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 お婿にいった四+カカのお話
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  らすてぃ・ねーる-12話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

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  春霞-4話
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  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2008年02月11日(月)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 12) Side K


「もう一度、あの村に?」
うず高く詰まれた書類の谷間から顔をあげた綱手さまに命じられ、オレは内心ドキリとした。まるで自分の考えを読まれていたかのようだ。だが、五代目はオレの言葉に
「なんだ、文句があるのか?」
と眉間にシワを寄せる。
「いえいえ。今回は、どんな名目で?」
ふん、と言うと、一枚の書類が差し出された。
「名目も何も。正式な任務依頼だ」
「任務?」
「村長から直々の指名だ」
「村長から?」
オレが書類を受け取ると、ああ、と頷いた五代目はデスクに肘をついた。ざっと依頼書に目を通す。
「そこにもある通り、あのときの記憶操作がお粗末なものだったのだろう。長が、記憶と事実の齟齬に気づいた。村の子どもたちのなかにも、そういう者が何人かいる。何が起きたのかきちんと調査をしてほしいという依頼だ」
「調査も何も……オレが知っている事実を、差しさわりがない程度に告げれば、それで終わり……」
ギロリと睨み上げられ、オレは言葉をつぐんだ。
「依頼は依頼。きちんと報酬はいただく。里のためだ」
無言で頷く。下手なことは言わぬが花だ。
「そして、もうひとつ。再度、時空の歪みを広げる術を使って欲しい」
「再度?」
「ああ。あのあと密かに暗部を派遣したが、だれも時空の歪みを開くことができなかった」
「印の組み方は間違っていないはずですが……」
「印を組んだだけで術が発動するなら、アカデミーなどいらない」
しかし、チャクラの量でもコントロールの仕方でもないはずだ。
暗部なら、オレと同等以上のチャクラ量とコントロール力を持ったものがいるだろう。
少なくともテンゾウは……そのひとりだ。
「なんらかのプラスアルファの要素が必要だ、ということなのだろう?」
「だったら、オレが行っても無駄かもしれませんよ」
「無駄なら無駄でもいい。無駄だとわかる、それも一つの成果だ」
正式な調査依頼が来ているのだから、この機会を利用すればいい、そういうことだ。

「ついては、これだけはおまえの耳に入れておく」
書類を返しながら、オレは姿勢を正した。
「今回の村長のように、ヤツラの記憶操作は完璧ではない。だから、どこかの時代にさらわれた忍の子どもがいたとしたら、その形跡は何らかの形で残っているはずだ。そこで、それぞれの隠れ里に調査協力を依頼した」
「情報を、公開したのですか?」
オレは驚いて綱手姫を見た。よく火の国が納得したものだ。
「こういうときのために、任務上知りえた不祥事を黙ってやっているんじゃないか」
ニッと笑った顔は、亡き三代目にも負けず劣らずの狸振りだ。
「どこの里も、まあ表向きは喜んで協力してくれたよ」
「で?」
当然、それぞれの隠れ里に暗部が派遣されただろう。五代目の目的は結果報告などではなく、その依頼を受けて里がどう動くかを探ることだからだ。
そんな任務に忙殺されていたのだとしたら、テンゾウも大忙しだったことだろう。
「驚いたことに、今回、どこの里も真面目に取り組んでくれたよ。多少の温度差はあったがね」
「つまり」
「ああ」
「やはり、抜け忍の仕業ですか」

シンと執務室が静まり返った。この静寂こそが、前振りなのだ。
任務のほんとうの意味を知ることになる、その前兆であり、同時に、忍の本能を揺さぶる呼び水ともなる。

「ひとつ、興味深い報告がある」
ふぅ、と五代目がため息をつく。
オレの緊張が高まる。

「霧隠れの里に、あの鬼人の殺戮から逃れた者がいることがわかった」
卒業試験に臨んだ同級生すべてを殺した鬼人、桃地再不斬の最後は忍としての哀しみに満ちていた。だが、すでに亡骸となった白を見つめるヤツの顔が安らいでいたのも、思い出す。
彼に殺された子どもたちは、彼のそんな未来をどう思うだろう。
「逃れた、というのは?」
「単純な話さ。当日、腹を下していて試験の始まる前、トイレに走った。それだけで失格だが、それがまあ、幸いしたんだな」
「なるほど……」
「目の当たりにした惨劇に昏倒し、だからこそ惨殺の犠牲者にもならず、その代わり寝付いたそうだ。結局、忍にはならず、里の片隅で暗器を作って生計を立てている、で、その男が妙な事を言っていた」
五代目の目つきが鋭くなった。
「試験の後、死体がひとつ消えている、と言うんだ」
「消えて? まさか」
「再不斬のしでかしたことは、さすがにあの里にあっても驚異的な出来事だったらしく、詳細な記録が残っている。もちろん記録は封印され一般人が見ることは出来ない。今回、霧隠れの暗部が、記録を紐解いて詳細に調べたところ、確かに、試験に臨んだ者の数と殺戮後の死体数に齟齬があることがわかった。当時は、あまりの惨状だったから、切り刻まれほかの死体にでも紛れたかと思われていたようだ」
「ちょ……ちょっと待ってください」
オレは急いで情報を整理する。
「その消えたひとりが、あるいは?」
「今回の人身売買組織の摘発時に消えた二人のうちのひとりかどうかはわからない。が、同じ手口を何度も使っているとしたら」

そういうことか――。
時空間忍術を使って過去から人を連れてきても、ひとが一人消えた不自然は残る。
だからオレは、ヤツらは未来から人をさらってきているのかもしれないと思っていたのだ。
オレが飛ばされたのは過去だが、未来にも飛ばすことができると思った根拠は、あの移動の際に見たテンゾウの姿に起因している。
いずれにせよ、想像でしかない。だが、否定できるだけの材料もない。ほんとうに一瞬で、テンゾウだと認識するのだけで精一杯、それ以上の観察はできなかった。
だからこそ、一瞬の印象、勘を信じるのだとしたら、あれは――遠くない未来のテンゾウの姿だ。
だから、彼らの術は過去未来を自由に行き来できる可能性もあると読んでいた。
だが、彼らにとってよりリスクが少ないのは、過去なのか未来なのか、そこだけに照準を絞れば。
未来を変えることで過去が歪まないとも限らない。それは予測不可能だが、過去なら……。
それに、彼らが本来存在する世界が「今」とは限らないということもありうる。
そうだとすればオレにとっては未来だが、彼らにとっては過去という事態もありうるのだ。
つまり……。

「過去において“早い死”が確定している者――それが獲物、ですか」
険しい顔で五代目が頷く。
「おまえはもうすぐ死ぬ、それも悲惨な死を迎える、その事実を信じない者には、少し先の未来を見せればいい、もうすぐおまえはこうなるぞ、と。そして、死になくなければ、チャンスをやる、と?」
オレの言葉に、五代目の眉間のしわが深くなる。
「今、殺されるよりは、たとえいつとは知らぬ時代、だれともわからぬ相手に売られたとしてもチャンスがあれば生き残る確率の高いほうを選ぶ者もいるだろう」
「相手が音の里じゃ、似たり寄ったりのような気もしますがね」
「今回は、たまたまだ。売られる先は必ずしも隠れ里とは限らない、むしろ貴族や王族の後宮あたりで働かされるか、慰み者になるか」
「それだったら、逃げ出して自由を手にすることも可能……ですか」
もし、そうなら。
決まった己の運命を、それも哀しい運命を変えようという意志を持つ者なら。
「人身売買組織ごときに、怯えたりひるんだりはしませんね」
「そういうことだ」

オビトなら、どうするだろう、とオレは考える。
そしてオレは、そういう形でオビトが生き延びてくれていたら、どう思うだろう。
むろん答は出ない。
むしろ答を出そうとする行為が、オビトの死に対する冒涜のように思える。
オレは左目をそっと押さえた。

「はたけカカシ。謹んで任務を拝命いたします」
「行ってくれ」
「御意」