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 お婿にいった四+カカのお話
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
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 【Epilogue】 そして、恋

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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

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2008年08月06日(水)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 23) Side


守り番を終え帰宅すると、なにやらにぎやかな声が家の中から聞こえた。
「ただいま……って、うわ、何してるんです?」
土間にはもうもうと湯気が立ち込めている。
「ごめんごめ〜ん。かまどの火の加減を間違えちゃってさ」
「あ、トキ! お帰りなさい、あのね、すごいんだよ」
のんきな声と、子どもの高い声が重なってボクを迎える。
「モズ? 君まで、何してるんだ。こんな時間なのに」
ボクの声に、モズはビクンと身体をすくませ、うつむいてしまった。
「あ〜、これはだな、オレのせい……」
「わかってます。ごめんよ、モズ。驚いただけで、怒ったわけじゃない」
それでも、モズはしゅんとしている。
「家のひとは? モズがここにいることは知ってるのかな?」
「うん。ちゃんと話した。ただ……」
チラとモズが先輩を見上げる。いったい、いつのまに手なずけ……いや、仲良くなったのやら。
「修行を見てもらうってことで、帰宅が遅くなる許可をもらった」
カカシ先輩の言葉に、ため息がこぼれる。
「つまり、入れ知恵したのはカ……あなたなんですね」
えへへ、と先輩が笑う。隣でモズも一緒になってはにかんだような笑顔を見せる。

――あんなに人見知りで、警戒心の強い子どもを、たった数時間で……。
このひと、実は天性のたらしなんじゃ……。

「で、この騒ぎはなんです?」
「いやあ、手っ取り早く湯を沸かそうとして、火遁の術をだな……」
「わかりました。先の説明は不要です。で、なんのために湯を?」
「見事な手打ちうどんが届いたのよ」
「届いた?」
「村長の家から」
「あ!」
そう、昼間ボクたちは食事の支度は自分たちでどうとでもできるから、と話すつもりだった。守り番に支給される食料は、そう贅沢なものでもないが、適宜、食材を買い足せば、先輩と二人の口ぐらい養える。
だが、ハギの父親の騒動で、本来の目的をすっかり忘れたまま、辞してしまったのだ。
「そうなんだよね〜。オレもうっかりしてて」
ほら、と示された上がりかまちに、耀くばかりに白いうどんと、煮しめた鳥肉、ネギ、揚げ、にんじん、しいたけなど色とりどりの具材が並べられた番重がデンと置かれていた。
「モズも一緒にどうかな、って思ったんだが。まずかったかな」
「まずい、ってことは、ないでしょう……たぶん」
こそこそと話すボクたちの傍らで、モズが鍋にうどんを入れかきまぜている。
「モヘジさん、こんな感じ?」
「ん〜? お、上手、上手」
「モヘジ?」
先輩はニッと笑って、ひらひらと手を振った。

――モヘジ……まさか、へのへのもへじ、から? いや、まさかじゃなくて、それしかないだろう……。いえ、悪いとは言いませんが、できれば、その……ひとを脱力させるのは、やめてもらえませんかね?

ボクが深いため息をついた気持ちを、だれかにわかってほしい。
いや、先輩にこそわかってほしいのだが、それは望んでも無理だろう……やれやれ。

そんなこんなで賑やかな夕食が始まり、そして終わり、モズが決意を秘めた目でボクを見た。
子どもだが、いや、子どもだから、だろうか。決意したときの気持ちの強さに迷いがない。
「僕、僕のこの能力のこと、もっと知りたい。どうしたらいい? きっとトキに聞けば、教えてもらえると思って」
ああ、これが、この子がずっと言いたかったことなんだ。
いつも物問いたげにしながら、なかなか本音を言い出せない、そんな子どもだった。
言いたい言葉が見つからないのだと思っていたが、違ったのだ、言い出す勇気がなかったのだ、と、ようやくボクはわかった。
この午後の数時間で、モズの何かが劇的に変わったわけではない。
ただ、カカシ先輩は、今までモズが抱え込んでいたためらいやおそれを、見事に打ち砕いた。
どうやったのかは、知らない。でも、カカシ先輩なら、それも可能だろうと思えた。
このひとは、だれを相手にしても、手を抜くとか、適当にかわすとか、そんなことのできるひとではないのだ。
だから、モズを前にしたとき、モズが無意識に発しているSOSを決して聞き逃さない。
忍としての優れた観察眼に由来するのか、先輩の人間性に由来するのか、あるいは両者があいまっての結果なのか、それはわからない。でも、だからこそ、はたけカカシは、はたけカカシたりうるのだとボクは思う。

「ボクにも、すべてがわかるわけではないんだ。でも、そう……仮説なら、ある。その仮説が正しいなら、修行の方法を見つけることも可能だと思う」
「仮説?」と問いかけてきたのは先輩だ。
「ええ。モズの能力の媒介となっているものについての仮説です」
ボクはモズを見た。
「モズ、君が感じるザワザワは、いつもある、そうだね?」
モズは頷く。
「でも、ときどき、いつも以上にザワザワする。でも、そこに怯えや恐れはない。悪意や攻撃的な意志もない」
またモズが頷く。
「そして、いつも以上にザワザワするとき、別の感覚も一緒に伝わってくることもある」
「うん、そう……」
ボクは先輩を見た。先輩はボクを見、モズを見た。
「……植物?」
小さく呟く先輩の言葉が、ボクの仮説と一致したことを告げる。
「可能性として、一番高いのは植物ではないかと思います。鉱物の可能性も考えましたが、モズの話を聞く限り……」

先輩がじっとボクを見た。
「ああ、だからモズはおまえに……」
「は?」
「いや、なんでもない」
ニッコリと笑みにごまかした先輩の本音は、なんだったのだろう?
だから、というのは?
だが、それを問い返す時間はなかった。

「トキさま。長がお待ちです」
使いの声が、玄関から響いた。
「わかりました」
答え、ボクはモズを見る。
「ひとりで帰れるかい?」
「うん。大丈夫だよ!」
ボクはモズの肩をポンと叩いた。昔、よく先輩がそうしてくれたように。
「ゲンブとも相談して、モズの修行プログラムを考えよう」
モズはまっすぐにボクを見つめ、キッと唇を引き結び、息を吸い込んだ。
「お願いします!」
90度に曲げられた上体と、その力強い声に、ボクは悟る。
この子にとっての少年の時は過ぎ、一人前の男への階段を今上り始めたのだ、と。

ボクとカカシ先輩が、モズと別れ長の家に着いたとき、四方の守り番の長とハギは、すでに牢の前にいた。