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 お婿にいった四+カカのお話
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   ぎむれっと-40話 -キリリク話
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2008年10月18日(土)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 28) Side K


「ねえ、カカシ。時空間忍術ってのは、時空の狭間をちょっと間借りしているようなものなんだよ」
おそらくは、ここが時空の狭間なのだろうと思しき空間に放り込まれたとき、オレが最初に思い出したのが先生の言葉だった。
この任務を受けた最初のころにも、同じ言葉を思い出した。
こうしてみると、オレにとって先生の、あの時空間忍術というのはひどく印象深いものだったのだろう。

子どものころ、時間と言うのはまっすぐに続いていく道筋のようなものだと思っていたし、実際そうだった。退屈すればノロノロと感じるし、逆に何かに集中しているビックリするほど早く過ぎる、だが、それは本人の感性の問題だ。それぐらい、どんなガキだって知っている。
だが、先生が使う時空間忍術は、オレのそんな”時”に関する常識を軽く覆してくれた。
当時は、そんなふうには思わなかったが、オレにとっては一種のパラダイムシフトだったのだろう。
ところで、“空間”のほうにはとんと無頓着だった、と気づいたのは、つい今しがた、だ。
正直、笑える。

ここで、時、というのは、何かと比較しないと感知できない。
だが、この空間はオレたちが普通に暮らしている世界とは、まったく相を異にしている。
文字通り、次元が違うのだ。
テンゾウの気配も、敵の気配も感じるのだが、方向がまったく定まらない。
ここに飛び込んだら、オレが入り口を封印することになっていたのだが。

「時空間忍術はね、カカシ。本来、禁忌の術なんだよ」
これも、師の言葉だ。しかも、やはり、この任務を命じられたときに思い起こした。
時空間忍術がタブーなら、それを利用した作戦もタブーということにならないか?
今、ここで術を使うのは、危ないかもしれない。

タイミングを見て、抜け忍の村の東結界近くにある時空の歪みに施した封印を、一時開くことになっている。
そうやって、やつらを誘い込んだうえで捕獲する。だから、道が開かれるのを待てばいいのだが。
ここにいる者が感知する時間と、本来の世界にいる者が感知する時間とは、おそらく一致していない。
やつらも、何かをなすすべは持っていないだろうが、この”間”を考えに入れてなかったのは、正直、浅薄だった。
たとえ、これが現時点での最善の策であったとしても、だ。

オレは身構えた。
敵に向かってではない。
強いて言えば、この空間に向かって、だ。

しばらくして、空から降ってくるかのようにテンゾウが姿を現わした。
オレの視点を基準にすれば、逆立ちをしている格好で。
「ああ、やっぱり先輩だ」
言っていることが意味不明だ。
「たぶん、敵も姿を現わしますよ」
そう言うとテンゾウは、ヨッと掛け声をかけくるりと反転した。
「なんなの、それ」
問うと、眉間にしわを寄せた。
「説明するのは難しいです。ただ、上下も左右も定かではないこの空間が、先輩を基準に安定し始めている、とでも言えばいいでしょうか」
「何、オレが座標軸なの?」
オレの言葉に、テンゾウはポンと手を叩いた。
「座標軸、なるほど。いい事を言いますね」

直後、たくさんの気配が足元から湧いてきた。

「おまえ」
「なんだ、何をした?」
地面から生えてくるかのように、空間から顔を出した男たちが口々に言い募る。
「や、オレは何も」
「んだと!」
叫んだ男の姿が遠のく。
「先輩に反発すると、ああなるみたいですね」
みたいですね、って、おまえは何、達観してるの、とテンゾウに聞きたい。
だが、確かにテンゾウの言うとおり、オレと肩を接するほどに並んでいるのはテンゾウだけで、やつらはオレを基準にして下から顔を出したり、上から腕を突き出したり、横から背中を見せたりしては、遠ざかっていく。

「これじゃ、何をどうしようもないですね」
苦笑するテンゾウに、オレも苦笑を返す。
気になるのはハギの父のことだけだが、彼の気配もこの空間内にあるのは確かだった。
おそらく、事態を静観しているのだろう。
「ここから、出られるんでしょうか」
不安のかけらも感じさせない声で、テンゾウが問う。
「出られるでしょ? ただ、オレたちの体感している時間が、外とは違っているみたいだから。いつ、とは言えないけれど」
はは、とオレが笑うと、テンゾウも笑った。
ここで笑えるのは、テンゾウぐらいのものだろう。つくづく、肝の据わったヤツだと思う。

「こんなときに、なんですが」
テンゾウがオレを見る。
「ボク、先輩が好きです」

はぁ?、とオレは間抜けな声を出しそうになった。
いまさら何を、いや、このテンゾウは覚えていないんだっけ、オレとのことを。
一瞬、混乱しかけ、ああ、でもこのテンゾウもオレを抱いたんだ、と思い出した。
そう、まるで獣のようにオレに挑んできたのだ。

オレが応えずにいたからだろう。テンゾウはオレから視線を外した。
「いつまでここでこうしているのかわからないので。後顧の憂いはなくしておきたいんです」
「憂い?」
「ええ。甘いと言えば甘かったんですが、正直、こういう事態は想定していませんでしたから」
「ま、そうね。オレもちょっと甘く見ていたかもしれない」
「だから。この先、何が起きても後悔しないように、言っておきたかったんです」
ふっとテンゾウが息をつく。もしかして、柄にもなく緊張していたのか?
その割に、妙に冷静な……いや、テンゾウらしいといえば、らしいのだが。
「や、迷惑ってことは、ない……ないよ」
オレは、自分の言葉が次第に小さくなるのに気づいていた。
迷惑なわけ、ないでしょ? オレたち、ずっと恋人同士だったんだから。
そう叫びたいのを、かろうじて堪える。

初代様の術は封印することができたが、記憶のほうは封印するわけにはいかなかったのだ。
そうしたら、ただの記憶喪失の男だ。
だから、オレとの記憶だけが……。
オレは左目を抑える。
――そんなにまで、大事か、この目が。
オビトの目でなければ。こんなもの、うちはのだれかにくれてやってもよかったのだ。
だが、そのうちはは、今、だれも里にいない。イタチは暁に。そしてサスケは大蛇丸の元に。
皮肉なものだ、と思い、ふと……ほんとうに、「ふ」と、なのだが。
ものすごく、いやな想像が脳裏を掠めた。

まさか。
オレという写輪眼の適合者が現れたから、うちはは不要になったのか?

警務部隊を率いていた彼らと木の葉の里の中枢部が、常に友好関係にあったわけではないのは、オレも知っている。どちらかと言えば、狐と狸の化かしあいに、近かったと言った方がいいかもしれない。
それでも写輪眼は、里にとって至宝だった。
だが、そこに、オレという存在が現れた。
一族以外で、写輪眼を持つ者……一族内でも、開眼した写輪眼の移植は無理と言われていたのに、だ。
日向一族の白眼と異なり、写輪眼はうちは一族ならだれでもが開眼しうるものではなかっただけに、オレの存在は一族にとって脅威となった。
だからこそ、ずいぶんと迫害もされた。
もし、イタチが一族を抹殺しなければ、今ごろ抹殺されていたのはオレのほうだったかもしれない。
だからこそ、の疑惑――もし、そこに里の意志がかかわっていたのだとしたら。

「すみません、こんなときに」
オレの沈黙を誤解したテンゾウが、詫びる。

ああ、こいつがいた。
こいつもまた、数奇な運命を背負っている。
「テンゾウ」
「はい」
オレの呼びかけに、彼が答える。
その茶褐色の双眸に、心がかき乱された。
任務中なのに、と頭の片隅で思いながら。
オレは。

テンゾウの背に両腕を回し、抱きしめていた。