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 お婿にいった四+カカのお話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

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2008年02月04日(月)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 11) Side T


怯えるモズを宥め帰宅させると、ゲンブは難しい顔をした。
「あそこには、時空の歪みがあるのか?」
「いえ……歪みがあると断言することはできません。あるなら、もっと……それを象徴するような出来事があるでしょうから」
「しかし、モズの発言は」
「はい。無視することもできません」
ボクのなかでは、ある仮説がかなり明確な姿をとり始めていたが、それをゲンブに告げていいものか判断がつかなかった。
「時空間忍術の影響を受けやすいポイントである可能性も」
「……なるほど」
「そういった術を使う場合、戦闘が伴うことも多いでしょうから、モズの発言もわかります」
「いずれかで起こっている戦闘の気配も一緒に伝わってくる、ということか」
「……おそらくは」
慎重に選んだ言葉は、ひとまずゲンブを納得させたようだ。
「しかし、あれの能力は……何を媒体にしているのだろう」
それについてもボクには仮説があったが、口をつぐんでいた。ゲンブが信用できないということではなく、ハギの言ったことが気にかかっていたのだ。
ボクには伝えるように、という長の言葉は、きっと今回の任務の鍵となっている。
だから、それに関連しそうな事柄については、うかつに口にすべきではない、そう判断したのだ。
「休んでいるところを、悪かったな」
「……いえ」
ボクは一礼して、ゲンブの家を辞した。

秋の日は傾き始め、山影が里を覆っていた。
日没の光芒を放つ太陽から、視線を北へ、東へと巡らせる。
東の空はもう藍に彩られ、夜の到来を告げている。
家への道を辿りながら、ボクはカカシ先輩のことを考えた。
ボクは、自分でも気づかぬうちに、あのひとに懸想していたのか?
尊敬していた。それはほんとうのことだ。だが、先ほどの己の動揺は……。
長い間、尊敬と憧憬だとばかり思っていたこの感情は、まぎれもなく恋慕というやつではないのか?

目を閉じるまでもなく、浮かんでくる先輩の姿。
先陣を切って走る。
敵の暗器をクナイ一本で防ぎ、道を切り開く。
瞬時に相手の術をコピーし、まるで呪術を返すかのように同じ術をぶつけ動揺を誘い、止めを刺す。
仲間以上に信頼している忍犬に敵を追わせ、追い詰め、大技を仕掛けて一網打尽にする。
そして、雷切。
あの鳥の囀りを聞くと、いつも思ったものだ。
この戦闘は、ボクらのものだ、ボクらが勝つ。
先輩が力尽きるまで雷切を発動せずにすむように、ボクらは一層、奮起した。
殲滅した敵の骸を前に、いつも先輩は無表情だった。時に無表情のまま手を合わせた。
倒すまでは敵と味方、だが、死んでしまえば、いずれも忍という同胞。
ボクたちは勧善懲悪のヒーローではない。
依頼のまま、時には人を欺き殺める忍を生業にしている。
先輩は、忍の矛盾と誇りを同時に抱えて生きていた。
決して折れることのない釘のように。
どんなに戦闘に倦み疲れているように見えても、先輩の芯にはいつも木の葉の忍としての誇りが一本通っていた。

「会いたい」
言葉に出して、実感する。それが、紛れもない本心であることを。
――あなたのいる木の葉の里に帰りたい。
喉元を絞められたかのように、熱い塊が喉を塞いだ。
ボクを、里に繋ぎとめているのは、先輩なのかもしれない。

こうやって里を離れ、潜入任務などしなければ、きっと気づくことなどなかった……。

なんとしても、今回の任務を終え、里に戻らなくては、戻ってそして……。
いや、何も告げなくていい。
今までのように、暗部時代の先輩後輩のままでいい。
時折、一緒に酒を酌み交わす、気心の知れた存在であれば、それでいい。
ともに戦ってきた時間は長い、その記憶こそがボクの財産だ。
「っつ」
ズキンと、こめかみが痛む。
「またか……」
ため息をつきながら、指先でこめかみをトントンと宥めた。

「お帰りなさい」
帰宅すると隣の娘さんが鍋を抱えて立っていた。
「これ、煮物です。お嫌いでなければ」
昆布出汁と野菜と醤油の香りが鼻先をくすぐる。ぐぅ、と腹が鳴りそうなほど、いい匂いだ。
だが、ボクは首を振った。
「お心遣いだけ、ありがたく頂戴しておきます」
娘さんの笑顔が凍る。
――ボクはここに骨を埋めることはできないのです。だから、ごめんなさい。
「どうぞ、ご家族と召し上がってください。身の回りのことは煮炊きも含めて自分でできるので」
深く礼をするボクの耳に、パタパタという足音が遠ざかった。
――カカシ先輩……。あなたのせいですよ。
先輩は、まったくなんの関係もない。自分でもわかっている。でも、そうとでも言わないことには、この気持ちのもって行き場所がなかった。
娘さんの好意には気づいていた。
ボクが、北の守り番に任命される前、ここよりもう少し西にある集合住宅の一室に住んでいた頃からだから、打算ではないこともわかっていた。
だからこそ、受け入れるわけにはいかない。
守り番に任命され、空き家だったこの家をあてがわれたときには、長はボクがこの娘さんを娶ることを期待しているのかと思ったほどだ。
だが、その手の圧力は感じなかった。
長の意図は、わからない。そうやすやすと腹を探らせてくれるとも思えなかったが、やはり腹立たしいことに変わりはない。

ため息をひとつついて、家に入り、電気をつける。
釜にあるのは冷や飯。貯蔵庫には、保存のきく根菜類があったが、しなびた菜っ葉を取り出す。
最後の干し肉のひとカケラも取り出す。
鍋にきざんだ菜っ葉と干し肉、冷や飯を入れ、雑炊をつくる。仕上げに卵をふたつ。
明日は、どこぞの農家から鶏を一羽、買ってこよう、ついでに酒作りの一家から焼酎を一瓶。
今日は、雑炊と漬物、前にゲンブからもらった濁り酒で、夕飯だ。
ポリポリと糠づけをかじりながら、これも隣家の娘さんからもらったものだったな、と思う。
――そういえば、先輩は漬物が好きだったな。
糠を分けてもらえば、自分で糠づけぐらいつくれるだろう。
ここで漬物を漬けても先輩に食べてもらえるわけでもないのに、と自嘲する。
自嘲してから、先輩はどこで漬物を食べたのだっけ? と首を傾げた。
どこかでそんな会話を交わした気がするのだが……。
『ここの糠づけ食べちゃうと、居酒屋でお新香たのめなくなっちゃうね〜』
そんな先輩のセリフも覚えている。そしてボクは、香の物をつまみながら日本酒を飲んでいる先輩の横で、豚肉のしょうが焼きをおかずに丼飯をかっこんでいる。
『脂身嫌いなくせに、しょうが焼き好きなテンゾウって変』
そんなことを言われたのも覚えているのに、どこの店か思い出せない。
こんなに物覚えが悪くて、よく忍が勤まっているものだ。

「お〜い。いいか?」
表からハギの声がしたのは、雑炊も漬物も腹に収め終わったときだった。
「お疲れ様です」
戸を開けると、ハギは「邪魔していいか?」と聞いた。
「ええ、もちろん。でも……」
ハギが手にしている酒瓶を見て、何かつまみになるものがあっただろうかと考える。
「いい、いい。つまみも持参だ」
身体の後ろに隠していた左手には……。
「どうりで物騒な臭いがしたわけですね」
「ああ、さっき。一羽絞めてもらってきた。おまえ、捌けるだろう? 鴨鍋といこうや」
「ねぎ、あったかなぁ」と貯蔵庫を覗くボクの背後で、ハギが笑った。