舌の色はピンク
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2021年04月10日(土) 休日

西東京へ妻とデート。
青梅駅に降り立ち玉川を堪能。
妻は清流に足を浸した。
冷たすぎる、全然気持ちよくないと笑っていた。

川沿いには重要文化財の
なんとか邸という古民家があり
茅葺き風のがち古民家でやや尻込みしたが
縁側から眺める風景が素晴らしかった。
春の陽気と、そよ風というにはやや強い北風と、
緑と、勢いのある川の無遠慮な音と、鳥のさえずりと、
囲炉裏からはパチパチ炭の焼けゆく音。
部屋の中の畳のうえに座って眺める景色はなおよかった。
暗い室内は隅を見やれば黒々として
あぁこれが谷崎のいう陰影なのだなあとぼんやり思った。
管理人のおばさまが言うには
例年だと春先には花見客、暖かくなればバーベキュー、
夏には川遊びで一帯は大変にぎやかだそうで、
コロナ禍を嘆く様子だったけれど、
正直なところ喧噪よりは今日くらいの静けさがちょうどいい。
ささやかな自然音がよく通るくらいの。

喫茶店では緊急事態宣言の終了と
新たなまん延防止策について妻と語り、
政財界のシステムについて触れ、
僕は建築を領分としている人たちの三次元的認識が
有用なのではないかと持論を展開して、
グローバリゼーションへの憎悪につなげた。
アーモンドシュークリームはずいぶん深みのない味で、
ケーキ屋では決して出てこないであろう素朴さだった。

青梅駅のモスバーガーの入口には
「私は昨日羽村のチューリップ畑に行ってきました。」
から始まる店員さんの挨拶がブラックボードに書かれていて
なんと美しい日本語なのだろうと思った。
チューリップ畑に行ってきました。
こういう日本語だけで日々をまかなえたら
それはとても素敵なことだ。

奥多摩方面へ足を延ばす予定を翻し
立川で買い物。
コロナ禍でおとなしくしていた分
おおよそ一年ぶりの買い物となり
妻は時計を、
僕は靴とバッグとパンツとシャツをいっぺんに買った。
タケオキクチはもっと高いイメージがあったが
4点で4万ならかなり得だと思う。
さらには、ポーカーフェイスでメガネを試着して、
カラーレンズやサングラスに興味を持った。
気に入ったのが5万したので手は出さず。
しかしこうしてみると、
自分はこれまで財産の多寡で行動を左右されないつもりでいたし、
制限もかけてない自信もあったはずが、
実のところ衣服に関しては、我慢しているのかもしれないと思い至った。
たぶん、もっとずっと金があったら、
あれもこれも買ってしまいたいのだ。
それこそ桁の違う服を。あれもこれも。

服の面白いところは、着るのが自分だというところだ。
自分という無料のプレイヤーキャラクターを
好きに着せ替えて
自由に動かせる。
すごい。


電車移動の最中は
それ町を二人で読んでいた。

休日らしい休日。
帰り際、駅前の書店で本の取り寄せを注文した。
多元共生社会の構想がどうとかいう。
図書館で借りたものを浴室で読んでしまったばかりに
ページの一部が湿気てしまったから
確認するまでもなく買いなおすことにした。
経験上、ぬれずとも蒸気で湿気てしまう紙質の本は
30冊に1冊程度なのだけど
さすがにもう控えようと思う。
少なくとも借りものでは。


れどれ |MAIL