ぺニンスラフリーメソジスト教会 牧師メッセージ

2007年10月21日(日) 聖日礼拝

「そこでピラトはイエスに言った。『それでは、あなたは王なのですか。』イエスは答えられた。『わたしが王であることは、あなたが言うとおりです。わたしは、真理のあかしをするために生まれ、このことのために世に来たのです。真理に属する者はみな、わたしの声に聞き従います。』」 ヨハネ18:37


「王の王」

 ヨハネによる福音書を順番に見て参りましたが、いよいよ十字架の場面へと近づいてきました。本章には、木曜の夜にイエス様が捕らえられる様子、弟子たちの裏切り、ユダヤ人の裁判、そしてローマによるピラトの裁判が記されています。
 38〜40節には、イエス様に代わってバラバという強盗が許されたと書かれています。バラバについて詳しいことはよく分からないのですが、他の福音書と照らし合わせてみると、ただの強盗ではなく、政治犯だということが分かるようです。政治的な重罪を犯したバラバが、無罪のイエス様の代わりに許されるという、メチャクチャな裁判でした。バラバは、まさか自分が許されるなどとは思ってもみなかったと思います。しかし意外な・・・と言っては変ですが、実際、本当に意外なことに、バラバが許されてしまったのです。
 私たちは、まるでバラバのような存在です。神様を神様とせず、自分勝手に生きてきたわけですから、神様に裁かれ、滅ぼされて当然です。自分で赦しを願い、天国へ入れて欲しいと嘆願しても、それがかなうはずがありません。しかし、神の一人子であるイエス様が自ら名乗り出て、私のために身代わりの十字架を負ってくださいました。だから私は、そしてあなたは赦されたのです。あり得ない出来事が起こってしまった、それが十字架の贖いの出来事なのです。
 王様は、決してこんなことをするべき立場にはありません。しかし私たちの王は、命を投げ出してくださった真の王です。罪びとを上から見下げてふんぞり返っている王ではないのです。私たちの痛みを知り、罪を贖うお方なのです。
 今も活動されていると思いますが、一時期日本中、いや世界にまで名を広めた、「ミッション・バラバ」という方々がおられました。この方々は元ヤクザで、刺青に小指が無いという姿で、「過去の自分は罪の中にどっぷり浸かっていました。でも、今このように生きているのはイエス様の救いのおかげです。親分はイエス様です」と証しして歩いておられました。実際のバラバの生涯については、何も知られていません。しかし、たぶんバラバも、救われた自分のこと、イエス様の身代わりについて考え、それなりの人生を送ったのではないかと思います。いずれにせよ、私たちはイエス様の身代わりによって永遠の救いを得ているのですから、その生き方はおのずと定まって行くのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

ペニンスラ・フリーメソジスト教会
牧師 榊原宣行



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