初日 最新 目次


うたかた
sakurako

2011年10月06日(木)
DCPRG「ALTER WAR IN TOKYO」レコ発記念パーティー@LIQUIDROOM/LIQUID LOFT

長くて消えそうで怖いから途中だけどあげとく。

式次第(OPEN/START 23:59)

LIQUIDROOM
0:40 大谷能生(50min)
1:30 MAX TUNDRA(45min)
2:15 DCPRG(2h45min)

LIQUID LOFT
23:59 CRYSTAL(91min)
1:30 Ryu Konno(60min)
2:30 teppei(60min)
3:30 haraguchic(90min)

「OPEN/START 23:59」。これ、間違いじゃありません(笑)。
ちょうど1年前、豪雨の日比谷野音で復活した日に合わせてスタートは10/9というわけ。
あの日はミサイルみたいな土砂降りの下で、号泣しながら大爆笑だった。でも今夜は「笑って、お願い」と祈るような泣きたいような気持ちで踊っていた気がする。新生DCPRGになってから「指揮官が一番頭イカれてる感」がなくなったな、という印象を持ち続けていて、けたたましく笑い続けるキクチさん見たいなーと思ってたせいもあるけど、それだけじゃない。
「笑ってる?……あ、いますこしわらった、でも苦笑ぽい、そりゃそうだよなあ、こんなきっつい現場でコンダクトもキーボードもcdjもあんなにすごくて、笑うどころじゃないよねえ」
現場で、斜め後ろから(すげえ踊ってはいるんだけどね、キクチさん)表情をのぞきこんではそんな風に思ってたけど、それもちょっと違う気もしていた。kaiさんの文章読んで、腑に落ちた。曰く今夜のキクチさん、確かに「完全に戦闘態勢」。いつものロシア帽もTシャツ短パンもなく、スーツに柄シャツ、革靴だったしね……つまり、戦闘服? だからね、ワタシ怖かったんだと思う。「キクチさんが怖いひとだって忘れてた」って意味の「怖かった」と、それから、うまく言えないんだけど、ええと以下、当日のワタシのツイッターからね。こんな気持ち。
「深夜だと本当に元気なんだなあ。いつも以上にかっこよくて、粋で、キレが良くて。(中略)願わくばあのキレが、あの熱が、諸刃の剣のように彼を切り刻むことのないように。彼の身を再び焼くことのないように。」
思えば311以降のキクチさんは微妙にアタリが強い? のだよね。例えばピットイン3daysのコメントはこう。

「日本人はもう<アタシ何も知らないけど、良かったですう。あたしの感受性がそういってますう>みたいな感じで、ふわーっと楽しいとか疲れたとか言ってる場合ではない。もうそんな時代は終わったのです。歴史の中に、その両足でしっかり立つのです。」

そしてライブ前日の日記はこう。
「アミリ・バラカakaリロイ・ジョーンズ、そしてバラク・オバマの、2大完全に気の狂った演説付きのゴリゴリのアンダーグラウンドボトムラインで、楽しい楽しいレイブ気分で来た甘ちゃんをブチのめします(笑)。」

「HMVオンライン」のインタビュー(http://www.hmv.co.jp/news/article/1110110053/)でも高見Pの攻撃性みたいなことについて書いてて、なんか新展開だよなーと思った。あとここ。違和感ある。”え、主幹じゃなかったの(まあ主幹てのも微妙ですけど)?”て思うファンいっぱいいるんじゃ。ここね。良し悪しじゃなくて、微妙な違和感。
「僕なんかも「アーティスト」って言われるんだけど、全然そうじゃないよって。僕は、「アレンジャー」で「バンドマスター」で「コンポーザー」なんだっていう。プロデューサーと組んでやってるわけだし。だから、活動の在り方っていうのはプロデューサーの判断に委ねることがほとんどですよね。」

演奏は、とにかくヤバかった。息がつけないほどだった。ニューヨークよりも(笑)ヘルソニックな伏魔殿。MCもなし。セトリ見たらわかるけど「MIRROR BALLS」もなし。「甘いモンなんかねえよ」って言われたみたい。だからこそ怖かったんだと思う。もう休戦すらねえよ、みたいな。どうか。どうか無事で。どうか。

前置きが長くなっちゃった(そして言いたいことはだいたい前置きで終わりだ)けど、一応23:59(笑)に遡りますよー。
2Fで新Tシャツ買ったりしてふらふらして、0:30過ぎにやっと1Fに降りられるようになる。今夜はパーティーだから色んな人と会話したりして演奏は後ろでまったり見ようとか思っていたのにやっぱり最前列で見ちゃうファンのサガ。丈青さんの真ん前くらいでした。
まずはDJ大谷!
赤いジャージの大谷さん良かったー。正直今夜は「抱かれたいオトコオーラ」出てた(笑・因みにDCPRGで同じオーラはキクチさんと丈青さんだなー)。VIBRASTONEと降神と。楽しそうだった。
MAX TUNDRAは初見。カタコトの日本語で挨拶するわ、ピアニカ弾くわ歌う(しかも歌うめえ!)わ踊る(というか跳ねるというか)わ、いやーもう面白い面白い。上手い上にアホだ(褒めてる)という素晴らしいアゲっぷり。大谷さんもしばらく隣でぴょんぴょん踊ってた。ちょっとDE DE MOUSEさん思い出したよ。DE DE MOUSEもフロントアクトやったことあったよね? もーほんとにDCPRGの前座ってやつは(笑)。そしてステージは既にDCPRGセッティングになっています。

メンバーが登場すると真正面の女子が「すごい、すごい、すごーい」を連発。登場だけですごいのか……(笑)。でもこれがまあ、ホントにすごかったんだな。毎回同じようにすごいとかヤバいとか書いている気がするけど、毎度進化するんだからもうどうしょうもない。
セトリは以下。

01. ジャングルクルーズにうってつけの日
02. CIRCLE/LINE
03. New York Girl
04. CATCH22
05. PLAYMATE AT HANOI
06. 構造I(現代呪術の構造)
encore
07. Duran

予告どおり、そして一年前と同じオバマの演説で(そういやあのCD-R、マジックで無造作に「オバマ」って書いてあって笑ったなあ)はじまる、ジャングルクルーズ。なんかダブってかエフェクト増えた? 類家さんのマイクあんなんだったかな……。そして舞台脇でPAに細かな指示が出てた。ダブのための指示なのかなと思った。高井さんのソロが以前よりずっとDCPRGに馴染んでたので驚いた。サークル/ラインのイントロもいつもと違う(ていうかこれ2曲目かよ! ライブ2曲目にして終わるのか(笑)!)。ああそういえばそもそも今夜はセッティングが違ってたんですよ。研太さんと大儀見さんが下がり気味。「1期メンバーはオールがキツいだろうから寝ても大丈夫なように下げた」ってどっかで聞いたけど(苦笑)どこだったっけ。研太さん、すごいハードスケジュールだったらしいけどノリノリで笑ってらして安心しました。そしてハードコアピースに続けず、リロイ・ジョーンズ(「……の本名何だっけ?」って3daysでど忘れしてたキクチさんはチャーミングなサイドだったな)ってとこがまた不穏だよね……甘いモンなし、ピースなし。ラブなし。そうそうすげえ爆音(豊洲の比じゃない)だし。ううう。
このへんちょっと今思い起こしてるんだが定かでないので追記しに来るかもしれん。夜電波よろしくボ・ディドリーとメシアンMIXしてた記憶があるんだがどこだったかなー。CDJもね、すごいリズムなの、スクラッチが。前でみてるとキクチさんが痙攣的な神経質さでCDJを操ってるのがよくわかる。あの時が表情もいちばんきまじめな感じがする。そして彼は「リズムとメロディとハーモニーのうちリズム音痴が個人的に一番許せない」とたまにおっしゃるのでワタシ、けっこうしょんもりしちゃうのでした。
New York Girl〜CATCH22はマジ怒涛。ワタシの後ろのひとが倒れたのもこのへんじゃなかったかな。後ろの後ろの人がちゃんと支えてくれてたので良かった。慌てて手を上げてセキュリティを呼びました。気づいて振り返ったキクチさんが、今夜唯一といっていいほどの普段の表情だった。
研太さんのソロすっげえ。そして千住さんの長い長いソロで大盛り上がり、終止。DJ。坪口さんや研太さんが手拍子を取って。
ワタシの耳が対応してきただけかもしれないけど、ハノイのポリ・グルーヴ感がハンパなかった。立ち上がり、うねり、浮遊し、捩れ、訛り、アガって、落ちて。いつもより4拍子寄りっていうか、訛り強かった気がする(そういやクラスメイトのK君が豊洲で映画見たとき隣にいたかわいい女子がハノイはじまった途端4拍子取り出したので「おぬし、やるな……」って思ったって言ってて笑った)。丈青さんがなんかちっさい機材使ってたのが新しかった。譜面立てがそっちになかったのでキーボードの方から楽譜だけ持ってきて一生懸命前に置こうとするんだけどうまくいかない様子を真正面で見守っていました(笑)。レコーディング中ってこともあって色々変えてきてたからか、みんながっつり譜面見てた印象があるな。丈青さんすごいね。田中ちゃんと千住さんのアイコンタクトも可愛いけど、坪口さんと丈青さんの大笑いしながら真剣勝負みたいなとこ、すごく好き。
構造Iはうつくしかったなー。こっからデュランのあたりが、まあ比較的……あくまで比較的ですけど、少しだけ、息がつけた。
これもワタシの耳とかリテラシーの関係かもしれないけど、大村さん(ラストのメンバー紹介でキクチさんに「木村」と間違えられてフロア中が心の中で(あとツイッターで)突っ込んでいた……でも大村さんだからオッケーみたいな、良い意味でそういうとこがまた大村さんの良いとこと言うか)のソロとか、坪口さんのピアノとかに、インド的(積分的音階?)があったように思う。リテラシーに関してはこないだの映画(「Alter War in Tokyo“ DCPRG 2010/10/9〜2011/6/6 ライブドキュメント」)の中のキクチさんインタビューがすごく影響している。あんまり聞いたことない話ばっかりだった。以下、ラウンジバーの常連さんの言葉から引用。

・ポリリズム最初のイメージ=「玩具売場でバラバラに動いてるオモチャ」「国連の後ろにあるような(アナログの)世界時計」
・Catch 22システムとエリザベス・テイラーシステムは自由度が違う。1st アルバム "Catch 22"のベースラインは譜面に書かれている
・インド的/積分的(セリー的)な可能性(既に『構造と力』の一部で少し試みられている)
・(HMVのインタビューでも言ってたけど)DCPRGはリズムが複合的というだけでなく、リテラシーの不均衡をもあえて考慮している。今はアリガスさんと田中ちゃん、そしてコンダクターがキープしてて、あとはインプロに近いってところがある。

デュラン、ピットインのDCPRG-3メンバーよりも良かったです。研太さんと大村さんが入るとすげえ華やかになる。これは次のアルバムにも入るんだろうな。そういえばアルバムにラッパー入れたいみたいなこと言ってたけど、そのへんも楽しみ。
キクチさんはデュランの時になんと「MR. TAXI」を踊っていました。ラブ注入やってた時はご一緒できたけど今回は呆気にとられてしまった……「次回こそは一緒に踊るべ」と少女時代のPV見たけどもう遅い。だって次回DCPRG公演はブルーノート(!)。踊れっかよ! くう。

オーディエンスはまだまだこれからってヴァイヴだったけど、気づいたらフルセット3時間経ってて、朝の5時なんだぜ! 信じられるかよ!
大谷さんがDJブースに出てきて追い出しDJしてくれました(笑)。優しいなあ。それでも眠れそうになかったので、渋谷まで歩いて、松屋の朝定食べてから帰りました。
ワタシもkaiさんと同じクチで、帰宅してすぐ第一期の頃のクイックジャパンの特集読んじゃったよ。

『我々の名はデートコースペンタゴン・ロイヤルガーデン。笑いと踊りと恐怖という人種のベーシックな教養に訴えながら、21世紀音楽界の米穀国防総省と英国王室庭園を目指す。日本人なのに。』(DCPRGに関する最初の企画書)

どうか、どうか無事で。
無事で戦場から、かえってきてください。



—-The New Invasion of Africa—–by Amiri Baraka

So it wd be this way
That they wd get a negro
To bomb his own home
To join with the actual colonial
Powers, Britain, France, add Poison Hillary
With Israeli and Saudi to make certain
That revolution in Africa must have a stopper
So call in the white people who long tasted our blood
They would be the copper, overthrow Libya
With some bullshit humanitarian scam
With the negro yapping to make it seem right (far right)
But that’s how Africa got enslaved by the white
A negro selling his own folk, delivering us to slavery
In the middle of the night. When will you learn poet
And remember it so you know it
Imperialism can look like anything
Can be quiet and intelligent and even have
A pretty wife. But in the end, it is insatiable
And if it needs to, it will take your life.

—— 新しいアフリカ侵略 ——  アミリ・バラカ

これだ、こんな具合にやるのだな
奴らが、ひとりのニグロをゲットして
自分の家を爆破させ
イギリス、フランス、それに毒婦ヒラリーの
コロニアル勢力の御本家、さらには
イスラエル、サウジともぐるになって
アフリカの革命にきっぱりと
歯止めをかけさせようという魂胆だ
さあ、遠いむかしから我らの血の味を知る
白人たちを呼び込め
奴らは人道のためと出鱈目を並べ
ポリ公よろしく、リビアの国を転覆するだろう
そのニグロは、キャンキャン吠えまくって
詐欺を正義に見せかけようとする(極右だ)
だが、こうして、我らは白人の奴隷にされてしまったのだ
ニグロがニグロの仲間を売り飛ばし
奴隷としてここに送り込んだのだ
真夜中のしじまの中で
詩人よ、お前は、何時になったら
そのことを学び、記憶し、知とするのだ
帝国主義は百面相の怪物
物静かで、聡明で、美人の妻を伴うことさえある
しかし、つまる所、それは飽き足りることを知らぬ
もし必要となれば、お前の命をすら奪うであろう