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 お婿にいった四+カカのお話
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  カカシとテン子のど〜でもいいヒトコマ


  a sirial -暗部なテンカカ話-

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  ぱすてぃす〜後朝 -18禁-

  猩々   おまけ -18禁-
  モジモジしている二人の一歩
  マラスキーノ 後日談
 ホワイトデー話

  らすてぃ・ねーる-12話
 ※4 に、テンカカ以外の絡みあり
  任務に出た二人
  カカシの過去を垣間見る

  恋女   後顧   おまけ
  ストーカー被害に合うテンゾウと
  嫉妬な先輩


  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
  長期任務の小隊長を命じられるテン
  百年の孤独-6話
  初めての遠距離恋愛なテンカカ
  たーにんぐ・ぽいんと-8話
    テンゾウの帰還

   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
 テンゾウは……

 【1部】 だーてぃ・まざー-4話
 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
 くるみ


  a`la carte
  -暗部なテンカカとヤマカカの間話-

  春霞-4話
  暗部を離れたカカシとテンゾウ
  ちぇい・べっく
 -可愛いお嬢さん-
4話
  ※2,3に、ごく軽くテンゾウ女体変化あり
  久しぶりのカカシとの任務
  聖牛の酒-3話
  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
 イルカ先生の存在が気になるテンゾウ

  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
  惚れ直すテンゾウ
 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
 du chef
-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年10月03日(水)
 聖牛の酒 1

 *カカシ波の国より帰還直後のお話です

「あ、お帰りテンゾウ」
開け放した窓から、暗部面が覗く。
「カカシさんも、ご無事で」
――ああ、口調にトゲがあるよ。
そう思いながら、「ま、ね」と軽く答えた途端、テンゾウの姿が消えた。
玄関に回ったのだ。屋根伝いに移動できるからと、暗部服のまま動き回ったりしているくせに、妙なところで律儀なヤツ……。
ドアを開けると「お邪魔します」と入ってくる。
オレのことをチラとも見ずに、面を外しプロテクターや鉤爪を外していく。
――やっぱり。怒ってるよ。
オレはそっとため息をついた。

暗部を離れてからも、毎度、下忍候補をアカデミーに送り返してきたオレが、とうとう今年、年貢を納めた――と、数ヶ月前、周囲が騒いだ。

今年、オレ個人にとっても里にとっても、因縁の深いうずまきナルトとうちはサスケが揃って卒業した。
そしてオレは彼ら二人を含むスリーマンセルの試験官をおおせつかった。
もちろん、試験に私情を挟むつもりはなかった。見込みがなければ、いつもどおり送り返してやるだけだ。
そう三代目にも宣言していた。
その試験に彼らは合格し、結果としてオレは上忍師となった。
それだけのこと、だ。それだけのことが、どうして大騒ぎになるのだろうとも思う。
ただオレ自身が少なからず驚いていたから、周囲の喧騒も仕方ないのかもしれない。

そしてめでたく(かどうかはわからないが)、上忍師としてのオレの日常が始まった。
まだ半人前のひよっこ相手に戸惑うことも多かった。
しかし、オレも遠い昔ひよっこだった時代があったのだ。確かに技術的には、さくらやナルトはもちろん、才能のあるサスケよりも、オレのほうがずっと忍らしいガキだったとは思う。
ただ、忍としての優劣は技だけによって決まるわけではない。
オレが受け持つ7班は、よく言えば個性的で破天荒、まあ、およそ忍らしからぬ3人だったが、別の見方をすれば、オレよりもずっと優れた潜在能力を備えているとも言えた。
正直、わくわくした。
オレの言葉、行動にまっすぐに反応を返す素直さ、互いに反発しながらも歩みよることも知っている柔軟さ、そして何よりも、きらきらと光に満ちたその瞳。
こいつらが経験を積み、技を極め、どんどん強くなっていったら……。
地平線の彼方をまっすぐ見ているような、そんな清清しさと高揚感を覚えた。そして、彼らとともに過ごす一日が煌いていればいるほど、オレを置いて逝ったひとたちのことが思い出された。

そんな7班の“らしさ”が、良くも悪くも表に出て、まあ、とんでもない事態に遭遇してしまったのだ。
任務内容に関わる依頼人の嘘、そして、受けて立ったひよっこどもの心意気。
半人前のくせに、いっちょまえの漢気(さくらの場合は、女気と書いて、オトコギとルビを振るか?)を見せる彼らに、「はーい、規則ですから、里に戻りましょうね、依頼人も依頼のやり直しねー」とは言えなかった。
そんなことを言ったら、上忍師の名がすたるってもんじゃないか、と思ってしまったのは、オレも少なからず、ひよっこどもに影響されていたのかもしれない。
あげく、ナルトの九尾の力は溢れそうになるわ、サスケは死にかけるわ。
想定内ではあったが、最悪といえる事態に遭遇した。
そして、改めて実感した。
――こいつらは、優秀なようでも下忍なんだ。
つまりそれは、戦闘の場で己を保つことが難しい、ということだ。
冷静であれ、とか、熱くなるな、とか、そういうことではない。暗部のベテランだって熱くもなれば、キレもする。
ただ、彼らはそういう状態でも周囲が見えているし、自分が見えている。
捨て身になるときには、捨て身になるだけの計算やヨミが働いた上でのことだ。
だが、彼らはそうではない。
その一瞬の感情のままに、動く。一番冷静に見えたサスケでさえ、そうだった。
オレは、わかっていたはずだ。オビトを失ったとき、それを思い知ったはずだった。
なのに長い暗部生活と、その後の、単独か同じぐらいの力量の持ち主と組んでのツーマンセル任務がほとんどという生活のなかで失念していた――忍にもまた感情があり、時に感情は何よりも激しくひとを突き動かすのだ、という、当たり前のことを。

それでも、すべては想定内でおさまり、今回の任務を通して彼らが通常ではありえないほどの成長を遂げたことも感じていた。
ランクの低い任務をコツコツとやり遂げることも、もちろん鍛錬になる。
けれど、己の才を持て余しているような(ナルトの場合は才というよりは溢れんばかりのエネルギーだろうが)若造には、ギリギリの試練を与えたほうがいい、というのは、オレの持論だ。
ただ、そうは思っても、なかなかその機会を与えられないのが、昨今の下忍任務だ。
おまえら、あとちょっと早く生まれてきたら、否応なく前線で生きるの死ぬのとやれたのにねぇと、思ったものだ。
良いか悪いかは別として、それぐらいでないと我が身の才と力を持て余す者もいるのだ。
あの……イタチがそうだったように。
だから、今回のことはいい経験になった、とオレは思っている。思っているが……。
「カカシさん」
かつてその成長する姿が、日々、わくわく感を与えてくれていた有能な後輩は、腕組みしたまま憮然としていた。
「上忍師になったら、無茶はしない、と言いましたね」
ずい、と一歩を踏み出され、オレは思わずのけぞりそうになる。
「まだ、一人前の忍ともいえない子どもを預かるのだから、と」
「んー、そうね」
「援護する者もいないのだから、と」
返す言葉もなく、オレは肩をすくめた。
「無茶は、しなかったですか?」
うわあ、怒ってるよ、怒ってる。
「無茶……少しだけ、したかなぁ」
腕組みをしたまま、テンゾウが「はぁ」とため息をついた。
「チャクラ切れで、寝込んだそうですね」
「……つい」
「自分のチャクラの残量への配慮も欠くほどの事態だった、と?」
答えようがなくて、オレは黙った。
正直、敵と依頼主と下忍で、手一杯だった。自分のことは二の次だった。それは認めよう。
敵がビンゴブッククラスの抜け忍だったことは、さほどのことではない。
むしろ、意外性ナンバーワンのドタバタ忍者に、優秀ではあっても協調性に欠けた唯我独尊忍者に、知識ばかりが先行して実力の伴わないくの一――己の部下こそが、あるときは獅子身中の虫のごとき存在となり、しかし、別の局面では、行き詰まりを打開するきっかけとなった。
裏の裏を読めとはいうものの、読む前に崩されるがごとき混乱に振り回されたのはオレ――。
上忍師を務めることが、己の鍛錬につながる意味を、思い知った。

内心忸怩たる思いがあるのだ、あまり責めないでほしいと思っていると、テンゾウの呆れたような声が聞こえた。
「いくらあなたがついていても、チャクラ切れを起こしたんじゃ、下忍を守れないじゃないですか」
あ、怒るところ、そこ? とオレはテンゾウを見た。
「最低限、戦闘の意味を知っていて、覚悟もできている暗部の新米とは違うんですよ。わかってますか?」
テンゾウは、ほっと息をついて腕組みを解いた。
「まあ、いくら言っても、カカシさんはそうなんでしょうけれど」
そして、オレを見て笑った。
「とりあえず、ご無事で何より、です。改めて、お帰りなさい、“カカシ先生”」
うわあ、とオレは頭を抱えた。
「やめろ、それ。おまえに先生と呼ばれると、びみょ〜」
テンゾウは、はは、と笑った。
「うちは……サスケは、どんなです?」
こいつとの付き合いも長い。
そういえば酒を飲みながらだったか、イタチの弟がアカデミーにあがるなんて話をしたっけ。ナルトのことも話題になった。
そうか、あれは付き合い始めた最初のころだ。
そして、その少し後、テンゾウも一緒の任務から帰還する途中に、うちは一族の惨事を聞いた。
オレも若かったねぇ、と思わず赤面しそうだ。
そう、あのころ――オレは、テンゾウに夢中だった。
そう認めることが、まるで自分の負けを認めるようで、とても嫌だったのだが。
でも、夢中だった。
思い出してしまった。自分では一人前のつもりなのに、まだ、青くて一途だったオレを。

暗部を離れてから、テンゾウとはやはりというか、必然的にというか、多少、疎遠になった。
それまでは、当たり前のように互いの動向をつかめていたのが、そうはいかなくなる。
テンゾウにとっては、潮時なのかも、と思ったこともあった。
でも、結局、切れずに繋がっている。
切れそうな糸を繋いだのはオレだったり、テンゾウだったり。
結局、そういうことだ。オレもテンゾウも、これっぽっちも切れるつもりはなかったのだ。
こんな自分のこともいつか、「あのころは、若かったねぇ」などと思い出したりするのだろうか。
そう考えると、おかしい。
「明日の任務は?」
やっと声を和らげたテンゾウが、椅子に座る。
「ん〜、たぶん、子守か、失せ物探しか、倉庫整理か」
オレも向かい合って座る。
「平和ですね」
「そうだね」
オレもテンゾウも、下忍時代を過ごした時期が悪かった。忍界大戦の真っ只中と、九尾襲撃直後の人手のない時代。いずれ、下忍でも資質が認められれば前線に投入される、そんな時代だった。
「ボクは、明日待機なんで」
そう言って、テンゾウが腕を伸ばす。
「久しぶりに、どうです?」
反射的にテンゾウの手を掴んでしまった。