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 お婿にいった四+カカのお話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


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 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
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2008年12月20日(土)
あふろでぃーて 3)


ええっと……。

「8月は、けっこう里外任務が入っていまして。初めて先輩と里で過ごした年、たぶん、2年目ぐらいの夏だったかと。先輩が勘違いされていることを、あとになって、知りました」

それって……。
あの、テンゾウの不機嫌にまったく心当たりがなかった、あの夏のこと……か? だよな。
あとになって、知りました……?
ってことは。

「なに? おまえ、オレがおまえの誕生日を忘れていると思ったから、不機嫌だったの?」
テンゾウの頭が、さらに下を向いた。まるで、水揚げに失敗した切花のようだ。
ああ、そうか。
なんだ、そうだったのか。

あの夏の日、反省したオレはその後変わったかと言えば、変わらなかった。
相変わらずテンゾウが先回りしてオレを気遣い、オレは気づかぬうちにテンゾウの神経を逆撫でし、不毛なケンカを繰り返す。
たまに発奮して奢ったり、食事を作ったりはするものの、テンゾウの部屋にいればたいてい上げ膳据え膳、任務服の洗濯までしてもらう始末。いや、付き合いが長くなった分、テンゾウの気配り範囲が増えた、とも言える。
ベッドでのことは相変わらずだが、あのころより年をとった分、オレの身体はごつくなったし、昔はもう少しすべすべしていた皮膚も年相応にくたびれてきた。

反してテンゾウは、成長してどんどんいい男になる。
背こそオレより少し低いが、それだってこの先、どうなるかわからない。
根はマジメだが、茶目っ気があって退屈なヤツではないし、何より、心根がまっすぐでやさしい。
可愛くて気がきいて、しっかり者の女に惚れられたら、オレの出番なんてない。
だいたい、テンゾウが寿司好きなことを、付き合って2年もたつまで知らなかったオレだ。
里でのんびりするよりも、ともに任務に出ている日のほうが多かったから、という言い訳は成り立つが。
それにしても、2年も気づかないなんて鈍感すぎるでしょ。
だから……いつ捨てられても仕方ない。
オレはどこかでそんなふうに思っていたのかもしれない。
いや、心の底では、怯えていたのかもしれない。

「すみません。もっと早くに言うべきでした」
うなだれたままのテンゾウに、オレのほうが泣きそうになる。

遠くない日、おそらくオレは暗部を離れることになるだろう。
早くて再来年、遅くともその翌年には、うちはサスケとうずまきナルトが揃ってアカデミーを卒業する。
その前にオレに上忍師としての経験を積ませようと、三代目はここ二年ほど、オレを下忍認定試験に駆り出している。
ま、今のところ結果は全滅。アカデミーに戻った者、忍を諦めた者、あるいは親が忍で親の元で修行を積むことにした者、それぞれだが、年々、結果報告を聞く三代目の眉間の皺が深くなっているのには気づいていた。
試験に通らなかったのだから仕方ない、そう思うのだが。
きっとオレの退路を断つ意味で、早晩、暗部から離し正規部隊に据えるだろうと予測している。
そうでなくても「写輪眼のカカシ」などという二つ名が他里にまで流布しているのだ。

グラスに半分残っている、「愛の女神」を見る。
女神と言うには地味な赤だが、以前、文献で見た遠い異国の古代に作られた焼き物の赤を思い出した。
情熱に任せて焼き尽くす赤ではなく、深く懐に包みこむようなあたたかな赤。
アティック・ローズの色。

テンゾウの温もりをすぐ側に感じていられる日々も、きっとあとわずか。

細いグラスの足を持ち、くぃと傾ける。
ひときわ香るウォールナッツ。

隣でテンゾウが、ふっと吐息ひとつ、顔を上げ、グラスを手にした。
こんなガラスなど簡単にへし折りそうな手なのに、その動きはとても繊細だ。
くぃ、と彼もグラスを空ける。
「おいしいですね」
マスターに向かって微笑んだ。
「お客さまのお好きな木の実のリキュールがございましたので」

え? とオレはテンゾウを見る。
今のマスターの発言は……。
「お好きな」は「木の実のリキュール」にかかるのか?
いや、「お好きな木の実」の「リキュール」なのか?
いやいやいや。どっちにしろ、オレしらないし。

テンゾウはオレを見て、ふっと口元をほころばせた。
うわ、なんだか年上みたいに笑うよ、こいつ。
「ウォールナッツ、ボク、好物なんです」
「へ?」
「はい、胡桃です」
そう言えば、テンゾウが里にいるとき常備している固焼きのパンには胡桃が入っていた。
厚切りにしてチーズを載せて温めたり、薄くスライスしてスモークした鮭や生ハムといった、ちょっと香りにクセのある食材とレタスなどを挟んだりして、よく間食にしている。
香ばしくて、だからオレも気に入っていたのだが。
そうか、好きだったからか。って、当たり前だろ、ソレ。
なんで、気づきもしなかったのか、オレ。

これが潜入捜査任務だったら、それこそ相手の趣味嗜好から日常の癖、閨で好む体位まで調べ上げる自信があるのだが、どうしてこう、テンゾウに対しては後手後手に回るのだろう?

でも、どういうわけかテンゾウは落ち込みから脱したらしく、
「そろそろ帰りましょうか」
と上機嫌で言った。
「あ、ああ」と間抜けな顔で答えたオレは、改めてマスターの顔を見た。
会計よろしく、というつもりだったのだが、マスターは「いえ」と答える。
「今日の分は、いただいておりますので」
オレはまた「へ?」と言いそうになって、あわてて口をつぐんだ。
席を立ったりしなかったから、テンゾウがこっそり会計をすませたとも思えない。
「そういう、お約束になっております」
「ごちそうさまでした。さ、行きましょう、先輩」
追求する暇もなくテンゾウに促され、オレは首を傾げつつ、「ごちそうさま」と挨拶した。

何がなにやら。
今日のオレはテンゾウに振り回されている。

磨き上げられた木製の重たい扉を開けると、年の瀬の冷たい風が路地を吹き抜けていった。

「おまえ、胡桃好きだったの?」
「はい」
「知らなかったよ、オレ」
「言ったことないですから」
ニコニコとテンゾウは機嫌がいい。
言われなくても、普通、気がつくもんでしょ。
心のうちで、オレはブツブツ呟く。

「先輩のクルミも、もちろん好物です」

オレの?
胡桃? って?

――!

オレは、腹立ち紛れに足を速める。
あはは、と笑いながら、「冗談です。いや、本音かな」とわけのわからない言い訳をしながらテンゾウがついてくる。

また風が吹く。
うなじを通り抜ける冷たい空気に、体がぞくっとする。
と同時に、感じるテンゾウの視線。

ぞわ、と下腹に熱が集まってきた。