ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2006年08月31日(木) ひとつ。ふたつ。みっつ。

もう。これが秋雨というものらしい。時おり激しくまたそっと静かに。
糸のような雨がずっと降り続いていた。いいものだこんな雨の一日も。

今日は。なんだか気が抜けたように。雨の音ばかり聞いていたように思う。


ひとつ不思議なものを見た。枯れて化石のようになった紫陽花の群れのなか。
なんだか奇跡みたいに新しい紫陽花が咲いていたのだ。蕾さえもそこにある。

終るって。お終いだってことで。もしかしたらそう決めているだけなのかも。

しれない。



ふたつ不思議な夢を見た。クルマで空を飛んでいる夢だった。
それが落っこちそうで落ちなくて。スリル満点でとてもよかったのだ。
ひゅいんひゅいんって飛んだ。真っ青な海だってまっしぐら〜な空のよう。
すごくいい気持ちで。着陸したらはあはあ息が弾んでいたんだ。

これは夢じゃないかって思ったら。やっぱり夢だったので照れたように笑った。



みっつ今はほとんど悲しみというものがない。
心を痛めていることがあるが。もしかしたらたんなる老婆心かもしれない。
救ってあげたいと強く思いながら。いまの私には戒めの言葉しか語れない。
いくら伝えようとしても伝えきれないことが。あるのだ・・と思っている。

そっと見守るの「そっと」とは。どこまでがそっとなんだろうと思うのだ。

その現実を決して。悲しみに変えたくはないのだから。


ひとつ。ふたつ。みっつ。

よっつめは心のなかにだけとどめておきたいと思う。








2006年08月29日(火) こくこくとまた動き始めたようだ

くもり日。いちにちじゅう空はぼんやりと霞んでいた。
峠道行けば山肌からこぼれるように咲き始めた萩の花。

こくこくとまたうごきはじめたようだ。ちいさな秋が。
ひたひたと歩み寄ってくる気配を感じる。ツイテイク。
これは逆らえない流れのようなものだ。ぎくしゃくと。

ぜんまい仕掛けの人形であるはずはない。息をすって。
吐いては。いっぽいっぽ自分らしく歩いていけばいい。


いまはもう。いつかの夏を想っては涙ぐむこともなくなった。
アノヒトが虚しくて。アノヒトは空しい。それが現実である。

うん。これはとても素直な実感である。私はたぶん正直なのだ。


夜の蝉はもういい。もうよしにしてくれないだろうか・・・。








2006年08月28日(月) 鏡のような出来事

なにかがふっきれたように思う月曜の朝。
少しだけすくっとしてみる。さあ行くんだって思った。


いつだって平穏でありたい。なのにどうしてひとびとは。
声を荒げたり。しかめっ面をしてみたりするのだろうか。

穏やかさは鏡のような出来事なのだろうと思う。
どんなふうに映っているか。この目で確かめてみなくては。

いけない。




今朝。朝露に濡れた夏草の声がきこえた。
伝えたいと。このわたしに伝えたいと言ってくれたのだ。

そこにはわたしの好きな露草が咲いていて。
明け方のやっと光がそこへ降り注ぎ始めたころ。
ひっそりと静かに。その花が語ってくれるのだ。

わたしはいつもそっと耳をかたむけている。
わたしだけは知っているよと頷きながら。

か細い声を。しっかりとしっかりと胸に抱く。

わたしがもし。泣いてしまったとしたら。
あなたを悲しませてしまうのだろうと思う。

わたしがどんな時も微笑んでいられたら。
あなたの涙をぬぐってあげられるきがする。

願いをこめて。祈りながら。いく朝もいく朝も。

わたしは草の暦をめくり続けるだろう。







2006年08月26日(土) 晩夏の音と晩年の決意

花火の音を聞きながら。どんどんどんといま酔っている。

いつか見た真っ白の花火を思い出した。粉雪みたいなの。
今年もあがっているのかもしれない。おもてに飛び出して。
ほんの少し歩けば。遠くからでも花火が見られるのだけど。

今夜は音がいい。なんかいい。晩夏の音と名付けたいと思う。



夕方から出掛けていて。ついさっき帰ってきたばかりだ。
バド仲間の若いひと達から。バーベキューのお誘いを受けた。
すごくすごく嬉しかったんだ。わくわくしながら出掛けて行った。

場所は。お隣りの黒潮町だった。国道から北へ3キロほど奥まったところ。
廃校になった小学校が。地元の人たちの管理で宿泊施設になっているのだった。

校庭でバーベキューなんだ。楽しく食べて飲んで。みんなは一泊するのだと言う。
私は帰宅しなければいけなかったけど。なんか林間学校みたいでいいなあって思う。

現地まで夫君に送ってもらう。お仲間のクルマがあったのでほっとした気分だ。
「はーい!来ましたよ〜」って笑顔で行こうって思った。だけどすぐにむむむ。

知らないひとがたくさんいた。それもすごく若いひと達ばかりで。戸惑うばかり。
足が竦む。校庭の隅の木陰に隠れるようにして。一歩も前に進めなくなってしまう。

とうとう。そうして2時間が経ってしまった。
お腹が空いた。喉もからからに渇いてしまった・・。

『場違いな場所』とはこれなんだと思い始める。
浮き足たって来たものの。仲間のひとりに声をかけることも出来ないのだった。

情けねえ奴だなあってつくづく思う。そしたらすごく悲しくなって。もう駄目。


そしてついに決心したように。とぼとぼと歩き始めた。
とにかく早く家に帰りたいと思ったんだ。

「お父ちゃん助けて・・」と歩きながら彼に電話する。

山沿いの県道を。小川のせせらぎの音を。田んぼの案山子さんや蛙の鳴き声。
あたりはすっかり暗くなり始めていたけれど。不思議と寂しさを感じない道だった。

歩くのってこんなに気持ちいいもんなんだなあって。感動さえも覚えてくる。
そうして。今日はなんていい日なんだろうって思えてくる。汗をかきかき歩く。


国道までもう少しのところで。夫君に発見されてしまったにわか旅人であった。

おまえはほんまにアホじゃないかと。ついでに家まで歩いてみろやとか。
いっぱい笑われてしまったけれど。私はわたしの滑稽さが楽しくてならない。

家はやっぱよかった。ぜえぜえと飢えたようにザルそばとビールをがぶ飲む。


そしてひと息ついてから。誘ってくれたお仲間にメールした。
ほんとうのことなんてとても言えない。急用でキャンセルと詫びを入れる。

そしたら。さっきわざわざ電話をかけてきてくれたのだ。
なんてありがたいことだろうと。胸がすごく熱くなった。

「またきっと遊ぼうよ!」って言ってくれたのだ。


だからなんだ。わたしはもっともっと勇気を出さねばならない。





2006年08月25日(金) ああ。これはいったいなんだったんだろう。

空は今日も不安定で。午後からは雷と。もの凄くどしゃぶりの雨が降る。
なんか少しはらはらとしながら。威勢がよくてよろしいなあって思った。

そうしてまたうっすらと陽がこぼれ出す。まるで誰かさんが泣いた後のようだ。
空も歩んでいるのだろう。どこへというのなら秋へとだ。巡り巡っているようで。
ひとつきりしかない模様を。この場限りの空にして。あしたのむこうへただ進む。

だから一緒に行ける。そんな空をいつだって。見上げていられるのが人間だもんね。



今夜。ちょっと心に残るような出来事があった。
いつものバドクラブでのこと。専門学校生のM君が夏休みで帰省していて。
8月は毎週来てくれたのだけど。正直言ってそのことですごく頭を悩ませていた。
以前にもここに書いたことがあったが。M君は右手右足が不自由な青年だった。

だけどバドがすごく好きで。とにかく出来なくてもやるって。すごく根性があって。
その根性を見込んだからこそ。私はすごく彼に厳しく接するようにしていた。
絶対に甘やかさないぞっていつも思っていた。駄目な時は駄目っていつも言った。

苛めてる。端からみるとそんなふうに見えたかもしれない。悲しい顔をする。
そんな彼の顔を見ると。すごく辛かった。彼が転ぶ。ほら起きなさいって言う。

彼は左手にラケットを持っているから。左足で反動をつけてぴょいっと起きる。
よしよし!と心の中でいっぱい拍手をする。その時の負けるもんかの彼の顔が。
すごく気に入っていた。頑張れがんばれっていっぱい思う。だけど優しくしない。


そんな彼とのひと夏も。今夜が最後だった。
やれやれってちょっとだけほっとする。だけど。なんか変・・。
うむ。なんだろう。この変はただことではないぞって思うのだった。


後片付けを終え。私はいつも最後に体育館を出るのだったが。
今夜は彼が外で待っていた。そして言うのだ。
「もしよかったら。僕を家まで送って下さい」ってぺこっと頭を下げている。

マジかよって思った。今夜はいつも迎えに来る彼の家族のクルマが見えない。
そうかそうかならしょうがないなって顔をして。彼を助手席に乗せたのだった。


就職の話しをした。とにかく資格を取りたいと言う。
頭は抜群に良いのだ。そしてその左手は私が保証する。誰の左手にも負けない。
やれるだけやってみなさい。公務員だって決して夢ではないのだと告げる。


ぽつんと。暗がりに彼が立っていた。
さっさと家へ入ればいいものを。そうしないで。ああいったいどうしたんだ。

「じゃあね」って言ったら。「はい・・」って頷く。


今度再会した時は。またいっぱい苛めてやるぞって思いながら。

不思議な何かがいっぱい胸に込みあげてきた。

なんだろう。ああこれは。いったいなんだったろうって。いまも思っている。








2006年08月24日(木) あの時をどうか思い出して

処暑という日を過ぎて。気がつけばずいぶんと日暮れが早くなったようだ。
夕焼け空をゆっくりと見ている時間がないまま。すぐにあたりが夜になる。

そうして鈴虫だか松虫なのか。ちいさな命たちが健気に鳴き合うのをききながら。
いちにちを想う。思い出すように想って。あとはさらさらと川の水のように流す。



今日は。いくぶん穏やかで。苛立つ事がほとんどなくて。いい日だったなあって。
そういうのはおそらく。自分自身の気の流れがゆったりといい感じだったのだろう。
いつもそうだといいのだけど。自分っていうのはなんかよくわかんないところが。
あって。そこのところを上手く操作できたらすごくいいのになあって思ったりした。

ロボットじゃないんだ。コントローラーはないしね。右だって命令しても左に。
行っちゃう時だってあるんだ。止まれ!なんていうのはまず無理だなと思うよ。
どんどん行っちゃうだもん。手に負えないよ。制御装置の構造がいまいちなんだ。

そのくせ綱渡りとかもしたがるしね。恐怖心はあるくせに冒険心もあるんだよね。
おいおい!って焦っちゃうよ。でもさ。行きたいんだろう。行かせてやろうかな。

なんて自分を手助けしたりもするんだ。こいつなかなかやるなって応援もするし。
だけど結局落っこちたりすると。馬鹿だなあとか。おまえアホじゃないかとかね。
とことん苛めたりもするんだよね。その時なんか燃料漏れだよ。気力も活力もさ。

すっからかんになるんだよ。真っ白けだね。もうあたし立ち上がれないよう・・。


でもさ。何度も言うけど。ロボットじゃないんだ。
もしかしたら。それがすごくありがたいことなんじゃないのかな?

落っこちたら痛いよね。転んでも痛いよね。壊れちゃったら辛いよね。

涙出るでしょ?ひとはみんなみんな泣くことが出来るんだもん。


じぶんで流していくんだよ。それが出来るってすごく素敵なことじゃないのかな?



流したことをなんども思い出して。

同じ過ちを繰り返す前に。あの時をどうか思い出してみて。








2006年08月22日(火) ありのままの空でいて

空はとても不安定。光でいっぱいに溢れさせておいて。とつぜん。
怒ったみたいに稲妻を走らす。そしてやけっぱちみたいに雨を降らす。

だけどそれがいい。そんなありのままの空があたしは好きだ。


仕事で。ちょっとごたごたがあった。かっかっとして口論もした。
何が正しくて何が間違っているとか。いまはまだ何もわからない。
わからないことを決めてしまわないことだと。つくづくと思った。

晴れそうで晴れない空だ。やがて空から涙がいっぱい落ちてくる。


いいこともあった。自分はそうそうひとの役には立たないであろうと。
最近は年のせいか。自信をなくしてしまうことが多い。老婆心とかいう。
言葉は自分のためにあるのではないかとさえ思う。ついつい臆病になる。
だけど。ありがとうって言ってもらえた。それがすごく嬉しかったんだ。



あのひとはまた音信不通。なしのつぶてとも言うらしいのだが。
梨を投げても林檎を投げても。なにも応えがない。息さえも聞こえない。
だけど。あたしはときどき。さくらんぼを投げる。時々はその種だって。

その種がどれからどうなるのか。あたしは知らない。

あのひとの一年と。あたしの一年は。どうしてこんなにもスピードが。
違うんだろうと思うと。悲しくて遣りきれない気持ちでいっぱいになる。

だけど。あたしが投げなかったから。すべてが終るんだと思う。

そうして無事を祈ることさえも忘れてしまうことは。ぜったいに出来ない。

あのひとはいまが。ありのままなんだと思う。

ありのままでいてと。あたしの願いを。いま。きいてくれているんだなと思う。



はあ・・・。今夜も酒量が多すぎた。
いい年して。なにやってるんだろう。

だけど。あたしだって。ありのままでいるんだ。今日は曇りのち晴れだぜ!






2006年08月21日(月) 鳴けるだけ泣いてみなさい

灰色の空を。その一筋を貫くように夕陽が。いまほのかに紅い。
つくづくほしい。たまらなくほしいと鳴いているのは誰だろう。

叶えてはあげられない。ひとのこころというものはそうたやすく。
思いどうりにはならないものだ。かつて思った。いまもそう思う。

だから。鳴けるだけ泣いてみなさい。その羽根が千切れるほどに。

            泣きなさい。



いつだったか。Rがすごく泣いて。ちっとも男らしくなく泣いて。
子供みたいなこと言って。じゃあどうすればいいんだと泣きじゃくり。
あたしもちょっとだけ一緒に泣いてしまったことがあった。

Rは不思議なひとだった。だって初めて声を聴いた時も泣いていたから。
すごく弱虫で泣きみそな奴だなって思ったけど。ある日はすごく強くて。
だから言っただろう。なにやってるんだ。いいかげんにしたらどうだと。
あたしを叱ってくれたりもしたんだ。それはそれは頼もしい男みたいで。

すごく大好きだった。


泣けるだけ泣くひと。そうしていま鳴いたカラスがみたいに突然笑い出す。
「泣きな〜さ〜い 笑い〜なさ〜い」と歌まで唄ってくれるひとだった。


Rは。きっと元気でいる。

あたしのところで泣かなくなって。もう2年が過ぎた・・・。




2006年08月20日(日) 待っているけど。まだ来ない。

ひとには陽もあれば陰もある。陽があるから陰も生まれるのかな。
空とおんなじだなと思う。じぶんが空だと思うとなんかいいなあ。



午後。またもやくたくたとだらしなくよく寝る。
「決勝戦すごいぞ!観てやれよ」と起こしてもらって。
延長戦になっている高校野球を。彼と一緒に観た。

なんかこんな時間がとてもひつよう。清々しく感動する。



息子くんからメール。今夜帰りに忘れ物を取りに来るそうだ。
いつがお休みで。いつが遅番で。いつが夜勤なのかぜんぜん。
知らない。メールとか来ると。なんだか別れた男からみたいで。
ちょっと懐かしいけれど。あんまり未練とかは感じなくなった。

待っているけど。まだ来ない。ちょっとそわそわの気分でいる。


あたりはすっかり暗くなったけれど。今夜もまた蝉が鳴いている。
夜の蝉は。やはり哀しい。だけどほんとうに哀しいのは夜の蝉だから。

そんな。たわいもないことを。わたしの陰だと決めつけたりはしない。


待っているけど。まだ来ない。






2006年08月19日(土) こころを鬼にすることは。どうしてこんなに辛いのだろう。

台風の影響でたくさん雨が降ったけれど。今日は少しだけ青空が見えほっとする。
濁流の大河をぼんやりと見ていた。こんなふうに一気に。こんなふうに汚れては。
また澄むことを始められるのだから。ひともそうでありたいものだと願うのだった。


午前中で仕事を終え帰り道。ダム湖の休憩所でお昼ご飯を食べることにする。
ダムの放流をしていてものすごく水の音がする。ごうごうとすべてが水の声。
風が怖いくらい吹いた。なんだかまっ逆さまに落ちて行きそうな不安の時が。
むしろ心地良く思える。じぶんが風と一緒に立っていることが不思議だと思う。

そしてひとつの憂鬱を飛ばす。私はきみが信じているほど。優しくはないのだ。
いまはだから。かつてきみが気づきもしなかったほどに厳しくありたいと思う。

こころを鬼にすることは。どうしてこんなに辛いのだろうと。いま思っている。



午後8時。蝉が鳴いている。か細くて頼りなく。明日死んでしまうのかもしれず。
やがてどこからか秋の虫の声が聞こえてきては。なんの悲劇もそこにはあらずに。


ぽつねんとここにいる。わたしは中途半端な鬼だ・・・。





2006年08月16日(水) 元気のもと

曇り日。夜になり稲妻が光り少し雨が降った。海が鳴いているのが。
どどどどっと聞こえる。なんだか久しぶりに聞く海の鳴き声だった。

4日ほどお盆休みをいただき。今日は仕事に出掛けたけれど。とても暇で。
なんとなく無気力。欠伸ばかりしていた。何も手に付かず早目に帰宅する。


なつこさんに葉書を出した。住所が変わっているかもしれないと思ったけど。
届くと信じてポストに入れた。18日がお誕生日なのだ。きっと届いて欲しい。

なつこさんの詩集を読んで。感極まった。彼女は本当に素晴らしい詩人だと思う。
痛みが美しいのだ。ただの美しさではない。ほかの誰にも表現できない痛みなのだ。

だから。それは。わたしには書けない。すごく尊い。私は彼女を誇りに思う。

島田奈都子。『恥部』かまくら春秋社。ひとりでも多くの人に読まれるべきだ。





今夜は水バドの日だった。最近復活して水曜日もバドミントンをしている。
なんとなく気だるくて。ああこんなんで大丈夫なのかなってちょっと心配だった。
出掛ける前に少しネットを見ていたら。Jさんがネットラジオを更新していた。
ぱっと目の前が明るくなる。Jさんの声はなんとも言えない。すごく好きなんだ。
いつも自然体で。時々笑い声が聞こえるんだけど。その笑い声がいちばん好きだ。
気がつくといつも一緒に笑ってる。ふふふってつい顔がにやけてしまうんだけど。

それが何よりも。元気のもとだった。聴き終るとPCに向かって手を合わせてる。
「ありかとう!」ってこころの底から感謝する。おっし!って勇気が湧いてくる。

そうして水バドに行った。サウナじゃないかと思うほど蒸し暑い体育館で頑張る。
こんなんじゃ駄目だって。へなへなになりながら。まだいけるぞって気合い入れて。

これがたまるかっていうほど汗を流す。汗は本当にいろんなことを流してくれる。


ひとは死ぬんだな・・・って受け止めたけれど。どうしようもなく悲しかったこと。

あのひとにとって。わたしはもう必要ではないのだなって。受け止めたけれど。
どうしようもなく淋しかったこと。


           みんな。流れていったんだ。




2006年08月14日(月) わたしを待ってくれたひと

今日はどうしても会いに行きたいと思うひとがあった。
それは先週末からずっと思っていたせいもあって。
今朝からそわそわと落ち着かずとにかく行かねばと出掛けたのだった。


去年の暮れにご主人が亡くなって。今年が初盆だった。
甘い物が好きだったと聞いていたので。洋菓子屋さんに寄っていく。
お供えだと言うと店員さんが紫色の器にお菓子を綺麗に並べてくれた。
お花もつけましょうねと言って。可愛らしくラッピングしてくれたのだ。

喜ぶだろうなあって。その大好きな笑顔に会いたい一心で。心が弾んだ。
先月会った時に約束していたのだ。だからきっと待っているに違いない。

ほぼ毎月のように会っているひとだった。春に忙しくて行けなかった時は。
「元気ですか?最近会えませんね」って絵葉書をよこしてくれたりもした。
その時は急いで電話したのだった。「もうすぐ行けるから待っていてね」って。

いつもいつも。わたしを待ってくれたいた。満面の笑顔で迎えてくれたひと。
ご主人を亡くされてからも。いつまでも悲しんでなんかいられないと言って。
とにかくお店に出て。お客さんの相手をしている時がすごく心が和むのだと。

だけど毎日が暮れる時。どんなにか寂しかったことだろう・・・・。
「めしめし!」って晩ご飯の催促をしていたひとが。もういないのだ。
いく日もいく日も。その現実を受け止めながら。日々を送っていたことだろう。


もう初盆だからね。早いもんよね。そう言って笑っていた。それがひと月前のことだった。

お盆休みしているかもしれないなあって思ったのだ。でもお店はちゃんと開いていた。
よかったあって駆け足で行く。朝いちのお客さんで驚かせてあげようって思った。
とにかく会おうって。それからね。ナイトクリームが切れたようって言おうって。


でも。いつも座っているカウンターのところに居なかったんだ。
そのかわりに店員さんが「みかさん!」って言った。一瞬なんだか時が止まった。
お盆だから忙しいでしょ?って。彼女がそこに居ないのはきっとそのせいだと思う。

だけど。そうじゃなかった・・・。

もうほんとうに。どこにもいなくなってしまっていたのだ。

「みかさんが来てくれたよ」って店員さんが二階の住居へと案内してくれた。

嘘でしょ・・嘘でしょ・・これは嘘でしょ・・・。

だけど。それは。嘘なんかではなかったのだ。


まだ真新しい花に囲まれて。彼女はちいさな箱のなかに居た。

嗚咽が止まらない。わたしは何がなんだかわからなくなって。

しばし。泣き叫んでいた・・・・。



いつも。いつも。わたしを待っていてくれて。ありがとう。

遅くなっちゃったんだ・・・。     ごめんね・・・。










2006年08月12日(土) 最後になんてするものか

去年亡くなった愛子ばあちゃんの初盆と一周忌をするため。
早朝より出掛けた。アンパンマンミュージアムのある町だ。

途中から高速道路に入ろうとしたが。事故のため通行止めになっていた。
しかたなく海岸沿いの花街道を通る。桂浜に通じている結構好きな道だ。
猛暑続きだったのに。街道の花壇の花がとても活き活きとして綺麗だった。
千日紅やブルーサルビヤ。松葉牡丹の愛らしさに。ずっとずっと海が見える。



ひろきじいちゃんが老人ホームから一時帰宅していた。
このいちねん訪ねることもしないで。なんて薄情な孫なんだろうと思う。
だけど。じいちゃんの笑顔にどんなにか救われたことか。
いつだって不安に思う。最後なのかもしれないと会うたびに思うのだった。

宮尾登美子の本をお土産に持って行った。好きでしょって言ったら。うんと。
うなずいて。とても嬉しそうな顔をしてくれた。たくさん読ませてあげたい。
そろそろ読み終わったかなの頃に。また次のを送ってあげたいなと思うのだ。


そうして親戚のひとたちとささやかな酒宴。そしてみんなで高校野球を観る。
応援するのは9年ぶりだった。今年は高知商業が頑張ってくれたおかげで。
高知県民はみんなすごく喜んでいる。明徳は高知だけどぜんぜん高知じゃない。
それは横綱朝青龍が高知じゃないのと。横峯さくらが高知じゃないのと同じだ。

みんなで必死になって応援していたら。じいちゃんが「まだけりがつかんのか」
って言って。みんなを笑わせた。最終回で二塁のランナーが牽制球でやられた。
だけどめげるな最後までねばれ。とことん頑張れと諦めずに応援したのだけど。

結局駄目だった。あ〜あってみんなで残念がる。じいちゃんはにこにこ笑顔で。
「やっとけりがついたか」と。野球よりもみんなの顔ばかり見ていたのかもしれない。

きっとそれがすごく嬉しかったんだなって思った。

だから。その後みんなが席を立ち帰り支度を始めた時は。すごく寂しそうで。
ひとりひとりの手をとって。また会おう。元気でなって。言っては涙ぐんだ。


すっかり弱くなった足腰で。やっと立っていられるような姿で。
じいちゃんは家の外まで出て来て。手を振ってくれたのだった。

最後なんかじゃない。これを最後にするものんかって。
思いながらも。いっぱいの不安が射すように胸を痛めて。


じいちゃんがちいさくなる。じいちゃんが遠くなっていった・・・。











2006年08月11日(金) 今日。夏けやきの木の下で。

仕事で集金があって。いく子先生のお宅へ行った。
ほんとうは先生が来てくれるって言ったのだけど。
とにかく暑いからお家で待っていてって言ったのだ。

よく冷えた『ごっくん馬路村』を手土産に提げて行く。
まあまあってありがとうってとても喜んでくれたから。
すごく嬉しかった。わたしは先生の笑顔が大好きなんだ。


いく子先生は。わたしが中学一年の時の担任の先生だった。
英語の先生で。羊はね『シープ』ってプの発音の時が面白くて。
すごくおおげさに下唇を噛むようにして。プップップッって教えてくれた。

でも。わずか2ヶ月でわたしは転校しなければいけなくなった。
とても急なことだった。こころの準備も出来ないうちに遠くへ行くことになった。

先生も友達も。その日はみんなが道路に立って見送ってくれたのだった。
もう二度と会えないのかな。すごくすごく悲しかったことをおぼえている。


でも会えたのだ。運命なのか何なのか。わたしは二十歳になっていた。
どこにも行き場所がなくて。母を頼りにこの山里へと帰って来たのだ。
母は再婚していた。あの頃わたしにギターを教えてくれたお兄ちゃんと。
一緒に暮らしていた。



いま思うと。いく子先生は。すごく縁のあるひとなんだなって思う。
ある日。先生の話を夫君に話していたら。俺もって言ったのだった。
まだ先生が結婚する前で先生になったばかりの頃。彼も英語を教わったそうだ。
おまけに先生の生まれ故郷というのが。四万十川の河口付近でうちのすぐ近く。

縁というものは不思議なものだ。そしてほんとうにありがたいものだと思う。


蝉時雨が。先生のお宅の。欅の木の青々と繁った夏の葉のあいだから。
ほんとうに雨のように降り注いで来るのだった。感動しなくちゃねって。
すごく些細なことでも受け止める心で。優しくつつみこんであげたいね。

庭先でそんなことを語り合った。

詩は書いていないの?もうずいぶんながいこと読ませてくれてないのよ。
この庭に来て。欅の木の下でずっといていいから。書いてごらんなさい。

そう言ってくれた。ありがとうって手をあわせて。ああこれが感動だった。

先生。あのね。「今日、夏けやきの木のしたで。いく子先生とあった」
それからね。「蝉時雨に濡れたように。ふたり佇んで泣いたんだ」

こんなのどう?って言ったら。

うんうん。いいねえって。先生の瞳がきらきらって光ったの。

忘れないよわたし。

ありがとう。いく子先生。










2006年08月10日(木) わたしのこころの琴の糸

今朝すごく嬉しいことがあった。ありがとうって伝えたいなってすごく思って。
ここから発信してみる。ここからきっと届くと確信している。どうか真っ直ぐに。

届け。


波長なんだって思う。なんとなく惹かれる文章に出会うと心がざわざわっとする。
ざわざわっていうとなんだか『ふあん』なイメージだけど。決してそうじゃない。
わたしのは違うんだ。わたしのはわたしの心の琴の糸がぶるぶるってさわぐのだ。

ああ。逢えたって思う。

懐かしいひとなのだ。ただばくぜんとそう感じる。
それはこれ以上の言葉になんか出来ない。不思議なわたしの気持ちだった。

わたしたちは逢えたのですよ。

これがわたしの感謝の伝言です。





夕方。どっとしんどく帰宅すると。ポストにメール便が届いていた。
著者代送のスタンプが押してあった。鎌倉の『かまくら春秋社』とある。
食事の支度よりも何よりも。とにかくすぐに確かめたかったのだ。

なつこさん。ああなつこさんだ。なんてなつかしく嬉しかったことだろう。
ぷっつりと途絶えてしまって。二年目の夏だった。元気でいるだろうか。
どんなに気掛かりだったかしれない。でもきっと詩を書いているって信じてたよ。
よかった。ほんとうによかった。なつこさんの詩集にいっぱい頬ずりをした。

涙がほろほろって出たよ。



ネットって。思うんだ。いままでほんとうにいろんなことがあった。
あり過ぎたって思うこともある。悲しいこともいっぱいあったような。

だけど。出逢えたことが忘れられなくて。ずっと想っていられたこと。

たいせつなんだ。すごくすごくたいせつなことだったんだよ。



わたしのこころの琴の糸が。

今日は嬉しくてぶるぶるって二度も泣いた。

















2006年08月08日(火) もう立秋なんだ

もう立秋ということ。そう聞いただけでなんだか。そうなんだって思ってしまう。
これからまだ残暑が厳しそうだけど。ある日ふっと秋風を感じるようになるのだろう。

心配していた台風は。進路を変え東海地方に向かっているようだ。
四国は難を逃れたといえ。必ずやどこかに被害をもたらすのだから。
それはいつも他人事ではないことだった。どうか最小限であって欲しいものだ。

そんな気圧の影響なのか。今日の高知県はこの夏一番の猛暑だったらしい。
我が町で37℃を越え。須崎市ではなんと39℃もあったそうだ。
慣れというものはすごいもんだなと思う。人はみんなみんな耐えていられる。


仕事は。まあまあだった。お盆休みまでもうひとふん張りしてみようと思う。
思うようにならないことも多いが。なぜそう思うのかと自問するのが良いと思う。


晩ご飯は。新鮮な鰹がちょっと安かったので。またお刺身にしてみた。
あとは切って盛るだけの姿でパックされているのがとてもありがたい。
青紫蘇と胡瓜。サチコの好きなニンニク。それから初物のあおい柚子。

ちょっと遅れて帰って来たサチコにご飯をよそいながら。一緒にテレビを観る。
江原さんの霊視とかする番組をみながら。ふたりでついつい涙を流してしまう。

母さんね思うんだ。幼い子供が殺されてしまって未だ解決されていないでしょ。
江原さんだったら絶対犯人がわかると思うんだ。どうして教えてあげないんだろう。

サチコがそれはだめだめって首を振る。日本の警察は信用してくれないって。
プライドがあるでしょ。威厳っていうか。ほかに頼るわけなんかないじゃん。

そっか・・そうなのかな。うむ・・なんか納得できないな。なんとかしたいな。
匿名の投書でもいいのだ。江原さん。どうかどうかなんとかしてあげて下さい。


お盆も近くなってきた。亡くなったみんなみんな。懐かしい場所に還ってくる。



2006年08月07日(月) 時を待てと私に言っておきたい

台風が不気味に近づいていて。明日から影響がありそうな予報だった。
たわわに実った稲のことが気掛かりでならない。稲刈りの風景も見かけるが。
ほとんどの農家が今週末を予定しているらしい。被害のないことを祈るだけだ。

来るものはしかたない。なあに毎度のことさと笑い飛ばしている農家の人たち。
どうなるかわからなくてどうすることもできなくて。それが当たり前のことと。

受け止めるってことは。こういうことなんだなって思う。だけどついついもがく。
私が稲を作っていたのなら。きっとこんな時。慌てふためいて喚いていることだろう。

だからそれなんだ。さきに嘆くよりも。時を待てと私に言っておきたいものだ。



とっ。ひとくぎりしておいて。月曜日だったね。
なんか仕事がスムーズじゃなくて。また苛々してしまったんだ。
反省はいくらでもするべきだと思う。自分のペースに周りを引き込むなよな。
とんとんとんと行けない時だってあるんだ。それを他人のせいにするなよな。

いく度もいく度もセーブする。ああまたこれだって気づこうと努力したんだ。
不思議だね。気づけば不愉快は半減する。そして反省すれば不愉快はゼロさ。


明日の風はどんなだろうか。それを思い煩わないでいようって。いま決めたよ。






2006年08月05日(土) 帰ることのできる場所

いまは夕陽のころ。茜の空に。つくつくと蝉の声が響いている。
それからごごごと。遠く聞こえるのは飛行機の音。九州のほう。
いいな空の旅は。こんな夕陽のころに空を飛んで行ってみたいな。


そうして今日が暮れていくのを。窓辺でぽつんと見送っているのだった。


今日は。海ではなくて山のほうへ行ってみようかと思い立ち。
四万十川を遡って。わたしの生まれた山奥のその場所へと行ってみた。
カヌー館があったり。キャンプ場があったりで。子供の頃とは違うけれど。
旧道の小道を通ってみると。昔からあった商店や食堂を見つけることが出来た。

そうそう。あの頃母さんは小学校の用務員をしていたのだった。
時々だったけど一緒に帰ったことがあった。校庭で遊びながら。
母さんの仕事が終るのを待っていたのかな。よく覚えていないけれど。
母さんは自転車を押しながら食料品店に寄ったりしたんだった。
そこでよくコロッケを買ってくれた。そしてそれを食べながら帰るんだ。
それがすごく嬉しくてね。今日ね。こんなことあったよ。それからあのね。
わたしはぴょんぴょん跳ねるように歩いていたように思う。母さんは?
母さんはどんな顔してたのかな。ああなんでだろう。ちっとも思い出せない。

だけどほんとうに。なんて懐かしい道なのだろう。ここがわたしの故郷なんだ。


こどもだったころ。それはにどとかえれないときのいちぶ。

ゆいいつ。かえることのできるばしょなのかもしれない。




2006年08月04日(金) きみとあたしの距離だから

今夜は夜風がそよそよっときもちいい。お月様はドラ焼きみたいで美味しそう。
窓からじいっと見つめていると。光がね十字架みたいに交差しているんだよ。

ねえ。窓を開けてみて。ほんとかどうか確かめてみて。ねえ・・聞こえてるの?


ふう。ちょっとためいきをついてみる。はあ。なんかこれはわるくない呼吸だ。
けっこうじゅうじつしてるかもしれないなっていま思った。あれこれとかあって。
でもなんかもうすんだことみたいで。みんなみんなそうして過去らしくなるんだ。


こくこくと進んでいる。だってこうしているまに眠くなるんだもんな。
眠っちゃえば朝がくる。朝がくるとまた今日っていう日になるもんな。


ちょっとさきのうよけいなこと考えたりしたんだ。言ってもいいかな?
あのね。なんかさ。きみのいちにちとあたしのいちにちってとうぜん。
ちがうんだよね。スピードがさ。なんていうかきみってわかいんだよ。
だからさ。そういうのをきみとあたしの距離だからって思ったんだよ。

きみは「いつか」って言うけど。あたしには「いつか」ってそれが未来って。
思いたいけど。思えなくて。いつかなんてありえないんじゃないかってふと。
たまらなくかなしくなってしまったんだ。ほろりほろりとせつなくなったよ。


でもね。それってきのうのことだから。うん。たしかにそれはきのうだったよ。


        おやすみい。じゃあね。またあしたね。




2006年08月02日(水) おまえだけは連れていくぞ

少し大気が不安定なのか。ときどき雲がたち込めてにわかに小粒の雨が降る。
ざわざわと山が動いているようだ。なんだかひたひたと何かが忍び寄って来る。
気配がして。問いただすように空を仰いでみたりするのだった。風が鳴いている。

そのほかにはなにもない。そうしてまるで気のせいだったかのように陽が光リだす。



山里は遍路道。夏休みのせいかずいぶんと若者の夏遍路さんに出会う。
まだ十代ではないかと思うほど。少年のようなあどけない顔のお遍路さん。
タオルで頭をきゅっとしばって。もくもくとただひたすら前へと進んで行く。

昨日は。ダム湖の橋のうえで。フォークギターを抱えたお遍路さんに会った。
すごく声をかけたかったんだ。追い越してしまって。待ち伏せしてみようか。
そう思ったのに。ああでもって。勇気をなくしてしまって遠ざかってしまった。

ちょっと悔みながら。でもなんだかすごく嬉しい気持ちでいっぱいになった。
ギター好きなんだな。だから一緒に歩いてる。重いだなんて感じたりはしない。
家を出る時。おまえだけは連れて行くぞって。きっと決めたんだなあって思った。


あたしは。そんな遍路道のことが。すごくすごく好きなんだ。


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