2007年11月27日(火) |
あれは枯れているのではない |
昨日は気にも留めずにいた。朝の道の銀杏の木。
今朝はそれがもうすっかり。黄金の色に染まる。
はっとする気持ちと。はらはらと落ちていく心。
どちらも同じ木のきもち。なぜだろうどうして。
あふれんばかりの姿をみると。落ちる落ちると。
不安になる。受け止めるほどのゆとりがなくて。
なすすべもなくぼうぜんとしたりする。儚さは。
言葉になんかできない。儚さはせつなくもある。
あれは枯れているのではない。あれはそうして。
冬になる。だからきっと落ちていく木の葉たち。
仕事を早目に終えられたので。本屋さんに寄った。 めったにしない立ち読みというのを。少ししてみた。
『笑って死にたければ笑って生きなさい』とかいうの。 もうじゅんぶん笑ったような気がする。大丈夫だもん。 いつそうなってもいいもんって。ちょっと胸をはって。
本屋さんを後にする。そしたらなんだか胸が熱くなって。 涙が出そうになった。これは何かの間違いだっておもう。
そして笑った。まだまだ足りないぞって空から声がする。
曇り空。暗い空。雨になりたくてたまらない空がそこにある。
泣けない空は可哀想だなって思う。泣いちゃえばいいのにな。
2007年11月26日(月) |
ここらへんがどこなのか |
ざわざわとしたくはないのにざわざわと。
仕事を終えて帰ってくる。庭の花たちや。
飼い犬のぽけっとした顔見てたらどっと。
まあるくなる。ここらへんがどこなのか。
けんとうのつかないあたりが。ふわふわ。
愚痴ではないつもりの報告を彼にすると。
またいつものようになだめてくれるのが。
ありがたくってならない。ごめんよって。
いわないわたしは。やっと微笑む。夕暮。
勝ち越し豆腐というので湯豆腐をつくる。
さてこの豆腐はどうして勝ち越しなのか。
クイズを出す。はあ?っと彼が首を捻る。
ヒントそのいち。はっけよいのこったと。
まいったらだめだよ負け越しだからねと。
ヒントそのに。どすこいどすこい台所で。
お相撲さんの真似をする。わはわは笑う。
豊ノ島の実家がお豆腐屋さんだったって。
知らなかった。だから教えてあげたいな。
いちばんに教えてあげたいなって思った。
そうかそうかと喜んでくれて嬉しかった。
サチコにも教えてあげたくて待っている。
そうだ。サチコが帰って来たらお相撲を。
とろう。いきなり飛びかかっていったら。
サチコびっくりして大笑いするだろうな。
母さんね。ここらへんが可笑しくなって。
くすくすといま。とてもくすぐったいよ。
2007年11月24日(土) |
あくびな午後のあくびなわたし |
寒気が少し緩んだのか。風もなく穏やかないちにち。 こたつでごろりんしながら。見るともなくテレビを。 時々笑ったりもしながら。あくびな自分を愉しんでいた。
昨夜は気の合う仲間たちと。深夜まで飲み明かしていて。 まさに午前様の午前3時過ぎであった。最後のラーメン。 おなかがまんまるくて程よくまったりとしたままお布団。
なにもかんがえたりするひつようもなく。ぐっすり眠る。
夢のようなことがあったなって。朝になって思い出した。 あれは何だったんだろうって思うことが時々ある。あれは。 きっとほんとうのことにちがいないけれど。信じがたいと。 思って。でも確かにカタチみたいに残っていることがある。
私はもう若くはないから。冥土の土産をまたひとつ貰った。
だけど。身に余る。いつだってそれはもったいないくらい。
だからあげなくちゃって思う。誰かにあげなくちゃと思う。
楽しいことや嬉しいことが。ふっとこわくなる年頃になった。
2007年11月22日(木) |
さらさらとなめらかになりたい |
ついついと見上げることをせずにいて。ある日ふと。 その冬空に栴檀の実が。もう黄褐色に数珠なるのを。 見つけた。ここ数日の帰り道。いったい何を思って。 もしやまっしぐらではなかったかと。ふと感じたり。
しながら。そこだけ切り取って繋ぎ合わせたような。 今日という日だった。余裕というのは簡単ではない。
よゆうというのは。いったいどこからうまれてくるのだろう。
ふかくかんがえなくてもいいことをふとかんがえそうになり。
またきりとってみる。ぶきっちょなこころでつなぎあわせる。
縒られて出来た糸のようなもの。その糸で繋いだ布のように。
いちまいになる。それを膝にのせて撫でてみる。それが余裕。
さらさらとなめらかになりたいものだ。いつもそう思っている。
夕食の時。いつになく彼がおしゃべりをするので。 不思議な気持ちでずっと聞いていた。相槌打っては。 よほど話したかったんだなあって思いながらずっと。
些細なことでも。なんでもないようなことでも。 それを聞き終わった後は。なんだか優しい気持ちになるから。 ひととひとって。ほんとに不思議だなって思う・・。
2007年11月19日(月) |
とどくよね。きっと。 |
ポインセチアが紅く色づき始めた。嬉しい。 だってずっとずっと緑のままでもう5年ほど。
知らなかったのだ。短日植物と言って。暗くて。 たとえば夜が13時間くらいないと紅くならない。 そのことを去年の今頃知って。どうしようかな。 って迷ったけど。外の寒さが気になりそのまま。 春まで待った。夏の暑さにもずいぶんと強くて。 秋には緑の葉がいっぱいになった。でも忘れた。
紅くしようとしていたことをすっかり忘れていて。 だからほんとうに思いがけない。紅いのを見つける。 いちまいの葉。まるでどうして気づいてくれない。 と叫んでいるように紅い。ごめんよって声をかける。
だけどそっとしておく。なんだかそのほうがいい。 みたいに思う。ほらほらどんどんって急かしたら。 きっと苦しくなるような気がする。しんどいって。 言えないから。ある日突然枯れてしまいそうに思う。
そっとしておく。そっとみてる。うれしいよって。 テレパシーみたいなのおくる。ぴぴぴぴじゃなく。
ぴこぴこぴっこりみたいなの。とどくよねきっと。
お風呂入ってから。ずっと自分の部屋にいて。 そしたら階下から「みかさん、みーかさん」って。 私を呼ぶ声がするので。あわてておりていったら。
サチコがもう帰っていた。 「あげぜん、あげぜん」って言うので。大急ぎで。 おかずをチンする。お味噌汁を温める。ご飯よそう。
なんだか。みかさんはサチコの女中さんみたいだな。。
2007年11月17日(土) |
ああもういいのだな。おっけい。 |
紫式部という名の木の実を手折り。たんぽぽ色の。 小菊と添えれば。ひりひりと痛いほどの事務所も。 ほんの少し居心地がよくなる。時々は眺めてみる。 ほっと息をしながら。何を思うのでもなくふっと。
そうしていちにちが。なんとなくだけれどちゃんと。 ながれていく。ああもういいのだなって。おっけい。
三日前のゆうがた。ながねん愛用していたパソコンが。 ぷっつんとなって。よくこれだけもったねって言われ。 とうとうお別れとなった。ちょうど7年前の今頃だった。 社会人になった息子君が。一緒に使おうなって言って。 買ってくれたパソコン。いつのまにか私だけのものに。 息子君は諦めてすぐに自分のを買って。二台目も買って。
ある日突然。オレ結婚するからと言って家を出て行った。
「壊れたよ」ってメールしたら。「そうか、そうか」って。 なだめてくれる。もう限界だったんだからしょうがないよ。 電話もかけてきてくれる。あれこれアドバイスもしてくれる。
なんかそういうのが。母はすごく懐かしくって嬉しくって。 ずっと頼りにしていたことや。あの日とても淋しかったこと。 いろんなことが一気に還って来て。ああどうしようって思う くらい愛しさが気恥ずかしさと一緒になって。ぐるぐるして。 たまらなかった。ありがとうって言い忘れて。じゃあねって。
言って。今日は私が帰宅するなり自分の家へ帰って行った。 新しいパソコンをちょっとのぞき見に来てくれていたらしい。 クルマに飛び乗ろうとしているのを追い掛けつつ呼び止めて。 「どうだった?」って訊いたら「じょうとう!」と微笑んで。
かえった。 手もあげず。 そっぽ向くような顔して。
母はずっとクルマみていた。角をまがって見えなくなるまで。
2007年11月13日(火) |
もちょっとしんぼうがんばります |
いつもの山道に。好きだなって思う銀杏の木があって。 今年もその葉が。日に日にと色づき始めた。朝陽の道。
おっきなその銀杏の木には。いつのまにか子供の木が。 根元からちょこっと顔を出し。今朝なんか背伸びして。 きらきらっと朝の光の中で微笑んでいる。ふふふって。 思う。微笑ましさはいつだって思いがけない嬉しさで。
であってしまったひととひとが。ぎゅっとあくしゅする。 みたいな。あっあったかいなって思う温もりに似ている。
お昼休み。いつものように陽だまりのクルマの中にいて。 彼女達の声が聴こえてきた。ちんぷんかんぷんのことば。 でも確かに語り合っている声。笑い声だって聴こえては。 うなずいているような。日本語なら「うん、そーだよね」
姿は見えない。あの髪の長いひとかなって思い浮かべる。 夏の初めに会った事がある。私のことを「おねさん」って。 呼んでくれた。やまももが紅く熟れた頃のお昼休みだった。 ちょっと酸っぱいやまももを「これおいしねえ」って言って。 すごい喜んで帰って行った。満面の笑みに出会えた日だった。
彼女ともうひとりの彼女と。その声をずっと聴いていると。 なんだか。昔あったウーロン茶のCMの映像が見えてくる。 ひろいひろい大地。風に波打つ草原を駆けているみたいな。
故郷を遠く離れ。家族にも会えず。彼女達はここで働いている。 大地とは呼べないほどの。雀色の田んぼや目に迫る山々のなか。 時々トンビがまるくおおきく輪を描いていく。空を見上げながら。
どんなにか故郷を懐かしく思っていることだろう。 会いたいひとに。会えなくて。淋しい夜もあるだろうに。
ふっと我にかえるわたし。わたしはなんてなまけてばかりいるのか。 いやだいやだと首を振るばかりで。なぜに立ち向かっていかないか。 いつも逃げることばかり考えている。家に帰りたい早く帰りたいって。
まいにち帰る家があるから。それが当たり前だと思い込んでいるから。
感謝することも忘れる。たいせつなことをついつい忘れてしまうのだ。
おねさんしんぼうたりません。もちょっとしんぼうがんばります。
そして家に帰ったら。おねさん愚痴ばっか言わずに満面の笑みでいます。
季節風というのだろうか。風が強く吹き抜けていくいちにち。 まだ木枯らしとは呼べないその風に。あえて吹かれてみる日。
隣り町の黒潮町入野というところに。潮風コットン展を見に行く。 どんなのだろうって思って。コットンだから綺麗な布がいっぱい。 Tシャツアート展の時みたいに。ロープにぶらさげてあるのかな。 あれこれ想像するのは楽しい。とにかく行ってみなければと思う。
朝のきらきらと眩しい海を見ながらいく。波乗りさんのすがたが。 シルエットみたいに見える。空と海に操られているお人形みたい。
きもちいい朝だ。潮風ってふしぎと懐かしい。胸が熱くなるほど。
そこはいちめんの『らっきょう畑』だった。 波打ち際ではなく。松林の枝から枝へと手を繋ぐように。キルトが。 真っ青に鮮やかなのや。可愛らしい動物のやら。不思議な模様とか。 天女の羽衣みたいな薄布もあった。松の木の向こうから太陽が昇り。 その羽衣を透かしてみせる。きらりっと光ってそれが舞い上がると。 ほんとうにそこに天女が舞い下りて来たようで。どきっとしたほど。
『らっきょうの花』って。すごい大好きな色だ。 濃くもなく薄くもない紫。ちいさな蕾がよりそって今日よりも明日と。 せいいっぱい咲こうとしているようだ。そういう健気さが好きになる。
微笑みながらかえる。ずっとずっと微笑んでいたいなって思いながら。
風邪っぽいなって思っていたのは。すぐに良くなった。 けれど。今度は左半身が重くなり胸の痛みも出てきて。 例の如く不安が一気に強くなり。昨日かかりつけの病院へ。 「いったい何したの?」って先生に笑いとばされる始末。 「ご希望なら注射も点滴もしてあげるよ」って言うので。 いえいえそれは結構です!と逃げるようにさっさと帰ってきた。
またまた心配かけてしまった家族には『オオカミ少年』ではなく。 『オオカミオババ』と呼ばれることになってしまった。
身体の緊張をほぐす薬とか。気分和らげる薬とか。焼酎とかで。 ゆっくりのんびり元気になっています!
2007年11月08日(木) |
なんかもう。わけわかんなくなった。 |
立冬。もう咲き始めている白い山茶花のことや。 遅咲きの秋桜のことや。真紅の木の実のことや。
名も知らぬ鳥の声や。あのひとのことや。いつか。 のことや。たぶんのことや。きっとのことなどが。
もうふゆになる。
はじまりはいつも。
さりげなくそっと。
くうき色の空のよう。
みえないふりをして。
すう。すってすって。
もうふゆになる。
すこし風邪っぽいかなって夜で。 ちいさなお鍋で玉子酒を作った。
ちょっと煮過ぎて卵が固まって。 茶碗蒸し酒みたいになったのを。 どろんどろんしながら飲み干す。
ほんわかといい気持ち。ちょっと。 もうねむい。あたまがきんきんと。 しているのは。ただの酔っ払いだ。
なんか。もうわけわかんなくなった。 ので。 そっこく。 寝る。
2007年11月06日(火) |
まてばかいろのひよりありかな。。 |
きのうからお陽さまがみえなくて。ちょっとさびしい。 さびしくないのは柿の実みたいで。鈴のようになっては。 誰かわたしを食べて下さいなって。もう落ちちゃうよって。
言いつつ。待っている。ひとならばそれはすこしせつない。 でも柿だから。そういうのせつなくなんかない。柿だから。
あったかいの食べたくて。今夜は煮込みラーメンを作った。 永谷園の味噌味で。あっこさんがCMしているやつが好き。
キャベツとか玉葱とかニラとか人参とか野菜たっぷり入れる。 土鍋でど〜んとテーブルに出したら。彼がうはうはよろこぶ。 味噌汁用のお椀に何杯も食べる。サチコの分がサチコのがと。 私は気が気ではない。遠慮しつつ食べる。二杯でやめておく。
サチコからメールがあって。今夜は遅くなるというから・・。 待っている。土鍋の中をそっと覗いたら。ラーメンふやけて。 かなりたくさん残っている。ちょっとだけ食べたくなって食べる。
さっき、やっとサチコが帰って来た。煮込みラーメンよって言った。 のに。寒いから先にお風呂入るって言う。待ってる。だから待ってる。
お風呂場でゴトゴトって音がしたり。お湯流してる音聴いたりして。 眠い。目がとろりんとしてきて。今もなに書いてるやらわからない。
それについては。朝いちで確認するからよしとする。眠いもうだめ。
あしたはお陽さまにあえるかな。どんな日なんだろう。あしたって。
2007年11月05日(月) |
だけど。負けなかったな。こころ。 |
いまにも雨になりそうな朝。すこうし重い身体をよっこらしょっと。 仕事に行く。いつもの山道。峠の道には『つわ蕗』の花が可愛くて。
ちいさな向日葵。毎年この頃になると。そう呼びたくなる花が咲く。
いちねんがとてもはやい。積み重なっているのだろうか。ちゃんと。 そのかたちがふと知りたくなるけれど。知らないまま時が流れていく。
きのう。また自分なりの挑戦を試みて。大好きなバドの大会に出た。 日に日に不安がつのっていたから。このままじゃいけないって思って。 自己暗示をかける。それを金曜日に実行し。そのまま当日まで持続する。
私はとても暗示に弱いのだ。その弱さを上手く利用するのだけれど。 ちょっとしたことですぐに暗示が解ける。だからその弱さも利用する。 「とけない、とけない、ぜったいにとけない」とまた暗示を強くする。
うまくいくとはかぎらない。やってみなければわからいことばかりだ。
結果。もちろん完璧ではないけれど。自分にしたら上出来だと思った。
自分に勝つのはほんとうにむずかしい。だけど負けなかったなって感じる。
そんな嬉しさ。そんな達成感を。このさきずっと大事にしたいなあって思う。
2007年11月02日(金) |
ひとりっきりのわたしなんだ |
けさ鳩にあった。窓をあけたらそこにいて。 ぽっぽっぽっと。鳴いていた。首をかしげ。 ふしぎそうに私を見つめるので。わたしって。
ふしぎなんだなって思う。どこがってそれは。 鳩にだけしかわからない。たとえばそうだな。 どこかまぬけて。どこかひょうきんですこし。 年くってるのに。ちょっとチャーミングだし。
笑顔素敵だし。でもちょっと不気味だし。おまけに。 有頂天だし。お調子者だし。すぐにずっこけてしまう。 でもへこたれないし。がまんづよいし。かっこいいし。
ふしぎなんだ。わたしって。ひとりっきりしかいない。
鳩は笑わない。どうして鳩は笑わないのだろうって思う。
もっともっと。おまえってばかだなあって笑えばいいのに。
笑わない。とにかくふしぎなんだ。言葉にできないくらい。
ふしぎなんだ。わたしって。ひとりっきりのわたしなんだ。
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