HOSHI・HARU
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2001年09月26日(水) カナダ旅行記10

デルタプリンスエドワードホテルは、プリンスエドワード島で最も大きく、最も伝統と格式がある老舗ホテルである。街の中心部に近く、隣に港がありロケーションも申し分ない。

このホテルには、北国ならではのニット衣料の店がある。グレートノーザンニッターズだ。ここでセーターを買うのを楽しみにしていた。ホテルに入ると1階のちょっとしたショピングエリアの中にその店はあった。妻は、前々から情報誌で見ていた”淡いグレー地に赤いラインの入った”セーターにすぐ決めた。持ってみるとなかなかいい重量感がある。色のバランス、網目もなかなか上品に仕上げられている。
ナイアガラ近郊の店で”カウチンセーター”というカナダ独特の、羊毛脂という羊毛に含んでいる油分を取り除いてない羊毛で編んでいるので、防水性があり本当にあったかくて、重たいぐらいの重量感のあるセーターを見た。買うのを迷ったが、カウチンセーターはデザインにはあまり力を入れていないようで、日本に帰ってからこのデザインのセーターを好んで着るかな? と考えてその場は衝動を抑えた。

上記のようなことを考えながら、妻とは違う色柄で、センスの良いものはないかなーとを周りを探した結果、紺色で柄無しのシンプルなものがあった。ありふれた紺色だが、よく見ると「これは質の高い羊毛を使って、丁寧に手編みした、いいセーターだな。」とちょっと衝撃を受けてしまった。しかもボタンは、天然木を輪切りにして作っており、木の年輪がしっかり見えているという凝りようである。私は瞬間的にこれに決めてしまった。

我々が店に行く前からいたフランス人の女性客は、この時まだ、あれがいい。いやこっちの方がいい。まだまだ考え中であった。それを横目に見ながら我々は買ってしまった。そのフランス人から見たら、「日本人てなんなの、お金があるか何か知らないけど、あんなバンバン買って。だからヨーロッパでも不評なのよ。」と言われるかもしれないが、実は我々は単に買いあさったわけではなく、妻は何ヶ月も前から本を見て研究してきているし、私もエンジニアの目で作り具合を見つつ、シンプルイズベスト、これから長年着るぞとしっかり考えて購入している。我々は他の日本人とはちょっと違うのだぞ。と思いながら店をでた。

とこの文章を書きながら、改めてこのセーターは大事にしようと思い、自宅の中での保管場所を確認にいってしまった。


ほし・はる |MAIL

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