ぺニンスラフリーメソジスト教会 牧師メッセージ

2007年12月09日(日) 聖日礼拝 第二アドベント

「『ユダの地、ベツレヘム。あなたはユダを治める者たちの中で、決して一番小さくはない。わたしの民イスラエルを治める支配者が、あなたから出るのだから。』」 マタイ2:9


「救いを知った人々」

 先々週はミカ書からメッセージをしましたが、今日の箇所は、それを引用した新約の聖句を開きました。
 東方の博士たちは、輝く星に導かれ、誕生されたイエス様を拝みにイスラエルにやってきました。そこでまず、ユダヤの王ヘロデに謁見します。ヘロデはそれによって、自分以外の王が誕生したのだと勘違いをしていまいます。そして恐れ惑った彼は、不安を抱き、ベツレヘムに住む二歳以下の男児を皆殺しにしてしまうのです。
 救い主の誕生を知った博士とヘロデ、しかしその反応は全く逆のものでした。博士たちは、自分の財産も身分も投げ打って、救い主を礼拝することに命をかけました。ところがヘロデは、自分の立場を守ることだけしか考えず、恐ろしい罪を犯してしまうのです。博士にも、そしてヘロデにも、救い主の誕生を告げ知らせるという神様の恵みは同じように注がれたはずでした。問題は、その恵みを受け取るか、それとも拒むかという、人間側の選択にかかっているのです。神様の恵みは、誰にでも等しく注がれています。それを受け取るか拒むか、それはその人に任されているということなのでしょう。
 義父の葬儀のために、10日間ほど日本へ戻ってきました。こちらに戻る2日前、私が以前牧会していた横浜教会の信徒の方が亡くなったという知らせが入りました。葬儀は私がアメリカに戻る前の日だというので、何とか都合をつけて参列しました。横浜教会の主任牧師であられる藤巻先生がご配慮くださり、私にメッセージをさせてくださり、家内には賛美を歌わせてくださいました。召された姉妹は、本当に素晴らしい信仰を持ち、教会に尽くしてくださった方なので、その方の葬儀でこのようにご用が出来たことは、悲しみの中にも感謝なことでした。この姉妹は、毎週毎週、礼拝のあとは教会の庭の清掃を一人でしてくださった方でした。私は姉妹が集めた枯れ木や落ち葉を、炉で燃やす役目でした。今ではダイオキシンの問題で、勝手に炉で燃やしたりは出来ないようですが、当時はそんなことを毎週礼拝のあとにやっていたのです。猛暑の中でも、小雪が降る中でも、淡々と姉妹はその奉仕を続けてくださいました。彼女の人生は、人間目には決して恵まれたものではありません。若くしてご主人をなくし、女手一つで息子さんを育てました。ですから経済的に苦労し、色々大変なこともあったようです。しかし彼女の葬儀は、本当に素晴らしいものでした。そういう事情でしたから、葬儀の費用は教会の有志が負担しました。そしてその葬儀には、教会中の人々が参列していました。彼女の信仰暦は約50年でしたが、最高の人生を歩み、天に凱旋したことを思う、そんな葬儀だったのです。
 イエス・キリストの救いを素直に受け入れる者は幸いです。人生には困難がありますが、それに勝って恵みが注がれるのです。ヘロデのように神を拒絶するのではなく、東方の博士のような信仰を持って歩みたいものです。

ペニンスラ・フリーメソジスト教会
牧師 榊原宣行



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