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 お婿にいった四+カカのお話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


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 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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  La recommandation
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2008年10月12日(日)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 26) Side K


「ご武運を」
ハギがオレたち――ハギの父、テンゾウ、オレを見る。
そして、四方の守り番の長たちが、オレたちに続く。
結界が開き、7人が外へ出ると、閉じた。眼前には、もみじの紅が美しい深い森が広がるばかり。
この先に村があるなど、だれも思わないだろう。
もちろん迷い込んでも、そのまま結界の外に出てしまう。西か東から入れば北の結界の外へ、北から入れば西の結界の外へと誘われるようになっているそうだ。
ほとんどいないが、南に広がる湖から舟で近づく者も、気づくともとの岸に戻される。
閉ざされた村――だが、そこにも人が在る限り、因縁は生じる。

「では。行きます」
写輪眼で捕らえた時空の歪みに立った。
今、ヤツらは本拠地とも言える40年ほど前のとある地点にいるという。
首謀者が、この組織の母体を作ったのは15年ほど前、つまり忍界大戦の末期のことらしい。
当初は大戦で疲弊した里へ、戦火の影響を受け働き場所を失くした一般人のなかから下忍程度にはなれそうな資質をもった人材を斡旋する、言ってみれば人材派遣業のようなことをやっていたらしい。それがどのような変遷を経て、こんな犯罪組織になってしまったのか。
詳しいことはハギの父も知らないと言う。ともかく、はっきりと人身売買に関わり始めたころ、彼らは本拠地をさらに過去に移したそうだ。
40年前といえば、まだ世情も落ち着かなく、地域によっては土地やひとの記録も整っていない時代だ。だからこそ、彼らにとって好都合だったのだろう。
里の追っ手との交戦中、彼らと行き会ったのが、ハギの父にとって幸いだったのか、不幸だったのか。死ぬはずの命を助けられ、しかし否応なく犯罪に手を貸すことになった。

これから、ハギの父によって本拠地への道を開いてもらう。
オレがやってもいいのだが、本拠地の正確な時代と位置を把握している彼にやってもらったほうが、間違いない。そして道が開くと同時に、ここからその道までをも封印する。そのための4人の守り番だ。
それによって、本拠地からはここへ通じる道しかなくなり、しかも、ここは行き止まり。
つまり、ヤツらの動きを封じることができる。
オレの任務は、ヤツらの拘束。最悪、命は保証しなくてもいいことになっている。
抜け忍の村にとっての急務は、過去から続くこの因縁を断つこと。今は結界に守られているとはいえ、抜け忍の村、などという「おいしい」話を、彼らが簡単に諦めるとも思えない。いつまた、標的にされるとも限らないのだ。

両者の利害が一致したのが幸いだ。
と言うか。
おそらく、五代目は予測していたのだろう。
こうなることを。

オレの任務と、テンゾウの任務が、こうして交錯することを。

賭け事には滅法弱いくせに、こういう読みに関しては恐ろしいほど当たるのだ。
だからきっと、これは五代目の筋書き通りの展開なのだろう。

すっとハギの父が、背筋を伸ばし、印を組む。
まだ、若い。ちょうどテンゾウぐらい、だろうか。
でも背景となっている時代が異なるせいか、若いけれど、今の同世代とも違っている。
三代目が若かった頃は、こんなだっただろうか、などとふと思う。
ぐらり、と身体が傾くようなひっぱられるような感覚と共に、周囲の景色が歪んだ。
早回しの映像を見ているような感覚も、すっかりお馴染みだ。
平衡感覚が戻ってくるのと、森のなかに立っているのに気づいたのが、同時だった。

「ここは?」
なんとなく見覚えがあるような、ないような、と首を傾げるオレに、ハギの父は首を振った。
「自分は、ここからは時空を飛ぶことしかしていませんので、ここがどこに位置しているのかは、実は知らないのです」
「ここでは、いつもどうしていたんですか?」
「この森を抜けた先に家があり、ここと家の間を移動するだけです」
「家がある、つまり家から出ることは、この森に来る以外にない?」
「はい。おそらく逃亡を避けるためでしょう。もといた時代に、近いので」
それでは、ほとんど軟禁状態ではないか。
「もっとも移動した先では、比較的自由に動く時間も与えてもらいましたが」
言い訳するように付け加えられた言葉が、いっそ虚しい。そうやって、いいくるめられていた、ということではないか。まあ、そうはいっても、彼の時間軸では2年あまりのことなのだ。
「もしかして」とテンゾウが口を挟んだ。
「あの、抜け忍の村に行ったことがありますか?」
はっとしたような顔をし、彼は視線を伏せた。
「はい。妻に……どうしても会いたくて。会って告げなければ、と……。1年ほど過ぎたときに、別れて10年後の時代に移動したことがあったので、時間を作って」
やはり、と呟くテンゾウは、何か符号する事実を知っているのかもしれない。
「妻は驚いていましたが、私が生きていることを喜んでもいました。二度と会えない、いや会ってはいけないだろうけれど、私は元気にやっているから、と……妻は、私よりも年上になっていましたが、私が知っている妻のままでした」
消え入るような声で、彼が告げた事実に、オレは思う。
彼は、短い間におそらく何十年分もの苦悩をしたのだろう。彼の佇まいが異なっているのは、そのせいかもしれない。
だが、今は感傷に浸っている暇もなければ、人間の生と時間に関する哲学的考察にふける余裕もない。

「計画どおり、この時空の道筋にヤツらを誘い込む」
オレの言葉に、ハギの父とテンゾウが頷く。引き結んだ口元が、二人の緊張を表していた。
この時代、ハギの父が知る限り、ここ以外に時空を越える道を彼らは持っていない。
だからこそ、の計画だ。
向こう側は行き止まりだから、こちら側をオレたちがふさげば、ヤツらに逃げ道はない。
誘い込む役を、ハギの父にやってもらうことになっている。
「とりあえず、偵察ですかね」
テンゾウを振り返ると、木分身を一体、繰り出した。

あうんの呼吸で事が運ぶのは嬉しいのだが、封印を解かれた彼は、なんだかふてぶてしく思えてならない。いや、見方によっては頼もしいとも言えるのだが。
オレの知っているテンゾウとは、やはり、どこか微妙に違っていた。
だが、今はそんなことにかまけている場合でもない。
オレたちは、瞬身で姿を消した分身のあとを追うように、慎重に歩いて森を出る。
「ん?」
やつらの本拠地らしき藁葺きの平屋を前に、オレはまた既視感に襲われる。
「ちょっと、ごめんね」
断りを入れてから、周囲を見回し、結局、森の木の上に立った。
やはり、そうだ。
ここは、あの「ときわの森」だ。
家々の様子は、少し違うが、地形といい、風景といい、あの村だ。
ただ、オレが飛んだことのある33年前よりも、どことなく荒れた感じがする。
40年前といえば、火の国と雷の国との関係がこじれていたころ。このあたりを境にして領土争いが繰り返され、この村は下手をすると数ヶ月単位で、火の国になったり雷の国になったりしていたはずだ。
――荒廃は、そのせいか……。
歴史に翻弄された村だから、ヤツらも本拠を構えやすかったのだろうか。
あるいは、首謀者のだれかがこの村の出なのかもしれない。

「みな、寝ています」
分身のテンゾウが戻ってきて報告する。
「どう? 抜け忍の村を襲ってきそうな準備はしているみたいだった?」
分身は、「特に、戦闘準備をしているようには見えませんでしたが」と言って、首を傾げる。
「むしろ、何も警戒していないような感じです」
長の話では、抜け忍の村に捉われている仲間の戻りを心配して、襲ってくるようなことを言っていたが。
「それは、たぶん、まだ期限が過ぎていないので」
「期限?」
「今回、自分たちの仕事は、新たな道を開くことにありました。開いたのち、その先の地に、再度、拠点を構える……先ごろ、未来の……と言いますか」
えっと、とハギの父が言葉を探す。
「あなた方がいた時代……の、拠点を失っていますので」
視線がオレを捕らえる。そうか、彼らがあの村を引き払ったのは、オレのせいだった。
「普段は、何らかの理由で一度、道を閉ざすと、いろいろな混乱や面倒を避けるために、数年ほどはその時代と交渉をもたないようにするのが方針なのですが、あの時代には、お得意さまがいるのでどうしても再度、道を開く必要がありました」
「お得意さまは、ひとつじゃないでしょ?」
オレの言葉にハギの父は頷いた。
「こんなことを言うのは僭越かもしれませんが、一見、平和に見える時代ですが、水面下ではいろいろと」
「戦こそ少ないけれど、戦闘要員ではない人材を求める組織が多い?」
「はい。正直言いまして……戦こそありませんが、人心が腐っているとしか思えないような依頼がたくさん……」
まあ、お稚児趣味の大名からの依頼などは、まだマシなほうとも言える。音の里などに送られた日には、実験体か、生きた標的か。
「期限は4日。ですから、まだ戻らなくても心配はしていません。きっと彼らは、つかまってからの時間を実際よりも長く感じていたのでしょう」
「ってことは」
オレは森を振り返り、それから平屋を睨む。
「相手が油断している今こそ、オレたちにとって好機、ってことだね〜」