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 お婿にいった四+カカのお話
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2008年12月18日(木)
あふろでぃーて 2)


一瞬呆けたオレをよそに、アイツはクスリと笑うと、
「すみません、遊びの度が過ぎました」
と言った。
「ご馳走していただけるなら、寿司、食べたいです」
や、クルミとかくるみとか胡桃とか、から離れられるなら、オレは歓迎だ、と思いつつ、尋ねた。
「へえ、おまえ、ナマの魚とか好きなの?」
「はい。好きです。鮪の大トロとか」
「肉の脂身苦手なのに、鮪はいいの?」
「……そう言われてみれば。魚は大丈夫です。鮪、カンパチ、大好きです」
「オレは、ヒラメやホタテ、だなぁ。あ、タイラ貝もうまいな」
「秋刀魚は? 新鮮な秋刀魚の刺身もうまいですよね」
「オレは、焼き魚派だな」

そんな会話を交わしながら、オレたちは寿司屋ののれんをくぐったのだった。

鮪の大トロが好きと言ったわりに、あの時、アイツは〆サバとか、それこそ秋刀魚とか、安いネタばかり頼むもので、とうとうオレが、「くろマグロの大トロ、5人前握って来い」と言ったら、寿司屋の親父は「よっしゃ〜」と張り切っていた。
ドンと出されたつやつやの霜降りが載った握りを、「え〜」などといいながら、アイツはうまそうにもぐもぐとほうばった。
それを見ているオレも幸せな気持ちになりつつ、ガリを肴に酒を飲んだ、なんてくだらないことは覚えている。

以来、アイツの誕生日前後、互いに里にいれば寿司を食いに行くのが恒例となった。
だが、今年は無理そうだな、とオレはカレンダーを見る。
アイツ――テンゾウは、年末近くまでかかる中期任務に従事していた。

*   *   *   *   *

「ただいま、戻りました」
と言って、自分の部屋に入るテンゾウに、オレは「お帰り」と笑う。
ここは、テンゾウの部屋。
だが、ここ数日のうちに帰還するのはわかっていたので、毎日部屋に通っていたのだ。
テンゾウは装備を解くのももどかしい様子でオレを抱きしめ、
「あ〜。カカシ先輩だ〜」
と当たり前の事を言った。敵の変化だったらどうするの、今頃、あの世に向かう道を歩いているところだよ。
「お帰り」
と、重ねて言うと、へへ、と笑う。
任務のときはキリリとしていて、近頃ではむしろ強面と言ったほうが相応しいテンゾウが、オレの前でヘニャッとしているのを見ると、心の底から幸せな気分になる。
そう告げると、「お互いさまですよ」と笑うのだが、オレはそんなにヘニャッとしてないぞ、と思う。

「メシどうする? 内メシがよければなんか調達してくるし、外メシがよければ出かけよう。今年は誕生日の寿司、いけなかったからなぁ、なんでも付き合うよ」
そう言うとテンゾウは、ちょっと言いよどんで、
「明日に差し障りがないんでしたら、行きたいところがあるんです」
と答えた。
「明日は休みだから。どこでも」
「じゃ、決まりですね。ボク、シャワー浴びてくるんで、ちょっと待っていてくださいますか?」

で、テンゾウに連れられて来たのは。
「ああ、ここか」。
以前オレの隊にいた虎面と来た事がある。だが、それも3年、いやもう4、5年も前になるのか?
「虎面のお墨付きをいただいて、たまにひとりでくるんですよ、先輩のいない夜とか」
照れたようにテンゾウが言う。
そう、ここは、もとは虎面が開拓した渋いバアだ。
「こんばんは」
と挨拶するテンゾウにマスターが「いらっしゃいまし」と返し、オレを見て目を細めた。
だが、オレへの言葉はない。オレが以前、来た事があるのをテンゾウが知っているかどうか、あるいはテンゾウに知られていいかどうか、判断がつかないからだろう。
「お久しぶりです」
だからオレのほうから挨拶すると、マスターはニッコリと笑った。でも、口をつぐんでいる。
「ボクの先輩です。前に別の先輩がお連れしたことがあったと思うんですが」
テンゾウがそう言って初めて、マスターは口を開いた。
「はい。覚えております。とても粋なお方だったので」
そう言って、マスターは前にオレが座った席を指し示した。
「どうぞ、こちらへ」
分厚い一枚板のカウンターのやや壁より。
ちょうど、マスターの後ろの壁に飾られた、幾何学模様のポスターがきれいに見える場所。
一度、来ただけのオレが座った席を覚えているのか、このひとは。

数分後、きめ細かに泡の立ったビールで喉を潤した。
「サルッシャがございますが」
「ああ、いいですね」
いっぱしの常連気取りのテンゾウが、なんだか可愛い。
「どうしましょう、ジャガイモと炒めますか?」
「えっと。あっさりめがいいので、ソテーしてもらえますか?」
「かしこまりました。では、焼きトマトを添えましょう」
ここの料理は、うまい。和食派のオレも思わず箸ならぬフォークが進んでしまう。
そんなこんなで満腹感にため息をついたとき、テンゾウがオレを見た。
「先輩」
すみません、と頭を下げる。
「は? どうしたの?」
「ずっと、言えなかったんですが」
その言葉に、ぞっと背筋が寒くなった。

珍しく、こんな店に連れてきて、おまけに「先輩のおごりですよ」などと念押しもせず、もっとも誕生日祝いに誘ったのはオレだから、そんな必要もないのだが。
……もしかしたら、別れ話か、とオレは考える。
ま、仕方ないね。
テンゾウ、いい男だし。
キュゥと痛む鳩尾をなだめ、オレはニッコリと笑顔を向ける。

いいよ。
オマエの幸せはオレの幸せ。
オマエに抱かれるのは好きだったけれど。
それがなくちゃ、生きていけないというわけでもない。

ほんとうは、わぁ〜、と叫びたいオレがいたが、そこは押さえつける。
押さえつけなくちゃいけないだろう。こういうときこそ、忍の本領発揮だろうが。

なのに、テンゾウは「あ〜」と言ったまま、額を押さえた。
「あの、先輩。もしかしたら誤解されているかもしれないと思うんですが」
「誤解?」
「ボクがいいたいのは」
そう言ったとき、マスターが
「食後にいかがですか?」
とカクテルを進めてきた。

「アフロディーテ。愛の女神です」

オレもテンゾウも、マスターの顔を見て、それから、グラスに口をつけた。
アルコール度数は高いが、チンザノやカンパリのかすかな甘みや苦味と共に香る薫り高いウォールナッツの香ばしさ。

思わず、ほっと息を付いていた。

「愛の、女神ね」
オレはテンゾウを見る。
「すみません、先輩。ずっと言いそびれていました」
「ん、何?」
「ボク、誕生日、一応公式には8月10日なんです」

……は?

「10月8日じゃなくて?」

……はい、とテンゾウはうなだれた。