ぺニンスラフリーメソジスト教会 牧師メッセージ

2007年10月07日(日) 聖日礼拝

「これらのことをあなたがたに話したのは、わたしにあって平安を得るためである。あなたがたは、この世ではなやみがある。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝っている」 ヨハネ16:33

「世に勝つ力」

 「神など信じるのは弱い人間のすることだ」と、強がって言う人が時々います。「そうです、人間は弱い存在なのです」と、私はあえて申し上げたい気持ちです。最近日本の総理大臣が辞任され、健康を害して長期入院したという話が伝えられています。また、モンゴル人の横綱が心の病で療養中というニュースも長い間報じられ続けています。総理大臣であっても、横綱であっても、どんなに強い人であっても、実際は弱い一人の人間でしかありません。それがこの世の力、現実なのではないでしょうか。
 イエス様は、その弱さにも、悩みにも、そして死にも、十字架の上で勝利をとってくださいました。復活し、今も生きて、永遠の命に招いていてくださいます。私たちはこの世では悩みがあり、挫折があります。しかしイエス様は、この世に勝ったお方です。世に勝つ力は、このお方から注がれるのです。
 私が尊敬する著名人に、エディ・タウンゼント(故人)という方がおられます。この方は、ガッツ石松氏など6名の世界チャンピォンを育て上げた名トレーナーとして有名です。エディさんの有名なエピソードに、勝った選手の祝賀会には出席しないのに、負けた選手にはずっと付いていて励まし続けたというものがあります。そして、「ボクシング辞めたアトの人生の方が長いのヨ。」というセリフも有名です。彼自身、現役時代に挫折を経験したからこそ、その選手の人生そのもの、特に挫折からの再出発を大切に考えることが出来たのでしょう。世界チャンピォンを育てたということよりも、そこが名トレーナーと呼ばれたところかも知れません。
 人生に負けを知らない人は、ほとんどいないと思います。挫折、失敗、罪、痛み、苦しみ・・・それを繰り返すのが人生であると、それはイエス様のおっしゃった通りでしょう。しかし私たちは勇気を出すことが出来ます。なぜなら、世に勝ったイエス様が共にいてくださるのですから。このお方と共に歩む時、私たちにも永遠の国から注がれる世に勝つ力が与えられるのです。

ペニンスラ・フリーメソジスト教会
牧師 榊原宣行



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