今朝はね。白木蓮の花を見つけたよ。 真綿のようにふわふわっとしていて。 そっとこの手でふれてみたいなあって思う。
神様が両手をほっこりとあわせているようなつぼみ。 その手のひらを。ほうらみてごらんさいって広げたように咲く。
どきどきするんだよ。きのうより今日だよっておしえてくれる。 神様の手のひらにはなにが包み込まれているのだろうって思う。
高くたかく。背伸びをしても届かないほど高いところで。 夢のようにほのかに香って。純白の想いのように咲き誇る。
空は。空は知っているのかな。鳥は。鳥も気づいているのかな。
2006年02月27日(月) |
ここまで歩いてきたんだな |
青空にしんこきゅう。私はいつもこれを心呼吸という。 新鮮な朝の空気を。ふかくふかく吸ってごらんなさい。
たとえば。どうしようもなく理不尽に思うことさえも。 空の気に満たされたこころには。ほんの些細な出来事。 拘ろうとしている己を知りなさい。澄むことが出来る。 その可能性に気付きなさい。痛みはきっと和らぐもの。
菜の花の道を行く。朝陽がきらきらとまぶしかった。 まるで光の花のようだった。あたたかでまあるくて。 なんだかもう思い残すことなどないようにふと思う。
ここまで歩いてきたんだな。おなじ春ではない春が。 やがていちめんにひろがって。ほっと空を仰ぐ日が。 もう少しあと少しと。はげまされてたどりつく日が。
日常をくぐりぬける。とにかくわたしは歩いている。 歩かなければいけないのじゃなくて。歩きたいなと。
おもう。だってこんなに生きているんだもの。
はるいちばんは。春の嵐いちばんとなった。
昨夜遅くから降り始めた雨が激しく降り止まず。 大河の水も増水し。小川には泥のような水が流れる。
家業はお休みしようと。雨の音を聞きながら朝からのんびりと過ごしていたが。 少し小降りになり風も少し静まった頃。同業者の従兄弟から電話があった。
海苔の漁場が大変な事になっているという知らせだった。 とにかく見に行かねばと。彼と一緒にクルマを飛ばした。
ほんにまあ。なんてことでしょう。昨日からの高波のせいなのだろう。 海苔網を括り付けてある杭がことごとく抜けてしまい。網は波のよう。 やられてしまったか・・と。しばし茫然と立ち竦むありさまだった。
自然の恩恵を受けているありがたさ。しかし時にはこんな過酷な痛さもある。 ため息をつき嘆くこともするが。とにかく早く海苔を救ってあげなくては。
急いで準備をして。わたしたちは救出隊員一号と二号になっていた。 自分達だけではなかった。同業の仲間達みんなが必死で頑張っている。
よかった。なんとか海苔は無事でいてくれたのだ。 網は波に揉まれていても。海苔たちは千切れもせずしっかりと生きている。
水の中を右往左往しながら。杭を海苔網をやっと元通りにすることが出来た。 ほっと安堵しながら。一気に力が抜けていく。同時に清々しい達成感を味わう。
ほんとうにお疲れさんの一日だったけれど。なんだかすごく心地良く思えた。
わたしたちはほんとうに。この仕事を愛しているのにちがいない。
2006年02月25日(土) |
あなたが春なのですか? |
今日は南風。海が鳴っているのが。すぐそこが海のように聞こえる。 もう春なのかもしれなかった。海鳴りを聞くと遠く少女だった頃を。 ふと思いだす。記憶は波のように押し寄せて来ては。風に吹かれている。
どどどどどっと。胸がさわぐ。何かが起きてしまいそうで少しこわい。 そんな錯覚を。ゆるやかな風が優しく撫でて。また平穏の時が来るのだ。
土曜日。今日もまたお待ちかねの家業だった。 漁場に向かう軽トラックは河口への道を行く。 海が見える。波が嵐の前かのように高く打ち寄せていた。 汽水域は川の流れを留めるように白波がすごい。 ここも海だなと彼が言う。曇り空なのに真っ青に見える。
潮のにおいをいっぱいに浴びながら。今日もせっせと頑張る。 もう少しで出荷なのだ。『お嫁入り』そう呼んでいる日だった。
早朝から頑張ったおかげで。午後は久しぶりにのんびりと過ごす。 作業場の隣りが物産品店なので。お昼にと田舎寿司を買ったのだ。 柚子の香り。鯵と姫一というピンク色したお魚のお寿司が美味しかった。
それからこれも久しぶりに。庭のクルマの中で本を読む。『白夜行』 TVドラマとはまた違った面白さ。すごくすごく惹き込まれてしまう。
そしてお昼寝。たっぷりと。ふぁよく寝たなあってくらい眠れた。 そしたら肩の凝りもずいぶんと楽になっていた。なんかいい感じ。
夕方。血圧を測る。ああよかった。今朝は160あったのが129。 こんなに一気に下がるものだろうか。なんだかとても不思議だけど。 やはり肩凝りのせいだったのかもしれないなと思うと。ほっと安堵。 でもこれからも。気を付けないといけない。もう若くないのだから。
夜。南風がすごく強くなり。がたがたと窓ガラスが鳴るほど吹いている。 「ねえ。春一番って夜でも吹くのかな?」って彼に聞いたら。 「そりゃあ。吹く時に吹くのがそうだろう」って言うので可笑しかった。
風に聞いてみようかな。あなたが春なのですか?って。
山肌からこぼれるように咲いているのは馬酔木の花。 すずらんのようなちいさな白いのがたくさんあつまって。 たれさがるように咲いている。そっと手のひらで受け止めてみたいような。 可憐な花だ。なのに枝葉には毒があるそうな。馬が食べると酔ってしまう。 足が立たなくなるそうな。馬が酔う木と書いて『あせび』『あしび』とも。
万葉の時代からだろうか。万葉集にもよく詠われている花だった。
わが背子に わが恋ふらくは 奥山の あしびの花の 今盛りなり
千年の時を経て。またそんな季節が巡って来たらしい。 こうして自然の花たちは。ささやかな春をそっとおしえてくれる。
さてと。にわかうんちくはこれくらいにして。 ほんと。なにかっこつけようとしてるんだろうねわたし。 さあさあ。もっと気楽に。好きなように書きましょうや。
はい。お待たせです。って私以外誰も待ってやしないのでありますが。 今夜もバドクラブ行ってきました。血圧?出かける前にちゃんと測ったよ。 けんどまあこんなもんでええがじゃないがって思った。気分良好だし。
やっぱT君がさいこうに良いです。冥土の土産みたいなもんですわ。 あと10年のうちに何度会えるかが。もんだいやら課題みたいなもんです。 笑顔をたくさん頂いて。宝物みたいにすごく嬉しくて。目がお星様になっちゃう。
ではでは。来週も楽しみにしていて下さいね。
いま。あほらしいって思ったあなた。あなたにはお星様をわけてあげません。
2006年02月23日(木) |
そんなに急いでどこにいく |
風もなく穏やかに晴天。気温も一気に上がり三月中旬の暖かさとなった。
真っ青な空に映える薄紅と白の梅の花が。寄り添うように咲いているのを。 ああ写真を撮りたいなあってすごく思った。だけどクルマを停められない。 ざわざわと落ち着かない気持ち。どこか余裕がなくていつもこんなふうに。 通り過ぎてしまうのだった。最近の私はいつも先を急いでいる。いったい。 そんなに急いでどこに行くのだろうと。時々問いただすように自分を戒める。
ついさっき。いつも楽しみにしているある方の写真日記を見せてもらって。 わわわっとすごく嬉しかった。おんなじだ。今日私が見たのと同じ風景が。 私が撮りたいなあって思った梅の花がそこにあったから。やたら感動した。 いつもほんとうにありがとうって伝えたい。ここ見てくれたらいいな・・。
ええと・・それからなんだっけ。そうそう血圧ね。 やはり正確に測らないと駄目だそうで。血圧計を使い慣れている彼に。 測ってもらうのがいちばん良いみたい。今朝もそうしてみたがやはり。 高いことに間違いなさそうだった。でも眩暈もないし気分も悪くない。
肩凝りがひどくなると眩暈がする時もあるとか。一時的に血圧も上がるらしい。 行きつけの薬局で薬剤師さんが教えてくれた。葛根湯とベッセンアイを買う。 これで数日様子をみて血圧が下がらなければ。病院へ行くように言われた。 それだけは何としても避けたい。病院へ行ったら病人にされてしまう・・。
今は。元気だけが私のとりえ。以前のように病院通いばっかりして。 心まで病気になってしまうのは嫌だ。もし悪いのだと言われても。 なあにへっちゃらだいと言える自分でいたいと思う。いつだって。 だいじょうぶな私。とりあえず血圧くらい下げてみせますからね。
ふう・・まあここらへんで。今夜も肩の力抜いてのんびりしときましょう。
『百夜行』見たら即刻寝よう。明日の朝はなるべく早く目を覚まして。 オリンピック見ようっと。
だいじょうぶよ。きょうは今日の風に吹かれていたから。
で。きのうのことなのだけど。さあ朝ご飯食べようとお箸を持った時だった。 突然目の前がくらくらしだして。なにこれどうしてってすごくおそろしくて。 それは軽く眩暈におそわれたらしかった。初めての経験でほんとにびっくり。
ちょっと横になっていたらすぐに治まったけれど。夫君が血圧を測ってくれた。 なんかにたにたしながら。ちっとも心配してない風で。ついにおまえも仲間か。 そんな感じで測ってくれたのだけど。やはりなのかちょっと血圧が高いようだ。
と言っても。私は今まで血圧を測るということは殆どなくて。だからどれほど。 それが高いのであるかとか。まったくわからなかった。でも正常ではないと彼が言う。
ちょっとびびる。あまりにも自分の健康管理を怠っていることを反省しながら。 気をとりなおしていつも通りに仕事に行く。気分も悪くないいつもと同じ元気。
でも午後のこと。仕事中にまたそれがおそって来て。机の上のものが揺らいだ。 だいじょぶすぐに治まる。そうは思っていても。さすがにちょっとそれは不安。
反省に反省をかさね。夜はとにかく今までの生活習慣を変えないと大変だと思う。 かといって休肝日もしない。そこらへんがイマイチであるが。とにかく節酒である。 寝酒をハーブティーに変えてみる。『ナースあおい』を見たら即刻寝てみる。
されど真夜中。ふと目を覚ますと地震だった。部屋中が確かに揺れているのに。 夫君を起こしたら。なにを寝ぼけているんだと怒られた。じゃあなにこれって。
ふう・・正常ではないらしい。いかんなこれはと。今日はいささか不安のどん底。 ある日突然死んじゃうの図とか。考えれば考えるほど。それが怖くてたまらない。
さっきお風呂に入る前に。これからは毎日自分で血圧を測ろうと思い測ってみる。 そしたらなんと最高血圧が198もあったのだ。信じられない高さ。今夜死ぬのか。
湯船に浸かっていても。なんかどきどきして落ち着かない。 はだかん坊のまんま死ぬのはいやだ。すっぴんのまんまで死ぬのはいやだ。
お風呂上り。洗濯物を畳みながらすごく悲しくなって。明日も洗濯したいなあ。 お弁当も作りたい。お味噌汁も作りたい。仕事にだって行きたいなあって思う。
そのとき。サチコが現れた。「母さん・・もうダメかもしれん」と涙目で告げる。 「なに?どしたの?」こういうときのサチコは、ほんとうに私の太陽みたいな娘。
どれどれ。もいっかい私が測ってやるけんと言って。慣れない手付きで測ってくれた。 そしたら不思議。今度は147しかなかった。私の年齢ではもしや正常値では?
おかげさまにて。一気にルンルンになってそうろう。
しかし。今回の危険信号を深く心に受け止め。本気で生活習慣を変える努力を。 これからはそうしていきたいと思う。わたしはきっと長生きせねばなりませぬ。
すこし肌寒く雨。枯野もしっとりと潤う。 おおいぬのふぐりや。からすのえんどうや。 ちちちちちとどこかで鳥の声がする春を。 雨が連れて来てくれるのだ。ありがたい雨。
このところずっと土曜日を休みにしてもらっているので。 月曜日はちょっと忙しい。がぜんやる気が出て来るというか。 やることがいっぱいあるほうがなんか嬉しい。暇なのは嫌だ。
事実上は。去年の夏に倒産している。なのにずるずると営業している。 競売にかけられている土地と建物のなかで。とにかくやっている感じ。 このまま沈没するものとずっと思っていたけれど。いやこれが沈まない。 苛立ちばかりの日々もあったが。今はむしろこれは面白いことになったと。 思ったりしている。いちかばちかの綱渡り。落ちた時はその時だと思うのだ。
平穏無事に今日も過ぎゆく。常連のお客さんの笑顔や、同僚達との冗談話や。 そんなつかの間の時間にどれほど助けられていることだろう。苦に思えば苦に。 思い詰めればきっと苦に向かうしかないのが常だと思う。だからこそ笑い合う。 そうして私たちは会社という船に身を委ねているのだった。世間は荒波かもね。 嵐の海をよっこらしょの心意気で。穏やかな海の日は心から感謝して生きたい。
あしたは明日の風が吹くよね。
今にも雨が降りそうでふらなくて。ほんのすこしぼよよんのきもち。
本日も家業を頑張る。川の中の仕事なのだが。そこはほとんど海らしい。 潮が引き始めるとすごい勢いだ。水がなくなると作業がし難くなるので。 せっせせっせと手を動かしている。胴長靴を履いているので寒くはなく。 今日は汗ばむくらいで。陸にあがってからの風がとても心地良く感じた。
作業場に帰ってからは。機械で海苔を洗う。脱水をしてから機械でほぐす。 それを金網張りの木の枠に丁寧に広げ並べて。晴天ならばすぐに天日干し。 品にするまでは4日くらい干さねばならない。後から後から増える生海苔。
出荷が近くなると。そのすっかり乾燥したものを一枚一枚手にとって掃除。 小さな海老のようなものや。他の海草がくっついていたりしたのを取り除く。 そうしてやっと箱詰めに出来る。一応はブランド品らしく『四万十海苔』と。 商品化されているのだが。業者に引き取られると佃煮にされるのがほとんど。 ごく一部であると思われるものが。お土産品として駅の売店とか物産店に並ぶ。
乾燥若布のようにと。いつも残念に思うのだけど。もっと世間に広げたいものだ。 天麩羅や酢の物や。海草サラダにだって。卵焼きに入れても美味しい海苔なのに。
と・・こんなところでくどくど意見を言ってもしょうがないのだから。 とにかく私頑張って採っておるけん。高知に来たら『あおさ海苔』買ってね。
ふう・・宣伝してみるのもたまにはいいか・・。
2006年02月18日(土) |
されどもめげるでないぞ |
寒桜が咲き始めた。ふわふわっとした可愛らしさで。 ぬくぬくの気持ち。なんだか懐かしいような春の色。
写真を撮りたくてたまらない。今年こそはと思っている。
本日も家業に精を出す日となった。 このところずっと週末はとても忙しい。 余暇はなくとも。心に余裕を持って過ごしたいものだ。
とりあえずの一仕事を終え。夕食の買出しに行く。 今日は本屋さんにも寄りたくて。ちょっと家から遠い大型店舗へ。 駐車場が混んでいてやっとクルマを停められたとほっとしたのに。 なんてことでしょう。財布を忘れてしまっていた。ああオバカな。 ちょっとショックであったが。めげずにまたクルマを飛ばして帰る。
はあ。やっとやっと本屋さん。文庫本にしては厚さがすごい『白夜行』 ちょいと昔の私なら。ドラマ化される前にきっと読んでいただろうと思う。 好きだったんだ東野さん。なのに直木賞受賞作品も読んでいない・・・・。
レジに並ぶと。私の前には幼い兄妹らしい二人を連れたお祖母ちゃんかな。 ふたりに絵本を買ってあげたようだった。男の子がアンパンマンの絵本を。 レジのカウンターに背伸びして置いたのをちらっと見たのだったが。 私の番になった時。店員さんがその絵本を一緒に清算しようとしたので驚く。
さっきの男の子のって私が言うと。店員さんはすごく焦った様子で慌てていた。 レジは混んでいて。追い掛けようとしていたけど。おろおろ困った顔になった。
咄嗟に。「私がさがしてくるからきみは仕事しなさい」と言って走る。 よかったあ。すぐ近くにまだいてくれた。お家に帰ってアンパンマンが。 袋に入っていなかったら泣いてしまったかもしれないね。よしよしもう大丈夫。
ほっとしてまたレジに並ぶ。そしたら私の前に並んでいる女の娘も『百夜行』 おっし!どんどん売れてくれと。なんだかすごく嬉しくなったりした。
しかし。店員さんはずっと焦ったままの状態で。私の顔をまともに見もせず。 むむむって。その時やっと私は。もしかしたらすごく余計なことをしたのかも。 って気がついた。アンパンマンの絵本は・・清算されずに男の子に渡った・・。
混んでいるレジで。詳しく聞くことも出来ずに。なんだか後ろ髪を引かれる思い。 そしたら。今度はその店員さんのことがすごく気掛かりでならなかった。 初めて見る顔だったので新人さんだったのかもしれない。後始末どうしよう・・。
かくかくしかじか。わたくしはいつもこのようにおせっかいなおばちゃんでした。
されどもめげるでないぞ!
今夜のメニューは。どうしても『おでん』にしたかったんだ。 そしたらちょうどグッドタイミングで。店員さんが半額シールを貼っていた。 牛すじもチクワも餅巾着も雑魚天も。半額でないのはハンペンだけだったもんね。
おでんで熱燗。それからアサヒ新生じゃ。今宵もめでたく酔ってやるそ。
おかげさまにて。おあとがよろしく。めでたく本日も終了でありんす。
雨があがり。今日は真っ青な空。そしてまた少しだけの冬らしさ。 陽射しはきらきらとまぶしい。一日中陽だまりで過ごしていたい。 猫のきもち。ふにゃふにゃと寝そべって。あれこれとかどうでも。 よくて。ときどきみゃあとか鳴きながら。空ばかり眺めていたい。 ものだ。
金曜の夜は。いつものバドクラブだった。 そうなんだ。先週少しだけ疎外感とか感じたりしたけど。 あれはやっぱり私の思い違いだったんだと今夜は思った。
弱気になって。気分がちんまり閉じこもり気味になっちゃうから。 ついつい遠慮しがちになって。輪の中に入るのを躊躇ってしまう。 だからといって。そうそう強気にもなれないから。そこは臨機応変に。 いちばんの年長者らしく。堂々と存在しているべきではないだろうか。
若い仲間達からいっぱいエネルギーをわけてもらっている。 それが何よりもありがたいことなんだと思う。みんなありがとう。 おばちゃんね。あと10年一生懸命みんなについて行くけんね。
T君。今年の始めから新しく仲間入りしてくれた彼は。まだ23歳。 最近というか。ひと目会ったその日から。なんかすごくファンになった。 基礎がよく出来ていて。フォームがとても綺麗で惚れ惚れするのだ。 気がつけば見とれてる。まあこれがおばちゃんの春の兆しかもしれませぬ。
笑顔が。また素晴らしく満点なものですから。おばちゃんもにっこり。 今夜なんか。コートの準備を一緒にしたものだから。すごい至近距離で。 やたらドキドキして。ぽっぽっぽっと胸も顔も熱くなったりしちゃって。
いやはや。これにはさすがのおばちゃんも参りました。
そっか・・先週は彼がたまたまお休みだったから。気分が沈んでいたのかも。
そういうわけで。こういうわけで。一件落着。
ではでは。来週をお楽しみに。
『白夜行』をみたあとは。なんだか胸がざわざわと落ち着かない。
言葉が。詩のような言葉がたくさん浮かんできてはぐるぐるまわる。
つかまえられない。そうなんだ。なんだか太陽を掴まえようとする。
みたいに。むなしいような哀しいような。光の粒が心をちくちく刺す。
木曜の夜は。そうしていつも。酔いつぶれて寝る。
2006年02月15日(水) |
あなたはどこからここに来ましたか? |
なんだかぼよよんと暖かな小雨降るいちにちだった。 梅の花があちらこちら。ほのぼのと心が和む春の色。
その梅の枝を手折り。恋の歌など結びつけて慕う女のもとにとか。 古き時代の男のひとって。すごくすごくロマンがあふれていて素敵。
けれども。それにすぐになびくこともしないで女はきりりっと花を仰ぎ。 ほかのかたにもおなじような歌を届けたのではないですかあなたは。 いくら梅が香れども。わたしはあなたのために咲いているのではありませぬ。 それをあなたが手折るというなら。わたしはすぐにも散りましょうそ。
とかなんとか言っちゃうのが。またまた素敵きまわる古きよき時代であった。
かくかくしかじかと。今宵も相も変らず酒びたり中の古びた女房でありまする。
さきほど。この駄文をしたためるちょい前のこと。いつもの癖で見てしまった アクセス解析というものか。あなたはどこからここに来ましたか?ってとこで。 『男が別れを切り出す時』とかいう検索で。ちらりと立ち寄られた方がいらした。
書いたのかそんなことを。本人はまったく記憶にないのであったが。 そこの検索ページのキャッシュとか見ると。なんと3年前の日記に飛んだ。
うむ・・なんというか。たぶんその日も酒に酔っていたと思われる文体。 そのうえちょいとばかりテンション高く。こっぱ恥ずかしいことこの上なく。 その頃はきっと。毎日書くのがすごく楽しくて。自由気ままに書きなぐって。 いたんだろうなあって思った。ソレガイマトハオオチガイなのかもしれない。
とりあえず。そうして残されているいちにち。やはりそれってありがたいなと思う。
自由きまま。なんとなくそれがいちばん。好きなようにありのままで。
本日ただいま。ここに残しておく。
気温が一気に春。ときどきの陽射しにときどきの雨。 やわらかな雨に似てみる。こころをほぐしてみよう。
朝。いつもの峠道。二人連れのお遍路さんに出会った。 助手席に置いてあったお徳用のチョコをわしづかみに。 クルマを下りて駆け寄る。咄嗟に「チョコの日ですよ」なんて言って。 ご夫婦らしかった。なんかすごく喜んでくれて私も嬉しくて。 そのうえ。先に行く私を立ち止まって見送ってくれたのだった。
胸が熱くなる。どうしてだか感無量になり涙がほろほろ出た。 ありがたい朝だなあって思う。今日はとてもいい日なんだって。
そうして今日も平穏無事。まるくまるくいちにちが過ぎる。
帰宅すると。すごく懐かしいひとから絵葉書が届いていた。 ああ札幌は雪祭りなんだ。私のことを憶えていてくれたんだ。 そして何よりも。元気に生きていてくれたのが嬉しくてならない。
ネットって・・時々はすごく不信感でいっぱいになったり。 そんな空間に在り続けようとしている自分に自信をなくしたり。 だけれでも嬉しいこともいっぱいあって。励まされることもたくさん。
そんな今日が私にとっては記念日。今のHPを立ち上げて4年目となった。 以前のフリースペースのHPからだと5年を過ぎたことになるのだが。
ちっぽけな私を見つけてくれて。今でも忘れないでいてくれるひと。 それはほんとうにありがたいことだった。わたしここにずっといるよって。 たぶんこの先。もしかしたら臨終の時まで。私はここに在り続けるのだろう。
もうひとつ。すごく嬉しかったことがある。 それは4日前のこと。ある女性から思いがけないメールを頂いたのだが。 検索で私のHPを見つけてくれた。彼女はブログを立ち上げようとしていて。 私のHPと同じ『雲にのりたい』を考えていたようだった。
こんなとき。私のこころはすごくぴぴぴっと縁を感じる。 これはなんとしてもやっていただこうと。やたら応援したくなる。 それも同じ記念日に決めて。ずっと一緒に記念日したいような。 なんだか同志のような。こんなに縁を感じたことはないように思う。
そして彼女は頑張ったのです。本日めでたくデビューしました!
ありがとう。今日はほんとうにいい日だった。
2006年02月12日(日) |
そう。これがわたしの道。 |
やはりその風は北風なのだけど。陽射しがとてもまぶしかった。 のんびりと川面を歩いてみたいなあって思う。きっと春に会えそう。
しかし。本日も少しばかり忙しく家業に精を出す。 しんどさが微妙に快感。苦にはならないありがたさであった。
夕方近くなり急いで街へ。川沿いの県道は西陽の真っ只中。 歩道をお遍路さんが歩いていたので。いつものように会釈をする。 そしたらなんとびっくり。そのお遍路さんの後ろにTVカメラが。 ダイエットで話題になっている加藤大君であったらしい。 きらきら光る川面の道を。ひたすら前を向いて歩いていた。 なんとしても歩くぞって。その勇気に似た姿に感動するばかり。
そして。いつもの化粧品店へ。今日こそは絶対に行かなくちゃって。 行ってよかった。年が明けてからずっと私を待っていてくれたそうな。 去年亡くなったご主人の四十九日の法要を無事終え。私にといって。 ボディーソープを頂く。今日こそは来てくれそうな気がしてたって。 にこにこの笑顔に会えた。とても80歳だなんて思えない奥さんは。 春の新製品の講習会にも行くんだと。まだまだ勉強するよって言って。
それは。なんだかすごい不思議なパワーを頂いた気分だった。 そんな奥さんにくらべたら。私なんかまだひよっこじゃないかって。 いろんなこと諦めようとしたり。もう年だからって弱気になったり。 だめじゃんわたし。まだ出来ることいっぱいあるんだよって思った。
きらきらの少し紅の川面の道を帰る。 バックミラーの夕陽に。どきどきと。 ちょっとせつなくて。ちょっと恋しくて。
そうしてわたしは。わたしの道を。信じて進むのであった。
2006年02月11日(土) |
枯野に名もなき花が咲く |
寒空にぽっかりと切り抜かれた絵のように春の気配。 ねこやなぎさんのことや。つくしのぼうやのことなど。 想っていられるこころには。枯野に名もなき花が咲く。
少しばかりの気忙しさをくぐり抜けて。やっと夜になった。 例の如くアルイゾンしながら。あれこれがうたた寝を始めた。
ひとつ。それはふと感じた疎外感。遠ざかる人を恨めしく思ったことなど。 兄のようでもある夫君に愚痴っぽく嘆いたりしてしまったのだけど。
彼いわく。それが年をとったということなんだって。 寂しいけど。現実とはそういうもんなんだって。 いくら気が若くても。もう若くない証拠なんだって。
そっか・・と素直に納得した私であった。疎外されて当たり前かなと。 若い人。若くない人って。どうしても別れなくちゃいけないのかなって。
しょぼん。わたしは急激にちんまりしてきた。いい意味でこじんまりと。 そしてそれが何よりも順調の証し。ちゃんと年を重ねているんだなあって。
うん。そうなんだ。だからこそ誇りを持つ。老木になっても空を仰ぐ。
大切なのは。そこに立っているということ。そこで生きているということ。
2006年02月08日(水) |
ただただ風の声を聴く |
強い北風に。ときおり雪が乱れ舞う。なにかが引き裂かれて。 なにかがどうしようもなく遠ざかる。そんな哀しみに似た空。
なすすべもないことをふと想う。冬がもがいている。叫んで。 そんな真っ只中にあり。芽吹き始めた木の芽の如く息をする。
ほんとうは私だって。叫びたいのだ。このしじまの誰ひとり。 耳を傾けるひとのない場所で。もがきたいだけもがきたいと。
罪のようにそんなことを考えながら。ただただ風の声を聴く。
こうして綴る言葉に対するささやかなプライド。 そのうえなる自己陶酔。それにかさなる自己愛。
今夜そうして開き直った私が。誰よりも私を赦しているのだった。
めげるなわたし。むなしさを感じた時にこそ。心で息をして書け。
雨あがり。突風が吹き荒れる。春一番ではないのだけれど。 これが南風ならと。なんだか錯覚したように春を感じる風。
身に感じる冬。こころに感じる春。今まさに季節の分かれ目に在るのか。 ぽつんと居てみようではないかと。風に吹かれながら確かめてみる自分。
それはやはり。ちっぽけな。吹き飛ばされぬように。くいしばれこころを。
帰宅すると。昨日出勤前に注文しておいたCDがもう届いていた。 あまりの早さに感激なりアマゾン。いつも利用しているのだけど。 こんなに早いのは初めてだったから。やたら嬉しくてご機嫌だった。
『ジャズで聴くモーツァルト』いやはやトルコ行進曲の素晴らしさ。 おかげさまで。とても良い方向へと。自分は歩いているやもしれず。
ナースのあおいちゃんに会ってから。寝酒の芋焼酎してるとこです。 ちょいと小腹が減ったので。十勝つぶあんパンかじってるんですけど。
ほんまにええ夜だと思います。このささやかな幸せを。
あなたにもあげたい。
2006年02月06日(月) |
まっすぐな雨のように |
ただただまっすぐに雨が降る。ひたむきで素直な水の精なり。 それはなんだか捉えどころのない誰かの想いのごとく落ちて。 はっとしながら見ているしか術のない私の心を。打ち続けた。
行きつ戻りつ寒が。別れ支度をし始めているのかもしれない。 あした陽が射せば。つくしの坊やたちが。梅の蕾がふくふく。
そんな春を思い浮かべていると。心がやんわりと息をし始める。
日常はといえば。ほんの少しの焦りを呑み込むようにしながら。 たんたんと過ぎゆく。とらわれないことだ。その現実にと思う。
お昼休み。久しぶりの読書。やっとそんな気分になれたのかと。 何かにとり付かれたように漢字ナンクロの空白を埋めるばかりの。 日々がずっとながいこと続いていたのだが。ふと解放されたように。 思う。不思議な心地良さで本を開く。堤中納言物語。虫愛づる姫君。
作者未詳なるものが。世に残り在り続けること。名はなくとも生きる。 ふと。そんな物語を。ひとつきりでいい。私も残したいものだと思う。
降り止まぬ雨の道を家路につく。 スキマスイッチの新曲が。なんかすごくよくて。どきどきしながら聴いた。
文章も。歌も。詩も。みんな。ひとの心に真っ直ぐに降る。雨のように。
わたしも。ただひとりのこころでいい。打ち続けて終りたいと願う。
2006年02月05日(日) |
あたしもうだめぶったおれちゃう |
継続こそがちからなのだと。バドをしているといつも思う。 それは自分を宥めることにも等しく。自分を褒めることにも等しい。
目標まであと10年なのだ。体力は日に日に落ちているこの頃であるが。 もう伸びる時ではないことを。つくづくと私は知っている。だからこそ。
続けなければいけないのだと思う。いつかきっとなどと言っている時が。 自分にはもう残されてはいないのだから。出来る時にやれるだけ頑張る。
中途半端だったかもしれないこれまでを思う。もっと向上心があればと。 もっと強くなり。もっとレベルをあげられていたかもしれないなどと。
そんなことを今更悔むべきではなかった。20年続けて来たのだから。 大切なのは。あと10年を。なんとしても続けようとする意志だと思う。
老体にムチ打った結果。もはやほどよい疲れどころではなく。
あたしもうだめぶったおれちゃうの。今宵でありまする。
『功名ヶ辻』を見たら。即刻寝ますから。みなさんおやすみなさい。
2006年02月04日(土) |
ありがとね。いつもほんとにありがとう。 |
冷えきった夜空に満天の星の輝き。月はにっこり微笑みのくちびる。 風はかたこと。窓を遠慮がちに叩いては。またそっと遠のいていく。
わたしは。しじま。押し黙り揺らぐ。きみだって。しじまなのかも。 しれない。ただ見えない。ただきけない。もう何も言うまいと思う。
さて。もういい。そんなことはどうだって。
そろそろ今日を記すとしよう。
今日は家業に精を出す日だった。緑の海苔をせっせと摘む。 潮が春の潮らしくなった。引き始めたらすごい勢いで引くのだ。 追われるような作業。でもその気忙しさがむしろ好きだと思う。
ふと顔をあげると。カメラマンが数人いて写真を撮られていた。 私はすごく変身しているので。そんな時はとても照れてしまう。 せめて一言、許可を得てから撮るべきだと夫君はいつも怒るけど。 風物詩のひとつ。自分たちはみんなそのひとつなのだと思うと。 撮っていただけることはありがたいことである。絵になるのなら。
収獲を終えて陸に上がると。そのひとりのカメラマンが駆け寄って来た。 あれこれ質問をされて。それに応えている夫君の誇らしげな顔といったら。 彼もまんざらではなさそうだった。そう、私達はこの仕事に誇りを持っている。
となりの愛媛県から来たアマチュア写真家のひと達だったようだ。
「はぁ・・週末にはカメラを提げていろんなとこ行ける身分になりたいな・・」って。 私が言うと。彼がすごくその気持ちを受け止めてくれたように言ってくれた。
いちめんの秋桜も行ったなあ。山いっぱいの紅葉も行ったなあ。 今年は瀬戸内にも行こうぜ。橋を渡れば倉敷にも行けるぞって。
ありがとね。いつもほんとにありがとう。またいっぱい写真撮るからね。
作業場での仕事を終えて帰宅。寒かったので少し早目に熱燗をちびちび。 そのまま炬燵でうたた寝となった。夕食の支度もすっかり疎かだったけど。 なにひとつ咎められることもなくして。わたしはのほほんと幸せであった。
サチコが帰宅。豆まきセットはもう売っていなかったことを告げる。 「気にせんでもええよ。来年すればええじゃん」って。はははと笑う。
わたしはもう。すっきりとだいじょうぶ。家族とは本当にありがたいものだ。
明日は。バドのオープン戦がある。
おっし。老体にムチ打って。やれるだけ頑張ってみるけんね。ぶいぶい!
2006年02月03日(金) |
おにはそっと。おやすみなさい。 |
一日中冷たい風が吹き荒れる。そんな日に見つけた菜の花。 ちいさな春。なんだかとても嬉しかった。ほっとする黄色。
季節の分かれ目には邪鬼が来るらしく。だから節分には豆まきを。 邪鬼とはたたりのようなものか。もしくは怨霊なのかもしれない。 とにかくあまり良くないことが起こると言い伝えられているらしい。
でも。今朝のラジオで聞いたのは。 「あなたの心の邪鬼を追い払って下さいね」って。 それは。うんうんとすごく頷ける一言だったのだ。
悪意を抱く。ときどきは。いけないと思いながらそれを考える。 ああなんてことを考えてしまったのだろうと。胸で十字架を切る時が。 私にもあったりするのだ。考えるだけでそれは大変な罪だと思う。
なのに。忘れた。今日買い物していて何か忘れているなあって思ったのに。 豆まきセットを買うのを思い出せずに。そのまま帰宅してしまったのだ。
「別に明日でもいいじゃん」ってサチコが言うので。うん、じゃあ明日。
それでも。なんかすごくいけないことのように。くよくよ思っては。
鬼はそと鬼はそとと。心のなかをまさぐるようにしながら。
なにかを。かたちのないもやもやとしたなにかを。つかんで投げて。
つかんで投げながら。気をやすめて。ぐっすりと眠りたい夜だった。
鬼はそっと。おやすみなさい。
2006年02月01日(水) |
あきらめないで歩かなきゃ。 |
雨があがり。また冬らしく冷たい風がひゅるひゅると吹き始める。 暦は二月になりにけり。流されてしまったもしれないこれが歩み。
そんな今日。職場の近くの農家で『どぶろく』を買う。 農家レストランと銘打ってちいさな食堂をやっている。 法律には疎いが。そんな感じで食堂を経営していると。 『どぶろく』を作って販売しても良いのだそうだ。
自家製のお米で作った。ほんまもんの『どぶろく』 お米の粒が残っていて。なんともいえない風味で。 とろりんと甘味とさっぱりとした酸味がほどよく。
はい。おかげさまで今宵も素晴らしくほろ酔っておりまする。
そうしてまた。新たな夢がぷくぷくしてきたのだが。 農家レストランっていいなあって。こじんまりとしていて。 アットホームな雰囲気で。田舎料理を作ってみたいなあって。
お米作りは無理だとしても。野菜作りなら出来ると思うんだ。 姑さんに教えてもらったら。大根だって白菜だって里芋だって。 なんだって作れそうな気がする。ああなんだかわくわくしてきた。
昔好きだったひとが言ってた。「夢は叶えるためにあるんだ」って。 見ているだけじゃだめなんだ。一歩一歩あきらめないで歩かなきゃ。
お惣菜屋さん。イコール『大河のほとり食堂』なんてどうだろう。 おふくろ弁当も作りたいなあ。卵焼き定食とか肉じゃが定食とか。 うわぁ。考えてたらメニューがいっぱいになってしまうじゃんか。
あるのは夢。そうそう土地もしっかりありまする。
ないのは・・・・・資金か・・・。
貧しさに負けたらいかんのです。心はこんなに豊かなのですから。
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