VITA HOMOSEXUALIS
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熊本の冬は寒い。熊本で働き始めてから最初の2月、私は毎朝寒さで震えていた。
あるとき、外回りの作業があり、会社からミニバスで行くことになった。運転好きの部長が二種の免許を取っていた。
会社に集合してバスに乗り込んだ。たしかにこのときにはトイレで用を済ませた。
だが、ミニバスの中は寒い。路線バスのようにぬくぬく暖房していない。それに地面の凸凹が大きな振動になってモロに体に響く。ほどなく私は尿意を感じてきた。そのころ車は高速道に入ってしまった。作業刻限の時間は迫っており、「パーキングエリアで停めてトイレに行かせてください」とは言いにくい雰囲気だった。
そういう日に限って私は携帯トイレも持っていなく、万一のときに役立つビニール袋やペットボトルも持ってなかった。
そのときの尿意は全く異様だった。普通は腰のあたりから尿道の真ん中までが尿意を感じるところだが、その日はペニスの先端から太ももの下までに急激な尿意の蓄積を感じた。
「停めて」と何回か言うチャンスはあったと思うのだが、言えなかった。
私は自分で始末することにした。
手袋を持っている。片方の手袋を犠牲にするつもりで、ポケットディッシュを詰め込んだ。
こうして丸いボールのようなものを作った。人に見つからないようにそっとチンチンを出し、手袋の中のティッシュに挿した。その上をカバンで隠した。私はそろそろとおしっこを出した。
最初はスゴイ恥の感覚があった。
そろそろ。そろそろ。私は手袋の中に漏らし始めた。
次第に勢いが強くなった。手袋を持った左手が急に重くなったが、 おしっこの勢いは衰えず、暖かさが感じられ、ほのかな匂いも私の鼻に届いてきた。
そうやく出し終えてほっとした。
ところが、そのとき私の左下のズボンが濡れていることに気づいた。匂いをかいでみると間違いなくオシッコが漏れたものだった。それは手袋から溢れていた。
こちら側ではなく向こう側に溢れたのでわからなかったのだ。かなり大量に流れ、トランクスの半分はぐっしょりだった。私は情けなくて泣きたくなった。じじつ、少し涙も出た。
作業所についてから私は真っ先にトイレに行った。 濡れたトランクスを脱いでゴミ箱に捨てた。 ズボンはさすがに脱ぐ分けてにいかない。 その日私はフリチンで作業した。
とても寒かった。
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