VITA HOMOSEXUALIS
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2017年12月13日(水) イクとき・・・

 私はそっと彼の乳首を吸った。

 彼は「あっ」と大きな声を出して身をよじった。

 私は舌先に力を込めて、硬く尖った彼の乳首を猛烈な勢いで舐めた。

 彼は叫び声をあげて体をくねらせ、ほとんどベッドからずり落ちそうになった。

 「感じるの?」

 私は熱くなってきた息を彼の耳元に吹きかけて聞いた。

 「ハイ」

 彼は恥ずかしそうに答えた。鼻の穴が大きく広がった。

 私は舌を彼の脇腹にずらした。そのまま激しい勢いで舐めながら、徐々に舌を下半身に沿わせて行った。彼の汗の名残りなのか、塩っぱい味が舌に染みた。

 私の舌はついに彼の陰毛の叢にたどり着いた。少し酸っぱい獣のような臭いが感じられた。彼のペニスは大きくなっていた。私はその亀頭を舐め、それからペニス全体を咥え、首を上下に動かして口で彼のペニスをしごいた。

 正直なところ、私は彼が本当に感じていたのかどうかはわからない。彼は敏感に叫び声をあげ、身をくねらせ、ときには腰を浮かせて激しく動いた。口は大きく開き、白い歯がほの暗い照明に輝き、鼻翼は大きく開き、呼吸は大きくあえいだ。

 だが、彼の目は上気していなかった。彼は心の底では冷静であるように見えた。

 私は彼のペニスを握った。その手を動かした。最初はゆっくりとくねるように。それからだんだん力を入れて早く。最後は振動させるように。

 そのたびに彼はハッ、ハッと喘いだ。だが私には彼が本気で感じているとは思えなかった。

 私は手が疲れてきた。さっきまで勃起していた私のペニスもやわらかくなった。

 私は体の向きを変えた。シックスナインにした。目の前に彼のペニスがあった。それをくわえた。私は彼の目の前に自分のペニスをさらした。

 「舐めて・・・」私は頼んだ。彼は素直に従った。私のペニスが彼の口の中で弄ばれた。同時に、私の口の中で彼のペニスが大きくなってきた。私は彼の体を抱き上げるように腰を持ち上げた。

 私は突然もとの体位に戻った。彼の顔があった。夢中でキスをした。最初はいやがるような素振りに見えた彼は私の唇を受け入れ、舌を入れてきた。私たちは顔をくっつけたままお互いの舌を絡めあった。私は彼のペニスを握った。それを猛烈にしごいた。彼の「アッ、アッ」という声の感覚が短くなった。

 彼は目を閉じた。

 「イキそうなの?」私はそっと尋ねた。彼はこっくりとうなずいた。

 「イッていいよ、イッておくれ」私はやさしく耳元でささやいた。しかし手の勢いはゆるめなかった。

 彼のペニスがピクピク反応した。

 「ヤバい、ヤバい」彼はうめいた。

 次の瞬間、真珠のように輝く精の珠が彼の先端からほとばしり、胸や腹に盛大に飛散した。

 「ハア〜」彼は大きく息をした。飛び散った精は水滴の形をしたまま彼の体の上で輝いていた。私はその一滴をそっと舐めてみた。

 甘かった。

 これまでにも人の精液を舐めたり、飲んだりしたことはある。だがそれは酸っぱく、苦く、甘いことはなかった。甘いのは初めてだった。どうして精液が甘くなるのか、私にはわからなかった。

 飛散した彼の精をひととおりぬぐい終わったあと、私は自分が十分に上気しているのを感じた。顔が熱く、涙が一滴すべり落ちた。

 「今度は俺がイク」私はいどみかかるようにして彼を抱き、自分のペニスを彼の腹にこすりつけた。彼に手でしごかせたり、舐めさせたり、いろいろなことをしてもらった。

 「オレ、ガマン汁がすごく出る方なんだよ」私は喘ぎながらささやいた。

 「いまオレ出てる?」

 「ヌルヌルです」彼は手を動かしながら答えた。

 そうか。私はそんなに興奮していたのか。「ヌルヌル」という彼の言葉が私のアタマを酔わせた。私はペニスを彼の腹に押し付けながら獣のような声を出した。彼もその声に反応した。私のペニスをこすろうとする彼の手を私は止めた。

 射精する寸前。私は極限まで興奮していたが、一瞬すべての動きを止め、彼から体を離して上半身を起こした。

 一度射精した彼のペニスは小さく丸まって、包皮がその先を包もうとしていた。彼の目は依然として薄く閉じられ、顔全体は恍惚とした高揚感をとどめていたが、もはや鼻腔や口元は先程のように開いてはいなかった。

 私は自分の手でペニスを根本から先に向かってしごいてみた。じわーっと透明なガマン汁が集められ、それは先端からとろっと垂れて、水飴のように糸を引いた。私は彼のアタマを抑えて、その糸を彼の口元に垂らした。彼の顔は再び上気し、熱い鼻息が漏れた。

 私は彼を抱きしめ、激しく腰を振った。獣じみた声が出た。自分ながら、どこからこんな声が出るのか不思議だった。ブハッ、ブハッというように叫んだあと、私は射精した。

 私の精は彼の腹の上に水たまりを作った。「すご〜い」と彼は感心した。もっとも、これはウリ専のボーイさんたちが客サービスで褒める常套句だ。私の精は彼の腹から垂れてシーツを汚しそうになった。それで私たちは慌ててそれを拭った。

 私は彼が好きになると思った。

 福岡の恋人のことを忘れたわけではない。だが、私の体が男を求めてしまう。それは自制できない衝動である。福岡が好きなことに変わりはないが、彼と連絡が取れないかぎり、私は熊本のこのボーイさんとの逢瀬を楽しむだろう。もちろん経費はかかる。向こうは商売である。だがこの快感はオナニーでは得られない。

 私を魅了するのは浅黒い男の筋肉なのだ。私の手に応じてぴくぴく動くそのペニスだ。私の愛撫に応じて汗を流す脇腹だ。私の唇に反応して硬くなる乳首だ。私の耳元での囁きに応じて、濡れてくるその目づかい、緊張して広がる鼻翼、恥じらいつつも感じて開いてしまうその唇・・・

 私は寒い電車通りを歩いて帰った。妙にフラフラする夜だった。ラブホテルのネオンが寂しそうに輝いていた。


aqua |MAIL

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