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 お婿にいった四+カカのお話
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2008年04月12日(土)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 16) Side K


抜け忍の村――。
昔、まだ、下忍だったころ、チラと聞いたことがある。
ほとんど伝説のように語り継がれている物語として、だった。

もしかしたら、と思ったのは、テンゾウとオレが倒したヤツらを捕縛しにきた村人たちを見たときだ。
額宛をしていない者もいたが、抜け忍の証である里の印に横一本の傷をつけた額宛をしていた者もいた。
そして、額宛をしている者もそうでない者も、身のこなしは紛れもなく“忍”だった。
そして彼らは、正規の忍であるオレを見ても動揺しなかった、つまり、オレの存在は、あらかじめ認知されていた、というわけだ。だから長の言葉には、さほど驚かなかった。
むしろ……テンゾウだ。

任務以外の理由でテンゾウがここにいる、つまり彼が正真正銘の抜け忍であるとは、思えなかった。
もしそうなら、テンゾウにとってオレは最も警戒しなければならない相手のはずだ。
確かに里で、抜け忍についての情報は極秘扱いになる。だから、オレが知らない可能性もある。だが、オレが知っているか知らないかを、抜け忍である当の本人が知るすべはない。
オレが敵と戦いながら飛んだこと自体が、抜け忍テンゾウを始末するためのフェイクということも、十分ありうる。その可能性に思い到らないテンゾウではない。
そんな腑抜けには、育てていない。
むしろテンゾウが抜けたら、彼を熟知し、なおかつ彼を倒せる能力を持つ者として、オレの名前も序列の上のほうに挙がることを、だれよりも知っているのはテンゾウだ。
そうでなくても抜け忍は警戒心が強くなる。テンゾウは、時に大胆で思い切った戦法をとることはあっても、基本的に向こう見ずな男ではない。オレよりもよほど慎重だ。
だから、ほんとうにテンゾウが抜け忍なら、オレを警戒する――だが、テンゾウはオレを認めるや否や、オレの援護に回った。まったく状況もわからず、事情も知らないのに。
つまり、テンゾウにとってオレは敵ではない。ということは木の葉の里も敵ではないということになる。
もちろん、そうしたテンゾウの行動をすべてひっくるめて、オレに対する何らかの罠、と考えることもできた。
だから、オレはずっと警戒していた。そして、長と対面するに及んで、その線はない、と判断した。
つまりテンゾウは任務、それも潜入任務でここにいる。

そう考えると、テンゾウに対する疑問も自ずと解ける。
顔をあわせたとき、テンゾウはオレとの個人的な関わりを無視するかのような行動をとった。
隠しているというより、そんなことなどなかった、というようにオレには見えた。芝居でそうしているのではなく、ここにいるテンゾウにとって、それはなかったことになっている、そう感じた。
が、もし潜入任務でここにいるとしたら、オレとの個人的な記憶を有していないことも納得できる。
同時存在する別世界に跳んだと考えるより、余程、現実的だ。
そうだとすると、棚上げしていた、テンゾウの木遁が発動しなかったことも、あるいは、と思える。

封印――。
里にとって、外部に漏れては困る記憶や術の封印だ。

とは言うものの、ようやく状況を整理できたのはここまでだ。
長の言う「言い伝え」だか「予言」だかは、さっぱりだ。

「私は何かの役回りを期待されているんでしょうかね」
質問というよりは自問に近い。
だが、長は頷いた。
「これ以上、申し上げることはかないませぬ。あなた様が予言の内容を聞いてしまうと、未来が曲げられてしまう可能性もありますゆえ」
「つまり……わざと予言とは異なる行動をとる、とか?」
「そういうこともありましょう。今の時代、ひとは何事も己の意思で決めることに価値が置かれていましょう?」
「この村の流儀、というもの、あるんでしょうね」
長は答えず、黙ってオレを見た。
「いいでしょう。説明は求めません。ただ、私には私に課せられた任務があります。それを全うするためには、しなければならないこともあります」
「承知しております。が、しばし、里への報告はお待ちくださいますよう、お願い申し上げまする」
「その理由は? 理由ぐらいは、聞かせてもらえるんでしょうね」
長は、しばし口をつぐんだ。ためらっているというよりは、話す内容を整理しているような沈黙だった。
だから、オレも大人しく待った。
やがて長は語り始めた。

「あの者のうちひとりは、この村に因縁を持つ者でしてな。その因縁を解きほぐすことが、長である私の役目。発端は、私より二代前の長の時代のことになりますかな」

時期的には、木の葉の里が二代目火影によって教育機関の充実や、火の国との対等な関係を維持するための政治的駆け引きに注力していたころだ。
忍び里の創設よりもさらに昔から、使役されることの頚木から逃れようとした抜け忍たちの村としてここはあったと言う。それゆえ、村に入るにも特殊な条件が必要で、それが特殊な空間忍術を使った移動方法だったそうだ。つまり、村からはかなり離れた地点に入り口があり、許された者だけが村への扉を開くことができる。
もともとそこにあった時空のわずかの歪みを利用した、村への移動方法だった。
だが、その歪みを悪用する者が現れた。
村への入り口となるはずの歪みを、自分たちの目的のためにさらに歪めたのだ。
それが、人身売買のための人材確保の道――。

村にとって最初に認知された現象は、村へ来るはずの者たちが来ない、ということだったらしい。
そういう場合も、ままある。あと少しで追っ手に捕まる、あるいは本人が力尽きる、抜け忍の運命としてはありふれている。
だが、その数が多すぎると感じた当時の長が疑問に思い、調べたところ、村への入り口に当たる空間が歪められていることがわかった。
長の行動は早かった。村への入り口は封印し、村に結界を張った。
結界を守る四方の守り番を定め、村への侵入者を警戒する。
入り口は、長の命により四方の守り番の協力によって、開く。つまり、その一時だけ結界は消える。
空間を歪めた者が、過去の者なのか同時代の者なのか、はたまた未来から来た者なのか、そこまでは長にも判断がつかなかったらしい。
だが、その後、いくつかの手がかりを得た長は「予言」を定めた。
代々、長がこの村を守るために引き継がれる予言のひとつとして。

「つまり、あのうちの一人は、過去、ここの村と何か関わりがあった、ということですか」
「私どもにとっては過去、でしょうか。おそらく、あの者にとっては、現在」
わかるような、わからないような。
「そして、あの者の過去につながる現在が、今、この村にあるのです」
暗示的な長の語りでは、事実そのものが明確にわかるわけではない。
ただ、おぼろげながら、今村に捕縛されている3人のうちのだれかが、この村に今生きて暮らしているだれかと関わりがあるのはわかった。
そして、封印されたはずの入り口、つまり時空の歪みが、今もなんらかの条件が重なると口を空けること――オレが戦闘のさなか、ここに飛んできたのがその証拠だ――とも、なんらかの関わりがある。
「わかりました、これ以上は、立ち入りません、ですが」
「1週間でかまいませぬ。1週間だけ、待ってはくださらぬかと、お願いするのが、私の役回り」
1週間、とオレはすばやく計算する。
正直、そんなには待てない……だが。
「……いいでしょう」
「もちろん、村の中を自由に歩き回ってくださってかまいませぬ。寝起きは……そう」
長は、テンゾウを見た。
「トキの家にでも」
ほとんど置物と化していたテンゾウが、あわてて「はい」と答える。
そう言えば、こいつの同席を長が許したのも、考えてみればおかしな話だ。
あるいは、こいつの真の目的を長は気づいているのだろうか。
気づいていて、手駒として使えそうだから、見逃している?
オレは長の表情を窺ったが、どこか三代目を彷彿とさせる好好爺の顔は、容易に深読みを許してはくれなかった。
「食事なども不自由のないよう、手配いたそう。ゆるりと、滞在されるがよい」
いや、別に食べ物など自力で調達できるし、ゆるりと、などと言える状況ではないのは、長も承知のはずだ。
だが、この長がそう言っている以上、何か意味があるのかもしれない。ないのかもしれないが……。
「ご配慮、ありがとうございます」
オレは神妙に頭を下げた。

「ここがボクに与えられた家です。たぶん、先輩も気に入ると思います」
小さな庭付きの平屋についたのは、深夜。
何も聞かないオレに、テンゾウも何も聞かない。
互いに任務の最中に出会った忍同士は、連携が前提とされていない以上、決して任務について語らない。
もしかしたら、テンゾウは抜け忍なのかもしれないが――その可能性は限りなく低いが、0%ではないのだ――とりあえず、当面、オレはこの村にとって敵ではないと長が認めた以上、テンゾウにとっても敵ではない。
「何、おまえ晩飯の最中だったの?」
土間に入るなり、香ばしい匂いが鼻をつく。
「ああ……そうでした。知人と鍋をしていたんですよ」
部屋には鍋と、取り皿、酒が入っているとおぼしき入れ物などが、今まさにここで鍋物をつついて酒を酌み交わしていました、という情景のまま放置されていた。
緊急事態に火だけを消して、席をたったのだろう。
テンゾウは、鉄鍋にかぶせた木蓋を取り「あ、まだ残ってる」と無邪気に笑った。
「せっかくですから、先輩、食べませんか? 絞めたばかりの鴨を、ボクが捌いて鴨鍋にしたんです」
「そうね〜。多少腹も減ってるから。ご馳走になろうかな」
「酒もまだ、残ってますよ」
「でも、いいの?」
「ハギには、今度埋め合わせに何か……ご馳走しますから」
知らない名前がスラリとテンゾウの口から出てくることに、オレはなぜか小さな痛みを覚えた。