☆空想代理日記☆
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昨日は、筋肉痛であるとともに病院の日でもあった。春の陽気に包まれながら、痛々しい歩き方で病院を訪問した。
診察室は2階なので当然エレベーターを使う、はずだった。運悪く、点検中、の貼り紙があった。たとえそれを破り棄てたとしても、不逞者のためには動いてくれそうもなかった。
筋肉痛の足をひきずるように階段をのぼることにした。
1段のぼると、当時は新発売だったヌーボーとかいうチョコレートを喰べようとしてひと口もかじることなく落としてしまったことを思いだした。
2段目には、百葉箱に隠しておいたロールパンが翌日には視るも無惨な姿に変貌をとげていたことを思いだした。
3段目には、塩をかけようと何気なく振ったところ半透明のキャップまではずれていてひと瓶まるごとかけてしまい大切なおかずを台無しにしたことを思いだした。
唇を強く噛んで、泪をこらえながら診察室までいった。
先生に「どうしましたか?」と訊ねられ、不逞者は、切った爪を入れておいた宝箱が紛失してしまいましたと答えるほかはないのだった。
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