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 お婿にいった四+カカのお話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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2007年09月03日(月)
た〜にんぐ・ぽいんと 5)


「だいじょーぶ?」
「ええ、はい。ちょっと対応が遅れまして、軽くやけどしただけなので」
座敷を変えた桜花楼の一室で、先輩はボクの左手の掌に包帯を巻いてくれている。
「それにしても」とボクは先ほどまでいた部屋のほうを振り返った。
「相手をはめるならはめるで、事前にそうと言ってくださいよ」
ごめ〜んね、と言いながら、先輩はヘラヘラしている。
「向こうが、ウナギ屋に潜んでいるという情報は掴んだんだけど、どう動くかは読めなかったし」
「それにしても……」
「だから、ごめん、って言ってるでしょ。好んで火薬を使うのはわかっていたから、オレとシンさんの二人じゃ心もとなかったんだよ」
「だったら、それなりに警備を増員すれば」
先輩は、口を尖らせて「そうできない事情があったから、テンゾウに賭けたんだよ」と、まるで文句でも言っているかのように訴えた。
「申し訳ございません」
軽いかすり傷を負って席を退いた菊香さんの替わりに、と、あでやかな太夫が禿を従えて、座敷に入ってきた。
「ぬしさんの、その言いようでは、伝わりませぬよ」
ニッコリ微笑んで先輩の口を封じ、おそらくこの遊里でも最上級に位置するだろう太夫が、ボクを見た。
やや釣り目気味の目元の艶といい、上品な口元ににじむわずかの色気といい、思わずみとれてしまいそうだ。
「朱緋と申します」
綺麗な所作で頭をさげ、朱緋さんは再び、どことなく拗ねたふうであさってのほうを眺めている先輩を見た。それから、ひたとボクに視線を合わせる。
「説明させていただきましょう」

朱緋さんの話では、先ほどの菊香さんの水揚げに関して、旦那となるひととその親戚の間に軋轢が生じ、一事は菊香さんが命を狙われる事態にまでなったのが、二ヶ月ほど前のこと、つまり、ボクが長期任務に出立したころのことだ。
その時点で、先輩に警備を頼み、なんとか無事、水揚げはすんだものの、今度は、写輪眼のカカシが居続けている店だという情報がどこぞの抜け忍に伝わり、一時は治まっていたはずの刺客が、また暗躍し始めた。
結局、こういうことはイタチごっこなのだ。ならば、暗殺を目論んでも無駄だということを相手に悟らせるためにも、迎え打ちしたほうがいいのではないか、ということになった。
先輩は反対したそうだ。
どういう状況になるかわからない以上、だれかが怪我をしたり、最悪、命を落とす可能性もある。
だから、それは得策ではない、と。
そこで強硬に主張したのが、菊香さんだったそうだ。
「木の葉の里の写輪眼のカカシがついている、とわかったから、あたしを狙った刺客も矛を収めたんです。親戚は、いまでも隙あらばと思っているようですが、依頼の受け手がいないのが現状なんです」
つまり、先輩の威光が通用しないとなると、菊香さんはまた狙われることになる。
「どうせ、狙われる命です。もし失敗して命を落としたとしても、それはそうなるべくしてのこと。あたしが囮役になりましょう」
菊香さんにそう言われては、先輩も反対はできなかったそうだ。
それでも、相手の情報は極力、収集する、それも忍の情報網ではなく、遊里の情報網を使って。
そのうえで作戦を立てる、ただし、応援は期待できない。
もともと四代目火影の人脈に基づいた、極秘裏の依頼、増員は難しかった。
そこで先輩が一計を案じた。
曰く「後輩でね〜、優秀なのがいるの。あいつがいれば、切り抜けられる」
ただ、ボクが長期の任務についていたので帰還を待って、なんとか遊里に自然に足を運ばせ(つまり応援の人員だと敵にさとられないように)、否応なく巻き込んでしまおう、という図面を引いたのは、間違いなく先輩だった。

「本来ならば、ちゃんと依頼をし、それなりの報酬もお支払いすべきところを、かような形でうやむやするのは、ほんに心苦しいのです」
そう言って、朱緋さんはまだあさってのほうを向いている先輩を見た。
「ですから、これはほんのお礼の印」
そう言って、膳の上の杯を手にするよう促す。仕方なくボクも応じた。さらりと薫り高い極上の酒が喉を通り過ぎていく。
「あなたさまが、この」
と、朱緋さんは、相変らずあさってのほうを向いている先輩に視線を送り、ボクを見た。
「カカシさんの思い人でなかったなら」
二杯目の酒を、ボクはもったいなくも吹き出してしまった。禿が濡れた膳や畳を拭く。
そんなボクの様子を朱緋さんは苦笑しつつ、眺めている。
「いくらでもおもてなしの仕様があるのですが……」
「テンゾウに手を出しちゃダメって言ったでしょ」
先輩がくるりと振り返って朱緋さんを睨む。
「こういった次第で」と、朱緋さんはクスクスと笑っている。
「えっと」ボクは朱緋さんと先輩を交互に見て言った。
「ボクは無粋ですから。先輩が心配するようなことはありません。それより、ほんとに腹減ってるんですが」

別のウナギ屋――どういうわけか、またウナギだった――から出前が届いたのはそれから間もなく。
重箱の蓋からはみ出すほどのそれを、ボクはありがたく頂戴した。
禿たちには、ひつまぶしが振舞われ、先輩は酢の物に仕立てた白焼きを突付きながら酒を飲む。
「報告……は、いいんですか?」
「シンさんが行ってくれたから、いい」
いくら忍とはいえ、依頼した側の人間が報告? どうせ先輩がぐずったのだろう、とボクは心の中でシンさんに手を合わせた。
しかし……今夜はどうするのだろう?
ここに泊まることになるのだろうか、とボクはぼぉ〜っと、朱緋さんの三味線に合わせた唄を聞いているらしい先輩の様子を窺う。
居続けが任務がらみだということはわかったのだが。
噂では、ごく最近のような話だったが、それは敵をおびき寄せるため、わざと噂が流れるように仕組んだからだ。
実際にはこの二ヶ月ほどの間、ずっと……ここにいたことになる。
さきほどの菊香さんは、最近水揚げがすんだばかりで後ろ盾となっている旦那もいることだから、先輩の床の相手をすることもないのかもしれない。
でも、この朱緋さんは先輩とは古い馴染みのようだし……と考えて、いきなり跳ね上がる心拍にあわてた。
気づいてしまった。
今回がどう、ということではなく、過去、先輩はきっとなんどもこの美しいひとを……。
うわ、どうしよう。
床のなかでくねる先輩の身体や、のけぞる喉元、ボクに絡みつく腕や足の感触が思い出された。
ボクのなかでは、その相手は先輩だけど、先輩のなかではそうやって身を預けてくるのは、たとえばこの朱緋さん……。
「テンゾウ?」
「は、は、はいぃ!!」
先輩が怪訝そうな顔でボクを見ている。
「どうしたの? 難しい顔していたかと思うと、急にそわそわして」
「あ、いえ、なんでも」
うわあ、びっくりした。
「今日は念のため、ここに泊まるんだから、少し落ち着きな、ね」
ああ、やっぱり泊まり、ですか。
ということは、今日は先輩とは添い寝もできないんですね。
「何? そのパックンみたいな、タレ目。あれは、パックンだから可愛いんであって、テンゾウじゃ可愛くないの」
え? タレ目になってましたか?
思わず頬骨をゴシゴシと擦るボクに、先輩は呆れ顔になった。
「だいたいさぁ、オレ、今日、腰いたいの」
ふん、と言うと膳を押しやって、横になる。
腰? あ? 夕べの?
え? そんなにハードなことしたっけ、と思わず記憶を遡る。
体位は普通だったよな。
ああ、でも。
反り返った背にくっきり浮かぶ肩甲骨、弾みながらのけぞらせた喉元に浮かぶくっきりした喉仏、しがみつくように背に回された腕……体位を変えて、3回……。
「テンゾウ!!」
まるで鞭がしなるような先輩の鋭い声に、思わず身体が竦んだ。
「なに、想像した?」
「あ、いえ」
「いえ、じゃない」
「その」
ギロリと睨まれ、ボクは借りてきた猫のように小さくなる。
「ほんっと、おまえときたら」
先輩はくるりとボクに背を向け、
「オレ、もう寝る」
と丸まった。
禿のひとりが枕を手に現れると、そっと先輩の頭の下に差し入れ、もうひとりが薄布のような上掛けをふわりとかぶせる。なんだか、慣れている。このひと、いつもこの調子だったのだろうか。

すぅすぅと聞こえ始めた寝息にため息をつくと、くすりと朱緋さんが笑った。