舌の色はピンク
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昨日に引き続き。高校時代は思い入れ深い。 が、その締めくくりである卒業式に僕は参加できなかった。 同日が志望してた千葉大の受験日なのだった(落ちたけど)。 卒業式をフイにしてまでも臨んだ甲斐はあったと断言できる濃密さで、 かつ壮絶、また衝撃だった。
なにせテストの問題が信じられない構成だった。 国数英の総合問題であるこの試験の問題用紙を開いて まず数学が第一問目にきていることを確認し、 問題文に目を通すとその一行目が 「ここに、致命的な病を患ったXさんという人がいます」 とあってもう吹き出しそうになり、 全身全霊のガッツをもって笑いをこらえるも 周囲がカリカリ大まじめに取り組んでいて んな馬鹿なと世界を疑った。 その後問題文はXさんが可哀そう過ぎる運命をたどる物語を 無理やり数学に結び付けていく形式で進められ、 限界を感じていた僕が実際に問題を見たときには また肺から空気が失せていった。
「問1 Xさんが10年後に死ぬ確率を求めなさい」 僕が死にそうだった。 「問2 Xさんの余命の期待値を求めなさい」 何が期待の値だ。
あとは何年後かに死ぬXさんの遺族に残される遺産の期待値だとか その遺産の期待値を最大にするときに どれだけの割合を貯金/保険にまわすかだとか とりあえずどうあれ何が何でも確実に間違いなく絶対にXさんは死ぬけども あくまで彼の存在は数的処理の構成要素でしかなく、 そのあまりの機械的な冷徹さに震える僕を 試験官が怪しい目で見ていた。
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