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 お婿にいった四+カカのお話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

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4話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2008年11月01日(土)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 30) Side K


ザッとテンゾウが、枝を蹴る。
オレの右手、斜め後方――正確には、3時半の方角に移動するのを確かめた。

これは、暗部時代オレが先陣を切って複数いる敵を追い込むときに、よく使っていた陣形だ。
相手も腕の立つ忍の場合、やはり利き腕側とそうでない側というのは対処に差が出る。だから通常なら左側が手薄になるのがセオリーだが、オレの場合、写輪眼を使うときは右目を閉じることが多いので、右側が手薄になる。
3人以上のセルの場合は左右についてもらうのだが、2人のときは右についてもらうのが常だった。
オレよりもやや後方に位置するのは、テンゾウがオレよりも広い範囲の敵を瞬時に捉える術を持っているからで、こういうときの彼は攻撃はオレに任せフォローに徹してくれる。
まだヤツらに大技を仕掛けられると不利だ。長たちは、背後、しかもオレたちより低い位置にいる。
早く尾根を越えて、背後を気にせずに相手を捕獲することに専念したい。そんなオレの意図を汲んだうえで、テンゾウが動いていることもわかる。
これが、目立ちたがり屋だったり、短気だったりすると、追い込むよりも先に攻撃を仕掛け、結局、戦闘をムダに拡大し被害を大きくするだけ、なんてこともあるのだが、テンゾウは決してそんなことはしない。
オレもあいつを信頼しているから、いちいち細かい指示は出さなかった。
彼自身が部隊を率いるときは、当然、違う戦法を取ることもあるだろうに、オレと組むときは、こうやってオレのやりやすいように動いてくれる。そのことに、オレは素直に感謝する。
そして、暗部のトップになってもそれのできるテンゾウを、ある意味、尊敬もする。

「このぉ!」
このままでは形勢不利を悟ったか、4人が防御する形でひとりが印を組み始めた。
土遁だ。オレの知らない印だが、もちろんすかさずコピーする。
ここで、このタイミングで仕掛けてくるのだ。相当、大掛かりな術だろうし、だとするとそれなり印も複雑になってくるはず。そこにスキが生じる。
「え?」
オレが寸分たがわず同じ印を組むのを見て、防御している忍の間に動揺が走った。
「なに? おまえ」
ほんとうは、多少、オレのほうが印を組むのが遅れているのだが、こういうとき人間というのは不思議なもので、相手が自分と同じ印を組んでいることに、より強く関心を払い、多少の遅れには目を瞑る。
「どうする? 先を続けるか?」
自分たちがかけようとしている術を知っているだけに、同じ術を返されることに怯える忍も少なくない。
彼らもそのタイプだったらしく、術を発動しないまま今度は走る速度を上げた。
もちろん、引き離されたりなどしない。もっと接近することも可能なのだが、わざと一定の距離をたもっているのだ、こちらは。

「見事な、ハッタリ」
ボソ、とテンゾウが呟く。
はは、とオレは笑い声だけを返した。
ヤツのこういう冷静なところも、けっこうオレは気に入っていたのだ。
盲目的にオレに従うのではなく、オレの姑息な手をわかっていて、それでもオレを司令塔と決めたら何があっても――たとえテンゾウ個人としては、納得いかないことがあったとしても、従ってくれる。

記憶に欠落があろうと――。
やはりテンゾウはテンゾウだ。

時空の狭間にいたとき、テンゾウはまるで欠落した記憶を埋めるかのように「好きだ」と告げてきた。
オレはまず動揺し、次に、揺らいだせいで生じた隙間に何かが満ちてくるような、満足感を覚えた。
付き合い始めたころ、互いに若かったテンゾウとオレは、「好き」と言葉にするのが照れ臭くてしょうがなかった。
あんなに好きだったのに。なぜか、素直に好きとは言えなかった。
それはテンゾウも同じだったようだ。もっとも、あいつの場合、自信のなさ、というか、遠慮深さ、というか、後輩という立場上、というか、そんな諸々が影響していたようだが。
要するに、気持ちを伝え合ったうえで付き合い始めた、などという、悠長な「お付き合い」ではなかったのだ。
若かったオレたちは、そんなことよりも互いの身体に夢中になった、とも言える。もちろん、それがすべてではないが、そういう面も少なからずあった、ということだ。

だから、律儀に「好きだ」と告げてきたテンゾウが、ひどく新鮮に思えた。
あの村でテンゾウに与えられた家で、闇雲にオレを求めてきたテンゾウに感じた新鮮さと、それはどこか共通していた。

この任務のため、オレとの個人的な関わりに関する記憶を封じられたことには、本音を言えば、腹が立った。
というより……こんな言い方はしたくないのだが、正直……つらかった。というのも、オレとの記憶を消されたということは、要するに、オレたちの付き合いは、里にとって好ましくない、ということを意味するからだ。
ああ、やっぱり、と思った。やはり、歓迎されないのだ、と。もちろん、仕方ない、という理性も働いた。
だが「好きだ」と告げてきたテンゾウに感じた「新鮮さ」は、こうしたオレの感情をすべて覆って塗り替えるにも等しい「新鮮さ」だった。
いつも紳士的で、決してオレに無理強いしないテンゾウのことが好きだった。
けれど、獣じみた欲情とともにオレを求めるテンゾウを初めて知って、オレは驚くとともに、テンゾウの想いの深さを実感した。
――こんなにも、オレを求めてくれるのか。
そう思ったら、記憶の欠落などチャラにしてもいいとさえ思えたのだ。

オレたちが共に過ごした時間を忘れさせられたテンゾウであったとしても、オレはテンゾウが好きで、テンゾウもオレを好いていてくれるのだから、もういい。そう思ってしまった。
ここから始めても、いいじゃないか。
それに、運良く二人とも生きながらえ長生きしたら、いずれ失くした記憶も戻ってくるかもしれない。
あるいは、そのころにはなくした記憶よりも、もっともっと長い時間、共に過ごした記憶が刻まれているのかもしれない。

テンゾウがテンゾウである限り、オレは……。
オレはテンゾウが好きで、テンゾウもオレを好きで。
それ以上、いったい何を望む?

視界から、敵の姿が消えた。
ヤツらが尾根を越えたのだ。
「仕掛けてくるよ」
オレが声をかけると、テンゾウが「はい」と答える。
直後、尾根にさしかかったオレ目がけ、千本の嵐が吹き上げてきた。
おおっと。これはすごいかもしれない。
以前、雨のように千本を降らす術を持っていた忍がいたが、下方から吹き上げてくるというのは、インパクトが大きい。
だが、それらもテンゾウの木遁にはばまれる。
さらに高く跳躍したオレは、高みから水遁を仕掛けた。
このあたりはちょうど、抜け忍の村の発電所の真裏に当たる。
向こう側に滝となって注ぐ水があるなら、こちら側にも水脈があるだろうと思ったのだが、予想通り、鉄砲水のような水流がヤツらに襲い掛かった。
「く!」
間一髪で、ひとりが結界を張った。
ザァと音を立て水が引いた後には、お椀を伏せたような結界だけが残った。
写輪眼でも、中は良く見えない。だが、チャクラの流れは荒れた画像のようではあるが、かろうじて確認できた。
「2人……か」
3人は流された、ということだ。結界を張ったヤツが守っているのは、おそらく頭だろう。

尾根に生えている木の枝に立ったオレの隣に、テンゾウがタンと上がってきた。
「やりますね。かなり強固な結界だ」
「結界専門の忍かなぁ。特別上忍ぐらいの力量はあるね。あれを破るのは難しいでしょ」
「抜かりなく地面も覆ってますから、土遁も効きませんし、地中から木遁で攻めるのも無理です」
「だねぇ」
「どうします?」
「ん〜。どうしますかねぇ」

2対2。

あれが頭だとすると、先ほど土遁の大技を仕掛けようとしたヤツかもしれない。
だとしたら……。
結界をずっと張っているわけにはいかないだろうが、地面に接する面だけでも結界を解けば、土遁は可能だ。

――持久戦といくか。あるいは、誘導して、早く決着をつけるか。とすると、どうやって?
オレは、ところどころに紅葉が見え隠れする山を見回した。