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■ ゴールを決める余裕なんて今はない
日曜午前、どうでしょう新作DVDを見る。カントリーサイン2とサイコロ4、とりあえず副音声のみ。毎度のことながら藤村Dが過剰に語ってらっしゃることよ。島根の神様トークは秀逸である。
午後、さて会社に行こうと準備してたら院時代の後輩Tからひさびさの電話。何という用もなけれど人間について2時間ほど話す。彼女は私の知る限り最も知性の光にあふれ美しく闘う人。絶望を知りながら希望を捨てない人。彼女を通してみえる世界は広く深くひかっている。 趣味や嗜好はことごとく私とは違う。生まれた国も、母語も。でも人は私達のことを魂の双子といい、私は彼女を姉のように思ってきた。生まれたのは私のほうがほんの数週間早いけど、おねえちゃんは私より複雑で賢い。なんのビジョンもなく自分勝手にアカデミーから飛び出した私とは違って、彼女はアカデミーに身を置きながら翻訳してシンポジウムを開いて、そうして経済的不足のない状態を作ったうえでもうすぐソルボンヌにいく。そしてずっと書きたがっていたものを書くだろう。彼女のペンは世界を、救いえないものを救うだろう。 チェスの駒を進めるように世界を変えていく彼女を見ると、気分次第で考えなしに動きまわる己れをバカかと思うことしきりで、でも頭の悪い行動力と無駄な回り道で開ける世界が私のもの。これはもう仕方ない。 それでも私達が互いに見るものを見、考えるものを考え、妥協せず流されず生きていればいつか私達の人生は世界のどこかで交わるよねと昔話して、それは何となくパリになった。じゃあいつかどこかのパリで会おうよと約束したんだった。 パリは遠いな。この1年半ではるか離れてしまった。 私達に共通の話題はいつだって人間のことで、人間の苦痛と希望のことで、なのに今の私には足りてない。真理への愛は人間への愛と同じ、環境に左右されるようなものではないのに。何もかもみえるのはきっと苦しいけど、みえていないことに気付けないよりはるかにましだ。
その後会社に行く気が失せ、夜大食いで白田の引退を見る。きれいな食べ方をする人でした。6年間楽しませてもらった。ありがとう。
2007年10月01日(月)
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