2007年10月30日(火) |
弱音よわいね。世は良いね。 |
仕事中。金木犀の香る道を自転車でぐんぐん飛ばして。 JAに行って。窓口の女の娘にバカ言って笑ってから。
通帳を出そうとしたら。いきなり世界がぐるぐるし出す。 やばいな。やばいぞって。それでもへらへら笑ってみる。
「顔色がすごい悪いよ」って窓口の女の娘が心配そうに。 言うので。またやばいな。やばいぞって思って蒼くなる。
しばしソファーに座って息を整える。すうはあすうはあ。 だいじょうぶ。やばくない。やばくないぞって言い聞かす。
奥からお茶が運ばれてくる。ああなんてありがたいことだ。 それをすすりながら。やっぱやばくて。どうしようって思う。
もうすぐお昼だから。お腹空いているのかもしれないな・・。 自転車ぐんぐんこいだから。息切れしたのかもしれない・・。
だいじょうぶだろう。だいじょうぶなのにちがいないって。 おそるおそる立ってみた。ほら、もうだいじょうぶだった。
皆さんにお礼を言って。ケロっとした顔してJAを出た。 自転車をゆっくりこぎながら。また金木犀の道をかえる。
お遍路さんがひとり。ちりんちりんと前を歩くのに追いついて。 「しんどいですね〜」と声をかけたら。にっこり笑ってくれて。 「ありがとございます〜」って声がすぐに返ってきた。嬉しい。
わたしは。しんどくはない。疲れてもいない。ただ不安なだけ。 頑張ってもいないし。毎日てくてくしてるけど。どこなのかも。 よくわからない。行けるところまでだって思うけど。見えない。
能天気でも楽天家でもないけど。なんかじぶんは自分なんだし。
ただただ。日々坂道を下っているように思う。行き先はふめい。
ときどきふっと弱音を吐きたい。不安なんだって叫んでみたい。
だけど。いまは毎日が楽しい。矛盾なんかじゃなくて幸せだと思う。
2007年10月29日(月) |
苦しゅうはない。よきにはからえ。 |
10月もあとわずかになり。今日の夏日に少しとまどう。 いっていっていき過ぎて。またもどっては首をかしげる。
理由なんて。そんなに深く考えることではないのだろう。 今日は寒いね。今日は暑いねって。感じたままの季節が。
いい。きっちりかっちり決めないでいたいことがあって。 そのくせちゃんとしなくちゃって思う。そういうのいや。
いやなのに。それが癖みたいになって。ふんばっていく。 苦しゅうはないぞ。よきにはからえって思っちゃう性格。
嫌いではない。むしろ好きだ。やっと好きになれたんだ。
仕事。今日も早目に脱出成功。じゃあねって感じでささっと。 そんな私の背中に「ありがとう」って言ってくれる人がいる。 心苦しさと同じくらいの嬉しさが生まれる。ほっとして帰る。
帰り道。牧場の道で。久しぶりに牛たちがくつろぐ姿を見た。 今年も子牛がたくさん生まれたんだな。とてもあどけない姿。
クルマから下りて。柵のぎりぎりまでへばりつくようにして。 しばし牛たちを眺める。みんなお昼寝をしている。とろりんと。 した瞳で「もう!」とかも言わずに。お陽さまの光に満たされ。
いい日なんだなって思う。牛たちも私も。すこしもすこしも。
苦しゅうはない。よきにはからってもらったいちにちだった。
2007年10月27日(土) |
好きってむつかしい。だけど大好き。 |
夜明けにはどんよりと曇り空だったのが。いそぎつつ。 急かされるようにしながら。もやもやをささっとして。
いっきに晴れる。きもちよく晴れる。ふふって笑いたくなる。 泣きつかれた幼子が大好きなプリンを。食べているような空。
だからそれをみている。げんきんな子ねって母親は嬉しくて。 ぎゅっとしたくなる。そして一緒にプリン食べようかなって。
おもう。晴れた日には晴れた日の空の味がする。おいしい空だ。
そして。真っ青な海をみる。うみはひろいなおおきいなの海を。 好きな理由って。言葉になんか出来ない。好きってむつかしい。 むつかしいけど好き。あいたくなったり恋しくなったりする海。
そうして潮の香りいっぱいすってはいて。きょうもしんこきゅう。
好きなの。もうひとつ。コスモス。白いのがいちばん好きだった。 けれど。レモン色のコスモス。逢ってしまったからには運命とか。 そんなふうに言ってしまいたくなる。来年も逢いたいなって思う。
好き。
2007年10月26日(金) |
さらりさらりの雨あがり |
ちょうど好きなくらいの雨がふる。ぽとりぽとぽと。 いつのまにかそれもふりやみ。グレイのままでいて。
どこからか金木犀の香りが漂って来る。しんこきゅう。 おいしいとおもう。今でなければいけないように思い。 すってすってふっとはいて。じぶんを感じる。じぶん。
辛口なエッセィを読んでしまって。ナイフが突き刺さる。 心配性のひと。それはエゴだと書いてあったので苦しむ。
エゴなのかな・・って思う。ああいやだなじぶんって思う。
けれど。さらりさらり。もしそうだとしてもそうじゃない。
ふっきる。これは辛口。わたしは元々辛いのが好きだから。 ああこれはとことん辛かったなって思って。もうおしまい。
さらりさらり。きもちよくそれを流す。いけいけって思う。
仕事、暇だったので早目にさっさと帰る。逃げたのじゃない。 自動車道の出口で信号赤で。ぼけっと対向車ずっと見てたら。 男の人が手を揚げてくれた。私の日常もまんざらではないな。
あれ?って気づく。バド仲間のS君に似ていた。クルマもそう。 一気に元気溌剌になる。単純だけどそういうのがすごい嬉しい。
夜。テンション持続でバドの練習に行く。 左足がちょっと痛い。おそるおそる動く。
やってやれないことはないだろうと思う。
来月すぐに大会なので。もちろん。やれるだけやりたいと思う。
2007年10月23日(火) |
けれど風になりたいひと |
朝に。いつもの山道をいけば。その木々がせまるほどに。 空が。近くなりうろこぐも。おっきなお魚がそこにいて。
およぐ。空いちめんになり。その海をはるかに仰ぎつつ。 あるく。ひとがふたりさんにん。鈴の音がちゃりんりん。 峠の道を坂道を。白装束が雲みたいになって進むすすむ。
追い越していくわたしは。風にはなれないただのひと。 けれど風になりたいひと。朝はそうして空へと向かう。
仕事。今日こそは逃げてやろうと思っていたことから。 また引き止められてしまい。にっちもさっちもいかない。 明日こそはと思いつつ。夕陽と一緒に家路を急ぐ道のり。
なんだか久しぶりに。沈む太陽をしみじみと眺めた気がする。 川面が紅く染まって。一艘の川船が流れに逆らって進んでいた。 波が幾重にも重なって絵筆でなぞるようにそこに描かれている。
はっとした。懐かしいくらいに。好きだったそれが恋しくなる。
すすきの道は向かい風。家はすぐそこ。灯りがもう点っている。
ほっとする。どんな灯りよりも。もっともっと恋しい我が家だ。
2007年10月20日(土) |
わたしはすこし酔っている |
かさこそかさっと風が木の葉をはこんでくる。 きょうの音は。なんだかもうちいさな冬のようだった。
そうして白い綿のようなものが青空をよこぎっていく。 ふしぎなふわふわ。なんだろう?まるで雪みたいだった。
植物なのにちがいない。春ならばタンポポの綿毛みたいに。 それがどこかへ旅に出る。ふかれて吹かれてとんでいった。
夜はひゅるひゅる。ぶつかって窓をことことと叩いている。 がたんことがたんこと。まるで夜汽車が星へと向かうよう。
しんみり。だんまり。ぼんやり。わたしはすこし酔っている。
遠いのは太鼓。風の音にかき消されてしまうくらいか細くて。 それでも誰かの心臓みたいに。ととんととんとひびいてくる。
あしたは秋のお祭りらしい。こどものこころになりたいものだ。
おでんを煮込みながら。洗濯物をたたんでいたら。 おでんが土鍋のなかでぷわぁーとふくらんでしまって。 はんぺんとか今にも落ちそうになってしがみついていた。 あらあら。まあまあいいながら。どれどれちょっとねと。 ついつい味見をしていたら。晩ご飯前にお腹いっぱいになった。
2007年10月15日(月) |
そしてすごいサプライス |
秋晴れ。くうきがいちだんと澄みわたり清々しいいちにち。
食欲の秋でもあるらしく。仕事中に空腹に見舞われたりもするもの。 今日はそれがどうしても我慢できなくなり。果物ナイフを忍ばせて。 職場の敷地内の柿の木のもとへ。そこでこっそり柿の実をもぎとる。
あたりをキョロリと伺いながら。柿の皮を剥ぎ。丸かじる美味しさ。 自分でじぶんを愉快がる。これは癖になるなあってほくそ笑んだり。
そうして。何食わぬ顔をして事務所の机に向かっている姿が好きだ。
午後。自転車で郵便局へ行こうとしたが、思うようにペダルがこげない。 なんだか身体がぎくしゃくとしている。昨日のツケがまわってきたのか。
きのう。好きでずっと続けているバドミントンの大会があった。 お隣りの町『土佐清水市』海を眺めつつ行く。大好きな道だった。
今回もペアが見つからず。ぎりぎりまで見学、応援を決めつけていた。 けれど。思いがけなく声をかけてくれたひとがいてくれて。らっきー。 レベル落ちまくっている自分に。なんだか女神のような彼女だった。
歳の差はかなりあるけれど。日頃から何かと親身になってくれるひと。 いつだって信頼感で満ちている。弱音もはける。甘えることも出来る。 娘のようでもあるし。姉のようでもある。母親のように感じることも。
「一緒に出ようよ!」って言ってくれた。ほんとにすごい嬉しかった。
試合は。女子中級レベルでとんとんと勝ち進む。いけるな!って思った。 初めてのペアなのに違和感はまるでなく。声を掛け合って気合いで頑張る。
そうして3勝。あと1勝で決勝に行けるのだったけど。私の体力が・・・。 ミスがだんだん多くなり。「ドンマイ!」ってずっと声をかけてもらう。 にこっと余裕の笑顔も見せて。頑張ろうとするけど。またミスをする。
結局。負ける。そして3位決定戦でも負ける。集中力ゼロの最後だった。
だけど。不思議と悔しさというのがない。なぜか嬉しくてならなくて。 自分のなかでは感謝の気持ちがいっぱいに溢れていた。ありがとうって。
これまで諦めずに。ずっとバド続けていてほんとうに良かったなって思う。
レベル落ちるとか限界とか。身体の故障とか。辛いこといっぱいあったけど。 やめることなんて考えもしなかった。なんとしても続けたくてならなくて。
こうして助けてくれるひとに巡り会えたことが。幸せでなくて何だろうって。 思う。じぶんこれからもへこたれないぞって。しぬまでがんばるぞって思う。
そしてすごいサプライズ。
彼女は。実は。私の相方さんの幼馴染の娘さんでした。 そのことを昨日まで知らずにいて。ふたりでひたすら感動しまくりました。
縁というものは。ほんとうにありがたいものです。
2007年10月12日(金) |
川辺のなかまたちのこと |
せいたかあわだち草の咲く頃。彼女は彼かもしれないけれど。 あまりひとには愛されなくて。切り倒されて焼かれる時だって。 ある。けれどひとを恨みはしない。少なくとも私はそう信じる。
花粉かふんとひとは言う。そのことで少しは心を痛めているだろう。 けれど。花粉を失くしてしまうことはできない。それが命なのだと。 主張するのでもない。それは生きているから。そうあらねばならず。
誰がなんと言おうと。わたしはぼくは。せいたかあわだち草だから。
ススキの穂。野菊の花。川辺で寄り添って。わたしはぼくもいて。 晴れた日には晴れた日のことを語り合った。爽やかな風だねって。
ススキ君がまるで自分が風みたいに。誇らしげに言うものだから。 野菊さんが。くすくすって可笑しそうに笑う。わたしはぼくもだ。 おなじ風に吹かれるってなんか幸せだなって。言ってみたくなる。
実はススキ君はちょっと負けず嫌いで。わたしはぼくものことを。 今はちょっと俺が勝ってるなって自慢したくてならないのだけど。 せいたかあわだち草なんだもん。そのうち負けるのかなって不安。
だけど野菊さんは。あまりそういう外見とかに拘らないひとだから。 それぞれのいいところをちゃんと知っていて。いつだってやさしい。
ススキ君は。野菊さんのことが好き。自分だけのひとならなって思う。 だけど。どうしてもそれを言葉に出来ない。ゆれてゆらぎながらいて。 そっと野菊さんを包み込んであげることしかできない。そのことを。
わたしはぼくも知っている。だってこの野原にずっと一緒なんだもの。
ススキ君は。やがて枯れる。そうしてやがて緑にだってなれる。
野菊さんは。やがて散る。桜のように潔くありたいと願いながら。
わたしはぼくは。老いていく。粉になった子供の事を想いながら。
みんないまは。せいいっぱいに生きている。
そんな川辺に。夕陽が希望みたいに。ぽっかりとうかんでいるのをみた。
2007年10月11日(木) |
それぞれの秋とせつなさのいみ |
昨日の雨から。またいちだんと涼しくなる。半袖では。 肌寒くなり。今朝は重ね着をして出掛ける。肩が凝る。
すぐに脱ぐ。けれど仕事中自転車で役場に行ったとき。 くしゃみが出た。お陽さまが恋しい。青空にあいたい。
お昼休み。いつものようにクルマの中に閉じこもって。 いつものように本を読もうとしたけれど。ひどく散漫。
気になっている事があって。堪えきれず電話をかけてみる。 呼び出し音が鳴るととてもほっとする。けどすぐにそれが。 留守録に繋がる。ぴーっと鳴ったら。ぴーと鳴ったらって。
言う。かなしい。夏ならばケセラサラ。秋はなぜか哀しい音。
用件は口に出来ない。何を伝えたいのか自分でもワカラナイ。
ふた晩続けて夢を見たのだ。どうしようも出来ないような夢。 姿は見えず。声だけが聴こえる夢だった。とても一方的にだ。
なんだかとても不安になる。何かあったのではないかと思う。 「元気だよ」って言ったのは。あれは何月何日だったのだろう。
もし夢をみることもなければ。それはそれで平穏に過ぎる日々。 季節だって冬へ向かって真っ直ぐに突き進んで行くことだろう。
ひつようだとか。もうひつようでないとか。そういう葛藤とか。 縁ならばとすがりつくように。ひとを想って生きてきたけれど。
現実はいつも。わからないことで満ちているのかもしれなかった。
便りのないのは元気な証拠。宥めもせずにそう信じていたけれど。 そう信じながら。気にもとめずに遣り過ごして来たのかもしれず。
それぞれの秋だから。それぞれの生き方だからと諦めもしていた。
すこし眠ろうと目を閉じた時だった。思いがけずにメールが届く。 やはり元気ではなかった。体調を崩しているという。短いメール。
縁というものは。いつだってそのつながりを失いたくなくて。 こんなふうに手を差し伸べては。その手をさがし求めている。
出会ってから四度めの秋が。おなじひとつの空のしたこうして。
また。それぞれの季節を縫うように。ながれているのを感じる。
だから。無事を祈ることを決してやめられはしない。
2007年10月08日(月) |
ねこふんじゃった。ねこふんづけちゃった。 |
まるで梅雨の晴れ間のような蒸し暑さにとまどってみる。 けれど。変えられないものだってちゃんとある。だから。
どんな日もある。こんな日もある。明日だってあるから。
昨日は久しぶりに海をながめた。うすぼんやりとした海。 波が岩に砕ける音を聴いた。なんだか心まで打ちやまぬ。 そんな音のことを。しばらく忘れていたようにふと思う。
夜は。思いがけず隣り町の花火の音が聴こえてびっくり。 思わず外に跳び出してしまう。見えるはずはないけれど。 それが花火だとわかる音が。夜空に響いて伝わってきた。
こころでそれを見る。そんなこともしばらく忘れていた のかもしれない。音ってこんなに会いたがるものなのだ。
今日は朝からずっとピアノ。お隣りにお孫さんがふたり。 連休でお泊りに来ているらしい。とにかくずっとピアノ。
ねこふんじゃった。ねこふんじゃった。ああねこうんざり。
ちょっとまたイライラ虫がぶんぶんし始めていけなかった。 とても宥め難い。どこか遠い所へ逃げてしまいたくなった。
すこし冷静を装ってみる。自分が子供だった頃を思い出す。 オルガンだった。ピアノが欲しくてたまらない子供だった。
私はどうしていたのだろう?ああ・・思い出した。やはり。 ねこふんじゃった。ねこふんづけちゃったどうしようって。
それでもずっとねこを踏み続けていたっけ。猫は逃げない。
猫は逃げようとはしなかったんだ・・・・。
ほほえむ。こんなときこそ微笑むことから始めたいものだ。
音は。それを受止めるひとのこころのなかでどんなふうにも。 それは。時にはせつなくもあったり。哀しくもあったりする。 嬉しくもあったり。元気をもらったり。希望にだってなれる。
あしたあえるのはどんな音だろう。みみちゃんと生きていてね。
今朝。サチコを職場まで送って行った。 今夜、仕事を終えるなりまた飲みに行くのだそうだ。 着替えとか。ブーツとかバックとかも提げて。 「またかよ・・またかよ・・」と母はぼやく。
そしたらクルマから降りる時チップをくれた。 5千円。黒霧島と絞りたて新酒とビールが買えた。
サチコ。ありがと〜。今夜もとことん飲んで下さいな。
2007年10月06日(土) |
そういうのがすごい好きだから |
職場はお休みではなかったけれど。お休みをいただく。 すこし心苦しくはあっても。解放感で満たされていく。
ふしぎなものだ。いかなくてもいいのではなくいかない。 そういうのに慣れてはいけないけれど。癖になりそうだ。
朝のうち。ほんの二時間足らず家業の川仕事に出かける。 海苔網を漁場に張る仕事。どうか種が無事に育ちますように。 願いながらそれをする。台風が来ませんようにどうかお願い。
白鷺が一羽。そこにいて私たちの作業をずっと眺めていた。 ばしゃばしゃと水音をさせても逃げない。きょとんとした顔。 干潟にちいさな魚がたくさんそこにいる。白鷺さんの朝ご飯。 ああひとがまた来たな。けどいま食べとかないとなって感じ。
のどかな朝だ。どんよりとした雲を掻き分けるように陽の光が。 また青い空をそこに導いてくる。水面では光の粒が踊り始める。
好きなんだ。そういうのがすごい好きだから。自分はここにいる。
午後はまたお昼寝。本を読んでいてもいつのまにか眠ってしまう。
ぷしゅぅっとくうきが抜けたようになる。からっぽではなくて。
しわくちゃでもなくて。なんかふにゃふにゃっとしているような。
目覚めればもう夕方。ぼんやりとしながら洗濯物を取り入れる頃。
ブロック塀の向こう側には。お隣りの秋桜がとても綺麗に咲いた。
2007年10月04日(木) |
笑い鳥がやってくる。そこは秋。 |
どんよりと曇りそら。ときどき小粒の雨がそっと静かに降る。 気づかれないように。まるで秘め事のようにまるで嘘のように。
音もなくふる。濡れてみなければわからないことに触れてみる。 触れてみなければわからないことに。そっと忍び足で秋の声が。
囁いている。ほんとうは気づいて欲しいのだ。けれど無口な秋。
そこにぽつねんといる。なんだか何処からか旅をしてきたように。
新鮮だ。とても素直だ。正直にきみが好きだと言ってしまいたい。
秋だ・・・・。
職場のエアコンからやっと解放され。あたりの窓をいっぱいに開く。 そうすると待っていたかのように。どこからか鳥の声が聴こえだす。
けけけけけけって。愉快な鳥。昼下がりのぼんやりとした空気を。 面白可笑しく彩るように。その名も知らぬ鳥の声がこだまする。
同僚がちょっと険しい顔つきで。事務所に入って来た時だった。 むっとしている。疲れているのかもしれない。すごい不機嫌な顔。
「けけけけけけ」って私は鳴いた。
ねえ、あの鳥の声って何の鳥?って訊いたら「知らん!」って応える。 もう一度私は鳴いてみせる。そしたら空からもけけけけけって鳴く声。
笑った。同僚もけけけけけって笑った。
「あれは笑い鳥だな」って言うので。またふたりでけけけけけって鳴く。
くうきが。けけけけけけになる。ぜんぶそうなる。あたりいちめんの。
けけけけけけ。それはとても嬉しい声だ。
それはとても。なんだかほっとする。不思議な鳥がやって来る。秋だ。
2007年10月01日(月) |
いっぽいっぽしているのだろう。 |
職場のある山里の。小学校のフェンスのしたに。 白い彼岸花が満開になった。曼珠沙華とも言うけど。 なんかわたしにはずっと彼岸花。紅いのよりも白い。 その白いのがとても好き。花嫁さんの角隠しみたい。
ようくみていると。ちょっとピンクがかった花もある。 それからオレンジ色のも。そのたくさんのなかにぽつんと。 紅いのが咲いている。私よ私がそうなのよって言ってるみたい。
なんかそれもいじらしい。そっかうんうん彼岸花だねって。 みんな愛しい。個性ってそうなのかも。だから競わないで。 それぞれのいいとこを。それぞれにほめてあげたいものだ。
小学校の前が郵便局。今日から民営化になったゆうびんきょく。 制服が変った。なんかみんなスマートに見える。かっこいい服。 でも。大好きだったユキちゃんが辞めたのでちょっとさびしい。
かわる。かわる。なにかがちょっとずつかわって。もう10月。
そうしていちねんが走ってく。まってまってと追い駆けてばかり。
なんかこれでいいのかと時々思う。だけどこれだからしかたない。
いっぽいっぽしているのだろう。この道どの道。どこまでだろう。
土曜の夜は。バド仲間と飲みの会だった。 若い仲間ばかりのなかに。ぽつんとわたし。 浮くだろうなあ・・ってすごい不安だった。 けどなんか。まあまあ飛べたかもしれない。
いつもいつもみんな優しくて。ほんとにありがとう。
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