「真理によって、彼らを聖なる者としてください。あなたの御言葉は真理です。」 ヨハネ17:17
「真理のみことば」
13章から続いてきた最後の晩餐の言葉は、本章の祈りをもって終わります。その中でイエス様は、神様のみことばこそが真理であるとおっしゃいました。この祈りのあと、イエス様は捕らえられていきます。そこでは、最も身近だった弟子たちが裏切りの行為を繰り広げるわけですが、彼らの中には真実を見出すことはできません。そのように、人は状況によって変化し、心は移り変わっていくものです。人は代わり、世の中の常識、そして科学も何もかもすべてが移り変わっていくのですが、聖書のみことば、神様の教えは決して変わることがない、普遍的な真理なのです。 今度ロスアンゼルスで、「筆子・その愛・天使のピアノ」という映画が公開されるそうですね。製作者サイドでは、当地でもそのように上映されることが熱望されているとのことです。実現したら素晴らしいと思います。主人公の石井筆子さんは、日本で最初に知的障害者教育に取り組んだ人物で、この映画はその人の生涯を描いたものです。彼女は敬虔なクリスチャンで、その生き方を描こうとした映画監督もまた熱心なクリスチャンです。私はこの映画はまだ見ていませんが、制作秘話を追った番組を2〜3拝見しました。そこで、この映画の中の知的障害者役の子供たちのほとんどが、本当の知的障害者であるということを知りました。ですから、撮影ではハプニングの連続だったそうで、それがまたこの映画を味わい深いものにしているようです。私がこの制作秘話を見て、とても印象に残ったエピソードがあります。それは、マサヒロくんという知的障害者の子にまつわるエピソードです。その日の撮影は、施設内で一人の男の子が皆にバカにされるという話です。それはもちろん演技でやるわけですが、マサヒロくんには、どうしてもそれが現実と重なってしまうらしいのです。ですからマサヒロくんは、その演技をしている中で、突然泣き出してしまいました。自分がいじめられる役ではないのに、演じている子がいじめられているのが可愛そうに思ってしまうのです。と、突然マサヒロくんは、演じている子のそばに行き、慰めの言葉をかけ、励ましてあげているのです。こんなピュアな思いに、私はとても感動しました。 私たちは、いつの間にかそういう純粋な心を失ってしまいました。人の顔色を気にして、状況で物事の是非を判断し、立ち回る・・・。社会人ですから、それは必要なことなのですが、ゆえに人は真実を見失っています。イエス様は、聖書のみことばにこそ真理があるのだとおっしゃいました。神様のおっしゃることは絶対であり、真理です。十字架で命を投げ出してくださったお方のみことばに耳を傾け、心を開いてそれに従うお互いでありたいものです。
ペニンスラ・フリーメソジスト教会 牧師 榊原宣行
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