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 お婿にいった四+カカのお話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

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  春霞-4話
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4話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年09月04日(火)
たーにんぐ・ぽいんと 6)


「ほんに、もう、こういうところは、子どものころからかわらなくて」
朱緋さんの言葉に、ボクはどう答えていいかわからず「はぁ」とだけ返す。
「わちきは、カカシさんのお師匠さんに、情けを頂いていたのです」
ボクは朱緋さんを見た。
「村がひどい飢饉で……いろいろあって路頭に迷っているところを拾われました。ここで身過ぎの立つように、と望んだのはわちきなんです」
「え? じゃ、先輩は?」
「この方には……初めて会ったき、村で餓死した一番下の弟みたいな……そんな痛々しさを感じました。わちきは歳もずっと上ですし、あとわずかで年季も明けまする。そうしたら里の片隅で甘味処でも開かせていただこうかと考えております」
先輩より、ずっと上? とボクは朱緋さんを見た。いまはなき四代目と関わりがあったのなら、そう若いはずもないのだろうが。どう見ても、ボクらより上には見えない。
女は化け物だ、と密かにボクは確信した。

「よその店でのことは、存じませぬ。でも、桜花楼では、一度も太夫に床の相手はさせませなんだ。むしろ、夫のほうが望んで座に着くほどで……」
じゃ、先輩はここで何をしていたというのだろう。
遊郭に居続けていると噂がたつほど、ずっとここにいて……。
「寂しいお方です。父ごもお師匠さんも班のお仲間も、慕い心をゆるした方たちはみな亡くなって、名声ばかりがあがっていくと、醒めた顔でおっしゃっておいででした」
そんな。そんなことって……。
「でも。ここ1年ほどは、ずいぶんと明るくおなりでした。無為にここへ足を運ぶ回数も、ずいぶんと減っておりました」
朱緋さんは、先輩の髪に触れた。
細い指先に爪紅を施した手は、無骨なボクの手とは違っている。でも、その触れ方は、同じだった。
ああ、このひとも、同じ思いを指先にこめて、そっと触れるのだ。
「お仕事では違ってもいましょうが、生来が不器用な方」
そうだ、先輩はあっちもこっちもと気楽につまみ食いなどできるタイプではない。
飄々とした見かけとおちゃらけた言動に惑わされて、みな先輩を、気の向くままに女から女へとふらふらしていると誤解するけれど、決してそんなひとではない。
「お師匠さんは捌けたところのある粋なお方でしたが、こちらはお子様でしたから、むしろ無粋が当たり前。多少はお変わりになられましたが、生来はそうそう変えられるものでもありませぬ」
それはボクが一番よくわかっていることじゃないか。
ボクと付き合い始めて、ボクはまだ先輩と付き合っているということがよくわかっていなかったころから、先輩はずっとボクを、ボクだけを想ってくれた。
ボクのとんちんかんな思い込みでプレゼントしたホワイトデーのリキュールも、その意味に気がついた途端、ボクのところにすっ飛んできた。
誇張でもなんでもなく、ほんとうにつむじ風にしか見えないほどの早駆けだったらしい。
おかげで、あんなふうに街中を疾走するのなら、ひと目につかないように屋根を移動する規則違反は大目に見よう、という暗黙の了解が成立したほどだ。
それぐらい先輩はいつも一生懸命、ボクを想っていてくれたのに……噂になど惑わされて。
「ボクは……バカだ」
「ほんに」と答えた朱緋さんの笑顔は、ボクを奈落に突き落としてくれた。
さすが先輩の古馴染み。根性も先輩並みだと、ボクはガックリしおれたのだった。

*       *       *       *       *

「どうしたの、テンゾウ。気持ち悪い顔して」
翌朝、目立たないよう別々に桜花楼から里に戻り、三代目への報告をすませた先輩が、窓からボクの部屋に来たのは昼ごろ。
開口いちばんがコレだ。
「いいえ。ボクとしては最大限の歓迎を表現したつもりなんですが」
「慣れないことは、やめよ〜よ」
窓枠に張り付いたまま器用にサンダルを脱ぎ、ヒラリと室内に飛び降りる。
「先輩、腹は」
「減ってないよ〜」
ひらひらと手を振りながら、サンダルを玄関に持っていく。だったら最初からちゃんと正規の入り口から来ればいいものを。
「あー、やっと終わった」
ごろんとソファに転がる。
「ながかったー」
「……大丈夫でしょうか?」
「大丈夫でしょ? オレが居続けなければ刺客も来ない、オレがついているとわかれば小菊ちゃん……じゃなかったか、菊香姐さんをはした金で襲う物好きもいない。ま、しばらくは警備を厳しくしてもらうけれどね」
オレはお役ご免〜、と変な節回しで謡うように先輩が呟く。
相当、神経を使ったのだと、ボクは改めて知る。
桜花楼のだれも、大きな怪我もなく命を落とすことなく、終わってよかった。
ボクはだれよりも先輩のために、そう思った。

「ところで先輩」
ソファになついている先輩に覆いかぶさる。
「ボクの報酬は、先輩から取り立てていいんでしょうか?」
先輩が、目を真ん丸くしてボクを見た。
「なに? オレに支払わせるつもり? そりゃ、取りはぐれたお前の任務代ぐらい、払えるけど……」
唇を尖らせる。ああ、くそ、やっぱり、可愛いじゃないか。
「テンゾウって、そんなに守銭奴だった?」
「いえ、ボランティアのつもりでいましたよ、もちろん」
「いました? じゃ、気が変わったの?」
ボクはそれには答えずに、まだ少し尖ったままの先輩の唇を啄ばんだ。
「はい、気が変わりました」
答えて、今度は深く口付ける。
ん、と甘い息を吐いた先輩の腕がボクの背に回った。
途端に、下腹が疼き始める。
欲情する先輩に触発されて、ボクのオスが目覚める。
「そーゆーこと?」
「はい、そーゆーこと、です」
背に回った先輩の腕がボクを抱き寄せる。
そして、先輩から深く口付けられる。
「取引、成立ですね」
間近で目を覗き込む。欲に濡れ、焦点のずれた目許に、ボクは煽られる。
テンゾウ、と囁くような声がボクを呼んだ。
「何も説明しないで……ごめんね」
いいえ、ボクは首を振る。
いいんです。

もし事前に説明されていたら、こんな形ではなく、もっと違ったやり方がないかと、先輩に詰め寄っていただろう。
何が正解かは、わからない。別の図面も引けたかもしれないが、一昨日の昨日という短時間では図面の書き換えそのものが難しい。
桜花楼は長い緊張を強いられて、だれもが疲弊していたはずだ。
なるべく早く、一日も早く。それが最優先事項だった。
そして、チャンスは一度。たった一度で、確実に、刺客をしとめなければならなかった。
里に戻ったタイミングでボクを巻き込む、というのは、不確定要素が多くて危険ではあるが、その分、確実でもあったのだ。
不確定要素の多くは、一般的な判断に基づいて導き出された結果だ。ことが、先輩とボクの間に関わるのであれば、不確定要素の大半は、予測可能な確定要素となる。
でもそれを確信できるのは、先輩しかいない。だからこそ、敵には効果的なのだ。
「たまたま」ボクが居合わせたことは抜け落ち、刺客が写輪眼のカカシに返り討ちにされた事実だけが残る。
あの刺客が、ただの賞金稼ぎだったのか、背後に何かあったのかまでは、ボクはわからない。
しかし、彼は捉えられ、尋問部隊に引き渡された。となれば……。

「先輩、長の任務、おつかれさまでした」
途端、ふにゃ、と先輩の顔が歪んだ。