舌の色はピンク
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サラメシで 中小企業のOLが会社のビルの屋上で キャンプ飯してるのがなかなかよかった。 同僚誘って3人で。 コロナがきっかけだったらしい。 2人はあらたにキャンプグッズ買ったんだとか。 限られた休憩時間で調理するために 自宅で材料切ってまとめてあって あとは煮たり焼いたりするだけという。 火の気は気になるけど 消火器用意してたし 煙はあがらんようにしてるんでしょう。 このビルの大家さんが 隣のビルに住んでいるらしく 時たま屋上同士でくっちゃべるらしい。 これはいい。 近隣にとっては声うるせえんだろうな とも思えるけど 許容した方が町が生きる。
プリチャンがまじなけた。 来週で最終回か。 思ったよりズーンと来たな… さいきんはミュークルの方に心がいってたけど ここ最近のクライマックスへの盛り上げで だいぶプリチャン愛が戻ってたようだ。 プリチャン及び桃山のキーワード 「やってみなくちゃわからない」 「やってみよう」 ってやっぱ素晴らしい。 そのワードを盛り込んだ歌を 今回は主要キャラ全員で歌っててまじなけた。 ジーン。 デジタル化したキャラたちがライブして 前時代のいいねを集めて 宇宙空間から到来しつつある バグの隕石にぶつけて解消させるって 本当に本当に意味わからないけど別にいいと思う。
ミュークルは日常回。 あんなに友達っていってたコトコトを ことこ先輩があっさり修正しまくるの怖いし面白いし最高だ。 来週はまた実写回らしい。残念。 でも全体のクオリティ保つためなら…いいさ…
昼は蕪とベーコンのクリームパスタ。 そういえば昨晩は蕪の煮物を出したんだった。 フライパンで蕪をかるく煮て 電子レンジでもどした干しシイタケを加えて めんつゆ醤油みりんで味を調えただけの。 蕪はいいっすね。和でも洋でもいける。
割拠の1から4をまとめたものを Twitterにあげた上にプライド捨てて読書メーターにもあげてみたが 一切誰からもなんの反応もなく これには心折れそうになった。 だいぶつらい。 大仏ラライのライ。 ほんならもうええわ、誰が投稿なんかするかよ と へそ曲げたくもなったけど 勝手な都合で毎日小出しにTwitterにあげてきたわけだしな… それもまだ3割という中途半端なところでまとめられてもっていう… いやそういうのはあるが… でも実際誰も… うーん… 前向きな方向にもってくことはできるが ここには正直に書こう。 心底うなだれた。
息抜きがてらに 傷ついた記憶 の読みものの方を手掛けておいてよかった。 こちらはほぼ仕上がったので妻に読んでもらった。 面白かったとはいうが 語り手が結局何の話をしていたのかは伝わっていなかったようだ。
伝わるか伝わらないかのギリギリ、 でも伝わる寄りで…わかりやすくなりすぎないように、 というラインを攻めたつもりだったけど 僕の意図するところを読み取りやすいはずの妻に伝わっていなかったのだからと、 最後の一文をあらためた。 これならまぁ伝わるだろ。 勢い任せな割にはなかなか面白く書けたと思う。 まだ最終稿とはいいきれないとはいえ あとは単語の言い換えくらいだろうから 今の時点でここにも残しておこ。
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テーマ;傷つけられたお記憶
タイトル:『ヘテロトピア』
あの愛の真相ともいえたあたたかな場所を何ものかにうばわれて以来、私はもう25年眠っておりません。 催眠術師が、哲学者が、娼婦が、詐欺師が、強姦魔が、花の香りで、晦渋な書物で、豊満な肉体で、型破りのメンタリズムで、秘伝のカクテルで、どうにか私を眠りにつかせようと方途を尽くしてくれました。 果ては長広舌が自慢の校長先生、しまいには絞め技の精髄を極めたプロレスラーまで、意気昂然と我が家にやってきては、敢え無くすごすご帰っていったものです。 脳外科医に至っては私の頭蓋骨を射殺すようにねめつけ、七晩で七人の患者を殺めたのだといういわくつきのドリルを操り小さく穴を開けると、開ける前と変わらぬようきっちり元通りに整形し、身動きできない私の隣ですやすや眠りこけてしまいました。 そういうことではないのです。 私が眠りにつくとは、そういうことではない。
それでも私は毎夜0時になると、ベッドに横たわり目を瞑ってみます。 最後に眠れたあの日を思い出してみるのです。 そこはあたたかく、安らぎ、何ものにもおびやかされず、生の喜びからも死の恐れからもまぬかれている時空間、この世すべての愛をたゆたわせた小さい海でした。 今となってはそれこそ夢のような、現実ならぬ現実の異郷、決して取り戻せはしない、恋焦がれるばかりのトポフィリアに過ぎません。 けれども、この記憶を思い返すと、かすかながらに眠気の核のようなものがうみ出されます。 ここからが大事業なのです。 核からかろうじて弾かれた波長を頼りに、大気中に動揺する眠気の分子をかき集めていきます。 目に見える物体ではありませんから、まぶたは閉じたまま、体外へ神経回路と電気信号を延ばして、撃ち落とすようにつかまえます。 眠気の分子には時間の都合がありません。 過去から未来にわたる全時代を通じての眠気をある程度…目玉二つ分ほど…収集できたら、今度は、記憶を失わせていきます。 漢字を忘れ、平仮名を忘れ、今日の悲しみ、昨日の慈しみ、月の名前、戦争史、神話、鯨の描きかた、鶫の鳴き声、恋、感情、生い立ち、…めまぐるしくイメージされる何もかもを忘れていきます。 記憶を手放していくごとに、私の輪郭はやわらぎ、境界を失い、生も死もあいまいになって、やがて世界と同化していきます。 ところがようやく私が私を手放しかけた頃、夜は覚醒している。これは世界と同化した私と同一のものなはずであって、いやおうなしに夜の覚醒は共有されてしまい、せっかく失えつつあったシルエットの正体も気取られて、そうして、今夜も眠れない夜を過ごします。
いよいよ私は堪忍ならない。 だって、これではあんまり、生物としていいかげんではりませんか。 こんな不条理の根は絶たねばなりません。 私は我が身の複製をこしらえました。窮余の一策とばかり、分身の方に眠ってもらう手筈です。 分身は我が身が実現させた異郷で、今は生も死もなく眠っています。 分身が見る夢を思い描いてみます。 分身は孤島でした。 孤島のくせに橋をかけられて、一方的に物資を運び込まれていました。 孤島は日に日に大きくなっていきます。 孤島は孤島を囲む海が好きでした。 謎めく海の向こうへとつながる橋にも愛着がありました。 孤島にとって日々とは橋との対話でした。 「この向こうには何があるの?」 「向こうにだって? もう、取り返しのつかない夜が、一面に!」 孤島はまた、かつての私でした。
いったい誰があのつながりを断ち切ったのか? そのお節介者を私は決して許さないでしょう。 仕掛け人の手がかりはあります。 しかしいま、私自身もまたその仕掛け人の立場を継承しつつあります。 まもなく分身は眠りから覚め、やがてはあなた方に見つかり、取り返しのつかなくなることでしょう。 この先もしも私の分身を見つけた方がいたら、どうか優しくなでてあげてください。
あなたにへそのあたりを傷つけられた記憶がないならば。
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これでだいたい1600字くらいか。 思考整理のため、自分で自作を解説する。 語り手は「母親の胎内にいた時間」を眠りと表現している。 胎児は生きてもなければ死んでもいない、 このあいまいさこそを真なる眠りとしている。 羊水に満たされた空間を恋しく思い返している。 胎内の外は あなたがた=他者が横行する夜。 語り手はこんな恐ろしい世界に生まれたくはなかった。 ずっと安心安全の胎内にとどまっていたかった。 しかし橋を…へその緒を断ち切られた(傷つけられた記憶)。 語り手にとってはその記憶こそが呪いの発端。 であるのに今また、分身=孤島=胎児を自らの身から生み出そうと、 仕掛け人(母)になってしまう。 この子はあなた方=他者に発見されて、 取り返しのつかないばかりのこの世に生み出されてしまう。 だから優しくしてあげてね。 あなたにへそのあたりを傷つけられた記憶がないならば = あなたに母体とのつながりを断ち切られた恨みがないならば = あなたが祝福されて生きているのならば。
最後の一文は 「そのあたり」から「へそのあたり」に変えた。 わかりやすくするため。 どちらにせよ意味合いは複数とれるようにしてある。 「そんな記憶のないほど無神経ならば」とも読めるし 「へその緒を切られてなければ(=そんな人間はいない)」とも読めるし ようは この子をこれからおびやかすであろう他者を 威嚇しているのだという意図さえなんとなく読み取ってくれればいい。
ウン、 こうして自作を解説するのは まさしくギャグの受けどころを自ら説明する愚に等しく痛々しいものだけど まぁいいとして やっぱりなかなか面白く書けていると思う。 それなりに読み取ってくれればだから 読み手の読解力に加えて ちゃんと読んでくれるのかって問題もあるけど 今回は 少なくとも企画者が読んでくれるわけだから まーまー真面目に読んでくれるだろう。
傷つけられた記憶 ってテーマを見てすぐに、 ストレートに書きたくないなと思った。 思いながら次に、 なんとなく 「〜以来ずっと眠っておりません」 という文が浮かんだから一文目に置いてみた。 人間がそんな何年も何十年も眠らないわけないよなあ だから眠りっていうのがここではちょっとずれた意味なんだろう と自分で解釈を推し進めて、 ドグラマグラに胎児が見る夢ってあったなあってイメージから、 そうなると傷つけられたはへその緒あたりか、 となるとそれはよくもこの世界に出してくれたなって話になるなあ… こんな調子で書き進めていった。 だから、主題は後からきた。 自らに伝えたいことがあっての創作でないならこんなものだ。 今回伝わる伝わらないいってるのは手段の、方法論の領域の話だ。 おかげで枷の少ない分自由に書けて楽しかったけど、 本命の、割拠の方はそうはいかない。 やるきださんとな…。
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