ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2007年09月27日(木) おにさんこちら手のなるほうへ

眠っているまに雨が降っていたようだ。
思いがけず雨あがりの朝となる。空気が。
ほんの少しひんやり。しゃきっとではなく。
すくっとするような凛々とした空気のなか。

みどりの道をいく。通いなれた道だけれど。
まいにちそれはどことなく昨日ではなくて。
いつもその仕草にあいたくてならない。山が。

目を覚ましてまぶしそうに瞳を潤ませている。
太陽が悪戯っ子みたいにその瞳を追い駆けて。
いく。おにさんこちら手のなるほうへ。朝は。

そうしてうごきはじめる。遠くへなんかに。
行かなくてもいい。そこにいればはじまる。


日常は特別であるはずもない。あるべきこと。
もしかすること。たとえばのことも知らずに。
息をする。ため息も息。あくびも息。声も息。

そうしてひとにあう。少しご機嫌斜めなひと。
息が苦しそう。たすけてあげたくなるくらい。
まくしたてている。はあはあ言って怒ってる。

「どうどう」ってこころのなかで声をかける。
小馬さんにしてあげたい。そんなひとはみんな。
その毛並みのことをほめてあげたい。すごいよ。
綺麗な毛並みだねって。そしたらきっと喜びそう。

みんなみんな優しさを求めている。なのになぜ。
みずからその優しさを見失ってしまうのだろう。

ちゃんとあるのに。ぜったいにあるのになくしてる。

おにさんこちら手のなるほうへ。

おにさんこちら手のなるほうへ。







今日は。いつも買い物に行くお店に。
『豊ノ島』が来ていた。サイン会ですごい行列。

私は並ぶのがすごい苦手なので。
とにかく接近をこころみた。結果。
至近距離1メートルまで近づけた。

ぽっちゃりとしていて逞しくて。
お茶目な笑顔。ますますファンになった。




2007年09月24日(月) おんなごころと秋の空

くもり日。ちょこっと雨がふり。ちょこっと晴れる。
おんなごころと秋の空っていう。きょうがそんな日。

花の種を蒔く。るり唐草と忘れな草。どちらも好き。
瑠璃色とか。淡い紫とか。なんかどうしても好きな色。

ちゃんと芽が出てくれるかな。うんきっとだいじょうぶ。
春になれば咲いてくれる。春って今は遠い気がするけど。
てくてく歩くように生きていれば。花の伝言みたいな春。


午後。また眠ってしまう。本を胸にうつ伏せにしたまま。
二時間も寝てしまった。おかげで気だるさが抜けなくて。
しんどい。よっこらしょいと起き上がる。ああしんどい。

しばらくぼんやりとしていたけど。これじゃあいけない。
ふっと閃いたのが温泉。無料の入浴券を貰っていたのだった。
期限を見ると今週いっぱいだったので。よっし行こうと決める。

うちからクルマで5分くらい。下田の『癒しの湯』へと向かう。
近いのにめったに来られない。いつもいつもまた来ようって思う。
それなのに一年とか。ほんとうにあっという間に過ぎてしまう。

空いていたらいいなあって。おそるおそる様子をうかがう。
ロッカーの鍵のところでそれを確認して。ほっとして入る。
いくら無料でも。混んでいたら絶対に帰る。よかった空いてる。

5.6人くらい。一気に気分がまったりぃとひらべったくなる。
漢方の薬湯が好き。それから海水の露天風呂がいちばん好きだ。
なんか夢を通り過ぎて極楽の気分。のぼせたらしばし風に吹かれ。
またしばらく浸かっては。ほんとうに幸せ。生きてるなあって思う。


いっつもとか毎日とかだと。そんなに幸せ感じないだろうなあって。
そんなことについて考える。それは何だって思いがけないのがいい。

ぜんぜん期待とかもしてなくて。びっくりするくらい嬉しい事とか。
今日みたいに。ふっとそれに向かって自分から歩み寄れない時とか。
いっぱいあるし。わくわく出来ないくらい不安な時だってあるのだし。

なんかそれもほんとうに生きてみなければわからないなあって思う。

けどまあ。あんまり小難しいのはもういい。肩のちから抜いていこう。

もっと楽観的に生きたいなあ・・っていつか言っていたひとのことを。

思い出した。元気かな?わたしよりもずっと元気だといいな。





2007年09月23日(日) ひびわれないでひびをいく詩


なにかが壊れてしまいそうな時には。

接着剤をぬろう。そっとそっとして。


なにかが破けてしまいそうな時には。

刺繍糸で縫おう。好きな糸をふたつ。


それでもなにかがこぼれそうな時には。

ポケットをつけよう。手のひらの形の。

だけどどうしてもそれが破けてしまったら。

アップリケをつけよう。犬のかお猫のかお。


そうしてちょっと笑ってみよう。ふふふふ。

そうしてかるうくスキップしよう。るるるる。


やってみなければわからないことがきっと。

せかいじゅうにみちている。そんな気がする。



2007年09月22日(土) そしてサチコがいってしまう夜

大好きだったおばあちゃんの命日。

愛子という名のおばあちゃんのこと。
今朝からずっと思い出してばかりで。
お墓参りに行きたいなって思ったけど。
運転手くんに今日は行けんと言われた。

遠い町。その昔みかん畑だったところに。
お墓がある。ひとりでは行けないことが。
とてももどかしい。ごめんねおばあちゃん。

いっぱい。いっぱい思い出す。あれこれと。
美味しかった小豆あんこの『おはぎ』のこと。
とうもろこしの皮でお人形を作ってくれたこと。

あいたいな。もういっかいまたあえるといいな。



午後。すこし陽が傾き始めたころになって。
我が家のお墓参りに行く。お酒やビールや。
これはかかせないお供え物で我が家らしい。
竹ぼうきで。もう秋ほどの枯葉を掃き集め。
お掃除をして。蚊に刺されながら手を合わす。

ここにやがてじぶんも眠る。ここしかないのだと。
つくづくと思う。それが結婚というものらしい。


帰りにちかくのたこ焼き屋さんでたこ焼きを買う。
ここのおにいさんがなんか好きで。ちょっとファン。
とても愛想が良い。帰る時なんか「お気をつけて」って。
いつも言ってくれる。家は目と鼻の先なんだけど嬉しい。

またまた帰るなりビール。しょうがないほんとうにもう。

そのまま晩ご飯になってしまう。私はたこ焼きで済ます。
相方君とサチコ嬢には。キム兄風の玉葱チャーハン。
すぐ出来るすごく簡単。あとは冷蔵庫の白菜キムチ。

ふたりでしんみりと夕食というか軽食をしていたら。
鼻歌みたいなのが聞こえてきて。サチコが帰って来た。
今夜もまた飲みに行くらしい。るんるんと嬉しそう。

そのサチコもたこ焼きを食べる。そうしてはしゃぐ。
歯についた青海苔を。わざと歯をむき出して見せる。
ネズミ男みたいな顔して。またまた笑わしてくれる。

ゆかい。ほんとうにゆかいで涙がでるくらいゆかい。

午後8時。サチコが夜の街へと飛ぶように出かける。

あとは。し〜んと静か。鈴虫の声だけが聴こえる夜だ。



2007年09月21日(金) だからどうしても。きっと。そうなる。

きのうは確かに咲いてはいなかったとおもう。
彼岸花が稲刈りを終えた田んぼの畦道に咲く。

猛暑続きで季節が途惑ってしまいそうなこの頃。
植物はいったい何に導かれて咲き時を知るのか。

宇宙な星なのかもしれない。土の仕草かもしれない。
そうおもうと。ひとだってもっともっと気づくことが。
あるのだろうと思う。できるのかもしれないと。

ばくぜんとそう思う。大切なことをそのままそこに。
置き忘れてはいやしないか。それはなんだろうって。

おもう。気のせいかもしれない。けれど考えてみる。
時々はそうでありたい。いまが当然だと思わないで。

いたい。あの星の光。その土の息のことを知りたい。



わたしはかつて。すごく咲きたくてたまらなかった。
どんな花でありたいとか。どんな場所でありたいか。
そこで風にそよと吹かれるじぶんを夢のように見た。

けれど。さいきんはそうじゃない。咲くことよりも。
もっと。じぶんにふさわしい生きる理由をみつけた。

それは土だ。わたしは土になりたいのにちがいない。

そこで種を育てたい。恵みの雨を待ちながらじっと。
そこから動かずにいて。空と語り合えたらどんなに。

しあわせだろうと思う。そうしてそこから芽がでる。
その芽はじぶんの生んだこどものように愛しいもの。

まけないでって祈ること。だいじょうぶだよと支え。
その花が可憐に。その花が凛々しく。すくっとして。

精一杯に咲いてくれたら。もう思い残すことはない。

そんなふうにおもう。だからどうしてもきっと土に。

       わたしはなりたい。




2007年09月20日(木) 吹き抜けていく。どこか遠くへ。

彼岸の入り。夏がとうとういってしまうのか。
けれど。やはり残暑だという。ただ少しだけ。
風が秋の顔をみせる。見逃さないようにして。

風に吹かれる。吹きぬけていくどこか遠くへ。

立っているのが不思議に思える時があったり。
自分なんだけど他人みたいに思える時がある。

ふしぎなものだ。じぶんのつかみどころとか。
じぶんのかたちとか。ふっと見失う時がある。


ああいたいた。なんだすぐそばにいたんだと。
かくにんする。遠い目をしたじぶんの分身を。

あたかも恋しいひとのように抱き寄せてみる。
震えているのはなぜだろう。心細くてならず。

ぎゅっとすればするほどそれは。こきざみに。
夢のつづきを語りたがる。それは夢だからと。
何度も言い聞かせたのに。これは夢なんだと。

言ってきかない。逢いたいのじゃないのだと。
逢わないのだと。言ってそれは首をふっては。

いってしまう。もう追い駆けてはいけそうに。

ない。だからそっとしておく。いけばいいと。
私は言わない。好きなように流れていけばと。

願う。だっていってみなければわからないし。


風に吹かれる。吹き抜けていくどこか遠くへ。

ぽつねんといるのが好きだ。その風のなかで。

私がどれだけ私らしく夢をあきらめずにいて。

あといっぽ。もう少しのところで息をしては。


秋なのかもしれない。そこで逢わずにいるひとに。

逢いたかったよって。言ってしまうのが夢だから。




2007年09月18日(火) まんぷくまるのいちにち。

すっきりと爽やかにはなれない空。

気だるさとひと勝負してみようと。

微笑のれんしゅう。なんだか少し。

きんちょうしては。まっしぐらに。

いかなくちゃと思う場所へすすむ。



けれどお腹が空くとご機嫌が悪い。

またいらいら虫がこちょこちょと。

こそばしたりするので。むむっと。

かゆい。手の届かない所がかゆい。

ばくはつ的にもうこらえられない。


しんこきゅうよって誰かがいって。

けれどお腹がくくうって泣くから。

しんこきゅうがうまくできなくて。

ふうはあふうはあお腹がくるしい。


たのむよお願いだからっていつも。

言われるのには慣れているけれど。

11時55分にはそれは遠慮してよ。

けれど微笑みのれんしゅうしたから。

その成果をちゃんと見せてあげたい。



ありがとうは。すごい思いがけない。

ありがとうって。もったいない言葉。

どうしてどうしてっていつもおもう。

身に余るくらいそれって大きすぎる。


いらいら虫をやっつけてくれたこと。

ちゃんとしんこきゅうができること。

きょうも一日ありがとうって思える。

おなかいっぱいこころもいっぱいに。

微笑んでありがとうのまんぷくまる。


あしたもまんぷくまるになれるかな。



2007年09月17日(月) ある事情についてすこし語りたい

ぽつねんと。ひっそりと。ここにありたいと。

ずっとそう願っていたはずだったけれど。

最近なにを思ったのか。ここに書いたことを。

そのままほかの場所に転記させていたりする。


反応がある。愚かな欲なのかもしれないけれど。

反応が癖になる。かすかな手ごたえが喜びとなる。


ある意味。いい気にもなってしまう。それはいけない。

信念に羽根が生えて。無我夢中で空を飛んでいるみたい。


けれど。不思議と意欲がわいてくる。書きたくてならず。

伝えたくてならず。語り合えたらどんなにいいだろうと。

思わずにはいられない。やはりこれは欲なのかもしれない。


けれど。いまは。いけるところまでどうしてもいきたいと。

おもう。誰のこころにも何も伝えられる事が出来なくなれば。

    
     書く意味も。理由も。もうない。



2007年09月15日(土) 柿の実ひとつくださいな。

くもり時々雨そして時々の太陽。


こどもの声がする。おんなのこ。

ふたり。お姉ちゃんといもうと。

お店やさんごっこしてるみたい。

いらっしゃいませ。さあどうぞ。


やがてけんかが始まる。泣き声。

お姉ちゃんのばか。えーんえん。

これわたしの。かしてあげない。

お姉ちゃんがすごいいばってる。


うらの空き地の柿の実がすこし。
かーき色なのが窓から見えては。
そこからさっきの雨がぽたりと。
夏草の生い茂った緑へと落ちる。

太陽が御用聞きさんの顔をして。
ごめんください。こんにちはと。
柿の実ひとつ。くださいなって。
夏草の声がする濡れた緑の声で。


お姉ちゃんのばか。えーんえん。

もういっつも泣いて泣くばかり。

いっかいだけ。ちょっとだけよ。

お姉ちゃんがとうとう負けたね。


こどもの声がする。二人ぼっち。

柿の木の向こう側もやっと晴れ。

ほのぼのと午後はまぶしくなる。

いらっしゃいませ。さあどうぞ。




2007年09月13日(木) 今宵は。ははのひとりごと。

くもり日。ときどきの小糠雨。

ねむい日。あくびばかりの日。

お昼にサチコからメール来て。

今夜は焼肉が食べたいという。


キャベツ冷蔵庫にあったかな。

焼肉のタレ忘れたらいかんな。

今夜はなににしようかなあと。

考えなくていいのがらくちん。


さんにんでにぎやかにやく肉。

テレビみながらジュジュとさ。

大相撲なんかつまらんよねと。

くちぐちにぼやいたりしては。

なんかショッカーが登場せず。

仮面ライダーが退屈そうなね。


サチコがそういっておお笑い。

それから安部総理のこととか。

モンゴルへ帰ったらいいのに。

っていうからまた大笑いした。


さんにんはほんとにたのしい。

かなりにとても有頂天になる。

おなかいっぱいの笑顔になる。

ずっとずっとサチコがここに。

いてくれたらいいなって思う。




2007年09月11日(火) ふっとときどき優しい雨を

  

ほんとうに懐かしいほどの。

雨らしい雨がつつと降った。

熱くてたまらなくてひどく。

どうしようもなく苛立って。

いたのかもしれないこころ。



雨があめらしく微笑んでは。

そこに浮かべてくれたのが。

あたし。みずすましみたい。

すいっとすいっと泳いでる。


ちいさなせかいちいさな器。

ぶつかりそうになりながら。

あっちむいてほいしてみる。

愉快になってくくって笑う。



こんなんじゃいけないって。

このままじゃいけないって。

言ってしまわないでお願い。

すいっとすいっとしている。


ちいさなせかいちいさな器。

ときどきは雨といっしょに。

好きなことだいすきな歌を。

すいっとすいっと奏でてる。


あたしの空はさりげなくて。

ふっとときどき優しい雨を。

そっと静かな伝言みたいに。

くち笛みたいに吹いていく。


すいっとすいっと心地良く。

すいっとすいっと泳いでく。


それが。あたしと雨の約束。








2007年09月09日(日) きのうとはちがうきょうが好き

きのうとはちがうきょう。

昨日が飴なら今日はムチ。

だけど嫌いじゃないムチ。



やれるだけ頑張ってみる。

やるまえから無気力だと。

気力がへこむから駄目だ。

気力信じるのが努力かな。



終ったらすかっとできる。

自分にご褒美あげたくて。

チキンラーメンが美味し。

たこ焼きとビールもいい。



あしたは明日の風が吹く。

くちぐせだから癖になる。

この癖やめたらお終いだ。

明日があるから眠るんだ。



きのうとはちがうきょう。

だから人生は愉快なんだ。

私は愉快なのがだい好き。

くたばってもいいじゃん。


あしたも笑顔にあいたい。

あしたも生きていたなあ。



2007年09月08日(土) どこ吹く風やら。しらんぷり。

とにかく寝てばかりのいちにち。

だらだらとぼんやりとうとうと。

だってむりにしゃきっとなんか。

とくにひつようもないかなの日。


こんな日もありがたいなって思う。

あれこれもみんなうたた寝してる。

起こしてあげなくてもいいそっと。

眠らせてあげればいい。そうそう。


緊張がない困惑もない葛藤もない。

そういうのどこ吹く風やらの気持ち。



だからあっちのしらんぷり。

だからこっちもしらんぷり。



2007年09月06日(木) サトウキビ畑的な夜の泡盛

遠くの台風の影響なのだろうか。夜になり風が強くなる。
カーテンが揺れ動くのを。なんだか夜風が叫んでいるように感じる。

ざわざわとする。今夜はサトウキビ畑的な夜になってしまったようだ。
こんな夜からは早く逃げてしまえばいいのだけど。思うようにいかない。


ふかく考えることではない。好きなのだサトウキビ畑が。そして泡盛が。


酔ったいきおいでうたってみよう。

けさの『トーキョー迷子』がいい。

5年経てばほんとうにひとは思い出に変るのか。

ながいトンネルを通過しながら歌ってみたけれど。

明るい所に出るなり涙がこぼれてきてしょうがない。


ばかみたいって思った。ほんとにばかみたいだったから。

        ばかなんだ。



2007年09月04日(火) あしたの風にあいにいこう

真夜中に。つくつくぼうしが鳴いていた。それはとてもか細くて哀しくて。
午前二時。誰もその声を聴いていないのなら。せめて私がと耳を澄ました。


夢だろうって彼がいう。真夜中にセミが鳴くもんかって彼が言うので。
もう知らない。もうなにもおしえてなんかあげないって思う。本気で。



仕事に行く。今日も峠の道を越えていく。窓を全開で走ると緑の風が心地良い。
真っ白の星みたいな花が今年も咲いた。名も知らぬ花だからよけいに愛しい花。
蔦みたいに絡まって咲く。緑のために咲く。それはとても健気な姿で咲くのだ。

お遍路さんを追い抜く。まだ夜が明けぬうちから歩き始めたのだろうか。汗で。
白装束がべっとりと濡れていた。赤いTシャツが透けて見える。まだ青年の顔。

いつものように会釈をする。気がついてはもらえないけれど。それが私の日課。
とてもとても自己満足だけれど。そうして始まる一日はとても穏やかに思える。

いらいら虫がおとなしくしてくれる。ささいなことで目くじらなど立てない。
けれど。時たま失敗もする。いかんいかんと反省しつつ。なんとか遣り過ごす。

そんな日々だ。ありがたい日々だといつも思う。そうして心を穏やかにたもつ。


お昼。今日は野暮用のため早退だった。お弁当を持ったまま『蛍湖』へ向かう。
水筒にちゃんとお茶も用意して。今日こそはのんびりゆったり食べようと思う。
いらいら虫がいつも愚痴る。私がお弁当食べてる時、目の前で仕事しないでって。

だいじょうぶ。今日は誰も邪魔するひとがいないから。胃も痛くならないのだ。

ダムの休憩所で風に吹かれながら昼食。蛍湖って蛍いるのかなって思いながら。
なんかとりとめもないことばっかり思って。もぐもぐと唐揚げチキンを頬ばる。


そうして帰路。今度はかなりの下り坂だ。エンジンブレーキで鼻歌の坂道だ。
嬉しくてならない道。帰るってほんとに嬉しい。いつも逃げるように走る道。

そうしていると。目の前に見覚えのある姿を発見した。今朝の若いお遍路さんだ。
赤いTシャツ。タオルで髪の毛をぎゅっとして。つんのめるように前へ進んでいる。

ここまで歩いたんだ。かれこれ4時間。ずっと歩いてここまで辿り着いたんだ。
お昼ご飯ちゃんと食べたのかな。おなか空いているんじゃないかなあって心配。
なんかそう思うと申し訳ないような。ついさっきまでのんびり寛いでいた自分。

だけど。彼の足取りはとても元気だった。なんだか気持ち良さそうに歩いていて。
そういうのってすごい嬉しい。そういうのって自分だってすくっとしてくるから。

がんばってねって声をかける。もちろん聴こえはしないけど。がんばってねって。


ああ今日もいい日だった。そう思える夜は。私なりに幸せな夜なのであります。

あしたは明日の風にきっと出逢えるんだもん。



2007年09月03日(月) 低空飛行しながらあっちへ

鶏頭が炎のように咲いている。はっとするように咲いている。

なんだか緑の鶏が一斉に空を飛びたがっている。そんなふうに。

飛べない鳥のこころは炎なのだ。きっと熱くて火傷しそうなくらいに。



わたしはちょっと飛べるけれど。すぐに手ごろな止まり木を見つけたがる。
そこでぼんやりと空を眺めているのが好きだ。雲のかたち風のかたちとか。
見て感じて。ふっとため息をついたり。さあそろそろまた行こうかなって。

どこなのかわからないところへ。またほんの少し飛んでみようかなって思う。


きょうはとても優しいひとにあった。こころがマシュマロみたいにふんわり。
そんな思いがけないひと。そのマシュマロのまんまでわたしを包んでくれる。
ふしぎなひとだ。ずっとずっと遠い昔に逢っていたように思う。懐かしいひと。

縁とはきっと。そんなふうにやわらかくて。この空のどこかで待っていてくれる。

だから行かなくちゃって思う。旋回しながら。低空飛行しながら。あっちへ。



鶏頭の炎のなかで。緑の鳥の声を聴く。かなしいのじゃない辛いのじゃないと。

泣くこともせず。愚痴ひとつ言わず。それは空にむかう空を信じて燃える鳥だ。












2007年09月02日(日) 水を忘れたムツゴロウ

朝のつかのまの涼しさ。いつもよりすこしだけの朝寝坊。

洗濯をしながらちらりちらりと女子マラソンを観る。
ああ走ってるなってそれくらいの興味だったけれど。
そのうちだんだん目が離せなくなった。苦しそうだ。
すごい苦しそうなのに。ずっと走り続けているのだ。
すごい、いま追い抜いた!三番になった。がんばれ。

もっているちからを振り絞るって。これなんだなって思った。



午後。また夏らしくとても暑くなる。

昨日遊んでしまったので。今日は川仕事に行く日。
冬の海苔漁の準備をもうしなければいけなくなって。

ちょっと駄々をこねた。来週からにしようよとか言ったけど。
ほんの2時間だ。がんばれとか励まされて。しぶしぶと行った。

海の水と川の水がちょっとしょっぱいかなのくらいのところで。
漁場に竹の杭を打つ。機械で打つので私はひたすら杭を手渡す。
ほいほいっとやっていればいいのだけど。思うようにはいかない。

水が完全に干しあがらないので。じゃぼじゃぼして足をとられる。
おまけに船に水筒を積み忘れたので。もう咽喉がカラカラになる。

ほれほれ。あと30分だ。もうちょいだがんばれとまた励まされ。
みず〜水をくれ〜と叫びながらがんばる。もうへとへとやんかよ。



帰宅してシャワーを浴びて。冷たいのをぐびぐび飲んだ。
そのまま意識不明状態になり。畳で大の字になって昼寝。

しんどい仕事やったけど。なんかこんな達成感が好きだから。

また次回もがんばろう!って思う。

今度はちゃんと水筒持っていくから。だいじょぶ!





2007年09月01日(土) 迷子のコブタには卵焼きをどうぞ

9月の声をきくなり急に涼しくなったように思う。
ずっとずっと降らなかった雨が。ついさっきからどしゃ降りの雨になった。

なにかのふたがあいた。そのなにかがそこから顔をのぞかせているみたいに。





今日は久々の映画。片道2時間半かけて高知市へ行った。
ほんとはひとりでしんみりと観たい映画やったのだけど。

ご存知のとうりかどうか。私はすごい方向音痴なもので。
いまだに単独で高知市内を走行出来ないという弱点があり。
今日も彼のお世話になる。とても機嫌よく連れて行ってもらう。

彼は元職業的にドライバーな人なので。運転はとても上手。
私と大違いで。一度走った道は何年経ってもよく憶えているから。
そういうところはすごい尊敬している。道に迷うこともまずない。
ただ欲を言えば。走るのは好きだけど寄り道をとても嫌うひとで。
何処へ行っても走り抜ける。外食も嫌い。温泉も好まないひとだ。

まあ・・そのことは今日はいい。今日は映画の日だからそれでいい。

それで。今日もイオン高知の駐車場で。クルマのなかで昼食だった。
まさか手作りではない。そこらへんで買った『かに玉風のお弁当』

その後。映画の上映まで少し時間があったので。私はお買い物に。
彼は例の如く。クルマのなかでお昼寝をすることになった。
その時ちゃんと時間を決めて。そこらへんで待つようにと言われた。

けれど。買い物していたら。自分がどっちから来たのか解らなくなった。
そういう時はすごいパニックになる。ぐるぐるひたすら歩くほど迷う。

携帯が鳴る。「もう時間だぞ!早く来い!」と言われても焦るだけ。

何処にいるんだ?と問われたら。こうこうこんなお店の前です。
「じゃあ今から先導するから言われた通りの方向へ歩け!」と言う。

すごい!私の姿が見えないはずなのに。私の居場所がわかるのだ!
ほんと尊敬する。天才や!って思う。会えた時すごい嬉しかった。


映画は『天国で君にあえたら』実話だけあって感動もひとしお。
あちらこちらですすり泣いているひとがいた。私もかなり泣いた。

エンディングに流れる桑田さんの曲がまた涙を誘って。大いなる感動。

彼は決して泣かない。彼もきっと感動したはずなんだけどな・・。


帰り道。思いがけず寄り道をしてくれた。
須崎という町の『卵焼き』を食べたくてならなかったから。

「買って来いよ!」ってクルマ停めてくれたからすごい嬉しかった。

「やっぱ美味いなあ!これはうまいなあ!」って。ふたりで食べた。




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