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2010年07月03日(土)
朝6時過ぎに叔父に駅まで送ってもらいました。 8時には式場に着いて着付けをしてもらわなければいけません。 とくに緊張することもなく電車に乗り式場のある駅で降りると、雨がしとしと降ってきました。
雨、か……。 ワタシらしいな。
梅雨のまっただ中であるということは、今日、この日に式を挙げると決めたときからわかっていることでした。 それでもこの7月に式を挙げたい。 「彼」がこの世に生を受け、そしてこの世からいなくなったこの月に「誓い」を立てたい。 そんな思いから今日の日を躊躇(ちゅうちょ)することなく選びました。
徒歩20分の道のり。 歩こうかと思いましたが、雨がどんどん強くなってきたためタクシーをつかまえました。 窓の外をぼんやり眺めながら、今日1日のこと、そしてこれまでのことを考えました。 何度も新郎と意見がぶつかり、何がしたいのかもよくわからなくなり、それに疲れて途中から式に関してはほとんど自分の意見を言わないようにしてきた私。
今日も控えめにしておこう。表に出るのは新郎だけで十分。
披露宴会場に着きました。 先日会ったばかりのスタイリストさんたちが私の希望を聞きながら、私を楽しませながら一生懸命にメイク、着付けをしてくれました。 途中から友人のカメラマンにも入ってもらい撮影しながらの着付け。 まさに一生に一回のことでしょう。
白無垢を着て最後に綿帽子をかぶせてもらい、花嫁さんの出来上がり。 あんなにイヤだった白無垢と綿帽子だったけれど鏡の中の私はなんだか喜んでいるみたいに見えました。
そっか。 花嫁さんか……。
隣の部屋でずっと待機していた新郎とその両親、そして私の親と親戚たちも、それはとてもとてもうれしそうに私を眺めていました。
よかったんだな。これで。
母といっしょに徒歩5分の神社に向かうべくタクシーに乗り込みました。 神社の控え室には、式に参列してくれる人たちがところ狭しと座り、私の到着を待っていてくれました。 花嫁さんの化粧をしていることが気恥ずかしくてそわそわ落ち着きませんが、みんなが順番に写真を撮りに来てくれたり、お祝いの言葉を投げかけてくれたりして、最初はこわばっていた笑顔に少し余裕ができたように思いました。
巫女さんの指示を聞きながら、新郎といっしょに式の打ち合わせ。 その後、いよいよ式殿へ向かいます。 神主さんを先頭に新郎と私。 そしてそのうしろに親族、友人たちが続きます。 ゆっくりゆっくり、神主さんの歩調に合わせてゆっくりゆっくり花嫁行列は行進していきます。 途中から雨脚が強くなりまさに豪雨・土砂降り・横殴りの雨。 私にさしかけてくれていた番傘は雨漏りがしてきて、白無垢にポタポタと雨が降りかかりますが、ちょうど綿帽子が雨よけになりました。
世界遺産といわれる式殿に入り、新郎新婦用のイスに座ります。 巫女さんや神主さんの誘導で参列者も次から次へと着席し、全員がそろったところで結婚式のはじまりです。 厳(おごそ)かに、それはそれはとても厳かに式が進行していきます。 少し緊張している新郎の隣で私は、降りしきる雨をずっと眺めていました。 長い間、とある理由から神社仏閣に手を合わせてこなかった私。 今日のこの雨は、神様が怒っているからかな? そう思うと同時に、タクシーの運転手さんが言った言葉を思い出しました。 「雨の日の結婚式は縁起がいいんですよ。空から幸せがたくさん降ってくるっていってね。今日は空からの祝福を受けているんですよ」
空に向かって「ありがとう」と叫びたい衝動を抑えているうちに、式がどんどん進行していきます。雨音をBGMにしながら三々九度に祝詞、誓詞……。
きょうの私は、いったいどんなふうにみんなの目に映っているんだろう。 この大雨のなか、みんなはどんな気持ちなんだろう。
終始、緊張することなく、式は終わりました。 雨はまだまだ降り続いています。 いくつかの写真を撮り終え、新郎にやっといつもの笑顔が戻ってきたころ、披露宴会場に到着しました。 さぁ、本番は、これからです。
つづく。
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