☆空想代理日記☆
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昨日は忙しかった。あることを閃いて必死に書き留めていたからだった。
その閃いたことは小説のネタだった。誰も読んだことがないような素晴らしいものである。
ある日空から黒いノートが落ちてきてそれを1人の少年が拾う、という最初の文章が浮かんだ。どうやらそれは死神のノートだ。
なんとも便利なノートで、名前を書き込むだけでほいほいと人間が死んでいくという設定にしようと思った。ただ殺戮を繰り返すだけではいけないと思い、ちょっと食生活がおかしな名探偵も用意しておくことにした。
この斬新なアイデアを書き留めている時、とある先輩から電話がかかってきた。野球のボークについての説明を求められた。
不逞者、それどころではなかったので適当でそれらしい嘘をついて電話を失礼した。
アイデアが他人に盗まれてしまわないかと不安でならなかった。先輩にアドバイスをもらうために夜、島耕作さんの会社を訪問しにいつもの弁当屋へ行った。
島先輩は相変わらずの女好きだった。女性の裸ばかり視ている人だった。裸を視ていると、小説のネタが消えてしまった。
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