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 お婿にいった四+カカのお話
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  ストーカー被害に合うテンゾウと
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  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
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  初めての遠距離恋愛なテンカカ
  たーにんぐ・ぽいんと-8話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

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  春霞-4話
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  ちぇい・べっく
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4話
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  久しぶりのカカシとの任務
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  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
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  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年12月03日(月)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 4) sideK


出立の日、オレは柄にもなく大門を出てから、里を振り返った。
勅使、などと大層な役目を帯びている割に、携帯しているのは巻物ひとつ。条約更新の確認書のようなものだ。

テンゾウからの式は届かなかった。
里には戻ったらしい。少なくともオレが送った式の封印が解かれたのは、確かだ。
だが返事はなかった。
どんなに忙しくとも、それこそ会う時間がなかったとしても、テンゾウからの式だけは届くのが常だった。
まったく律儀なヤツだと呆れる一方で、律儀さを嬉しくも思っていたのだ。
それがない、というのは、初めてだった。テンゾウの身になにかあったのかと思い、昨夜は、部屋を訪ねようかと思ったほどだ。
あれも子どもではない。暗部を束ねる手練れのひとり、そういうこともあるだろう、とオレは自分を納得させた。
それでもざわつく気持ちを鎮められず、窓の外を眺めていたら、暗部の一小隊が闇夜を過ぎっていくのが見えた。
移動の速さが、任務の緊急性を告げている。
続く小隊がない、ということは、極秘任務なのだろう。
だれかが致命的なミスを犯したか、あるいは、暗部から抜けた者が出たか。
あの小隊にはテンゾウはいなかったが、そういう事態なら彼もまた暗部棟に詰めているのかもしれない。
またすれ違いか。
そう呟いて、オレは布団を被った。
寂しいなどと泣き言を言うつもりはない。だが、テンゾウの体温が恋しかった。
当たり前のように一緒にいられた昔が、無性に懐かしかった。
いい歳した男が、と苦笑して、オレは眠ったのだ。

振り返った大門は、任務から戻ったときに見る景色と同じはずなのに、違って見えた。
里はいつもの朝を迎えようとしている。連綿と続いている日常の、新しい一日が始まろうとしていた。
任務に赴き、帰還してまた任務に赴くのも、忍たるオレの日常だ。
だが、今日はそれが断ち切られたような気持ちだった。
ある日、突然、父が逝ったように。友を失ったように。師を……。
そういえば“あの日”も、オレは師に命じられ、火の国の国主への勅使として里を発った。
報を聞いたのは、ちょうど国主との面会中だった。

あのとき――先生のように時空間忍術が使えたら、次の瞬間には里に戻ったのに。
歯噛みしながら木の葉の里からは遠い空の下で、泣くことも叫ぶことも叶わず、天を仰いだ。

振り返ったままのオレをいぶかしんでか、門の詰め所から中忍が顔を覗かせた。
「じゃ、いってくるね〜」
右手を振るオレに、怪訝そうな顔でその中忍は手を振り返し、それからあわてたように礼をした。
この前、中忍に昇格したヤツだが、うん、おまえは使えるね。覚えておくよ。
心の中で声をかけ、オレは地を蹴った。

道中は何事もなく、夜は手配された宿に泊まり、翌日、出発する。
そして三日目、いよいよ問題の村に差し掛かった。
雲隠れの里から正式に依頼されていることもあり、村長自ら出迎えてくれた。
「お役目ご苦労さまです」
「木の葉の里の上忍、はたけカカシです。このたびは宿泊の許可をいただき、ありがとうございます」
病に臥した父親から一昨年、代替わりしたという長は、40手前、といった年頃の落ち着いた男だ。
「なんの、宿という設備のない村なので、客人を迎えるのはもっぱら長の仕事です」
にこやかに言って、オレを家に案内してくれた。
特に塀などで囲ってはいないが、厩に離れもついた大きな平屋が、森を背に建っていた。
年輪を感じさせる古びた作りだが、定期的に補修をしているのだろう、どこにも傷みは見られない。
装飾性こそないが、確かな腕の職人がしっかり仕事をしたことが伝わってくる、なんともいえない温かみが感じられた。
「古いばかりで」
と長が恐縮する。
「いや、見事なものです」
世辞ではない本音が口をついて出た。
通された客間も、やはり質素だがしっかりした作りの八畳間だった。
床の間には、藍の色も鮮やかな菖蒲の花が活けられている。
道中のホコリで汚れた忍服を、洗濯済みのものに着替えたところで、家の使用人らしい女がふすま越しに声をかけてきた。
「もし、お疲れでなければ、すぐに膳を調えます」
「よろしくお願いします」

山菜や川魚を中心とした献立の夕餉は、村長夫婦と3人の席となった。
道中、見聞きした村々の話題を提供しながら、それとなく村の様子を探る。
「若い者は、やはり外の世界に心を惹かれるらしく、村を出て行く者も多いのですよ」
「気候も温暖で過ごしやすい土地なのに、もったいないですね」
「ええ。でも歳を重ね、それを実感するのか戻ってくる者もおります」
長の言葉に妻女が頷く。
「ずいぶん昔に村を出て、もう孫までいるような方が、一族で戻ってきたりもするんですよ」
「お子さんやお孫さんも一緒に?」
オレの質問に妻女が笑った。
「ええ。街で育った方は、こういう暮らしに憧れがあったり、なかにはお子さんが病弱で、健康をお考えになった挙句、という方もいたりで、村に戻るのは息子さんのほうが熱心だったとか」
「多いのですか、そういう方は」
「そうですねぇ」と妻女が、いち、に、と指を立てた。
「昨年と今年で、5組ほど、でしょうか。」
「お孫さんも一緒だったので、村の学校も一気に賑やかになりましたよ」
「子どもが増えると、やはり活気が出ますからね」
答えながら、オレは5組というのは多い、と感じていた。
村全体で、50世帯ほどだという。5組と言えば1割だ。
昔は100世帯以上が暮らしていたそうなので、土地はあるのだろうが。
――いかにも不自然だ。
「街からいらした方が、ここの暮らしに馴染めるものなのか私どもも心配したのですが、みなさん、村の行事にも積極的に参加してくださって」
「望んで来られたのでしょうから、馴染むよう努力もされているんでしょうね」
適当な相槌を打ちながら、考えを巡らせる。
仮に、彼らが人身売買組織と関わりがあるとしたら、この村の子どもがさらわれている可能性もある。
しかし、そういう話は今まで出てこない。
こうした小さな村で、子どもの行方不明というのはさまざまな波紋を投げかけ、あちこちに微妙な軋みを生むものだが、この村にそんな気配はなかった。
さりげなく、越してきた5世帯の位置を確かめ、オレは夜の更けるのを待った。

月のない晩だ。
昼間は汗ばむほどの気温だったが、夜の空気はしんと冷たい。
静かな庭に出て母屋を伺う。
農作業を主な生業としているためか朝の早い家は寝静まっていた。
裏の森に向かい、そのなかに分け入る。
伐採されたのか切り株だけが残っている空間を見つけ、印を結んだ。
家族以上に馴染んだ八忍犬の5頭に、5世帯の位置を伝え、様子を探るように言いつける。
夜の闇の中、了解の意を示し、ひそやかに鼻を馴らして散る。
「ぱっくん」
オレは忍服のホルダーから巻き物を取り出した。
「これを預ける」
ぱっくんは、無言で巻物の匂いを嗅いだ。
「もし、明日の朝までにオレが戻らなければ、これを雲隠れの里に届けてくれ。おまえたちは、ぱっくんの護衛だ」
「わかった」
オレはばっくんのマントの結び目を解き、巻物をくるむとたすきがけに背負わせた。
「頼んだよ」
「カカシ。気をつけることだ。この村は、どこかおかしい」
うん、とオレは頷いた。
こうやって夜の空気に触れて初めて覚えた違和感が、しきりにオレの直観に訴えている。
ここには、確かに何かある。
村長が知っているのか、あるいはまったく気づいていないのか、そこまではわからない。
だが、確実に何かがある。

「ときわの森……」
「ん、なんだ?」
「ああ、ぱっくん。この森の名前だよ。ときわの森と言うそうだ。どういう字を当てるのか、なにが由来なのか、まったくわからないらしい」
ちょうど村長の家の背後が北の中心にあたる。そこから西北にかけた区域は、昔から禁忌の地なのだそうだ。
だが、不思議なのは、北から南東にかけての森には、普通に立ち入ることができる。山菜やキノコ類なども豊富にとれ、村にとっては食料庫でもあるらしい。
「いにしえより伝えられるなかで、由来はわからなくなってしまいましたが、なにか意味があってのことでしょう。幸い、そこに立ち入らなくては村の存続が危いという事態にはなっていませんので、こうした言い伝えは守るに越したことがない、と考えています」
村長はそう言っていた。
しかし、その北から西北にかけた森のそばに、5軒はあった。
もっとも、山の恵みを収穫するには便が悪いので空き家が多く、そこに新参者が集まっただけなのかもしれない。
だが、禁忌の森と、新参の5軒。オレには妙な取り合わせだとしか思えなかった。