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 お婿にいった四+カカのお話
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2008年12月17日(水)
あふろでぃーて 1)


キリ、コリ……。

規則的なその音のするほうに目を向ければ、新人の暗部がひとり。
オレの視線に気づき、「すみません」と頭を下げた。
別に咎めたわけではない。
ただ……ここにいないアイツを思い出しただけなのだが。
それに、任務中ならともかく、詰め所での雑談中だ。音が迷惑というものでもない。
だが、まあそれなりに上の立場のオレが視線を向ければ、咎められたと気を回すものなのだろう。悪いことをした。

「それ、胡桃?」
「はい」
「握力、弱いの?」
堅い殻を持つ木の実を二つ。手の中で弄ぶのは手軽な握力増強法……らしい。そんな話を聞いたことがある。
「はい。どういうわけか」
確かに握力が弱いと、暗器の扱いにも不便だろう。クナイでの応戦にも力負けする。
近づいたオレに、新人は手を開いて見せる。
肉付きは薄いが、骨格はしっかりしていた。まだ成長期だから体ができてくるにつれ握力も追いついてくるだろう。
「ま、これから、だね」
白い掌にころんと並んだ胡桃、ふたつ。
「胡桃って、ヒワイだよね」
「は?」
「いや、形状が。ヒワイじゃない?」
古参のヤツらが、クスクス笑っている。
「ひわい……ですか?」
じっと己の掌を見詰めていた新人の面からはみ出した耳が、血を上らせて朱に染まる。
「おいおい。カカシ。やめとけ」
「新人くん、まっかになってるじゃないの」
今まで黙っていた、ってことは、オレの戯言に乗ったも同然なのに、と面をしていても誰とわかるヤツらを振り向いた。
「おまえらなぁ」
「”憧れのカカシさま“の偶像を壊しちゃぁ、いけねえな」
「何よ、それ」
「だから、おねえ言葉はやめろって」
ドッと彼らが笑う。
新人は、ポカンとオレを見ていた。
「ま、暗部って言っても、こんなものよ。気楽に、気楽に」
は、はあ、と言葉を詰まらせる彼に手を振って、オレは詰め所を出た。

胡桃ねえ……。

その殻の形状との相似を、最初に指摘したのは、実はアイツだ。
付き合いはじめて1年、いや2年だったか? 任務も絡んでの付き合いだから、まあ、それなりいろいろあって、一進一退しつつ、お約束のような誤解によるあれやこれやも越え、しっくり馴染んできたころだ。

派手なケンカこそしないが、ムッツリと不機嫌になるアイツをもてあましたオレが逆ギレしてしばらく口もきかない、という不毛ないさかいは何度か経験している。
あれも、そんななかのひとつだ。
だが、ほかのときと違い、今もってその原因がなんだったか、わからない。

余計な事を言わないせいで、ついつい見過ごしてしまうのだが、アイツは実はやきもち焼きで独占欲が強い。オレも、そういった感情は持ち合わせているが、アイツが先回りして気を使ってくれているのだろう、滅多なことでは沸点に達する事がない。
だが、オレのほうはどうも、気づかないところでアイツの感情を逆撫でしているらしい。
だからたいていは、後になって「あ、もしかして」と思い当たる節があるのだが、あのときばかりは、まったく心当たりがなかった。

あの日――。

夏真っ盛りの猛暑だった。まぶしい太陽が地を焼き、森のなかさえ草いきれでむせ返るほど。
なのに確か前日が立秋とか。こんなに暑いのにバカバカしいと笑いながら、見上げた空には確かに秋に見られる巻雲があったのを覚えている。

ちょうどオレの隊は里内の警備に当たっており、セルはオレと鳥面、アイツと虎面。
このセルは毎度決まっているので、この組み合わせが問題だったはずはない、と思う。
そして彼らが戻ってきたとき、オレは鳥面のヤツと詰め所にいた。と言っても、別に鳥面と話をしていたわけではない。鳥面は暗器に関する書物を読んでいて、オレは読みかけのイチャパラを顔に載せて居眠りをしていた。
夜の警備の隊も、アイツと虎面が戻ったあと詰め所にやってきたので、彼らが戻ってきたときには鳥面と二人。そして直後、夜の警備の隊が来たので、異常なしの報告と申し送りをして、オレの隊は解散、という流れだった。
だからとオレも着替えて、暗部棟を後にした。翌日は待機と言う名の休日だったから、当たり前のように一緒に過ごすだろう夜に少しばかり気持ちと身体が高揚していたのも、これまたはっきりと覚えている。
「今日は、どうします?」
とアイツが聞いてきたのも、オレと同じ気持ちだったからだと思うのだが。
「そうねぇ、外メシ? 内メシ? どっちがいい?」
とオレが答えたあたりから、空気が不穏になった。
いや、もしかしたら棟を後にした時から不機嫌だったのかもしれない。
「先輩はどちらがいいんですか? ボクがメシ作りますか? って言っても、あなたがメシ作ることってないですけどね」
「……おまえは何、食べたい?」
「天ぷら」
「え?」
「って言ったら、付き合ってくれますか?」
妙にとげとげしい、いや、奥歯にもののはさまったような、というのがピッタリのの物言いに、オレも正直、イラッときた。
「いいよ。付き合うよ、たまには天ぷらだって食べたいよな」
それでも最大限、譲歩したつもりだった。なのに、アイツは。
「もういいです」と言って、スチャッときびすを返したのだ。

オレのほうはあっけにとられ、振り向いた瞬間、アイツの背中が消えた。
路上でぼんやり突っ立っている上忍というのも間抜けな図だが、あのときのオレがまさにソレだ。
「なんだ、ありゃ」
と、口に出したのも覚えている。

1週間ぐらいで機嫌は直ったようだったが、微妙にへこみ気味だった。
理由を聞いても教えてくれない。
だがオレも、一応は考えた。
付き合いも馴染んでくると、ついわがままが出る。気の回るアイツに甘え過ぎていたかも知れない。
そうでなくても、自分が年下で後輩だからと、一歩ひいたところのあるヤツだ。恋人同士なのだから関係ないとは思うものの、そんな心配りが妙に居心地いいのも事実だった。
そういえば最近、メシ作ってくれるのはいつもアイツだっけ、とか、外メシにも連れて行っていなかったっけ、とか、いやそれ以前に、アイツが里にいると家に入り浸りで上げ膳据え膳じゃないか、とか、心当たりばかりが、ぞくぞくと出てきた。
ベッドのなかでは、もちろんご奉仕もすれば要求にはなんでも応えるオレだが、それだけですむなら、プロの女性のほうがずっといいだろう。
こんなんじゃ恋人として失格だ、と反省したものの、挽回の機会もないまま9月に突入し、アイツは1ヶ月余りの里外勤務に就いた。
もどってきたのが10月半ば。
そこでオレは、遅ればせながらの誕生日祝いと言って天ぷら屋に誘ったのだった。
が、ヤツは妙な顔をした。

それはそうだろう。
今まで誕生日祝いなどしたことがない。たまたまその前後にどちらかに任務が入り、祝う機会がなかったからでもある。だが、挽回といったらそれぐらいしか思いつかなかったのだ。情けない事に。

「天ぷら。食べたいんだったら、オレに遠慮しなくていい。誕生日なんだから」
「いえ、別に。特に天ぷらが食べたいわけでは……」
「じゃあ、何が食べたい?」
と尋ねた後、アイツが答える前にあわてて釘を刺す。
「オレってのは、なしだ」
「え〜」
と苦笑するのに、
「どっちにしろ食べるんだから、それじゃ祝いにならないでしょ」
と答えた。
「どっちにしろ、食べていいんですね」
ウフウフという笑い声が聞こえそうなほどニンマリするヤツは、なんだか可愛い。こういうところ、けっこう無防備なんだよな、とオレは思う。
微妙に歳の差を感じ、それがまた愛おしさを後押しする。

「もし、なんでもいいんでしたら」
そう前置きして、は
「クルミ」
そう言った。
「クルミって、クルミ?」
「はい」
「えっと……」
「アレって、いきそうなときの先輩の玉に似てますよね」
「はぁ?」
「ですから」
「いや」
「似てますよ」
断言されて、オレは言葉を失った。
「冗談です」
「え?」