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 お婿にいった四+カカのお話
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   ぎむれっと-40話 -キリリク話
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2008年10月17日(金)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 27) Side T


偵察を終えた木分身を消す。
ボクは、カカシ先輩の言葉に、ごく自然に木分身を出し、彼が役目を終えると、ごく自然にそれを消していた。
そう――これはボクの術だ。
先輩と再会したとき、「拘束!」という言葉に反応して組んだ印も、木遁だったのだ。
そういったことは、村長がボクの封印を解いたとき、すべて思い出した。
今回の任務を受けるとき、初代様から受け継いだ能力を封印したことも含めて。

だけど。
まだ、何か……。
それだけでなく……。

「では、陽動と、行きますか」
先輩がのんびりした声で告げる。
まるで、昼寝でもしましょうか、と言っているかのような、そんな雰囲気だ。
だが、これがこのひとの持ち味なのだ。どんな局面にあっても、たいていは、こんなふうにノホホンとしている。
戦闘のさなかにあっても、先輩の殺気を感じることは少ない。気配もなく鮮やかに、敵を倒す。
倒された相手は何が起きたのかさえわからず事切れただろう、と思うことも多い。
そういえば、先輩は「コピー忍者」と呼ばれるほど多くの術を会得しているが、一対多数で瞬時に決着をつけなくてはならない場合や、相手の力量が高く術と術のぶつかり合いになった場合以外は、戦闘のための術を使うことは少ない。
かく乱のために忍術を使うことはあっても、標的を倒す場合は、音もなく懐に飛び込んで首をかき切ることが多かった。
「明らかに、忍にやられましたよ〜、って状況を残すのは、よくないでしょ」
よく、そんなふうに言っていた。
そんな先輩が雷切を使うのは、大掛かりな戦闘の流れを変える一撃が必要とされるとき。
あとは、そう。
……仲間を守るとき。

「打ち合わせどおりに」
ハギの父は軽く会釈をすると、走って藁葺きの家の一軒に向かった。
ボクと先輩は、ヤツらが時空を越えようとせず村の中に逃げようとした場合に備え、森とは反対側に移動する。
ハギの父が一軒の戸をトンと叩くと、明かりがついた。
「おお、どうした」だの、「何かあったか」だのといった言葉が飛び交い、彼は家の中に姿を消す。
この距離なら中の声も聞こえるのだが、あいにく向こうもそこまで無防備ではないらしい。
そう思いながら目をこらしたとき、先輩が「来るぞ」と鋭く声をかけきた。
鼻だけでなく、耳も滅法いいんですか、先輩は? と思いつつ、身構えた。
「動くな」
低く、命じられる。
ダン、と戸が開き、ひとりが飛び出してきた。
キョロキョロと周囲を見回しながら、固まって建っている他の3軒の戸を叩く。それぞれの家から、人が出てきた。
――あれが仲間か。
3軒から出てきたのは成人の男ばかり、4人ほど、呼びかけた男を入れて5人。
敵の中心となる人数は8人、と長は言っていた。残り3人は、先ほどハギが入っていった家にいる可能性が高い。
あとは、女、子どものなかに、戦闘要員がどれほどいるか、だが。
今回の作戦では、敵に感づかれることさえなければ数に入れなくてもいいはずだ。

5人が散ったのに反応しかけると、闇の中から先輩の鋭い制止が飛んできた。
「無闇に動くな」
やがて、5人が森の方角から戻ってくる。
ひとりが、「大丈夫だ、追っ手はいない」と言うのが聞こえた。
時空の歪みまで偵察に向かったらしい男たちは、ハギの父が入っていった家に向かう。
あの家が、頭なのだろう。それぞれが吸い込まれるように扉から入る、とピタリと閉ざされた。

「テンゾウ」
しばしの後、呼びかけられた。どこかのんびりした、いつもの先輩の声だ。
「いざとなったら、あの家をそっくり覆ってくれる?」
「家ごと、ですか?」
ボクは広さと高さを目算する。そして、己のチャクラ量と照らし合わせる。いける……だろう。
「できるよね」
「はい」
ふふ、先輩が笑う。
「ほんと、頼りがいがあるよね、テンゾウは」

先輩はボクが長年、知っていた先輩のままだ。この緩急の差も含め、変わっていない。
……はずなのに。
ボクは闇を透かして、その先に焦点を合わせる。
よく見知った先輩がいる。もっとも今は、正規部隊の忍服を着ているので、暗部装束を見慣れた目には違和感があるのは事実だ、
だけど……。
ボクが感じている違和は、そのせいなのだろうか。
たとえば、危険を伴った勘――先輩と見えたのが変化した敵だったり、先輩自身がケガをしているのを隠して元気そうに振る舞っていたり、という勘が働いているのだとしたら、違和もわかる。
だが、そういったものではなく、なんとなく座りの悪い感じ、とでも言えばいいのか。

もしかして、先輩を抱いてしまったから。
だから、だろうか。

自覚したばかりのこの想いを、正直、ボクは棚上げしている。
それどころではない、のは事実だ。
先輩が好きなんです、先輩はどうなんですか? などと問えるはずもない。
そして、先輩とボクの間に事実としてあるのは、情動のままに衝き動かされた結果の“行為”だけだ。
ボクが後腐れのない関係を望んでいるなら、むしろ幸運かもしれない。
このまま放っておけばいいのだ。緊迫した特殊な状況のなかで起こった、一過性の出来事ですませられる。
だが、ボクのこの想いに偽りなどない。
それでも、状況を見れば、お互いに“処理”だったといわれれば、それまで。
そんな宙ぶらりんなまま。

だから、違和を覚えるのだろうか?

いや、何かもうひとつ、霧が晴れないとでも言えばいいか。
封印が解かれたときの、何かが解きほぐされていく感覚が、完結しないまま、とでも言えばいいか。

そんな思念を抱きながらも、もちろんボクの意識は四方を警戒し、前方の家を監視していた。
――動く!
扉が開き、男たちが森へ向かう。
しんがりと勤めるハギの父が、チラとボクらのほうに視線を寄越した。
ボクは気配を消して、男たちを追う。先輩の気配は完全に消えていて、もうボクにも察知できない。だが、同じように男たちを追っているのは確かだ。

ひとりの男が印を組み、道を開く。
彼らの姿が、森の闇に飲まれていく。
ボクはその残像に向かって走る。

ぐわん、と周囲が歪み、身体ごと引っ張れた。
先ほど、この森に飛んだときと同じだ。
だが早回しの景色は見えず、無彩色の濃淡の渦のなかに立ち尽くす自分を感じた。

「なんだ」とか「どうした」と言った声が渦の上方から聞こえる。
ボクのイメージでは、細長いトンネルのような場所だったのだが、どうやら時空の狭間とは、そういうものではないらしい。

どこに座標軸があるのかわからない、広さも不明な空間。
投げ出された先は、そこだった。
先に飛び込んだ“敵”の姿も、先輩の姿も見えない。

――なんなのだ、ここは?