「世界中は同じ言葉を使って、同じように話していた。」 創世記11:1
メッセージ題 「バベルの塔」
ノアの箱船の後、人々は地に増え広がりました。そして人は再び自己中心を繰り返し、神に背いていきました。やがて人は神に届こうと、神を超えようと思い、天に向かって塔を建設しようとします。それが「バベルの塔」です。しかし神によって人の言語は混乱し、意思の疎通が出来なくなり、チリヂリバラバラになっていきました。 彼らが塔の建設に使ったものは、レンガやアスファルトでした。それまでの人類は、石やしっくい(粘土)を使用していました。これらはみな、自然の物です。つまり、神が与えた恵みです。ところがレンガやアスファルトは、人が作り出したものです。 人類は進化すればするだけ、神様から離れていくようなところがあります。発明王のエジソンは、機械文明になることを予想し、心を進化させなければならないと言ったそうです。その彼の発言は、果たして現代に生かされているでしょうか? ダイナマイトを発明したノーベルは、掘削などで命を落とす人たちを救うためにそれを作り出しました。そしてまだ名前のなかった爆発物に、神の力という意味のギリシャ語のデュナミスから、ダイナマイトという名前をつけたのです。ところが人は、それを殺戮の道具として使っています。このように、人は自分たちで作り出したもので、自分たちを不自由に追い込んでいるようなところがあるような気がします。人は賢くなっても、神に対して愚かであってはなりません。 現代社会を見てみると、言葉によって人類が混乱しているというよりは、同じ言葉を話す者同士であっても、いがみ合い、憎みあっています。最も信頼しあうはずの家族の中で、互いが理解できないという出来事が起こります。だから人は、神の前にへりくだり、神の愛をもって互いに愛し合う必要があるのです。
ペニンスラ フリーメソジスト教会 牧師 榊原 宣行
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