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 お婿にいった四+カカのお話
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2008年11月17日(月)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 32) Side K


「くそ!」
気づいたら、オレは跳んでいた。
同時に鎖分銅を投げる。

戦闘のさなか、切迫した状況下での、らしくもない、テンゾウが見せた隙。
そこを、敵が突く。
強力な結界をまとった腕が――。

腕だけが、テンゾウに迫る。

「なに?」
結界ごと腕を絡めとろうとして、引っ張られる。
なんだ? これは。この術は……。
周囲の時空が歪んでいるのか?

ぎゅん、と写輪眼を回す。

間違いない、時空が歪んでいる。
あの腕に捕らえられたら。
テンゾウは――。

ざ、と血の気が引き、総毛だった。

渡してなるものか。
オレのテンゾウを。
テンゾウの命を。

間に合え!
間一髪。

「退け!」
叫びながら、オレは鎖を引く。
ぐんと手応えが返ってくる。
1秒でいい。時間をくれ。

指先がまさに喉にかかろうとする刹那。
テンゾウが身をかわした。

オレは鎖を放す。
加速した腕は、そのまま木の幹にぶつかり、抉り――消滅した。
オレの鎖分銅もろとも、消え去った。

ゼイゼイと、己の呼吸が煩い。

別の木に飛び移ったテンゾウが、呆然と抉られた幹を見ていた。
無意識にだろう、喉元に手を当てている。
テンゾウの替わりに傷つけられた樹木が、ゆっくりと傾いていく。
ミシともバキとも聞こえる音が、まるで断末魔の叫びのようだった。

「先輩」
テンゾウが隣に立った。
「あれは?」
「ごく小さな時空の歪みを強制的に作る術、だろうね」
「血継限界?」
「ああ、おそらくは」
「恐ろしい……術ですね」
そう、恐ろしい術だ。
たとえ、ひと一人を引きずりこめなくても、身体の一部でも異次元に飛ばしてしまえば、致命傷となる。
特に、あの腕が狙っていたのは……。

「ありがとうございました」
テンゾウの声がかすれている。
「あやうく……」
「もういい」
オレは謝罪の言葉を遮った。
「敵の身柄確保と遺体の回収が残ってるでしょ」
「はい」
「オレもう、余力ないから。力仕事は任せたからね〜」
ひらひらと手を振ってやる。
「はい」
短い答えを残し、テンゾウが消えた。
いつもなら突っ込みが入るところなのに、余程、堪えたのだろう。

この空間から抉り取られたのが、テンゾウの首でなくてよかった。
心の底から、そう思う。

酷使しすぎたのか、熱を持ち始めた左目を額宛で押さえ、オレは尾根を反対側に下った。

脳裏には時空を歪めながら飛ぶ腕の映像が焼きついている。
あの腕は結界に守られていた。だから周囲の時空の歪みに呑み込まれずに移動できたのだ。
あの結界こそが、血継限界なのかもしれない。
なぜなら、オレの左目は時空の歪みが作られていく過程を記憶に刻んでいた。
だとしたら。
あるいは……。
いや、今は――任務を無事終えることが先だ。

村長と、四方の守り番の長が守る時空の歪みにたどり着く。
傍らにハギがいた。その隣に、まるでハギの息子のようなハギの父の姿。
「終わりました」
村長が頷く。
「無理を聞き入れていただきました」
いえ、とオレが答えると、村長はハギの父に向き直った。
「よろしく、お頼み申します」
ハギの父は「かしこまりました」と頷き、ハギを見た。
「立派に成長したお前と会えるなど、望外の幸せであった」
「いえ。私のほうこそ。どのような姿でも、父上は父上でございます」
「……おろかな父を許してくれるか?」
「許すなど」
ハギの声が震える。
「私や母上のことを考えたすえのことでございましょう? この村に来てからの私の人生は、幸せでございました。このまま静かに、ここで生を終える……それが私の望みでございます、父上が困難の末に与えてくださった、私の人生でございます」
「そう……そう思ってくれるか」
ハギの父の問いかけに、ハギが頷く。
「父上も息災に」

四方の守り番の長たちが、結界を解き、ハギの父が印を組む。
「さらば」
語尾は、遠い空に掻き消えていった。

「ハギの父は、後世に因縁が残らぬよう、捨てられた家族の面倒を見ることを約束してくれ申した」
村長が問わず語りに告げる言葉に、オレは思わずハギを見た。
ハギは、じっと時空の歪みを見つめている。
その胸に去来するのは、どんな思いなのか。

時を戻すことができるなら。
あるいは、早送りして未来を覗くことができるなら。
それは、叶うことのない望みだからこそ、希望となりうる。
実際に、時が巻き戻ったり、早送りされたりしたら……その分だけ、きっとひとは傷つくのだ。

「捕獲および、回収完了しました」
たわめた材木に簀巻きにされたかのような、4名の遺体と4名の捕虜を伴って、音もなくテンゾウが姿を現わした。
さすがに、隠し切れない憔悴が彼の顔に影を落としていた。