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 お婿にいった四+カカのお話
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  猩々   おまけ -18禁-
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  マラスキーノ 後日談
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  らすてぃ・ねーる-12話
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  任務に出た二人
  カカシの過去を垣間見る

  恋女   後顧   おまけ
  ストーカー被害に合うテンゾウと
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  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
  長期任務の小隊長を命じられるテン
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  初めての遠距離恋愛なテンカカ
  たーにんぐ・ぽいんと-8話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【1部】 だーてぃ・まざー-4話
 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
 くるみ


  a`la carte
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  春霞-4話
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  ちぇい・べっく
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4話
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  久しぶりのカカシとの任務
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  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
 du chef
-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2008年02月18日(月)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 13) Side T


「そうか、それ以前の記憶はないのか」
ハギが杯を傾けながら言うのに、ボクは頷く。鴨肉の焼ける香ばしい匂いが部屋に満ちていた。
「忍とは、時に過酷な運命を背負わされるものなのだな」
わずかに痛むコメカミが煩わしい。

ハギは隠れ里の現状をあまり知らない。幼いころのわずかな記憶があるだけだ。
当時は、ようやく隠れ里が隠れ里として機能し始めたころ――木の葉の里も二代目さまのもと、アカデミーが設立され、スリーマンセル制度が確立されたころだ。
まだ政情は安定しておらず、騒然とした時代とはいえ、黎明期特有の活気に満ちていたと聞いている。
だからだろうか、生活がつらかったという覚えはないそうだ。
「だが、父や母は、違ったのであろうな」
両親は里を抜け、結果父とははぐれ、それでも母はここに辿りついたとき安堵したようだったと、遠い記憶を探りながら話してくれた。
ハギの母は、里の話も父の話も決してしないまま、数年前に他界したそうだ。
だから自分がどこの里の出身かも知らないそうだ。おそらく長は知っているだろうし、聞けば教えてくれるだろうが、別に知りたくもないとハギは言う。
その言葉とは裏腹に、ハギには釈然としない想いがあるようだ。
父と生涯会えなくても母は幸せだったのだろうか?
自分と違って外の世界を知っている母は、この村で朽ちていくことに抵抗はなかったのだろうか?
今の生活に不満があるわけではないが、両親がなぜ危険を犯してまで里を抜けたかったのか、その理由を聞かされなかったことが残念だと彼は言う。
ハギ自身はこの里で妻を娶ったが病弱な娘だったそうで、母が亡くなるよりよほど前に病死したそうだ。
夫婦仲は良かったが子はできず、子を成すことができなかったと嘆くハギを、母は「子を成すためだけにひとは生まれてくるわけではありません」と諭した。
「珍しく厳しい表情だった。きっと母の過去と何かかかわりがあるのだろうな」

そんなハギにボクは、この里に潜り込むために用意されたストーリーを語った。
だが、そのストーリーは作り事ではない。ボクの心情が違うだけで、事実あったことなのだ。
「その程度の過去を背負っている者はたくさんいますから」
カカシ先輩も、たくさん背負っている。
ご尊父の自死を目の当たりにし、スリーマンセルの仲間を目の前でなくし、さらに師を亡くしている。
すべて子どものころの話だ。
そして己の術を伝授した部下の里抜け……。ほかのふたりも、それぞれ別の師に就いた。
「オレの不徳の致すところなんだろーね、みんなオレの前からいなくなる……」
飄々と、いつもの眠そうな顔でボソリと呟く先輩が、胸中にどれほどの悲しみを抱えているのか、ボクごときにわかるはずもない。
だからボクは。
――ボクだけは、いつもあなたのそばに……。
ズキン! とコメカミの痛みが激しくなった。
「大丈夫か?」
「あ。はい。大丈夫です」
いったい、なんだと言うのだろう、この頭痛は。

ハギは気遣わしげにボクの顔を見ていたが、やがてグイと杯を空け、うつむいた。
「東の結界に……何か干渉してくるものがあるのか?」
うつむいたままのハギの表情は読めない。
「干渉? そんな気配を感じるのですか?」
「いや……わからない。俺は、いわゆる忍としての能力をあまり持っていない。そんな俺が、なぜ守り番に選ばれたのか、俺自身不思議なぐらいだ」
でも、何かを感じるから、ハギはこうしてボクの家にやってきた。
「ただ、な。あそこは、俺にとって特別な場所に思えるときがある」
顔をあげたハギは、今度はまっすぐボクを見た。
「特別な?」
「ああ。初めて守り番としてあそこに立ったとき、こう……なんといえばいいか……ひどく青臭いんだが、ここに俺の居場所があった、とでも言えばいいのか」
「実際、守り番に任命されたのは若いころのことなんでしょう?」
「まあ、そうなんだが」
照れたように言って、ハギはボクが注いだ酒をまた飲み干し、うつむいた。
朝の早い村は、まだ深夜とも呼べぬ刻限なのに、しんと静まり返っている。
そのなかに、ボクは夜に動く生き物たちの気配を当たり前のように感知している。
だが、それはボクが忍だからなのだろう。
かすかな気配を感じずに生きているひともたくさんいる、いやそのほうがきっと多いのだろう。

そんな物思いにとらわれたとき、パタパタと近づく足音を遠くに聞いた。
これは。
――モズ!
咄嗟に立ち上がり、プロテクターとクナイホルダーと忍刀を手に、縁側に続く掃き出しを開けて庭に跳んだボクを、ハギが呆然と見ているのがわかった。
だが、いまはモズが先だ。
低い垣根を跳び越え暗い道を走る。走りながら装備を整える。
向こうからモズが走ってきて、ボクの胸に飛び込んだ。
「来る! 何か来る! 今! もうすぐ――」
ボクはモズを抱きしめ、それから離し、屈んで目線を合わせた。
「ボクの家にハギがいる。一緒に長の家に行って、報告するんだ。いいね」
コクンと頷いたモズに、「ボクは東の結界に向かう」と告げる。
「わかった」とモズの足音が遠ざかるより早く、ボクは森の東に向かった。

ハギの言う意味とは異なるが、あそこは、特別な場所なのだ、きっと。
あとで長に確かめないとなんとも言えないが、かつてはあそこに時空の歪みがあったのだろう。
あるいは、歪みこそがこの村の入り口だったのかもしれない。
いつの時代か、何かが起こり、歪みは封印され、村には結界が張られた。
そして今、何かが起ころうとしている。
ボクがここに潜入を命じられたのは、その“何か”に関わりがある。

東の結界に近づくにつれ、鼓動が高まる。
いくら走ろうとも息など乱しはしないしないはずの忍であるボクが。
これは、何かの予兆か? だとしたら、吉兆であってほしいものだ。
地を蹴って、枝から枝へと跳ぶ。
振り返った東の守り番が驚きで目を見開く向こう、空間が歪むのが見えた。
森の木々が揺らぐ。
「退け!」
ボクの声に、守り番が枝から降り、後方に跳んだ。

ザワと枝がしなり、葉がざわめき、突然、現れた人影――。

――先輩!

白銀が闇に浮かんだ。

クナイを構える向こうに、3人の男――ひとりが印を組み終わった両手を解くのが見えた。
先輩の背後につけようとするより早く、おそらく先輩ともどもここに飛んできた敵である3人の間に動揺が走る。
「おい」
印を組んだ相手をひとりが振り返るが、印を組んだ男自身が、驚きに硬直している。
先輩のクナイが飛んだ。
チャクラを練り上げようとした刹那
「術はだめだ!」
と先輩の声が闇を裂き、姿が消えた。上方へ跳んだのだ。

「長の家へ!」
ボクは東の守り番に叫んだ。
ここは戦闘の場になる。
いくら訓練をつんだとはいえ、上忍クラスの戦闘に巻き込まれたら、戦慣れしていない村の守り番など、まっさきに犠牲になるだろう。
「行かすか」
敵らしい一人が投げる手裏剣を弾きながら、ボクは走った。
忍刀を抜き去り、東の守り番を追おうとした男の道を塞ぐ。

なぜ先輩がここに? とか、この事態はどうしたことだ? とか、そんな余計なことは一切ボクの頭から消え、暗部で先輩とバディを組んでいたころのように、視界の端で先輩を捕らえながら、敵――と決めていいのかどうか、わからないが、先輩の敵ならボクにとっても敵だろう、と判断した――と対峙する。
この数ヶ月、戦闘らしい戦闘には出会っていないが、勘は鈍っていない。

「ここから正午の方角に移動」
先輩の声を耳に、結界から遠ざかるよう敵を追い込む。
時空の歪みの近くで術を発動するのは、なんらかの危険が伴うのだろう。
相手も戦闘には慣れているようで、こちらの意図を察して抵抗を試みるが、3人相手に先輩とふたりなら、造作もない。

「テンゾウ、拘束!」

先輩の声にボクの身体が自然と動き、自分でも知らない間に両手を合わせていた。