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 お婿にいった四+カカのお話
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   ぎむれっと-40話 -キリリク話
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2007年12月17日(月)
ぎむれっと−−または、ろんぐぐっどばい 6) Side K


「カカシ」
「あの家はおかしい」
探索から戻った忍犬たちが、口々に訴える。
「突然、ひとの気配が消える」
「消える?」
「消えたり、突然、現れたりする」
「消えたり、現れたり?」
ワン、と5頭の声が揃う。
「わかった。ご苦労さま」
オレは忍犬を帰し、村の西北に向かった。

仮説……だ、仮説にしか過ぎない。
だが、突然、ひとの気配が消えたり現れたりする、という報告に思いつくのは、ただひとつ。

――時空を繰る者がいるか、時空のゆがみがあるか。

偶然なのか、一族のなかに術に長けたものがいるのかまではわからないが、彼らが時を遡ったり、越えたりしながら、忍の子どもを集めているのだとしたら……。
その仲介地点が、この村にあるのだとしたら。
「ときわ……」
オレは我知らず呟いていた。
時渡り、あるいは、とわ、あるいは……いくらでも解釈の仕様のある森の名。

「時空間忍術はね、カカシ。本来、禁忌の術なんだよ」

かつての師の声が、甦る。
「でも、先生。先生はそれを使いこなして、木の葉の黄色い閃光なんて呼ばれているじゃないですか。オレとしては、ダサいネーミングだと思いますが、二つ名がついているのは売れている証拠だと聞いています」
生意気なオレの言い草に、先生は笑った。
「使いこなしているわけじゃないんだ、ただちょっと、力を貸してもらっているだけ」
「力を……貸してもらっている?」
「ん。人間が踏み込んではいけない領域というのは、あるんだよ」
あのときの、先生の深い瞳の色を、いまでも覚えている。
いつもは空を映しているかのような明るい青が、深淵のように見えた。
「ひとつは生命そのものを扱うこと」
師の言葉に込められた裏側の意味に気づくのは、もう少し後のことだが、当時はオレなりに納得して頷いた。
「もうひとつが、時空を扱うこと」
「でも、先生」
「時空間忍術は、ただ通り道として時空の狭間を借りているだけなんだ。それ以上のことは、やってはいけない。それは、歴史に干渉することにもなりかねないからね」
そう言って、先生はボクの肩に手を置いた。
「だって、そうだろう? もし、時空を自在に繰る事が出来るとしたら、カカシ。過去を変えたいと思ってしまうだろう? くるべき未来を、違うモノにしたいと望んでしまうだろう?」
過去を、くるべき未来を……変えることができるなら……そう、父を……あんなふうに……それに、オビトだって……。
「みんながみんな、そうやって、己の望みをかなえようとしたら、どうなってしまうだろう?」
「……はい」
子どもだったオレは、ただ素直に頷いた。
だが、いまになって思う。
変えることが出来るのなら、とだれよりも強く切望し、苦悩したのは、きっと師自身だったのだ。

――許せない。

灯りを落として寝静まっている家々を前に、オレは怒りを覚えた。
たかだか人間のオレにできることは山ほどの後悔を抱えて生きていくことだけだ。
過去を変えて、後悔と言う荷を降ろしてしまうことは、できない。
そうやって、だれもが荷を背負って生きているのに、己の私利私欲のために時空を繰るなど……。

それが許されるなら、オレは父をむざむざ自死などさせない。
オビトを犠牲にもしない。
あの日、師の下を離れたりなどしない。
それに……テンゾウ。
里を離れる前に、会うことのかなわかった男を思う。
……大蛇丸にテンゾウをさらわせたりなどしない!
たとえ、そのためにテンゾウと出会うことなく、オレの人生がおわっても。そんなことなど、させない。

あいつが、過去の記憶を取り戻そうと、一時期やっきになっていたのは知っている。
彼は彼なりに、自分の人生に折り合いをつける方策を探っていた。
記憶を取り戻したとき、オレとの関係がどうなるのか。不安を覚えなかったと言えば、嘘になる。
でも、その不安の傍らで、オレは確かに望んでいた。
あいつが、あいつ自身の過去を取り戻すことを。
だれよりも、オレ自身が望んでいたのだ。

起きている人間の気配のないことを確かめて、オレは“ときわの森”に足を踏み入れた。
隠している左目を開く。
――歪んでいる。
確かに、ここに時空の歪みがある。
そして、その歪みを覆う結界が、かの5軒の家から貼られているのがわかった。

――さて。どうしたものか。

今回、オレは勅使という表向きの任務を担っている。
穏便に表向きの任務を終え、綱手さまに報告するのがいいか。
もうすこし、踏み込んで調査すべきか。

その逡巡が、隙を生んのかもしれない。

ヒュン! とうなりをあげ、耳元を暗器が襲った。
オレは飛びのいて、背後の木の枝に立つ。
「探りに来たか」
「まあね。何もなければ、このまま行くところだったんだけど」
「だが、アレに気がついた以上、このままではすまぬ」
「ま、こっちも、このままじゃすまない、って思ったしね」
キンと闇を裂く手裏剣を弾く。

「ねえ、ひとつ聞いてもい〜い?」
当たり前のことだが、返事はない。
「この歪みは、前からあったんでしょ? なんで急に戻ってきたの?」
「おまえにわかるか」
闇の底から声が答える。
「やっと、忍というクビキから逃れたと思った我らが、再び縛られることになる絶望など」
こいつら、もとはどこぞの抜け忍だったのかもしれない、とオレは思った。
「人身売買組織に人材を提供するのは、なんの代償?」
答えはなかった。その代わり、千本がオレを襲う。

物理的な攻撃しかしかけてこないのは、時空の歪みに関係があるのかもしれない。
咄嗟に、そう判断し、オレも術を発動するのは控える。
それに、あくまでもオレに命じられたのは探索であって、敵の殲滅ではない。
この夜をやり過ごせば、彼らも表立っては何もできないはずだ。

「そいつ、写輪眼のカカシだろ? んなことじゃ、生ぬるいって」
言葉とともに、ぐわんと空間が歪んだ。
「ば、ばか、巻き込まれるぞ」
対峙していた相手があわてる。
オレは、歪んだ空間越しに術を発動する相手を捕らえた。
――そうやってこの歪みを利用していたのか。
コピーし終えた瞬間、己の足元が揺らいだ。

――しまった!!

揺らいだ足場とともに、自分の身体がどこかに引きずり込まれるような感覚に襲われた。

そして、オレは見た。

会うことのかなわなかった、男の顔を、姿を……。
……紅葉する木々のなかに、立つ彼を。

ほんの、一瞬のできごとだった。