アータン三宅の何でも聴いてやろう
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2008年06月06日(金) |
細野流カントリー音楽から聴いてみよう |
カントリー音楽はブルース以上に日本に根付かない。 その奥深さは多くの音楽ファンに認知されず、 いつまで経ってもアメリカの田舎の音楽という評価のまま。 それが何ともが悲しい。 嫌いでもいいから、せめてもう少し知識は持ってほしいと願ってしまう。
ひとくちにカントリー音楽といっても色々あって、 オールド・カントリー、ニュー・カントリー、カントリー・ロック、 オルタナティヴ・カントリーという風に大きく分けることができる。 さらに、それぞれのカテゴリーの中で、他のジャンルの音楽と結びついて さまざまに変容していったものまで含めると、その多様性に驚かされるはず。 何かのきっかけでカントリー音楽の魅力に気付くかもしれない。 「お!カントリー、いいじゃん!」って思ったら、そこが入口。 気軽に音楽を楽しんでいってもらえれば。
さて、現在の日本で最も美しいカントリー音楽を奏でているアーチストが、 あの細野晴臣であることをご存じだろうか? 世界中のあらゆるポップミュージックに精通する細野晴臣が 60歳を目前にして、自分のルーツともいえるカントリー音楽に 再び目を向けたということは、長年の細野ファン&カントリーファンの僕としては 何とも嬉しいことであった。 スタジオアルバムとライブDVDで聴くことができる細野流のカントリー音楽は 1940年代のオールド・カントリー・スタイルに範を置いてはいるが、 その音の響きには時代を超えた不思議な感覚が宿っている。 非常に手の込んだイミテーションとでもいうべきか。。 イミテーションであるがゆえに、かえってホンモノの良さを凝縮できている という実に面白い現象、いや、現象ではなく、確信犯的なものなのだろう。 さすが、世界中の音楽のエッセンスを吸収して、 自分だけのスタイルを作り上げてきた細野晴臣。見事である。
ぜひ聴いてみてほしい。カントリー音楽の入口として、 最適だと僕は思う。
『Flying Saucer 1947』(2007年)CD
『細野晴臣と地球の仲間たち: 空飛ぶ円盤飛来60周年: 夏の音楽祭 』(2008年)DVD
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