台風が。我が町の真上を通過したようだ。 上陸もしたらしいけれど。まるでその気配がなくて。 ほんとに不思議な台風。朝から雨が殆ど降っていないのだ。
さっき虹が出ていた。グレーの空に夕陽が半分だけ顔を覗かせ。 そのときぱぁっと空が明るくなって。綺麗な虹が嬉しかった。 わたしはれいのごとくたんじゅん。虹を見ただけで七色のはぁとなり。
うん・・そうね。じぶんじしんだって虹になれるんだと思う。
はんぶんの涙とはんぶんの笑顔があれば。誰だってきっとなれるんだ。
このところずっと続いている『むきりょく』が癖になる。 それこそが休息なんだと。それをそう名づけて。
まったりまったり。好きなように流れているように思う。 そうさ。なにもしたくなければするひつようはない。
そんなふうに決めてしまえば。すごく気楽でいられるから。
だから。したいことはとことんする。 身体から先にどんどん行くから。心が追いかけっこするみたいに。 どんどん行けるところまで行ってみたくなる。
あれこれ。思うことのほとんどが。いまは・・億劫だ。 どうしてそれを自分に課さなければいけないのだと。 開き直る。するとその開いたところにぽっかりと。 穴みたいなものが見えてくる。ついつい覗いてみたくなる穴だ。
人差し指でぐいぐいともっとおっきな穴にするのもいい。 ついに破けてしまって。もはや穴ではなくするのもいい。 やってしまえ。そうそう。もっともっと開いてしまえ。
そうすれば。その穴だったところの向こう側が。 はっきりと見えてくる。
もう私はじゅうぶんだ。これ以上何をし続けて。 何を望むことがあるのだろうと思う。
寝ころんで空を見上げる。自分の息と夏風が好き合っているのを。 よしよしと撫でるように確かめては。
ふわっと宙に浮かぶ思いで。きりょくなくして舞い上がるように。
ずっと風と戯れていたいなと思う。
猛暑と冷房の行ったり来たりで。 ご老体なのか。まだいけるのか。
お風呂とビールだけが楽しみで。 特にほかには何も欲しがりませんの日々が。
毎日あっけなく終り。あたりまえみたいに朝がくる。
多少の無気力は許そう。まっ・・いいかでおっけい。
今日は何度空を見上げたろう。 まぶしくて。その光に刺されそうになりながら。 くらくらと眩暈がするのが。なぜか心地良いのだった。
すべて燃え尽きてしまいそうな瞬間が。
愛しいと思う。焦がしてしまえ。身も心も。
堤防で。近所の子供達が打ち上げ花火をしている。 ひゅるひゅるぱーんと。その音だけで愉しくなる。
ひどい二日酔いで。ごろごろとだらしなく一日中寝ていた。 起き上がれないほど。こんなのはほんとに珍しいことで。
昨夜。ほんのお付き合いで飲みの会に出掛けたが・・ やはり途中から逃げ出したくなった。 すごくつまらない気分になる。苦手な輪はやはり苦手で。
ひとりが気まま。好きなところに行って好きなようにしていたい。 何よりも自分を。受け入れてくれる場所があることが嬉しい。
そこのカウンターで。初対面の女性と仲良くなった。 とあるお店のママさんだそうで。さっさとお店閉めてここに来たよと。 偶然会ったのだけど。なんだか約束していたようにして出会った。
不思議な女性だった。すごくさっぱりとしていて。どこか淋しげで。 だからといって女々しくはなく。凛とした存在感があった。
「あんた気に入ったよ 飲みなよ」って言って。 ビールを勧められたら。心から頂きますと言いたくなった。
「わたしはさ・・弱いんだよ」と呟くように言った。 ひとからどんな風に見られてもいいから。 ほんとの自分は。すごく脆くて・・こんなにも弱いんだよと言って。 泣くのでもなく。射るように私の目を見てにっこりと微笑むのだった。
二時間一緒に時を過ごす。緊張感のまるでない時。心から寛いでいた。
握手をして肩を抱き合って別れた。
また会えたらいいな・・すごく会いたいなと思った。
金曜の夜。またせっせと灰汁抜きに励むなり。
抜けたかどうだか。なめてみないとわからないが。
好き好んでなめたりはしない自分というもの。
私は。このどうにもとりかえしのつかないような疲れが好きで。
そうして夜の闇に吸い尽くされるように酔うのが好きだ。
ビールを飲んで。ジントニックを飲んで。ふらふらになって。
あれこれ。そんなもんほんとうに。どうだっていいのだから。
カラダは喜ぶのだよ。単純なものさ。苦しいとも言えやしない。
死んだように眠ってやろう。目覚めたらまた生きてやるからな。
ああ・・三日月がやけに紅い夜だこと。
特になにもない。ないはずなのに。どこか一部分が変。 そっとしておけばいいものを。そこで深く追求してしまうのが。 いけないのだな・・と思う。わかっているのについつい探る。
そうか・・そんなにおまえは崖っぷちが好きなのか? とびおりることもできないくせに。いくじなしのくせに。
あーそうだよ。だからどうだっていうんだ。
じもんじとうは疲れる。もう勘弁してくれよって自分に頼む。
もういいからさ。さっさとかえろうぜ。
今日午後。山里では蜩が鳴いた。それは不思議な音色だった。 あたり一面に幕が下りたように。息をするのでさえ後ろめたくて。 放心するがいい。もっと解き放されて身を投げ出すがいい。
いるのか?ここに?息をしてみろよ。
たまにすごく。その笑い声が聴きたくて。 電話をかけてしまう時がある。
5ヶ月ぶりだった。
「なんかあったんですか?」って訊かれたら。
どっと涙があふれてしまう。
海はすぐ近くなのに海には行かず。お昼寝ばかりしていた『海の日』 波のごとく押し寄せてくるものがない。少しだけ無気力・・。
ぼんやりが似合う。こんな日がありがたいと思う。 ぴんと張り詰めてばかりいると。良からぬことも考える。 きりがない。ありもしないことがあるようにも思うし。 なくなりはしないものが。なくなったようにも思う。
ぼんやりと。からっぽになると。自分は『白紙』だから。 何も書きなぐらなければそれで。さらりっとしてすっきりと『白』
そんな白に夕焼け。はっとして空を仰ぐ夕暮れ時。 そうか・・きみはこんなにも熱かったんだね。 疲れたろう。ぐっすりとおやすみ。
刻々と落ちていくもの。ゆっくりと消えていく紅。
ふと魔がさしたように願う。
私に。その紅きルージュを塗って下さい・・・・。
2004年07月18日(日) |
あの日・・海へ行った |
かーさんの夢は私が叶える。そう言ってサチコは彼と遠出した。 いったいどこまで行ったのやら。かーさんの夢は果てしなく続く。
かーさんは思うに。もしかーさんが『そのひと』と結ばれていたら サチコという子はこの世に存在しなかった・・。 彼もしかり。ふたりとも生まれいずることはなかった。
縁というもの。こうして巡り巡りして。切れずにあった『糸』を感ずる。 かーさんは。もうじゅうぶん。ここまで生かせてもらっただけで。
あの日。海へ行ったのだった。 ふと差し出された手にそっとふれた時。あの戸惑いに似たつかの間の時を。 別れるのでもなく終るでもなくして。それっきりだった時を想う。
「どうして僕じゃないんだ・・」と。そのひとは言っていたそうだ。
2004年07月17日(土) |
だってしょうがないじゃない |
くらくらっと眩暈がするほど。
暑さなのかなんなのかわからなくて。
どうせとりとめのないこと。
ならとるな。ならどうだって。そんなこと。
「だってしょうがないじゃない」って歌があった。
今日それがふっと口をついて出て来て可笑しかった。
同僚がけらけら笑い出して。一気に愉快になった。
何が悪いとか。誰かを責めようとか。
そんなことばかりに気をとられないで。
いようよ。だってしょうがないことだもん。
私だって。すごくしょうがない・・・・・。
のだから。
いつものバドから帰り。クルマのバックドアを閉めようとした時。 そこに『さそり座』が見えた。
紅いのが・・ひときわそれが紅くて。
誰か?誰かもそれを見つけたような気がした。
満天の星のした。夜風がすぅっとからだじゅうをくぐりぬけ。
汗がひやひやっと息をする。身も心もまっすぐに夜空を仰ぐ。
誰か?誰かもそうして。まっすぐでいて欲しい。
たとえ何か。どうしても耐えられないことがあったとしても。
そのしゅんかん。星になれ。そのしゅんかん紅く輝け。
稲穂がもうすぐ黄金色。その田の畦に早咲きの秋桜が咲く。
道ゆけば紅き蜻蛉ら。つんつんと風を切りほらみてごらんと。
夏の日の憧れのような。生きた雲に心を奪われてふと目を。
閉じれば。熱きまどろみのなかに。
ぽつんと立ちてきみを想う。ことしかできない。
2004年07月14日(水) |
火の中に飛び込んでごらん |
猛暑なり。だが子ツバメはそんな夏を望み。今日初めて空を飛ぶなり。
帰宅すると。年長の友より便りが届いていた。 父ほどの年齢で。恩人であり師でもある。親愛なる友なり。
「ぼんやりと生きていると。たまには何か魂の琴線にふれるような。 心の奥底の深みを流れる川に足を浸してみたくなる」と。
書いてあった・・・。
私もそうだ。たぶん・・いや。きっとそうなのに違いないと思う。
「生きながら火に焼かれるように」と。それは痛みより『生』というもの。 ほこほこと。ぬくぬくとばかりではあるまい。 時には火の中に飛び込んでも息をし続けてこそ『生きる』のではあるまいか。
と・・思う。
焼け焦げて灰になる日を怖れることなかれ。
弟の誕生日だった。 姉らしいこと・・ながいことサボッていたから。 この先ずっと姉でありたいと改めて思った日。
ふたりとも。もう若くはなくて・・・ それでも幼い日の弟はあどけなくて。 どうして遠ざかってしまった日々があったのか。 いまはそのわけさえもおもいだせないでいる。
血を分かつ者のありがたさよ。
弟よ。姉よりながく生きておくれ。
今夜はとても驚くべき事実が発覚した。
サチコの彼は。私が昔・・すごく好きだったひとの息子さんだった。
22歳・・今のサチコとおんなじ年だったよ。
偶然なんかじゃない。これが『縁』でなくてなんだろう・・?
髪を切った日は。なんだかすべてが軽やかになる。 溜息も出やしない。そんなことどうだっていいじゃないかの気分で。
鼻歌だって出て来る。不思議なもんだ・・髪っていったい何やの?
姿勢だって真っ直ぐになる。眩しい空だって仰いでしまうし。
別に誰も見てやしないんだけど。意識してしまうから可笑しい。
ご機嫌も麗しくすこぶる快適な夜なり。ジャズなど聴きながら。 あれこれもなく。眠くなるまで酒を飲むのもよろしくて。
どんどんとどこか。この軽やかさのまま飛んで行ってしまいそうで。 そのための心構えもなく。正体不明のふわりとしたおんなのまんま。
行っちゃえ行っちゃえ。行けるところまで・・・
行ってきま〜すっ!
もうほんとうにこれでじゅうぶんだ・・と最近やっとそう思えるように なったばかりだというのに。 思いがけないことがひとつ。またひとつと。天からの贈り物みたいに届く。
身に余る・・とは。きっとこんなことを言うんだろうって思う。 当然のように欲が出る。「失いたくない・・」と思う。
でも。もしかしたら夢かもしれないから。少しだけ覚悟もして。 いつだって明日のことはわからないから・・なんてことも思う。
その時は。今度こそ身の程を知ろう。
いや・・むしろ。もう私は知っている。
だからこんなに不安なのかもしれない・・・。
いまは「ある」いつか「なくなる」としても。
それは今じゃないから・・って思いたいのに。
思えないときもある。
2004年07月09日(金) |
これでもか・・これでもか |
私にもたぶん。灰汁があるんだと思って。 絞り出すように汗を。これでもかこれでもかと流す金曜日。
週二回のコレで私は澄む。
確かめることは出来ないが。どこかとらえどころのないところが。 すっきりとさらさらになるような気がする。
もやもやとしたそれは世間では良からぬことで。 どろどろとしたそれも世間では許さぬことを。
封じ込めるのではなく。火を点けて燃やしきるようにして。 火傷しそうなほど追い詰められたところで。観念するのだ。
それがいったい何だっていうんだろう・・? 私の何がいけなくて。何を認めないというのだろう。
私は真っ白になる。そのほうが燃えやすくていいように思う。 そして自分で火を点ける。いとも簡単にそれが燃える。
はぁ・・はぁ・・ただ息をしながら。 燃え尽きてしまえば。アノヒトさえも・・見えなくなって。
汗が滝のように溢れ出す。すべてすべて流れてしまう。
澄んでしまえば。またちっぽけなひとりの『おんな』
ミニトマトのまんまるこいあの赤い色が好きだ。 おっきなトマトにはない可愛らしさで。 食べちゃいたいっていうのは。きっとこれのことだと思う。
今年も夏の贈り物がいっぱい。 姑さん。ながいこと入院していたのに。いつの間に植えたんだろうって。 「美味しいね」って言うとすごく喜ぶ。毎日ちぎって食べなさいと言う。
夕方のトマトはぬくぬくしているけれど。 太陽の恵みがいっぱいだから。甘くて。口の中でとろけてしまいそうだ。
そうして一日の疲れがいずこへと去る。
足をひこずるようにして夫君が帰ってくる。 愛犬が「きゅ〜んきゅ〜ん」と鳴く。 いくら疲れていてもそれは彼の。もはや今は役目のようで。 落ちようとしている太陽に向かって。てくてくと向かって行く彼と愛犬。
私は鰹を切って。握り寿司を作る。酸っぱい手でビールを飲みながら。 ふたつ握っては。ぐいと飲み。また握ってはぐいと飲んで。
散歩から帰って来た彼が「おおっ〜」と唸る。 とにかく風呂だ!と言って。大急ぎでカラスの行水。
ふたりきり向かい合ってお寿司をつまむ。 いつか・・ずっとこうしてふたりきりになるんだな・・と思う。
老いるということは・・どこか淋しくて。 それでいてそれがあたりまえのように平穏で。
ただ全うするもののために。生き長らえる・・ことだろうか・・?
2004年07月07日(水) |
来ないで・・来ないで・・ |
たとえばきみが約束に忠実であり「やっと逢えるね」と星の川を渡ろうとしていても 私は星屑を投げつけて「来ないで来ないで」と泣きじゃくることも出来る。
と・・一年前の日記にそう書いてあった。
夜空を見上げては。ふっ・・と溜息が出た。
ゲンジツは厳しい。だからこそ生きるかいがある。
2004年07月06日(火) |
何かがこうして始まるってことは |
火曜日の夜は。今日からしばらくテレビを見よう。
またイルカ達に会える夏やもん。
第一話を見終わって。冷えたビールをぐぐっと飲めば。
今日一日のこと。みんな忘れた。
ふりをしているのじゃなくて。それは過ぎたことだもん。
何かがこうして始まるってことは。
ささやかな勇気みたいに。なんだって出来るかもしれなくて。
とにかく始めてみれば。それが一歩だから歩ける。
2004年07月05日(月) |
いち・・にい・・さん・・しい・・ごう・・ |
もうすっかり真夏。入道雲と、どこからともなく蝉の鳴き声。
玄関のツバメが二度目の産卵をして。また可愛いのが今度は6羽生まれた。 早いものだ。日に日におっきくなる。巣からちょこんと顔を出して。 親鳥の帰りを待っている。その度に賑やかな声を出して。おっきく口を開けて。
一昨日の夜のこと。サチコが巣から落っこちているヒナ鳥を見つけた。 ちょうど出掛けようと外にでたところで。そうでなければ朝までそのままだった。 拾いあげるとそれは。ふがふがともがくようにしながらちゃんと生きている。
急いで脚立を持って来て。おそるおそる巣に戻してやった。 とっさのことで。こんな時はそれ以外にどうしてあげたらいいかわからない。
夫君が・・人間の匂いがついたらいけないかもしれないなとか言う。 けど思った。だってツバメは人間を信頼しているから・・だいじょうぶだって。
夜が明けて巣を見上げると。いるいる。ちゃんと並んで顔を出している。 でも。ほっと安心したのもつかの間。お昼前にまた落っこちていた。 それから3時頃にもまた。その次は6時頃。それから夜も8時頃。
親が・・わざと落としているのかもしれないな・・と夫君が言った。 他のヒナより少し小さくて。それにかなり弱っているようだし・・。
ツバメは一番おっきく口を開けた子に真っ先に餌をあげるのだそうだ。 お腹が空いている子ほどおっきく口を開けるので。 だからそうして順番が出来る。みんなが同じように餌をもらえる。
その子だってすごくお腹が空いているのだと思う。 なのに・・おっきく口を開けられなくなってしまったのかもしれない。 何度も落ちたもん。痛くないはずはないし、だからよけいに弱ってしまって。
でも今朝は確かにちゃんといた。留守にするのがすごく気がかりだったけれど。 だいじょうぶだ・・だいじょうぶだって思って。 同時に。もし・・ダメでも仕方ない。それが自然の掟だというなら・・。
夕方帰宅して。真っ先に巣を見上げる。よかった・・ちゃんといる。 なんだか今朝よりもおっきくなったみたいに見えた。 ちょうど親鳥が帰って来たところで。元気な鳴き声が一斉に響いた。
息子君も帰って来るなり。「あの子は復活したな〜」と言って喜んで。 でも。夫君が・・何やらしどろもどろ口ごもってしまって。
今朝いちばん早起きして愛犬の散歩に行く時。 見つけたのだそうだ。それはもう固くなって。冷たくなっていたそうだ。 「こっそり手に持って河原の土手に埋めた・・」って言った。
いち・・にい・・さん・・しい・・ごう・・。
うそ?って思って数えてみる。やはり6羽目はそこに居なかった。
「やっぱりな・・・」と息子君が言う。
私もそう思った。
それから。そのことを朝から知っていて・・誰にも言わなかった夫君を。 このひとの・・これが優しさだろうなって思った。
2004年07月03日(土) |
やった・・やったぜ! |
だらだらとつまらぬことを書き始めていた。
すごく眠くて。書かなければいいことを書きながら。
なにやってんだ自分・・って思いながら。
どんどんと向かってしまうマイナスへの道。
感傷がなんだ。惚れるんじゃないぞ!
そんな痛みを好きになって。どうする?
そこでいきなり部屋のドアが開く。 サチコが。はぁはぁ息をしながらおっきな声で。
「かーさん!ウォーターボーイズ見ないと、早く早く、もう始まったよ」
はっとして部屋を出る。まるでココロにスイッチがあったみたいに。 茶の間を独り占めして。ソファーにごろりと寝転がって。
愉快な場面でおっきな声で笑った。感動の場面で手を叩きながら。 涙ぐんだりした。イルカ・・みんながイルカに見えてくる。
やった・・やったぜ!それは何度見ても素晴らしくて。 すごくいい気持ちになるから。すっきりと晴れやかな気分で。
ふたたび部屋に戻る。書きかけの・・この愚かなものをと思う。 いったい何に囚われていたんだと思う。
消して・・ぜんぶ消して・・また書く。
ココロがすぅ〜っと生き返ったみたいに。すらすらと書いた。
2004年07月02日(金) |
こんなふうに生きたいな |
からだを動かすってことは。何かを燃やすことなんだと思うけれど。 同時にむくむくと何かが芽生えてくるような。 くすぐったいような。その少し伸びたかもしれない芽の感触を。 今日は1センチ。次は2センチと。自分だけを頼りに育てていくみたいな。 そんなもんではないだろうかと思うのだった。
でもね。だからと言って。ぐんぐんと育ちはしない。 だから。育ててみる。自分に出来ることだから。精一杯続けてみる。
もしバドが出来なくなったら。一気にしおれてしまいそうだなと思う。 でもそれは『いま』じゃない。今じゃないことは決して現実ではない。
そんなことを思いながら。クルマの窓を全開にして。 夜風をいっぱい浴びながら。川辺の道をゆっくりと帰って来た。
川がきらきらと輝いている。まるで湖のように静かで。 恍惚として月のとりこになってしまったような。その水の姿にはっとする。
流されてばかりはいられない。こんなふうに生きたいな・・と、ふと思った。
もう少しでまんまるのみかん色の月に。誘われて歩く川辺の道。 絵になるはずはないけれど。もしやと思っているように。 颯爽と歩いてみる。おいちにおいちにと手を振ってみる。
たまにはそう。そんなシルエットを愉しめばいい。 目も鼻も口もない。でも動く。生きている影ぼうし。
私だって。たまには不愉快になる時もある。 思い出しては「くそ・・くそ・・」って言いたくなる時が。 仕事のトラブルとか背中に背負って。背負い投げでやっつけてやりたい時が。
はぁ・・どんな日もあるさ。背負う前に軽く交わしておけばよかった。
それよりも嬉しいこと。そうそう。今日も嬉しいことがあったんだ。 おまけに楽しいことも。声をたてて笑ったりもしたっけ。
そっか・・だから今夜はみかん色。こんなふうに照らし出される。
今日という日の影ぼうし。
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