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2008年01月14日(月)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 9) Side T


「トキさん」
家に入ろうとしたところで、ボクは隣家の娘さんに呼び止められた。
農作業の合間なのだろう野良着姿だが、それでも若い女性特有の華がある。
彼女はお祖父さんが抜け忍だったそうだ。彼女自身は村で生まれ育ち、村の外を知らない。
孫の代になると、村から出ることもできるらしい。
ただし、村についての記憶は封じられ、以後、村とは一切の関わりを持たないことが義務付けられる。
出て行く者の半分は、親が望み、幼い時分に遠縁に預けられるのだそうだ。
外の世界で自由に生きていってほしい、という親心なのだろう。
ある程度の年齢の者の場合、外の世界で生きていく決意をして村を離れる。
いずれにせよ、どちらもそう多い数ではないと聞く。

「今日は、お休みなんですか?」
この娘さんも、村のなかでひっそりと生を終えるのだろうか。
どちらが幸せかは、ボクには答えられない。
ひっそりと、でも幸せに人生を終えるひとはいるのだ。
たとえ広い世界を知ったとしても、そこは必ずしも美しいばかりではないのを、ボクはよく知っている。
「はい……ああ、そうそう、昨日はおいしい芋をたくさん、ありがとうございました」
「いえ」と彼女は小首を傾げて微笑む。
白い肌と実った稲穂のような髪の色は、彼女が遠い国の出身だと教えてくれる。
もう少し髪の色が白かったら、カカシ先輩と同じだなどと考え、そういえばあのひともこんなふうに小首を傾げたっけと思い出した。
だから、なんだというわけでもないのだが。
戦闘になると滅法強い癖に、妙に相手を脱力させるところのあるひとだったな。
「あの?」
「ああ。失礼、何か?」
「いえ。お芋、差し上げたものの、もてあましていらっしゃるかと思って。あとで考えたら、ひとりで召し上がるには多すぎたかなと。ですから……」
「あ、ええ……実は少し多かったので、術を見ている子どもたちに振舞ってやったんです」
なんとなく申し訳ない気分でボクが答えると、「そうでしたか」と彼女がうつむいた。
「今度は……すぐ食べられるような……煮物にでもして差し上げますね」
そう言うと、会釈をしてきびすを返した。
翻る裾から覗く白い足首に、またボクはカカシ先輩を思いだす。
あのひとも、日焼けとは無縁の白い肌をしていた。忍服の裾から覗く踝は筋の張った男のものだったけれど、透き通るような白い肌はとてもきれいだった。
そんなふうに考えて、ボクは首を傾げた。
まるで、その踝をよく知っているかのような連想は、いったいなんだと言うのだろう。

カカシ先輩には、昔、さまざまな噂があった。
噂のいくつかは本当のことで、いくつかは面白おかしく付け加えられた尾ひれだった。
だが噂に踊らされ、先輩にあらぬ想いを抱く仲間は、確かにいた。
そういえば、任務先で先輩と関係のあった男の隊と合流したことがあったっけ。
あれは……先輩の隊に配属されてすぐ、ぐらいのころだったか。

ズキン……と、コメカミが痛んだ。

頭痛持ちではなかったはずなのに、先日から、時折、こうやって痛む。
ボクは忍にあるまじきことに、のろのろと家のなかに入った。
庭に面した部屋に寝転がって、コメカミを押さえてみるが、痛みはなかった。

さっきハギと話して“はまった”と思ったパズルのピースが描くのは、しかし、まだ全体像ではない。
おそらくボクの任務に関わるのは全体像のはずだが、そちらはまだ想像がつかない。
散らばる断片も、まだ少ない。
ただ、ひっかかったのは村長の言葉だ。
ボクには話すように……という指示は、ボクがパズルのピース集めをしていると知った上でのことだろうか?
知っていて、あえてそれを手助けする?
木の葉の里の火影も、三代目といい、ごくわずかに知っている四代目といい、五代目といい、およそ腹の底の読めない方ばかりだが、ここの長も同様だ。
あの先輩も、似たようなものだった、とボクは寝返りを打った。

畳にペタリと頬をつけて庭を眺める。

「いつか、庭があって縁側のある家に住みたいな」
カカシ先輩が、そんなことを言っていたことがあったっけ。
「今すぐにでも住めるじゃないですか」
あのひとの給料だったら豪邸だって買えるはずだと思い、ボクはそう返した。
「ひとのすまない家は荒れるから。任務、任務の毎日じゃ、無理」
「だったら、引退してからですね」
「そうだね〜。無事、引退できるのかな〜」

今のボクの姿を見たらきっと、カカシ先輩はなんと言うだろう。

先輩。

そう胸の内で呟いてみた。
ひた、と満ちてくるものがある。

「カカシ先輩」
小さく声に出してみる。

トクン、と心臓の音が高鳴り、胃の腑の底が暖かくなる。
戦闘がもらたす緊張や高揚とは異なる何か。

――会いたい……。

感情を言葉に変換して、ボクは愕然とした。

会いたいって?
あのひとに?

トク、トクと高鳴りが強まる。

「トキ、いるか?」

ゲンブの声に、ボクは飛び起きた。
「はい、います」
ここのひとたちは、総じて気配が薄い。
気配を消しているのではなく、おそらく最初から薄いのだろうと思われる。
だから、殺気のような強い気を放つこともない。
ただ、穏やかに安定していることのみに心を砕いているようなところがあった。
「休んでいるところを、すまないんだが」
「いえ、大丈夫です」
「また、モズが騒いでいるんだ……というか、怯えている」
「怯えて?」
「さっき、トキを訪ねたらしいんだが留守だったからと、俺のところに来た」
「わかりました、同行します」

ボクはゲンブの家――村の北にある長の家を囲むように守り番の長の家がある――に、向かった。
モズは座敷に正座し、青ざめた顔をしていた。
ボクを見るや「トキ」と飛びついてくる。
「っと、どうした?」
背を抱きとめて務めて穏やかに問い返すと、「東が、危ないんだ」と言う。
「東? あの東の結界札の貼ってある老木のことかい?」
「木じゃない。木は大丈夫。そうじゃなくて、東が危ない、何かが入ってくる」
ボクはゲンブを見た。
ゲンブを首をわずかに振る。つまり、いま現在、東に異変はない。
「落ち着いて、モズ」
ギュッとボクの服を握っているこぶしを包み込んだ。
「その感覚は、遠いかい? 近いかい?」
モズはボクを見て、はっとした顔をした。
彼は異変を感じると、おそらくそのことに衝撃を受けてしまうのだろうとボクは予想していたが、どうやらそれはあたったらしい。確かに、導くものがいない状態では、それもいたし方ないのだ。
「あ、うん……大きいけど……遠い。うん、遠いから、大丈夫かもしれない」
「だいぶ、遠い?」
「だいぶ……遠いかもしれない。もしかしたら」
モズが視線を逸らす。
「もしかしたら、何? 上手に伝えられなくてもいいから、言ってごらん?」
「あの……いま、じゃないのかもしれない」

「今じゃない?」
ゲンブの声にモズがびくんと身体を強張らせた。