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 お婿にいった四+カカのお話
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   ぎむれっと-40話 -キリリク話
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2007年12月10日(月)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 5) ide T


ボクはふかしあがった芋を、モズに手渡した。
「いいの?」
「いいよ。たくさんもらったんだ。あとで、みんなの分もわけてあげるからね」
そう言わないと、この遠慮深い子は芋を食べない。
「ざわざわした感じ、とキミが表現する感じ、って、もう少し具体的に説明できるかな?」
「具体的?」
「ざわざわ、というのは、多くの物やひとが動いたり音を発したりするときのイメージを表現したものだろう? 実際には、ひとの声のときと、森の木の葉が風に揺れる音のときとでは、違うだろう?」
芋を二つに割るとほのかに黄色味を帯びていた。パクと喰らいついて、モズは首を振る。
「そういうのとは、全然違うんだ」

はふはふと芋を頬張りながらモズは答える。その表情は、どこか和らいでいた。
「どう違うの?」
「どうって言われても……普通にひとや動物がいると、しゃべったり動いたりしていなくても、いろんな気配があるでしょ?それと一緒」
「ひとや動物の気配と……一緒? ひとや動物の気配ではないんだね」
モズはボクの質問に小さく頷いた。
「今までこういう話、したことがあるかい?」
「ううん。あ、うんと小さいとき、親には言っていたと思うけど」
「ゲンブには?」
「前に一度。でも、よくわかってもらえなかった。うまく説明できなくて」
この子の感知能力は、やはり五感を超えたものなのかもしれない、とボクは思う。
「あのね……」
ゴクンと芋を飲み込んでモズが口を開いた。
「ずっとずっと、あるんだ、その気配は。普段はとても静かなんだ。でも、何かがあると……ざわざわする」
「命が消えそうになると、ってことかな?」
「たぶん、そうなんじゃないかな、って、自分が思ってるだけ」
「助けを呼ぶとか、そんな感じかな?」
「ううん。そんな感じはない。ただ、ざわざわする」
「ただ、ざわざわ……」
ひとつの仮説がボクのなかに、生まれた。突飛といえば突飛な仮説だが、検証する必要はあるだろう。
「ざわざわの感じは、いつも一緒なのかな?」
ボクの質問に、モズはじっとボクを見た。まるでボクを値踏みでもしているような、探る視線だ。
この質問は、核心を突いた、そうボクは直観した。
感知能力に優れた者のなかには、ときたまひどく語彙に乏しい者がいる。
おそらく、モズもそのタイプなのだろう。実際、普段も口数が少ない。
それは、彼の感じている世界を表現するだけの語彙が言語にないからだ。
言語とは、つまるところ他者とのコミュニケーション、つまりは情報の共有のための手段だ。共有すべき情報の基盤が、そもそも他者と異なっているモズのような者には、言葉は使い勝手の悪い道具でしかないのかもしれない。
「いろんな、ざわざわをモズは感じているんじゃないかな」
モズは、あとひと口だけ残った芋を見た。まるでそこに答があるとでもいうように。
「……うん」
小さく答えて、急いで芋を口に押し込む。これ以上、口を割るものかとでも決意しているかのような様子に、ボクは思わず口元を緩めていた。
「じゃ、これ、みんなに持って行って」
まだ湯気を立てている芋をざるにあける。
「訓練は?」
「また今度、でいいかな? 今日は、ゲンブに君が感じたことを報告しないといけないからね」
うん、と言うと、モズは立ち上がった。
「いいの、これ」
「ああ。こんなに芋ばかり、ボクも食えないから」
ありがとう、と小さく答えて、モズはカゴを抱えると、出て行った。

「どう思う」
ゲンブに報告に行くと、逆に問われた。
「モズが『遠い』と言っているので、遠いことは確かだと思います。ただ、それが距離的な遠さなのか、まったく違う何かを意味しているのかまでは、ボクにも……」
「少なくとも、この村の近くではなさそうだな。おまえを見つけたときは、モズは『遠い』とも『近い』とも言わなかった。ただ、戦闘の気配らしいものを感知した、とだけ」
「あの……」
腕組みをして思案するゲンブに、ボクは声をかけた。聞こうかどうしようか、と迷いながら、でも、やはり確かめておかなくてはならないと思ったのだ。
「ゲンブがモズを見るようになったのは、いつごろからですか?」
なぜ、そんなことを問う、とでも言われるかと思ったが、ゲンブはあっさりと
「1年ぐらいだ。感知能力があるらしい、と聞いてな」
「モズの感知能力は、割と、知られていたんですか?」
いや、とゲンブは首を振った。
「親に聞くと、小さいころからたまに、それらしいことを口にすることがあったそうだ。ただ、親にもよく意味がわからず、夢見がちな子どもだと思っていたらしい、それが」
そこで言葉を区切り、ゲンブは茶の入った湯飲みを手にした。が、手にしただけで、また卓に戻す。
「1年前だ。結界の東を守っている老木が、虫に食われていることがわかった。モズが騒いだからだ」
「騒いだ? なんと言って?」
「東が変だ、と」
「それで老木を?」
「すぐには、意味がわからなかったので、とりあえず盛り番たちが東を探索した。特に異変もない。だが、モズは譲らなかった」
「老木が虫に食われているとわかったのは?」
「村長が、『もしや』とおっしゃったからだ」
「では、過去にも例があった、と?」
「ああ。ひとよりよほど長生きするとはいえ、樹木にも寿命はあろう」
「では、結界の位置は変わったのですね」
「いや。虫食いの範囲がそう広くなかったので、薬を注入したり……まあ、人間で言うところの治療を施したら、持ち直したんだ」
さまざまな仮説が、ボクの脳裏を駆け巡る。
モズの能力、一次は乱れた結界の境、そして村を守る老木……。

その日は、軽い仮眠をとった後、夜半前から北の結界の守りに就いた。
明け方、番を交替すれば、明日は休暇だ。
東の老木を見に行こうとボクはひそかに決めていた。
何が、という理由があるわけではない。ただ、気になっただけだ。
だが、それが直観というものだ、とかつて上司に言われた。彼もまた、ひどく勘のいい男だった。
確かに、ひとより嗅覚に優れてはいたが、そのためだけではない。
どう考えても、ここは歩を進めておくべきだろうという局面で、待機を命じる。
理由を問うと「ん、なんとな〜く、やな感じがするんだよね」と返って来るので、みな最初は呆れるのだ。
呆れつつ、しかし隊長には従わざるをえない。向こう見ずに突っ込んでいくことを部下に命じる隊長よりはましか、と最初は、自分を納得させるのだ。
だが、やがて思い知る。彼がそう言うとき、決まって、事前情報が間違っていたり、予想外の急展開のあげく局面が変わっていたりするのだ。

直観というのは、テレパシーではない、と彼は言っていた。
経験と観察によって導き出された必然だ、というようなことを、彼特有の語り口調で諭された。
疑心暗鬼になる必要はないが、己の勘は信じなさい、とも言われた。

昨夜、夢を見たせいか、かつての上司をよく思い出す。
確かに、暗部でのボクの基礎をつくってくれたひとだ。
いろいろ、振り回されたりもしたし、破天荒さに腹を立てつつ呆れたりもしたが、総合していい上司だったと思う。
そういえば、とても仲間思いのひとだった。
かつての部下であるボクが“抜けた”のを知ったら……万が一にでも、情報が漏れることはないはずだが、もし知ったら、きっと心をいためるだろう。
上忍師としてその成長を見守っていたうちはサスケが大蛇丸の元に下ったときも、あのひとは……。

ズキン、とこめかみが痛んだ。

あのひと?

あのひと、とは……そう、はたけカカシのことだ。
彼はかつてのボクの上司で、後に暗部を離れ、うちはサスケを含む3人の下忍の上忍師となった。
そう……そうだった。

気がつくと、いたんだこめかみを指で押さえていた。
なぜか、自分がひどく不安定な気がして、ボクは苦笑する。
やはり、潜入任務は精神的負担が大きい。
疲れているようだ、と思い、ボクは夜気を吸い込んだ。

まだ、何もわかっていない。
ボクの任務は、まだ端緒についたばかりなのだ。
そう自分に言い聞かせた。