンになってまだひと月半足らずだと言うのに
今朝は突然フリーズしてしまって目の前が真っ暗になってしまった。
快適なネット環境は夢だったとでも言うのだろうか。
今もメモリ不足の警告が出ていておそるおそるこれを記している。
パソコンメーカーがお盆休みのため、すぐに対処できず困っている。

何事も順調にはいかないのだと思い知らされたような出来事であった。

めげるなよ。大丈夫さ。明日はあしたの風が吹くさと元気を出している夜である。




2013年08月09日(金) ただそこに夏がある

茜色の空に蝉しぐれがふっている。
連日の猛暑には参ってしまうけれどこんな夕暮れが好きだなと思う。

今日は我が町の山間部で日本一の猛暑を記録したそうだ。
市町村合併をするまでは「西土佐村」と呼ばれていた山村。
何を隠そう、私はその村で生まれてその村で育ったのだった。

夏が大好きだった幼少時代。四万十川で水遊びをした思い出。
近所の人たちと河原でリクレーションをした時のスイカ割り。
そうして母が毎日のように焼いてくれたウナギのかば焼き。
十円玉一個でアイスキャンデーが二個も買えた時代だった。

とてもとても遠い日の夏のことを最近よく思い出す。
それだけ年をとってしまった証拠なのかもしれないけれど
もう帰れない夏に思いを馳せるとこの上ない郷愁が込み上げてくる。

あの頃もすごくすごく暑かったのだろうけれど、記憶にはない。
ただそこに夏がある。まぶしい太陽と同じくらいのまぶしい思い出がある。






今日は姑さんがデイサービスに行く日だったのだけれど、
帰宅するまでに部屋のエアコンのスイッチを入れるのをすっかり忘れていた。
気付いた時にはもう遅く、ひたすら謝るしかなくて気分がすごく落ち込んだ。
何事も完璧にはいかないものだ。わかっているけれどついつい自分を責める。

どんな時もあってよし。それくらいの気持ちでいないと長続きできない。
「気にするなよ」と励ましてくれる夫がとてもありがたかった。


この日記を書いている間にすっかりあたりが暗くなっていた。
蝉しぐれもどこへやら。鳴いているのは秋の虫たちではないだろうか。





2013年08月07日(水) 秋はきっとくるから

「立秋」だというのに最高気温が38℃を超え猛烈な暑さになった。

けれども夜明けがほんの少し遅くなる。
そして夕暮れが少し早くなっただけで季節の移ろいを感じているこの頃である。

終わらない夏などない。残暑はどんなに厳しくてもゆっくりと秋はやってくる。



午前中は姑さんのリハビリの日。
今日から平行棒を使っての歩行練習が始まった。
足がうまく前に出ない。それでも一生懸命に前へ進もうとしていた。
がんばれ、がんばれと声をかけながら応援する。
リハビリの先生にもすごくほめてもらって笑顔でいっぱいの姑であった。


午後は息子の住んでいたマンションの後片付けに行く。
もう新居に持っていく物は殆どなく、処分しなければいけない物ばかり。
使い古したフライパンなど手に取ると、なんだかしんみりと感慨深くなった。
離婚してから6年間、息子の選んだ独り暮らしもまんざらではなかった。
最初のうちは自炊が心配でちゃんと食べているかしらと気になっていたけれど
そのフライパンや食器の数々を見ていると、ちゃんとやっていたのだなと安心した。

もう捨ててくれと言う食器を大事に持って帰って我が家で使うことにする。
夫には「捨てろよ」と言われたけれど、どうしても捨てることが出来ない。

息子が6年間がんばったあかしのように思えて母には大切な物に思えた。
「これしんちゃんのお皿ね」なんて言いながら使うのも楽しみだった。

後は今度の土曜日に掃除をして明け渡すことになった。
今度こそこのマンションともお別れになる。あっという間の6年だったような。
けれども息子にとってはとても貴重な経験をつんできた歳月だったのだと思う。

乗り越えてきたんだよね。いろんなことがあったけどもう大丈夫。

父も母もずっとこれからもエールを送り続けたいと思う。




2013年08月05日(月) 夏の思い出

曇り日。大気が不安定だということで山里は突然の雷雨にみまわれる。
ひと雨降ってくれたおかげで一気に涼しくなって過ごしやすい午後だった。

五時間のパート仕事を終えて家路につく。
今日は微熱のある綾菜を保育園に行かせていたものだから
もしかしたら保育園から電話があるかもしれないと気になっていた。
でも夕方まで大丈夫だったようでほっとひと安心する。

一昨日の土曜日のこと、いつも居残り組の綾菜を可哀想に思って
娘の提案でお昼に保育園にお迎えに行っていた。

綾菜と同じくらいの年頃の赤ちゃんが窓にへばりつくようにして待っていた。
お母さんやおばあちゃんが次々に迎えに来てみんな笑顔で帰って行く。
その姿を綾菜はどんな思いで見て感じていたのだろうと思った。
幼心にも自分はまだ帰れないのだとわかっていたのかもしれない。

そのせいか他のお友達よりずっと奥のほうに居て一人で遊んでいた。
私が窓からのぞくとすぐに目が合ってはっとしたように満面の笑顔になる。
そうして窓際めざしてまるでお馬さんのように這いよって来たのだった。

早目にお迎えに来てあげてほんとうに良かったのだなとつくづく思う。
出来れば毎週そうしてあげてほしいと娘が言うので喜んで引き受けたのだった。

おかげで土曜日の楽しみが出来た。半日でも綾菜と一緒に過ごせるありがたさ。

また熱がすっかり下がって元気になったら水遊びも出来るかな。
ビニールプールをふくらまして水遊び用の玩具も買った。準備万端だよ。

綾菜とジージとバーバの夏の思い出をいっぱいつくろうね。



2013年08月02日(金) おとうとおかあとしんちゃんと

昨日ほどではなかったけれど、今日も猛暑にみまわれる。
熱風のような風でも心地よい。夏の風ってありがたいものだ。


午前中に息子のお引っ越しの手伝い。
細々したものは息子が少しずつ運んでいたので
今日は冷蔵庫と食器棚などを新居に運び入れる。

いっそどれも新品に買い替えたらと思ったのだけれど
お嫁さんがそのままで良いと言ってくれて内心ほっとした。
理解あるお嫁さんでほんとうに良かったと思う。

新居は先月完成したばかりの新築で最高にきれいだった。
中に入るなり新築特有の匂いがして思わず歓声をあげる。
お風呂などは我が家のお風呂よりも広くて浴室乾燥機も付いている。
部屋には広いクローゼットがあってタンスも不要のようだった。

ああここで新生活が始まるのだな。とても感慨深く思う。
新婚生活が始まったらそうそうお邪魔も出来ないので、今のうちの楽しみ。
かと言ってあまり出しゃばるわけにもいかず、後の整理はお嫁さんに任せた。

会うのは二度目のお嫁さん。物静かでおっとりとした感じがとても良い。
赤ちゃんも順調のようで何よりに思う。どうか無事に生まれますように。
男の子かもしれないなってふっと思った。私の直感はよく当たるんだ。


過去を思い出せばいろいろあった息子だけれど
今度こそ幸せになってほしいと願ってやまない父と母であった。

「おかあ、飯くわせてくれ」もうそう言って我が家に来ることもないだろう。

それはちょっぴり寂しいけれど、息子がやっと落ち着いてくれたのが嬉しい。

父も母もずっとずっと「おとうと、おかあ」でいさせてね。しんちゃん!



2013年08月01日(木) 葉月がはじまる

八月の最初の朝は蝉たちの元気な声で始まる。
「蝉しぐれきみらの元気にぼくは負けない」と一句生まれた。

今日も気温は37℃近くまであがり猛烈な暑さとなる。
仕事から帰宅するといつも茶の間にいるはずの夫がいなかった。
もちろんエアコンもついていなくて窓も締め切ったままだった。

いったいどこに行ったのかしら。不思議に思いながら
急いでエアコンをつけて涼をとっている間にうたた寝をしてしまっていた。
夫が帰って来てはっと目を覚ます。なんと山火事があったらしくて
消防団で出動して消火作業をしていたことを知る。
猛暑の中、ほんとうにご苦労様と頭が下がるばかりであった。


「冷蔵庫にイワシがあるぞ」今朝釣りに行っていた従兄弟が持って来てくれたそうだ。
新鮮なイワシ、手開きにして胡瓜となますにしてご馳走になった。
「美味いな」と言いながらビールをぐびぐび飲み干す食卓は幸せを絵に描いたよう。


夕食後、お大師堂にお参りに行く。夕陽がきらきらとまぶしい。
今日の平穏に感謝する。そうして無事に朝を迎えられるように手を合わす。

帰宅してからあんずと散歩。「よういどん」をするのは今も変わらない。
そうしてすぐにくたばってしまうのだけれど、それが彼女らしさでもある。
最近では逃亡する心配もなくなったので、好きなように歩かせている。
歩くと言うより草の中で遊ぶことが多くなった。くんくんと匂いをかいで
いったい何があるのだろうと不思議に思うくらいその場所から動かない。

「あんちゃん、そろそろ帰ろうか」リードを引っ張ると機嫌が悪くなる。
それを無理やり引っ張るものだから私に引きずられるようにして帰るのだった。

振り向くとなんだかとてもせつない目をしている。
何かを訴えているような。言葉を交わせたらどんなに良いだろうか。


そうして暮れていくいちにち。夜風を待ちかねていたように自室にこもる。

ちびちびと焼酎タイムをしながら明日のことを考えているのもしあわせ。


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