かたほうだけのパンプス
敦子



 街角の三文劇場

いつの間にか来年になっていた。
というよりも去年、放置しっぱなしだった。

この日記サイトで私のを読んでくださる方はいないので、べつにいーや!

だいぶ日をあけて放置してると空き家みたいでよくない。

今、私の住む街の片隅に誰も住んでいない、朽ちた家がたまにある。

そこだけ空気が動いてないかんじで、あるのにないみたいな異様な空間。



今年は、おめでとうは言わない。
言えないのだ。


父が亡くなったから。
去年、11月末に。


別にさみしくないよ。しばらく寝たきりで、徐々に認知症が進んでずっと家族が介護していたから。

ただ最後を待っていただけ。


父が亡くなって逆に身近にいるみたいなんだと思う。


だんだん私の人生という舞台の登場人物が少なくなっていく。


暗転になって舞台の一幕は次に移る。


登場人物たちは衣装を替えちょっとだけメイクを老けた感じ。


「あー、お父さんは亡くなったね」

「そうね、亡くなったわね」


心なしかセリフが少なく、そういえば観客も少なくなったような気がする。



2018年01月12日(金)
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